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●行政改革担当相兼COVID19ワクチン接種担当相の河野太郎氏に、大変に名誉なことに、いつの間にかツイッターをブロックされていた…

2021年02月08日 00時00分15秒 | Weblog

(2021年01月29日[金])
cakesのコラム【ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/河野太郎ワクチン担当大臣の著作を読む】(https://cakes.mu/posts/33069)。

 《ヘビーなTwitterユーザーとして知られる行政改革担当大臣兼、新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣の河野太郎。そのTwitterの使い方について、武田砂鉄さんが考察します》。

 大変に名誉なことに、いつの間にか〝Twitterをブロック〟されていました。ブログ主は、決して、《いきなり誹謗中傷しているような人》ではないつもりなのですが…。気づいたのは、1年ほど前でしょうか。ご本人宛にツイートとした記憶がありませんが、オムライス(?)か何かのコスプレ写真をリツイートした際に、ご本人宛のものがあったのかもしれません。
 その河野太郎氏について思い出すのは、元・最低の官房長官による《メディアコントロール》の行きついた先です。

   『●壊れた国…金子勝さん《安倍サン、ひょっとして国会もない、
            選挙もない国につくり変えたいのですか》!?
    「リテラの記事【河野太郎外相の横暴「次の質問どうぞ」はマスコミの
     弱腰が生んだ! 菅官房長官の会見では回答拒否をアシスト】…
     《ついに安倍政権の「驕り」はここまできたか──。昨日、
     河野太郎外務相が定例会見において、記者から受けた日露関係の質問を
     すべて次の質問どうぞで押し通し、何ひとつ答えなかったのだ》」
    《しかし、河野外相が図に乗り、醜悪そのものの態度を晒せる状況
     生み出した責任は、マスコミにもあるマスコミはこれまで、
     安倍政権下で繰り広げられるこうした国民の知る権利をないがしろに
     した会見放置するどころか、アシストしてきたその典型例
     菅義偉官房長官の定例記者会見だ。菅官房長官は日々
     「その指摘はあたらない」などとはぐらかして質問には答えず、
     ときには「ここは質問に答える場所ではない」と言い放ってきた。
     だが、この菅官房長官に対し、食い下がって質問を重ねる記者は
     東京新聞の望月衣塑子記者しかいない。そして、菅官房長官の怠慢を、
     新聞もテレビも直接批判しようとはしてこなかった。それどころか、
     質問をぶつけつづける望月記者に対し、官邸側進行役の広報官が制限を
     かけるだけではなく、記者クラブ幹事社の記者が以上で終わります
     官邸の意を汲んで打ち切りの号令をかけるような状態だ

 《核なき世界》あるいは脱核発電派ではなかったものの、かつては「反核燃料サイクル派」だった氏が、アベ様やカースーオジサンに〝積極的に〟取り入り、異常に変質していきました。一人として、まともな閣僚や議員が居ないのが自民党。公明もお維も同様。

   『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と…
                     ドブガネという巨額の「エサ代」は続く
    「《経営に原子力以外の分野の有識者を加える》ということなので、
     大島堅一さんや金子勝さんを加えては如何ですか? それに、
     そんな硬いことを言わずに小出裕章さんや後藤政志さんを入れて
     下さいナ。
       ついでなんで、「反核燃料サイクル派」(転向、寝返り、
     取り込まれ済み)河野太郎行革担当大臣も入れては?」

   『●最低の外相…「この変節ぶりはヒドすぎる。
      かつて“忖度しない男”と呼ばれた姿はもはや、どこにも…」
    「史上最低の外相。《この変節ぶりはヒドすぎる
     《もはや人として問題》。ここまでダメダメなヒトだとは思いも
     しなかった。「反核燃料サイクル派」さへもかなぐり捨てていたか
     と思えば、ダークサイドに完璧に堕ちている。「核なき世界」は
     何処へやら? 「核兵器なき世界」さへも達成する意思が無い
     落ちぶれブリ…世界の憐みの瞳が見えるようだ」

   『●嫌がらせに負けない高校生平和大使の皆さん、
      「被爆地の思いを伝える手段は他にもある。努力を続けたい」
    「「唯一の被ばく国」と言う割に、《核兵器廃絶》に向けての努力をしない
     アベ様や外相、外務省…。《核なき世界》を目指さないニッポン…情けない」
    「最後に、『報道特集』(2017年12月2日)《核廃絶 問われる
     日本の姿勢》にて。河野洋平河野太郎親子の天地の違い…。
     息子は、大惨事アベ様内閣
     入閣して以降、壊れゆく一方だ。「反核燃料サイクル派」さへかなぐり
     捨てていたかと思えば、外部大臣として自身の「ブログを読め」との
     御宣託だが、核武装」支持派に回るとはね。あまりの情けなさ、
     壊れっぷりに呆れ果てた」…その河野太郎外相は、今度は、何十億もする、
     そして膨大な管理・維持費が必要な外相用「専用機」が欲しいそうだ」

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https://cakes.mu/posts/33069

ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜
武田砂鉄
河野太郎ワクチン担当大臣の著作を読む
今だけ無料 2021年1月27日

 ヘビーなTwitterユーザーとして知られる行政改革担当大臣兼、新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣の河野太郎。そのTwitterの使い方について、武田砂鉄さんが考察します。


なぜTwitterをブロックするのか

 ステイホームしてください、はい、了解しました。ということで、河野太郎ワクチン担当大臣の著作をたくさん読んでみることにした。河野大臣といえば、自分に向かってくるネガティブなツイートをしたアカウントを、手当たり次第ブロックすることで知られている。『報道1930』(18日・BS-TBS)に出演した河野大臣は、キャスターから、なぜブロックするのか、と問われ、「道を歩いていて、見ず知らずの人に向かって、いきなり罵声を浴びせたり、そんなことをしませんよね。Twitterも同じことだと思う。いきなり誹謗中傷しているような人とTwitterで会話をする必要はない」と答えた。


三原じゅん子と河野太郎

 うわ、いくつも間違っているな、と思う。批判と誹謗中傷は違う。政治家は、時として、自分に向かう厳しい声を「誹謗中傷」の枠組みに入れたがる。昨年、リアリティ番組の出演者が命を絶ったことを受け、自民党が、SNSの誹謗中傷への対策を検討するプロジェクトチームを立ち上げ、座長に三原じゅん子議員が就任した。三原が「インターネット上の匿名での誹謗中傷の人権侵害に対して、政治家として動き出します」とツイートすると、匿名のアカウントから「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」の「昭和天皇への侮辱な画像」にも対応してくださいとのツイートが寄せられた。

 三原はそのツイートに本当ですねと返したのだ。そもそも、当該作品は「侮辱な画像」と決めつけられるものではないが、三原は、もう早速、あれこれを適当に混ぜていた。河野の誹謗中傷という括りもまた、同じである。加えて、「見ず知らずの人」と「現職大臣」が、同じ扱いであるはずがない厳しい声を誹謗中傷の袋にブチ込むのは、自分の責務を負わないと宣言しているようなものだ


政治家がもっともやってはいけない手口

 
牧野洋との共著『共謀者たち 政治家と新聞記者を繋ぐ暗黒回廊』で、河野は、自分はかなり早い段階でホームページを立ち上げ(1996年)、その頃は「そんなものを見る人はいないだろう」と支援者から笑われることもあったが、今ではこの通りだ、と誇らしげに語る。その上で「新聞・テレビは、自分たちの都合のいいようにコメントを切り貼りしてしまいます」「自分の声を直接国民に届けられることに、感動すら覚えました」と書いているのだが、Twitterをブロックすると、国民はその声を直接受け取れなくなる。今回、自身のTwitterを、ワクチンについての情報を伝達するためにも使っており、自身の職務のための公的なツールとして活用しているのに、自分の判断で国民への情報を遮るというのは、相当に乱暴である。

 厚生労働省が作成した資料を元にNHKがワクチン接種のスケジュールを報じると、河野は、Twitterに、「うあー、NHK、勝手にワクチン接種のスケジュールを作らないでくれ。デタラメだぞ」と書き込んだ。公表されている資料を元にしており、デタラメではない。昨年、イージス・アショアの配備計画が断念された時にもTwitterで「フェイクニュース」と書き込んだことがあったが、「とにかく、自分の強気をそのままツイートで吐き出してみる」→「そこには貶すべき相手をしっかり明示する」→「すると、支持者が熱狂する」→「結果的に事実ではなくても、うやむやにしておけば何とかなる」という、政治家がもっともやってはいけない手口を続けている。その手口はとてもTwitter的だし、ドナルド・トランプ的である。


「敗者」と「弱者」は違うと言う

 『「超日本」宣言』には、こんなことが書いてある。「いつのまにか、日本人は、自分で考えて決めるよりも、自分たちにとって大切だと思われることであっても物事を『官』に決めてもらうことに慣れていったのです」。その箇所には「『お客さま』になり下がった人びと」との見出しがある。競争原理を持ち込み、規制緩和を推進する新自由主義的な考え方は、河野の著作の随所に顔を出すが、昨年9月の就任会見で菅首相が述べた「私が目指す社会像。それは自助、共助、公助、そして絆であります。まずは自分でやってみる」を当然思い出す。お客さまになり下がらないで、自分でできることは自分でやってくれよ、と考えている

 2010年刊の『私が自民党を立て直す』、そして、2012年刊の『「超日本」宣言』でも繰り返されているのが、「敗者」と「弱者」は違う、という考え方。東日本大震災をまたいでも同じことを述べているので、よほどこだわりの考え方なのだろう。『私が自民党を立て直す』に、このようにある。「資本主義であれば、当然ながら敗者は生まれる。しかし敗者はすなわち弱者ではなく、一度は勝負に負けても、再び勝負できるはずだ」。「弱者」とは、「例えば身体に障害や難病を抱えている人など、同じスタートラインに立てず、公平な勝負ができない人」を指す。今は、河野が言う「敗者」が拡大しており、決して「再び勝負できる」状態とは限らないまずは自分でやってみる社会はそういう存在を放置する。ましてや、その河野が何を考えているのか、意見にアクセスする権限まで河野自身が奪ってくるのである。


「自助」と合致している

 ワクチン供給について、河野は、「『プロジェクトX』みたいな、結構大きな仕事になるんだろうなと」と述べた。自分がもし『セブンルール』に出演したら、「RULE1 自分の仕事を『プロジェクトX』にたとえる人を警戒する」を入れようと思っているが、この番組がNHKアーカイブスでどのように紹介されているかといえば「無名の日本人を主人公に、新製品の研究開発、社会的事件、巨大プロジェクトなどに焦点を当て、その成功の陰にあった知られざるドラマを伝える“組織と群像の物語”」である。有名な日本人に的確なワクチン配布を求めるのって、あの番組とは程遠い。

 私のような大臣も一個人ですので、Twitterをブロックすることもあるんです、と国民と同化する。そのくせ、国民に対しては、何でもかんでも国に頼らないでください、と告げる。河野大臣の、あっけらかんとした、或いはぶっきらぼうな表面上の態度に対して賛否が向かっているが、その態度の奥にある長年蓄えてきた姿勢、「負けても勝負できるはず」「国に頼るな」というソレ菅首相の「自助」と合致していることを問題視すべきだと思う。

(イラスト:ハセガワシオリ)
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●《No1 募っているが募集しているという認識ではなかった … No39 私が言っている方がおかしいと思う方、手を挙げてください》

2020年12月31日 00時00分57秒 | Weblog

[※ 青木理さん「刑事責任と政治責任」 #秘書が勝手にやるわけないやん ↑(サンデーモーニング 2020年12月6日)]


(2020年12月13日[日])
HARBOR BUSINESS Onlineの記事【世界よこれが日本の国会議員だ。2020年国会名言迷言珍言大賞ノミネート発言に戦慄/平河エリ@読む国会】(https://hbol.jp/234073?cx_clicks_art_mdl=3_title)。

 《No1 募っているが募集しているという認識ではなかった … No39 私が言っている方がおかしいと思う方、手を挙げてください》。

 #国会流行語大賞2020について、宮本徹さんのつぶやきで知りました。エントリー番号No.1とNo.39の最初と最後の迷言珍言は、7年8カ月に渡って息吐く様にウソをつき続けてきたアベ様、そして、今年も素晴らしい活躍をされた国会議員のお一人である宮本さんに関連したもの。
 「No1 募っているが募集しているという認識ではなかった」が凄すぎるアベ様の名言ですね。《「募集という字は募ると書くんですよ」となぜか中学校卒業レベルの漢字の説明を始めてしまう宮本徹衆院議員の発言も味わい深いです》、同感。

   『●アベ様へ、宮本徹議員より《募るというのは募集するって
     いうのと同じ。募集の募は募るっていう字なんですよ》、トホホ…
   『●「募る」と「募集」…《〈不時着水したが墜落ではない〉といった
          ところか。国会の質疑は大喜利のお題提供の場ではない》
   『●適菜収さん《「募ると募集するは同じ」とツッコまれていたが、
          バカは国会から追放した方がいい》…まったく同感!!
   『●アベ様らが《霞が関官僚》を支配して堕落させ、《国会の質疑、
     ひいては、国権の最高機関たる国会の存在価値それ自体を貶め》た
   『●小田嶋隆さん《行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、
     安倍晋三氏とその追随者たちは…この8年の間に完膚なきまでに破壊》

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https://hbol.jp/234073?cx_clicks_art_mdl=3_title

世界よこれが日本の国会議員だ。2020年国会名言迷言珍言大賞ノミネート発言に戦慄
2020.12.11
平河エリ@読む国会

     (国会議事堂 K@zuTa / PIXTA(ピクスタ))


第1回、国会流行語大賞2020!

 一年中国会を見ている変態国会クラスタの皆様から多数のご推薦をいただきまして、候補作を揃えて投票中です(投票受付は明日12月12日土曜日締め切り)。

 すでに多数の投票を頂いていますが、今年の国会の一年を振り返る意味でもそれぞれの候補をご紹介し、それについての記事のリンクと、私なりの一言をつけておきました。

 今年一年、政治だけではないですが、いろいろなことが有りました。次々起こることも重要ですが、忘れないことも大事です。「あんなことがあったな」と思い出しながら、良ければぜひ投票に参加してみてください。

 特定の政治家や政党を批判する意図はないんですが、「結果的に」安倍総理の発言のインパクトが多すぎた一年でした(むしろ多すぎて減らしました)。

 あれが入ってないこれが入っていない、というご意見があればすみません(コメントにでも書いておいてください)


ノミネートされた発言はこの発言!

#国会流行語大賞2020
候補一覧

No1 募っているが募集しているという認識ではなかった
No2 意味のない質問だよ
No3 それを信じてもらえないということになれば、予算委員会が成立しない
No4 根拠がないことを仰るというのは、嘘をついているというのと同じこと
No5 真っ赤なうそだったではないか
No6 私が責任を取ればいいというものではありません
No7 福島委員は妄想をたくましくしておられて
No8 民主党は批判の対象にしかしなかったが、少し良いことがあった
No9 ずっとしているんですが全然息苦しくはございません
No10 全集中の呼吸で答弁
No11 総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断
No12 そして絆
No13 みんな絶句して黙る
No14 6月にはなんとなく収まるのかなと思わないでもない
No15 つまんないこと聞くね
No16 日本語、分かっていただけましたか
No17 帰れ帰れ
No18 首に掛ける扇風機で風を出し、換気を良くするようにしている
No19 うちは残念ながら動かすだけのキャパがない
No20 相当ほら吹いてきました
No21 市民が避難していない中で、最初に逃げたわけです
No22 反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えないという指摘を反省
No23 急に亡くなられ……辞められちゃったんで
No24 言える限界を言っている
No25 長すぎて理解できません
No26 後ろの方全部教えてあげてください
No27 不規則発言は気にしないでください
No28 女性はいくらでもうそをつける
No29 密、密、密よ
No30 祖父が山本で、父が鈴木で、孫が田中みたいなことになる
No31 しっぽを振るポチなのか
No32 鯛は頭から腐る
No33 いわゆる安倍方式
No34 ヤジで止めようとするのは当たり前
No35 委員長の御静粛にのせいで、私は閣僚の答弁が聞こえません
No36 新型コロナではないので、ご安心いただければ
No37 大変勇気づけられる答弁だ
No38 国会会議録というのは、国会と国民に示された条文解釈そのものです
No39 私が言っている方がおかしいと思う方、手を挙げてください

※投票の対象となる発言
・2020年12月1日時点で「現職」の国会議員、または大臣である人間が「発言」したもの
・ツイート、記事執筆等、文章のものは含まない
・本人が発言を認めた、複数のソースが発言を認めたなど、発言の確認が取れたものに限る

 それでは早速各発言の解説を進めていきましょう!


■安倍前総理の嘘が明らかになった今、より熟成された味わいに

◆No1 募っているが募集しているという認識ではなかった

幅広く募っているという認識でした。募集しているという認識ではなかった」(安倍晋三総理大臣)(参照:桜で首相「募集でなく“募っている”認識」|日テレNEWS24)

 説明不要、大賞の大本命。Twitterでも大変に盛り上がりました。

募集という字は募ると書くんですよ」となぜか中学校卒業レベルの漢字の説明を始めてしまう宮本徹衆院議員の発言も味わい深いです。


◆No2 意味のない質問だよ

「意味のない質問だよ」(安倍晋三前総理大臣)(参照:安倍首相「意味のない質問だよ」発言に至った経緯は… 辻元清美氏の質問詳報: J-CAST ニュース)

 辻元清美衆院議員が、桜を見る会について質問した後のヤジ。

 安倍総理が「鯛は頭から腐る」の格言を知らなかったのか、自席から「意味のない質問だよ」とヤジり、その後も「罵詈雑言を浴びせられた」とヒートアップ。

 教養って大事ですね。


◆No3 それを信じてもらえないということになれば、予算委員会が成立しない

「私が話しているのは真実。それを信じてもらえないということになれば、予算委員会が成立しない」(安倍晋三前総理大臣)(参照:首相の言い分 ANA側回答で総破綻/「桜」前夜祭 虚偽答弁濃厚に)

 桜を見る会に野党側にANAホテルの回答を書面で示すように言われ、この回答。

 総理大臣を信じなければ予算委員会は成立しないそうです。結局、嘘だったわけですが


◆No4 根拠がないことを仰るというのは、嘘をついているというのと同じこと

「根拠がないことを仰るというのは、嘘をついているというのと同じことですよ」(安倍晋三前総理大臣)(参照:謝罪求め異例の応酬 立憲・黒岩氏「うそつき不名誉」 首相「流言の流布だ」 詳報 – 毎日新聞)

 黒岩宇洋議員の質問に答えて。黒岩さんが「久兵衛の寿司が出たという話もある」と発言したことを受けてこの反応。

 誰が嘘つきなのか明らかになった今となっては、実に味わい深いご発言です。


◆No5 真っ赤なうそだったではないか

「すしの話の時も決めつけをしたが、真っ赤なうそだったではないか」(安倍晋三前総理大臣) (参照:「人間としてどうか」と面罵 安倍首相、野党議員に―衆院予算委:時事ドットコム)

 名言が多く、同じ黒岩宇洋議員からの質疑への応答から、2つもランクインしてしまいました。

人間としてどうなのか」という発言もあって入れるか迷ったのですが、3つも入ると流石に多すぎるかと思い泣く泣くカットしました。


■いつだって「哲学的な問い」を投げかける安倍前総理発言

◆No6 私が責任を取ればいいというものではありません

「例えば最悪の事態になった時、私が責任を取ればいいというものではありません」(安倍晋三前総理大臣)(参照:安倍首相「責任を取ればいいというものではない」発言に批判集まる | ハフポスト)

 会見で「失敗したらどう責任を取るのか」というイタリア人記者の問に答えたものです。

 行政府の長とは何なのか、という哲学的な問いを投げかけてくる名言。

 7年半政権が続いた理由がよくわかります。


◆No7 福島委員は妄想をたくましくしておられて

「福島委員は妄想をたくましくしておられて、独自の議論をされているようですが」(安倍晋三前総理大臣)(参照:2020年3月23日、予算委員会で森友問題、検事長定年延長問題、検察官定年延長改正法案について総理、法務大臣に質問 | 社民党 福島みずほ 参議院議員(比例区))

 福島みずほ議員の森友問題の改ざん事件でなぜ起訴されなかったのか、黒川さんが動いていたのではないか、という質問に対してなんと2回も「妄想をたくましく」と返答。

 福島さんは一回目はスルーしましたが、さすがの福島さんでも二回目は「妄想とは失礼ですよ」と気色ばみました。一回目で怒ってもいいですよ。


◆No8 民主党は批判の対象にしかしなかったが、少し良いことがあった

「もっぱら私は民主党は批判の対象にしかしなかったが、少し良いことがあった。例えば武器輸出三原則の緩和だ」(安倍晋三前総理大臣)(参照:「悪夢」のはずが「少し良いことあった」 安倍前首相、旧民主党政権を評価 – 毎日新聞)

 長島昭久衆院議員のパーティーでの発言。あの安倍総理が民主党を褒めるということでタイムラインが沸き立った名言です。

 考えてみれば、元民主党の人、自民党に結構いますもんね。総理、これを期に認識を改められては?


◆No9 ずっとしているんですが全然息苦しくはございません

「私はずっとしているんですが全然息苦しくはございません。意図的にそうやっておとしめるような発言はやめていただきたいと本当に思います」(安倍晋三前総理大臣)(参照:安倍首相が不快感「アベノマスク」装着の議員質問に – 社会 : 日刊スポーツ)

 大串博志議員が、最初アベノマスクをつけて答弁していたけど「息苦しい」ということで付け替えるとこのような反応。

 総理、いつの間にかつけなくなってしまいましたが、やっぱり息苦しかったんじゃないですか?


◆No10 全集中の呼吸で答弁

全集中の呼吸で答弁させていただく」(菅義偉総理大臣)(参照:首相「『全集中の呼吸』で答弁」に乱れも – 産経ニュース)

 安倍総理があまりに多すぎたのでようやく現職の菅総理です。

 事務方に求められたのか、気合を込めて言ったのに一瞬議場が静まり返ったのが印象的なこの一言。

 議会の若者の少なさを強く印象づけました。


■むしろ日本の与党政治家の「民度」こそ問われるレベル

◆No11 総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断

総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」(菅義偉総理大臣)(参照:「総合的、俯瞰的」って? 学術会議6人任命拒否で政府連発:中日新聞Web)

 学術会議問題を象徴するような一言。 色んな理由があるらしいが人事のことは言えないし加藤陽子さん以外は知らなかったそうです。こまけぇことはいいんだよ!


◆No12 そして絆

 
自助、共助、公助、そして絆(菅義偉総理大臣)(参照:自民党総裁選 所見演説会(全文2)菅氏「自助・共助・公助、そして絆」(THE PAGE) – Yahoo!ニュース

  突 然 の 絆……。


◆No13 みんな絶句して黙る

「『おたくとうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』って言ってやると、みんな絶句して黙る」(麻生太郎財務大臣)(参照:麻生氏の「民度違う」発言 度重なる失言「またか、で済ませてはダメ」:東京新聞 TOKYO Web)

 なぜコロナの死者が少ないか、という質問に答えて。

 たしかにこんな事言われたら、私も黙ります。(話したくない)


◆No14 6月にはなんとなく収まるのかなと思わないでもない

「スペインかぜも、7月になったら、だいたい止まっている。だから、この種の話は6月にはなんとなく収まるのかなと思わないでもない」(麻生太郎財務大臣)(参照:「スペインかぜも7月に止まっている 6月にはなんとなく収まるのかなと」麻生財務相 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン)

 財務金融委員会で。思わないでもない、なのでセーフ!


◆No15 つまんないこと聞くね

「つまんないこと聞くね」(麻生太郎財務大臣)(参照:麻生財務相、休校費用の質問に「つまんないこと聞くね」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル)

 会見にて「一斉休校の費用はどこが負担するのか」と聞いた記者に対して。

 どう考えても割と重要なことを聞いた記者をさらっとDisるあたり、上から目線が骨の髄まで染み付いてます


■どいつもこいつも現政権の閣僚は……

◆No16 日本語、分かっていただけましたか

「お分かりいただけましたか。日本語、分かっていただけましたか」(茂木敏充外務大臣)(参照:「日本語分かっていただけましたか」茂木外務大臣の振る舞いをどう見るか(望月優大) – 個人 – Yahoo!ニュース)

 会見にて、ジャパンタイムズの取材に答えて。

 日本語でむちゃくちゃ詳細に聞かれている(しかもものすごく流暢)のにはぐらかすの、「人間が小さく見える大賞」なら堂々グランプリですね。


◆No17 帰れ帰れ

「帰れ帰れ」(茂木敏充外務大臣)

 予算委員会で人事院の松尾局長に。普段、行政組織で部下にどういうふうに接しているのかわかる貴重なオフショットです。


◆No18 首に掛ける扇風機で風を出し、換気を良くするようにしている

「会食時、首に掛ける扇風機で風を出し、換気を良くするようにしている」(西村康稔経済再生担当大臣)(参照:「会食時は換気のいい状態を作る工夫をしている」西村大臣、娘からもらった首掛け扇風機を使い感染防止対策を呼びかけ(ABEMA TIMES) – Yahoo!ニュース )

 会見にて、換気の工夫を聞かれ。娘さんが買ってきた扇風機らしいのでちょっと気が引けますが、大臣、顔の周りの空気をかき回しても逆効果では……。


◆No19 うちは残念ながら動かすだけのキャパがない

「野党にどんどん女性を出して頂いて、効果があれば循環していくのだろう。うちは残念ながら動かすだけのキャパがない」(野田聖子自民党幹事長代行)(参照:「女性は野党に出して頂いて」 男女平等、遅れる政界:朝日新聞デジタル)

 女性議員を増やす方策についての発言。

 野田議員は「自民党に初の女性代議士を」をスローガンに、たった一人の自民党女性議員として当選された時期もあっただけに、党内への忸怩たる思いのある発言でしょう。


◆No20 相当ほら吹いてきました

「相当ほら吹いてきましたから。後の始末をよろしくお願いします」(北村誠吾前地方創生担当相)(参照:蓮舫氏、引き継ぎ式で「相当ほら吹いてきましたから」の“北村発言”に「え?」(デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース)

 昨年は「適材適所」という言葉の意味を疑いたくなるほどお粗末なご答弁をされていましたが、退任式でも「ほらふいてきた」と一言。

 最後まで「適材適所」な大臣でした。


■反省している色が見えないという指摘を反省!?

◆No21 市民が避難していない中で、最初に逃げたわけです

「東日本大震災の時、検察官は、福島県いわき市から国民が、市民が避難していない中で、最初に逃げたわけです」(森雅子前法務大臣)(参照:「震災で検察官が最初に逃げた」森法相答弁撤回 「事実」から「個人的見解」に変更 – 毎日新聞)

 今年前半、検察官定年延長問題で大炎上した大臣といえば森雅子さんですが、自身の発言も火だるまに。

 「最初に逃げた」発言で検察官出身の山尾志桜里衆院議員を激怒させ、しかも休憩中にマスコミの取材を受けるという前代未聞の珍事を起こし、紛糾しました。


◆No22 反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えないという指摘を反省

「反省しているんです。ただ、これは私の問題だと思うが、反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えない、というご指摘は、私自身の問題だと反省をしている」(小泉進次郎環境大臣)(参照:小泉氏「反省伝わらぬことを反省」 複雑釈明も謝罪拒否:朝日新聞デジタル)

 去年は小泉進次郎構文が話題になりましたが、今年もこの名言が。

 結局、何を反省してるんですか……?


◆No23 急に亡くなられ……辞められちゃったんで

「急に亡くなられ……辞められちゃったんで」(桜田義孝元オリンピック担当大臣)(参照:『ひるおび!』に桜田義孝議員が出演「急に(安倍晋三首相が)亡くなられ」発言に反響|ニフティニュース

 ワイドショーで総裁選について聞かれてつい一言。

 見たことがないほどあたふたされていて、言い間違いとは怖いものだと思いました。


◆No24 言える限界を言っている

「答えていると思うよ。言える限界を言っている」(金田勝年衆議院予算委員長)

 野党側の質問に「人事のことなので答えられない」と拒否する総理に対して、委員長が一言。

 委員長は政府の役職じゃないはずなんですが、どうやら言える限界は把握しているようです。


◆No25 長すぎて理解できません

「長すぎて理解できません、短くお願いします」(棚橋泰文前衆議院予算委員長)(参照:衆・予算委員長に野党が激怒【テレ東NEWS】|テレビ東京ビジネスオンデマンド【BOD】)

 今年、予算委員会で1番注目されたのは、ひょっとすると総理だけではなく棚橋委員長も、かもしれません。

 桜を見る会の名簿について、公選法上の定義を聞く川内さんの質問に「何の質問ですか」「長すぎてわかりません」と返答。

 棚橋さん、ひょっとして疲れて寝てたのでしょうか?体調が心配です。


■仕事をちゃんとしない閣僚と与党議員たち

◆No26 後ろの方全部教えてあげてください

「大臣、わからなければ、後ろの方全部教えてあげてください」(松島みどり法務委員長)

 後藤祐一議員の質問中に口ごもる森雅子法務大臣に一言。

 さすが元法務大臣、という仕切りですが「わからなければ教えてあげて」はなかなか正直ですね。


◆No27 不規則発言は気にしないでください

「不規則発言は気にしないでください。どうぞ、どうぞ答弁して」(金子原二郎前参院予算委員長)

 衆議院の予算委員会が紛糾している時、参院は金子委員長の仕切りで比較的穏やかに進んでいました。

「気にしないでください」はなかなか風格のある、悠然とした仕切りです。


◆No28 女性はいくらでもうそをつける

女性はいくらでもうそをつける」(杉田水脈衆院議員)(参照:「女性はいくらでもウソつける」…自民・杉田衆院議員、性暴力相談事業を批判 : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン)

 自民党の会議で杉田水脈議員の発言。最初は「言っていない」と主張されていましたが後に「どうやら言っていたようだ」と修正されました。

 クレタ人のパラドックス(嘘つきが嘘をついたと言ったらどうなるか?)が2020年に見れるとは思わなかったですね。


◆No29 密、密、密よ

「密、密、密よ」(河井案里参院議員)(参照:河井夫妻が離党へ 議員辞職はしない意向|日テレNEWS24)

 河井案里さんが記者に囲まれて一言。定期的に動画を見たくなるリズムの良さです。


◆No30 祖父が山本で、父が鈴木で、孫が田中みたいなことになる

「祖父が山本で、父が鈴木で、孫が田中みたいなことになる。混乱を生じさせないことが大事だ」(城内実衆院議員)(参照:自民有志が「夫婦別姓」勉強会 抜本改革に慎重、推進派批判も(産経新聞) – Yahoo!ニュース)

 選択的夫婦別姓の議論が与党内で加速する中、城内実議員の一言。

 世の女性(男性も)は「いや、よくあることじゃん」と心のなかでつぶやきました。


■安倍総理にしっぽを振るポチなのか

◆No31 しっぽを振るポチなのか

「安倍総理にしっぽを振るポチなのか」(枝野幸男立憲民主党代表) (参照:議事進行を批判「総理にしっぽを振るポチか 恥を知れ」立民 枝野代表 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン)

 棚橋委員長の仕切りに一言。委員長から反論されたら、以前民主党政権を「両生類まで戻った」と批判していたことを引き合いに「カエルならいいのか」と再反論。

 こういうイヤミ・皮肉を言わせたら一級品ですが、最近は慎重な発言が多く寂しい限りです。


◆No32 鯛は頭から腐る

鯛は頭から腐る。上層部が腐敗していると残りもすぐに腐っていく。頭を替えるしかない」(辻元清美衆院議員)(参照:「意味のない質問だよ」 首相ヤジ「開き直り発言」詳報 – 毎日新聞)

 安倍総理の矛盾を暴いた後に締めの一言。

 その後にあの「意味のない質問だよ」が飛び出します。


◆No33 いわゆる安倍方式

参加者一人一人と契約をし、ホテルの領収書を渡す、いわゆる安倍方式でやっていたんでしょうか」(辻元清美衆院議員)(参照:本日2月3日、安倍総理に予算委員会で質問しました ……7年間すべて5000円、安倍晋三後援会の「桜を見る会・前夜祭」。そして資金報告書未記載の疑いが! | 活動ブログ | 辻元清美WEB)

 今年はとにかく野党側の議員の影が薄かった。その中でも「安倍方式」という新語を生み出した辻元さんは流石です。

 この後いろんな野党議員が安倍方式という言葉を使いました。


◆No34 ヤジで止めようとするのは当たり前

「おかしな予算を通されようとしたら、ヤジで止めようとするのは当たり前じゃないですか」(本多平直衆院議員)(参照:「ヤジで審議を止めるのは当然」立憲・本多議員の発言が物議 松井大阪市長は「厄介な勘違い議員」と批判 (2020年2月20日) – エキサイトニュース)

 ヤジも答弁も音量が大きいことで有名な本多議員。与党議員や委員長から名指しで批判されたりもしましたが、ヤジを批判されると逆にこの発言。

 良くも悪くも存在感のある委員でした。


◆No35 委員長の御静粛にのせいで、私は閣僚の答弁が聞こえません

「委員長の御静粛にのせいで、私は閣僚の答弁が聞こえません」(本多平直衆院議員)

 今年は不思議なタイミングで「静粛に」と止めることが多かった棚橋委員長

 拍手が起きてるときに「静粛に」と止めて「拍手は止めなくていいです」と苦笑いされたことも有りましたが、「静粛に」はどうやら静粛ではなかったようです。


■笑えない典型的おっさんジョーク

◆No36 新型コロナではないので、ご安心いただければ

「ちょっと風邪引いておりまして咳が止まんなくてですね、新型コロナではないので、ご安心いただければという風に思うのですけれども」(杉尾秀哉参院議員)(参照:咳が止まらないけどコロナじゃない 杉尾秀哉議員の発言に批判も – ライブドアニュース)

 笑いを取ろうとしたら笑えなかった、という典型的発言ですが、今年前半はこういうジョークが各所で繰り広げられたのだろうなと懐かしくなります。


◆No37 大変勇気づけられる答弁だ

「大変勇気づけられる答弁だ。安倍首相との質疑でこういう最後になるのはあまり経験がない」(小池晃共産党書紀局長)(参照:共産・小池氏が首相答弁に「感動した」 与野党が拍手:朝日新聞デジタル)

 女性がヒールを強制されることについて問われた安倍総理は「男性と女性が同じ仕事をしているにもかからず、女性に服装で苦痛を強いることはあってはならない」と名言。議場には与野党関係のない拍手が飛びました。

 そう、総理大臣や閣僚が答弁すれば、社会は変えられるんです。それを多くの閣僚に忘れないでほしいですね。


◆No38 国会会議録というのは、国会と国民に示された条文解釈そのものです

「国会会議録というのは、国会と国民に示された条文解釈そのものです」(田村智子共産党政策委員長)(参照:日本学術会議の任命拒否「あり得る」と法解釈する文書は「見当たりません」。内閣法制局が国会答弁-ハフポスト日本版- Yahoo!ニュース)

 学術会議問題に関して、政府がかつての答弁を無視して法解釈を新しく作り上げたことに、田村智子議員が一言。

 いろいろなことが有りましたが、国会答弁を無視して新しい見解を作る、というのはやはり、国会クラスタにとっては最もインパクトが大きい出来事だったのではないでしょうか。


◆No39 私が言っている方がおかしいと思う方、手を挙げてください

与党の委員の皆さんにも聞きたいと思います。私が言っている方がおかしいと思う方、手を挙げてください。一人もいないじゃないですか」(宮本徹衆院議員)(参照:記録ないのに一言一句前年と同じ? 驚き 桃の木 山椒の木ですよ! 「桜」質疑詳報 – 毎日新聞)

 「記録がない」といいつつも、野党議員の質問には「問題はない」と答え続ける官房長の質疑に業を煮やしてこの一言。誰の目にもどちらが正しいかは明らかでした


<文/平河エリ@読む国会>
平河エリ@読む国会
Twitter ID: @yomu_kokkai ひらかわえり●国会をわかりやすく解説するメディア「読む国会」を運営する政治ブロガー。
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コメント
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●武田砂鉄さん《小田嶋隆さん…予言めいたもの…〈日本学術会議から学術を追放すると日本会議になることからも、学術の必要性は明らか〉》

2020年12月14日 00時00分42秒 | Weblog

[※ ↑【夕食会5年間900万円分の領収書破棄か 安倍前首相の政治団体宛てに発行<桜を見る会問題>】(東京新聞 2020年11月26日)]



リテラの対談、前後半【『災間の唄』出版記念 小田嶋隆武田砂鉄対談 前編/小田嶋隆はツイッターで安倍政権とどう向き合ったか? 武田砂鉄が選んだ傑作ツイートで振り返る“政治と言論の劣化”】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5704.html)と、
【『災間の唄』出版記念 小田嶋隆武田砂鉄対談 後編/糸井重里と松本人志を小田嶋隆・武田砂鉄が改めて語る「“機嫌の悪い人って嫌だよね”で糸井村のムードに」「松本に笑いが上納されている」】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5705.html)。

 《毎日ニュースが駆け巡り、炎上が起こり、侃々諤々の議論が繰り広げられているTwitter。その140文字の世界で、直球・変化球、時に暴投と角度を変えて球を放り込み、日々起こる事象に切り込んでいるコラムニストの小田嶋隆氏。》
 《2011年の東日本大震災にはじまり、今年のコロナ禍にいたるまでを“災間”と位置づけ、稀代のコラムニスト・小田嶋隆氏の10年分のツイートを気鋭のライター・武田砂鉄氏が選り抜き、この時代を読み解いた異色作『災間の唄』が発売された》

   『●小田嶋隆さん《行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、
     安倍晋三氏とその追随者たちは…この8年の間に完膚なきまでに破壊》
   『●アベ様案件…(武田砂鉄さん)《近場から放たれる「病人なんだから」
       という、勝手に設けられた除外規定を素直に受け止め過ぎでは》?

 武田砂鉄さんは《近場から放たれる「病人なんだから」という、勝手に設けられた除外規定を素直に受け止め過ぎでは》と? 一方、小田嶋隆さんは《類を見ない「言葉」の空疎さと不誠実さ》と。さらに、以前、小田嶋隆さんは《行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、安倍晋三氏とその追随者たちは…この8年の間に完膚なきまでに破壊》とも。 

   『●アベ様《国会でも「事務所側が補填したという事実はまったくない」
     「後援会としての収入、支出は一切ない」…やはりあれは真っ赤な嘘》
   『●《秘書のミスとして収支報告書の修正、最悪でも秘書が起訴されるだけ。
         告発に対しての検察のポーズで捜査の体裁を取っただけ》!?

 大好きなお二人のコンビによる本が出版されるそうだ。

   『●アベ様案件…(武田砂鉄さん)《近場から放たれる「病人なんだから」
       という、勝手に設けられた除外規定を素直に受け止め過ぎでは》?
    「【安倍政権が残したもの/類を見ない「言葉」の空疎さと不誠実さ
     小田嶋隆さんが見た7年8カ月】…《コロナ対応などでは適切な判断を
     する自信がないのに、後継者選びに関しては判断ができる、というのは
     矛盾しています。つまり、次にどんな政権ができて、自分をどう断罪する
     のかを見極める余力を残しての辞任だったということです》」

 今回の対談では、《小田嶋さんのツイートには予言めいたものもたくさんあります。たとえば、これとか。日本学術会議から学術を追放すると日本会議になることからも、学術の必要性は明らか。〉》《最後から2番目にあるツイートも予見的でした。〈次からは首相もパソナからの派遣でまかなうことにしたら良いのではないか。〉(2020年8月29日)》《小田嶋 まさか竹中平蔵が表舞台に復活するとは思っていなかったですよねえ。菅さんの油断ならないところは、あいつを引っ張り出してくるってところですよ》。

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https://lite-ra.com/2020/11/post-5704.html

『災間の唄』出版記念 小田嶋隆・武田砂鉄対談 前編
小田嶋隆はツイッターで安倍政権とどう向き合ったか? 武田砂鉄が選んだ傑作ツイートで振り返る“政治と言論の劣化”
2020.11.22 11:00

     (『災間の唄』を発売した小田嶋隆氏と武田砂鉄氏(写真/尾藤能暢))

 毎日ニュースが駆け巡り、炎上が起こり、侃々諤々の議論が繰り広げられているTwitter。その140文字の世界で、直球・変化球、時に暴投と角度を変えて球を放り込み、日々起こる事象に切り込んでいるコラムニストの小田嶋隆氏。「プロの文筆家」たる氏は、「私はこの十年間、寝ても醒めてもツイッターにどんな言葉を書き込んだらウケるのかということばかりを考えてきた」という。
 そんな小田嶋氏の10年分のツイートが、厳選の上、このたび一冊の本にまとめられた。ツイートを選り抜いたのは、文芸誌からファッション誌まで幅広く連載を多数抱え、「80年代雑誌文化のラストランナー」と小田嶋氏が評するライターの武田砂鉄氏だ。
 しかも、本のタイトルは『災間の唄』。2011年の東日本大震災にはじまり、今年のコロナ禍にいたるまでを“災間”と位置づけ、この10年を小田嶋氏のツイートから読み解こうというのである。
 安倍政権の誕生と終わり、東京オリンピックに向かう狂騒、震災からコロナ禍まで強まっていった同調圧力──。本書が浮かび上がらせるのは、この10年の日本の社会・政治は同じ問題を繰り返しつづけ、悪化していっているという事実だ
 今回、巷にあふれる「Twitter本」とは一線を画したまったく新しい時事評論を生み出した小田嶋氏・武田氏のふたりに、この10年とは何だったのか、本書に収められたツイートを振り返りながら語ってもらった。前後編の2回にわたって公開する。


──今回、小田嶋隆さんのツイート10年分を一冊にまとめるという大仕事を任されたわけですが、武田砂鉄さんに白羽の矢が立った経緯というのは何だったんですか?

武田 おそらく「小田嶋さんに作業を任せていたらいつまでも終わらない」と編集者が考えたのでしょう。これまで、小田嶋さんと何度かお話する機会もあったし、自分自身、小田嶋さんのコラムやTwitterを以前から読んできました。そういう第三者が選ぶほうが本になるまでの時間が短くなるだろう、と。

小田嶋 武田さんの元編集者として培われた悪文耐性の賜物でしょうね。応募作の下読みとかをずっとされてきた方ですから。本になったのは全体の2.5%だって言うじゃないですか。400万字を4万字ですよ。完成品の40冊分くらいの量を読み込んで、クズの山からこうやって拾ってくださったというのは、なかなかできることじゃないですよ。

武田 堪能してしまいそうになるところを、編集者の目線でやりました。つまり、残酷な選別作業です。「なんだこれ、こんなのいらねえ、こんなのいらねえ」って(笑)。そうしないと終わらないですから。

──本のタイトルにある「災間」というのは、2011年の東日本大震災から今年の新型コロナという意味合いだと思うんですが、もうひとつ、本を読み通して浮かび上がってくるのは、安倍政権のはじまりから終わりまでという意味合いです。

小田嶋 狙ったわけではまったくないんですよ。ほんとうはもっと早くに出るはずが、私があとがきを全然書かなかっただけです。それで刊行時期が延びたら、その間に安倍さんがやめちゃったという。

武田 結果、「災いの間」という感じがより強調されました。これで終わるかな、と思いきや、また新たな災いが始まった感じがありますけども。


「小田嶋さんの頭の中に浮かんだ言葉遊びに、実際の出来事が追いついちゃった」

──たしかに、小田嶋さんのツイートを10年分、本を通して振り返ると、同じことを繰り返していることに気付かされます。たとえば、このツイートとか。

〈「対案」を出せという言い方は、改革に反対する側に挙証責任があるかのように見せかける議論のすり替えです。政治的な決断によって何かを変える場合、変えようとする側の人間が、メンバーの一人一人を説得しなければなりません。〉(2012年2月22日)

──小田嶋さんのこのツイートは当時、大阪市長だった橋下徹氏が〈批判をするのであれば、対案を示すべきです。職員基本条例、教育基本条例が悪いと言うのであれば、ではどうしたら良いのか?どのコメンテーターも対案は絶対に示しません〉とつぶやいたことに対するものだったわけですが、その後も、安倍政権による安保法制でも同じ主張を自民党だとか維新だとかの政治家、松本人志などの安倍応援団コメンテーターたちが「対案を出せ」と合唱し、事あるごとに繰り返されています。

小田嶋 似たようなことがずっと繰り返されてきたというのは、この10年の印象ですよね。

武田 たとえば、2014年くらいのツイートを写メでもしてTwitterに上げたら、最近のものだと思う人は多いはず。選んでいたときも、とにかく反復しているな、と。あまりにも繰り返されると、読み物として面白くなくなるかな、と思いながらも、実際に起こっていたのが同じことの繰り返しだったので、途中からは意識的に選んでいきました。

──なるほど。でも、同じことを繰り返しながら状態は悪化していっていると感じます。たとえば、「政治的」という言葉について、小田嶋さんは2015年に〈「政治的に色のついていない人」が歓迎される風潮が蔓延し、それゆえに「支持政党無し層」が国民の半数以上を占めている現状は、「何か大きなアクシデントが勃発した時に一夜にして政治的な態度を変える人々」によって国策の将来が握られているということで、これはコワいことなのかもしれない。〉とつぶやいていましたが、2019年のツイートはこうです。

〈この5年ほどの間に「政治的」という言葉は、もっぱら「反政府的」という意味でのみ使用され、解釈され、警戒され、忌避されるようになった。政権に対して親和的な態度は「政治的」とは見なされず、単に「公共的」な振る舞い方として扱われている。なんとも薄気味の悪い時代になったものだ。〉(2019年6月11日)

小田嶋 「芸能人とかスポーツ選手は政治的発言をするな」と言われちゃうようになったという。

武田 つるの剛士さんの発言は「政治的発言」にはならないですもんね。あと、小田嶋さんのツイートには予言めいたものもたくさんあります。たとえば、これとか。

日本学術会議から学術を追放すると日本会議になることからも、学術の必要性は明らか。〉(2017年12月30日)

武田 これツイートしたの、2017年ですからね。こういう小田嶋さんの頭の中に浮かんだ言葉遊びに、実際の出来事が追いついちゃうという。

──小田嶋さんはほかにも、こう言及されていました。

〈自分より教養の高い人と話をすることに喜びを感じるためには、ある程度の教養が必要なのだと思う。〉〈で、思うのだが、人文系の学部をつぶそうとしているのは、教養のある人間と交流することに苦痛を感じるタイプの人たちなんではなかろうか。〉(2015年6月14日)
〈インテリ層をひとくくりにして敵視しようとする時代思潮みたいなものが形成されはじめている。〉(2012年7月2日)

武田 2012年の段階から、こうした流れが生まれていたということですよね。本に収録した、最後から2番目にあるツイートも予見的でした。

〈次からは首相もパソナからの派遣でまかなうことにしたら良いのではないか。〉(2020年8月29日)

小田嶋 まさか竹中平蔵が表舞台に復活するとは思っていなかったですよねえ。菅さんの油断ならないところは、あいつを引っ張り出してくるってところですよ。


■「志らくってバカだよねっていちばん言いたいんだけど、それはツイートしないで紙に書く」

武田 この本の巻末インタビューでもお話しされていましたけど、小田嶋さんは、ひとつのツイートをするのにやたらと時間をかけて、入念に振り絞っていますよね。

小田嶋 いちばん素朴な感想のどうでもいいものは、なんとか書かないように努力しているんですよ。たとえば「志らくってほんとバカだよね」みたいなベタな雑感とか。その工夫のなさが許せないから「毎朝目覚めて俺は自分が志らくじゃないことに安心する」とか、せめてその程度には書きたい。

武田 そのアレンジが、非常に小田嶋さんっぽいですね(笑)。でも、どうでもいいことを言いたい欲はあるわけですよね。テレビ観ていて、勢い任せに言いたくなる、っていう。

小田嶋 「志らくってほんとバカだよね」っていうのはそのとおりだし、いちばん言いたくなるのはそれなんですけどね。だから、俺は絵を描くためにいつも白い紙を置いてあるんですけど、「志らくってバカだよね」っていうのはツイートするのではなくて手書きで紙に書く。

武田 自分のためだけに書く。

小田嶋 うん。それで丸めて捨てる。

武田 今、政治の世界で起きている事象が半ばコメディと化している。なので、コラムの芸として茶化したり、突っ込んだりすることができず、あっちがコメディだから、こっちがついつい真面目に書いてしまう、って難しさがありますよね。

小田嶋 政治がいじる対象ではなく説教をする対象になっている。「違う角度から見るとこうだよね」というのがコラム芸としてのいじりなんだけど、向こうがグダグダだから説教しにいっている。説教をするタイプじゃないんだけど、「それは違うだろ。建前はこうだろ」みたいなことを上から「総合的・俯瞰的」に言わなくちゃいけない。それは本来自分の立ち位置じゃないんですけどね。これは政治の側がひどすぎるんですよ

武田 安倍さんにしろ菅さんにしろ、話していることの土台や背骨ってほとんどない。ぐにゃぐにゃしながら辛うじて立っている、みたいな感じ。むしろ、投じる側が土台を整えてあげる。「えっと、これこれこうだけど、こうですよね?」っていうときの「これこれ」を説明するのに140字では足りない。日本学術会議の105人のリストを菅さんは「見ていない」と言っていたのに、続いて、加藤官房長官に「詳しくは見ていないということです」と切り替えられちゃった場合、こっちからツッコむというのは難しいですよね。

小田嶋 難しい。難しいというか突っ込みどころがありすぎて。本来ツッコむという芸は、相手がストロングスタイルで、こちらはヒールとして足をひっかけにいったりとか変な技をかけられるんだけど、相手がぐにゃぐにゃ横になっている。

武田 本来、スーツをピシッと着こんで立っている人の鼻毛が出ていたらそれを指摘するのが面白かったんだけど、ほとんど全裸で寝そべっているような状況の時にこっちが何を突っ込めるかと言えば、「パンツを穿いてください」ですよね。でもこれって、突っ込みではなく、アドバイスとか説教とか、そういうものですよね。

小田嶋 「きちんとしなさい」としか言えないですからね。本来、建前を言っているはずの政治家が「だってしょうがないじゃん」みたいなことを言っているから、こっちが建前論を言わなくちゃいけなくなる。それがこの時代の不幸なんじゃないかなと。


■「森友と桜が逃げ切ったのは、ツッコミどころがありすぎたから」「まだやってるの?っていう話になる」

武田 説教を面白く読ませる、個性を打ち出しながら説教するって、なかなか大変なことですよね。直近の政治的な事象に反応してツイートしているだけでは、ただ文句言っているだけの人になってしまう。自分のツイートをスクロールしながら振り返っていると、やたらと怒っている人に思えてきて、自分はしないけど、「ずっと怒っている自分に見られたくないな」と、動物の動画を挟んだりしてバランスをとっている人は少なからずいると思うんです。

小田嶋 もふもふ動画を挟む人とか。

武田 「菅さんおかしい!」「菅さんおかしい!」「菅さんおかしい!」「もふもふ動画」「菅さんおかしい!」っていう。でも、「菅さんおかしい!」を4連投するときに、どのようにおかしいかを伝えていけばいいのか、なかなか難しい。

小田嶋 これだけ社会が直接的にとんでもないことが起きていると、技が求められるんですよね。たとえば、安倍さんの相手をするのも難しかったですよね。「アベガー」という言い方、あったでしょう? 

武田 あと「アベノセイダーズ」と。

──リテラがまさにそう言われています(苦笑)。

小田嶋 でも、傍観者から見ているとそう見えるんですよ。「この人、安倍さんに粘着しているストーカーだな」「あ、この人『アベガー』の人だ」っていうふうに思われちゃうのが大きなリスクで。だから安倍さんのことを言うために、しばらく迂回してから戻ってくるくらいのことをしないといけなかった。
 でも、「森友」と「桜」が逃げ切ったのは、ツッコミどころがありすぎたからじゃないかな。あまりにも露骨なツッコミどころが多すぎて、みんな同じところをツッコんでいる状態が3カ月とか続くと「まだやってるの?」っていう話になる

武田 あれは、よく出来た仕組みだなと思うんですよね。問題解決しないで、時間が経過し、「いつまでやってるの?」って言い方を始める。すると、なぜか、未解決のまま、次のステップに移行できるっていう。

小田嶋 「まだ桜って言ってるの? もう秋だよ」っていう。「あー、俺も桜、桜ってもう半年も言っていたのか」と自分で情けなくなっちゃう。そうすると相手の勝ちになる。時間切れで。

武田 日本学術会議も、このままのらりくらりとやりすごし、「コロナ対応を優先しなければいけないのに、まだ野党は学術会議か!」と言われて同じことになるんじゃないかと。小田嶋さんは〈「あまりにもバカすぎて反論する気にならない」ようなご意見にこそ、根気よく反論をぶつけて行かなければならない。でないと、あまりにもバカすぎるご意見はあまりにもバカすぎるがゆえに、ある日気がつくと世間の常識に化けていたりする。〉(2018年6月13日)と書かれていましたが、やっぱり根気よく反論をぶつけていくってことをやっていかないといけないですよね。
(後編に続く)

(構成=編集部)
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https://lite-ra.com/2020/11/post-5705.html

『災間の唄』出版記念 小田嶋隆・武田砂鉄対談 後編
糸井重里と松本人志を小田嶋隆・武田砂鉄が改めて語る「“機嫌の悪い人って嫌だよね”で糸井村のムードに」「松本に笑いが上納されている」
2020.11.23 11:00

     (『災間の唄』(小田嶋隆/武田 砂鉄 サイゾー刊))

 2011年の東日本大震災にはじまり、今年のコロナ禍にいたるまでを“災間”と位置づけ、稀代のコラムニスト・小田嶋隆氏の10年分のツイートを気鋭のライター・武田砂鉄氏が選り抜き、この時代を読み解いた異色作『災間の唄』が発売された。
 その発売を記念しておこなった小田嶋氏✕武田氏の対談前編では、いかにこの10年が同じ問題を繰り返してきたのか、建前さえも語らなくなった政治に対してツッコむことの難しさなどについて語っていただいた。
 そして、今回お届けする後編では、柔らかな言葉で人びとの「怒り」を抑圧しようと機能してきた糸井重里氏の問題や、松本人志をはじめとするいまの「笑い」が孕む権力性、さらには菅義偉首相がスローガンに掲げる「絆」まで、話題は多岐にわたることに。通底するのは、「同調圧力」という問題だ。前編に続いて、後編もお楽しみいただきたい。


──安倍政権下で問題が反復されてきたというのもそうなんですが、もうひとつ『災間の唄』を読んで印象的だったのは、糸井重里氏に対する言及です。小田嶋さんはツイートでも、2011年に出版された自著の『その「正義」が危ない。』というタイトルを後悔されていますよね。

〈2011年11月出版の拙著「その正義があぶない」(日経BP社刊)のタイトルについて、後悔している旨を何度か表明しているのだが、理由は、それがイトイ村の周辺から提案された書名だったからだ。考えの浅かった当時のオレは「それもそうだなあ」と了承しまった。とても後悔している。〉
〈糸井重里氏とその周辺の人々は、震災&原発事故以来、人々が「正義」を語ることや、政治的にふるまうことを時にはあからさまに時にはやんわりと攻撃し続けている。私はその立場にいつも強い違和感を抱いている。正直な話、卑怯な態度だと思っている。ま、オレがそう思っているというだけの話だけど。〉(2020年3月8日)


小田嶋 2011年に原発事故が起こったときに「原発いけないじゃないか」っていう正義の声が湧き上がったわけですよね。そして「自分が正義だと思ったときに人間は残酷になるんだよ」っていうのが反原発のカウンターとして出てきた。それを主導したのが糸井さんだと思っていて。

──糸井氏の、あの有名なツイートですね。〈ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。〉(2011年4月25日)という。

小田嶋 あれに全部乗っかって、福島への風評被害を責めるみたいな空気が生まれた。彼らが原発ムラからの誘導でやっているんだとは思わないし、原発を免罪するために言っていたんだとも思わないけれど、正義の言説をまっすぐに言うことの居心地の悪さをうまく利用されたんですよ。反原発というのを「お前ら正義ぶってねえか?」って言って打ち消す、相対化する動きで「怒ってる人ってダメだよね」って。「みんな許そうよ」というような空気にしていくための言説として、あの言葉はすごく使われました。だから、『その「正義」が危ない。』というタイトルが「アンチ反原発」にうまく利用されるところに着地しちゃったことが、自分のなかで釈然としないわけです。

武田 小田嶋さん、やたらと恨んでいますよね、そのタイトルを。

小田嶋 本自体は悪いものではないんですけどね。

──ただ、小田嶋さんが危惧されたように、「正義を疑う」とか「怒っている人ってダメだよね」という糸井的な価値観が、不満を抑圧することにつながる状況をつくり出したと。たとえば、小田嶋さんのこれらのツイートが現状を言い表していますよね。

〈参考意見として「よりスキャンダラスでないほう」「より脅かしてないほう」「より失礼でないほう」「よりユーモアのあるほう」を選ぶのはかまわない。ただ、「より正義を語らないほう」を無条件に選ぶと、結果として「より現体制維持に好都合な言説」を選ぶことになると思う。〉(2019年4月28日)
〈この30〜40年の間に、日本人が失った(あるいは「表明することを許されなくなった」)感情があるとすれば、それはなによりも「怒り」だ。怒りには大きな副作用があるし、社会の前提を破壊しかねないものでもある。でも、怒りを抑圧した社会は、それはそれで、うすら寒いディストピアだと思う。〉(2020年5月16日)


小田嶋 たとえば、良き人であろうとすることと糸井重里になっちゃうことというのは、表裏一体なんですよ。そこで良き人であろうと思っていることを、「みんな良き人であろうね」って呼びかけをはじめちゃうと糸井への道が生まれる。「みんな我慢しようよ」「みんなニコニコしていようよ」「機嫌の悪い人っていやだよね」ってことになっちゃうと、糸井村のムードになっちゃうんですよね。


■「松本人志は、織田信長が「あっぱれじゃ」と言うと「ほほー」みたいな世界に入っちゃっている」

──糸井氏の「ユーモアが大事だよね」ということともつながりますが、この本のなかで小田嶋さんはユーモアや笑いが持つ暴力性も繰り返し指摘されています。その代表格こそ松本人志ではないかと。

〈笑いは権力に抵抗するための有効な手段だと言われている。もちろんそういう側面もあるのだろう。でも、テレビ経由で流れているお笑いネタの大半は、強い者が弱い者をナブる時に起こるアクシデントを笑うパターン芸で、むしろ権力の作用そのものだったりする。〉(2017年10月17日)

小田嶋 私が若いころに面白かった人といえばだいたい左側の人で、野坂昭如とか青島幸男とか、あるいは橋本治とか。右側の人たちは喚いてばかりいて、いつも興奮していて、およそユーモアのない人たちだったんです。それで私自身は思想的に左だったわけじゃないけど、左側の人たちのほうが柔らかみや余裕なんかがあってかっこいいよねと思っていたわけです。ところが、吉本が笑いの中心になってから、批評的な笑いが一切消えて、後輩をいびってみんなで笑うような、ほもソーシャルのなかの笑いが主流になってしまった。松本人志はそのチャンピオンでしたからね。松本は地頭が良くて、教室の後ろのほうでときどき面白いことを言って混ぜっ返すタイプ。それが力を持ってしまったということが、なんていうのかな、真面目に考えることをバカバカしくしちゃう空気をつくり出したんじゃないのかな。

──2019年にも〈松本人志がヤンキーのヒーローたり得たのは、勉強漬けのインテリの知的武装をワンフレーズのボケで無効化してしまうその地頭の良さにあったわけなんだけど、この20年ほどのていたらくを見ていると、「勉強しない地頭」の劣化サンプルみたいなことになっている。〉とツイートされていましたよね。

小田嶋 松本人志がすごく面白かった時期は、とにかく不思議なアドリブの冴えがあったんですけど、でも、あそこから何も成長していない。

武田 たぶん、いまの小田嶋さんのたとえで言うと、これまで、教室の後ろでやんややんや騒いでいた人たちが、いまはもう、教壇に立っているわけですよね。で、その教壇から生徒に対して何を求めるかといえば、同調です。教壇でやっていること、言っていることの面白さに気付けとか、あるいは、いい感じに揺さぶってみろと迫る。僕はナンシー関さんのコラムが大好きでしたが、ナンシー関さんは生前、松本さんのことを高く評価されていた。それは、業界の仕組みに突っかかっていく一匹狼的なところへの評価だったはず。いま彼を見て一匹狼と思う人はいないでしょう。一匹狼ではなく、群れの長です。

小田嶋 それはビートたけしも同じで、軍団つくっちゃったでしょう? たけしがすごくつまんなくてもみんな笑う。松本周辺に起きている笑いも同じ。いつもパターンが一緒なんですけど、同じことを混ぜっ返すだけなのにすごく笑いをとるんです。ある若手芸人が「これ美味しくないですね」って言ったとすると、「それ『美味しくないですね』か?」って言うだけなんですよ。オウム返しするだけで笑いがとれる。あれはなぜ笑いがとれるかと言えば、その立場にいるからなんですよ。

──教壇に立っているから、と。

小田嶋 中小企業の社長がなんか言うとどっと受けるとか、織田信長が「あっぱれじゃ」と言うと「ほほー」みたいな。その世界に入っちゃっている。お笑いの世界じたいがそういうピラミッド構造のなかで、下の者は「私は笑っていますよ」というサインを出す。あれは権力関係の笑い。笑いが上納されているんですよ。

──視聴者もそこに組み込まれていますよね。

小田嶋 これを笑わないと笑いのセンスがないって言われてしまうことへの同調のなかで笑うという動作が発生している。

武田 EXILEグループの皆さんは、一斉に笑いながら、手を叩いて立ち上がります。全体で同意しているぞ、というのを作る、見せる、というのが大事なんでしょうかね。

小田嶋 彼らはTRIBEって言っていますからね。「部族」「種族」ですよ。


■「10年前は『絆』をからかえなかった」「一周回って今年『自助、共助、公助、そして絆』って言う人が」

──EXILEとかならまだましですけど、維新や安倍政権・菅政権も同じ構造になっています。

小田嶋 TRIBEの構造ですよ。同調圧力という言葉が流行りすぎて最近はあまり使いたくなくなっちゃったんですけど、でも、ある同調のなかで全員が一致してゆくんだっていうのは、2011年の「絆」の問題でもありますよね。2011年の震災から立ち直る段階で「絆」という言葉がクローズアップされて、それがオリンピックにつながっていく。この『災間の唄』という本は、武田さんが「絆」関連のところを少しずつ縫いながらよく拾ってくれたなと思っているんです。

武田 オリンピックの問題は、2010年代にずっと横たわっています。2013年、オリンピック招致運動の際に、「今、ニッポンには、この夢の力が必要だ。」というスローガンが出てきた。あまりに貧相でした。

──「今、ニッポンには、この夢の力が必要だ。」というスローガンについては、繰り返し言及されていますね。

〈「今、ニッポンには、この夢の力が必要だ」だとかいう恥ずかしいスローガンに乗っかって走り回った連中が責任とれよ。オレにはそんな夢はまるで必要なかったし、この先も他人と一緒に夢を見るつもりはまったくない。〉(2015年6月30日)
〈「民族には物語が必要だ」という百田尚樹の発言を見て思い出したのは2012年に「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」が、招致のために打ち出した「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」というスローガンだ。そっくりだよ。なにもかもが。〉(2019年6月2日)

小田嶋 「絆」という言葉が持て囃されたとき、僕はからかえなかったんです。いまでも覚えているけど、フジテレビが「ひとつになろう日本」ってキャッチコピーを女子アナに拳を握るポーズで連呼させていたんですよ。「うわ、すごいことになっちゃったな」と思って。あれをからかおうと原稿を書こうとしたんだけど、これをやっつけちゃうと俺のライター生命にかかわるかなと思ってやめたんです。

武田 当時、それぐらいの緊迫感があったんですね。2011年から約10年かけて、もう「絆」って連呼するのはちょっとね、という感じになってきたのに、今年、「自助、共助、公助、そして絆」って言う人が出てきた。一周回っちゃった。「まさかここで『絆』を使うのか」と多くの人が思ったはずですが、菅さん自身は表情変えずに、どうやら本気で言っている。この無力感、同じところを回っている感じというのは、今回の本を読むとよくわかると思うんです。政治が、とにかくずっとぐるぐる回っているんです。それが実証された本なんじゃないですかね。

小田嶋 「災間」という字もぐるぐる回っている感じがありますよね。はじめはピンとこなかったんだけど、いま思うと結果的に良いタイトルに着地しているなと思います。行ったり来たりしている、そのサイクルのなかに我々はいるという。

武田  そして、再び災いがはじまったと。『災間の唄 〜そして絆〜』というサブタイトルが欲しいですね。

(構成=編集部)
『災間の唄』出版記念 小田嶋隆・武田砂鉄対談 前編はこちら


【プロフィール】

小田嶋隆
1956年、東京都生まれ。一年足らずの食品メーカー営業マンを経てテクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。著書に『小田嶋隆のコラム道』『上を向いてアルコール』『小田嶋隆のコラムの切り口』(以上、ミシマ社)、『ポエムに万歳! 』(新潮文庫)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社)、『ザ、コラム』(晶文社)、『友達リクエストが来ない午後』(太田出版)、『ア・ピース・オブ・警句』『超・反知性主義入門』(以上、日経BP)、『日本語を、取り戻す。』(亜紀書房)など多数。

武田砂鉄
1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経て2014年からフリーライターに。2015年、『紋切型社会―言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社)で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。そのほかの著書に『芸能人寛容論―テレビの中のわだかまり』(青弓社)、『コンプレックス文化論』(文藝春秋)、『日本の気配』(晶文社)、『わかりやすさの罪』(朝日新聞出版)など。新聞への寄稿や、週刊誌、文芸誌、ファッション誌など幅広いメディアでの連載を多数執筆するほか、『アシタノカレッジ』(TBSラジオ)金曜パーソナリティを務める。


『災間の唄』小田嶋隆・著/武田砂鉄・撰(サイゾー)
2011年の東日本大震災(福島原発事故)から2020年のコロナ禍までを“災間”とし、この間、誰から求められることもないのに日々魂の叫びともいえる熱い言葉をツイッターにはき続けた日本最強のコラムニスト・小田嶋隆のツイート10年分を、日本最強のフリーライター・武田砂鉄が選びに選び抜いた1冊。横書き・縦スクロールのツイートを縦書きで紙に落とし込み、10年で大きく変わっていった世界と現代の正体を読み解く。
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●《「国民には自助だ共助だと自己責任押し付けて中曽根の葬式には公助か」の声》(リテラ)…河野太郎行革担当相は閣議の際に無言?

2020年10月14日 00時00分08秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]



リテラの記事【中曽根元首相の合同葬に「1億円税金」はやっぱりおかしい! 関係者のみ参列なのに過去最高予算 国民に自助求めながら身内優遇】(https://lite-ra.com/2020/09/post-5652.html)。

 《菅政権が昨年11月に死去した中曽根康弘元首相の「内閣・自民党合同葬」の経費として、今年度予算の予備費から約9643万円を支出することを閣議決定したことに、ネット上で非難が殺到している。〈#中曽根の葬式に税金出すな〉というハッシュタグがトレンド入り》。

   『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?
    「さんざんっぱら原子力を推進してきたMr.風見鶏・中曽根
     (中曾根)氏が、久しぶりに本領発揮。しっかし、酷いね。
     甘い汁を吸いつつ、おそらく核兵器への転用までを視野に
     入れていたダーティーなタカ派のくせに。あたかも小泉純一郎氏や
     竹中平蔵センセが郵政民営化反対を叫ぶほどの変節・風見鶏ぶりで、
     御笑いだ。FUKUSIMAの一因は正力氏やMr.風見鶏氏にある、
     というのは言い過ぎであろうか。」

   『●国労組合員恣意的不採用問題、一歩前進
    「中曾根(中曽根)内閣時代の国鉄分割・民営化の際、国労組合員に
     対して行われたとんでもない横暴・差別。…20年以上経過し、
     漸く一歩前進でしょうか。どこまで実行性があるのかは疑問ですが…。
     「鎌田慧著『国鉄処分 ~JRの内幕~』(講談社文庫)」…城山三郎
     『粗にして野だが卑ではない――石田禮助の生涯』」

   『●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、
      あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩
   『●死者に鞭打つ…風見鶏氏・中曽根康弘元首相《日本の戦後
     民主主義政治を歪めた張本人》が《ダンマリを貫いた》問題とは?
    「死者に鞭打つ…風見鶏氏中曽根康弘元首相《日本の戦後民主主義政治を
     歪めた張本人》が《ダンマリを貫いた》問題とは? 中曽根康弘元首相や
     「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか?」

   『●風見鶏氏・中曽根康弘元首相《左派労働運動(総評)をつぶし、
          社会党をつぶすことまで意図していたとあけすけに…》
    「何か《功》があり、そればかりが死者に手向けられているようですが…。
     《卑(ミーン)》な元総理の《罪》ばかりが思い出される。特に、
     国鉄の解体である。《中曾根(中曽根)内閣時代の国鉄分割・民営化の際、
     国労組合員に対して行われたとんでもない横暴・差別》。
     《分割・民営化の過程で200人以上の国鉄労働者が自死に追いやられた》」

 なぜ今頃? なぜ税金?? ツイッター上では、新自由主義者の祖先、《新自由主義の権化》のような方がソコに税金を使ってほしいと思うのだろうか、といったつぶやきも。以下の記事では《民営化の大勲位 葬儀は「国営化」》。橋本龍太郎氏や宮沢喜一氏についても、合同葬儀で税金が使われていたようです。また、中曾根(中曽根)氏を国葬とした場合、「中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか」?、が世界的な話題となってしまい、藪蛇なのでは、というつぶやきもありました。

 日刊ゲンダイの記事【中曽根元首相の合同葬 国の“コロナ対策”予算から9600万円】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279173)によると、《昨年11月に101歳で亡くなった中曽根康弘元首相の合同葬の経費が判明した。その額、実に約1億9200万円に上る。来月17日に内閣と自民党の合同で実施。費用の半分の約9600万円を今年度の一般会計予備費から支出することが、25日の閣議で決まった。…■民営化の大勲位 葬儀は「国営化」 つまり国民不在の“合同葬”である。そもそも予備費はコロナ対策のために計上したはず。半額は自民党が持つといっても、収入の大半は政党交付金財源は血税だから、国民にすれば二重取りの感覚だ。国鉄や電電公社を民営化したのに、自分の葬儀は「国営化」されるとは、中曽根大勲位にとっても皮肉な話である》。

 加藤勝信官房長官…質問に対する、「答え」になってます? 国会も開かず、中曾根氏の葬儀へ税金投入を勝手に閣議ケッテェ…呆れるしかない。河野太郎行革担当相は、閣議の際に何も言わなかったの? Web葬儀にでもすれば、大幅に経費削減でき、「予備費」が有効に使われ、必要な方、困っている多くの方々を救える。
 東京新聞の記事【中曽根元首相の合同葬、予備費9600万円は「必要最低限」? 政府支出に法的根拠なし】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/58383)によると、《政府は、10月中旬に営まれる故中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬の経費として、2020年度当初予算の予備費から9643万円を支出する。内閣府によると、政府が経費を支出する法的な根拠や基準はない。合同葬の費用は自民党の負担分と合わせて計2億円弱で、インターネット上などでは「高すぎる」「税金の無駄遣い」との批判も出ている。(柚木まり) 加藤勝信官房長官は28日の記者会見で「過去の先例などを総合的に勘案して執り行う。新型コロナウイルス対策などに万全を期す必要がある。そういった観点から積み上げられている必要最低限の経費だ」と強調した》。
 日刊ゲンダイの記事【中曽根元首相の葬儀に“血税1億円”投入こそ「悪しき前例」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/279253)によると、《これぞ菅首相が言う既得権益そのものだろう。…費用は約1億9200万円で、うち約半分の9643万円を今年度の一般会計予備費から支出することが閣議で決まった。…加藤官房長官は「必要最小限の経費」などと言っていたが、緊縮財政を進める今の時代の庶民感覚とかけ離れていると言わざるを得ないだろう。それこそ河野太郎行革担当相の出番で、一刻も早く「悪しき前例」として「打破」するべきだ》。

 《新自由主義を全開に国民に自己責任を押し付ける一方で、安倍政権からの身内優遇体質はそのまま。菅政権に期待なんてしていたら、それこそ国民は既得権益者の食い物されるだけだろう》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商は〝ベーシック
       インカム7万円〟を「トリクルダウン」だとでも思っているのでは?
   『●《「その後、体調は」と問われた安倍前首相は、こう答えているのだ。
      「新しい薬が効いている。もう大丈夫だ。」》(リテラ)…仮病?
   『●アベ様御夫妻、元・最低の官房長官スガ様、晋官房長官殿…
     ジャパンライフ、48HDも含め「桜を見る会」問題の幕引きは許されない
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》

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https://lite-ra.com/2020/09/post-5652.html

中曽根元首相の合同葬に「1億円税金」はやっぱりおかしい! 関係者のみ参列なのに過去最高予算 国民に自助求めながら身内優遇
2020.09.27 10:04

     (首相官邸HPより)

 菅政権が昨年11月に死去した中曽根康弘元首相の「内閣・自民党合同葬」の経費として、今年度予算の予備費から約9643万円を支出することを閣議決定したことに、ネット上で非難が殺到している。

 〈#中曽根の葬式に税金出すな〉というハッシュタグがトレンド入り。〈正直、クラウドファンディングでもやってお金出したい人でやればいいと思う。 税金でやる意味どこにあるの?〉というツイートが1万リツイートされるなど、多くの批判や疑問の声がツイッターにあふれた。

 著名人もタレントのうじきつよしが〈自民党、アンタら、王族か貴族のつもりか!? 民主主義、税金をなんだと思ってるんだよ!! 狂ってる。本当に狂ってる。完全に狂ってる〉と怒りの投稿。ウーマンラッシュアワーの村本大輔も、〈このお金のほんの少しのお金があれば誰かは店をたたまなくていい、店をたたんで自殺なんかしなくていい。とんかつ屋のおじさんは油をかぶらなくてよかった。政治家は見えないのか? 彼らが〉と、真っ向から批判した。

 当然だろう。コロナ禍で多くの国民が窮地に立たされている状況で、政治家個人の葬儀に1億円近い税金を出すなんてどうかしているとしか思えない。

 しかも、この金は予備費から支払われるのだ。周知のように、安倍政権は国会を開かず、緊急的なコロナ対策に必要と称して国会の事前の議決を得ないで使える予備費を10兆円も計上した。ところが、コロナ対策でなく、元総理の葬儀に使うというのである。

 まさにそんな金があるなら、1円でも多く、コロナで苦しむ国民の支援や医療体制の強化に使え、という話だろう。

 ところが、こうした批判に対して、ネトウヨや訳知り顔の冷笑系がいつものごとくまぜっかえしを始めた。曰く「総理大臣が亡くなった時はこれまでも内閣・自民党合同葬を行なっていることを知らないのか」「民主党政権下でも宮澤喜一元総理大臣の葬儀が内閣との合同葬で行われている」……。

 いったい何をピント外れの反論をしているのか。たしかに在任1年以上の総理大臣がなくなった場合、これまでも内閣と自民党の合同葬が行われてきた(民主党政権下でも内閣葬が行われたというのはまるっきりのデマで、宮澤元総理の合同葬を行なったのは自民党政権だが)。しかし、今回、非難の声が上がっているのは、そういうこととは次元が違う


中曽根首相の合同葬は総額1億9200万円、一人当たりの経費は12万8千円

 国民が怒っているのは、コロナ禍に見舞われているこの状況で合同葬を強行し、しかも、これまで以上の巨額の税金を拠出するということなのだ。

 周知のように、コロナで多くの国民は大規模な葬儀を中止し、家族葬などに縮小している。志村けんなど人気芸能人もお別れ会などは開催できていない状況だ。そんななかで、中曽根元総理の内閣・自民党合同葬だけは税金を使って盛大に開催するというのだから、国民が怒るのは当然だろう。

 しかも、問題はその中身だ。中曽根元首相の合同葬は、コロナ対策で、これまでの総理大臣経験者の合同葬でよくみられた日本武道館などでなく、東京・高輪のグランドプリンスホテル新高輪の宴会場で行われ、参列者を1500人に限定するのだという。参列できるのは案内状を送られた人のみ、花台や記帳所などを設ける予定もない。つまり、合同葬を強行しながら、国民は参加できないということになる。

 となると、ますますおかしいのは9600万円という予算だ。今回はこれまでより会場が小さくなり、参加者が限定されるのだから、予算も減るのが普通。ところが、注ぎ込まれる税金の額は過去最高なのである。もっとも最近の総理経験者の合同葬は2007年の宮澤喜一元首相の葬儀だが、このときつけられていた予算は7696万円。今回はそれよりも実に2000万円も多いことになる。

 

 ちなみに、葬儀の総額は自民党の拠出額も合わせ、1億9200万円。1500人だけが参列するとなると、一人当たりの経費は12万8千円こんな葬儀、聞いたことがない。ネットでは「巨額の税金をつぎ込んで、一部の人間しか参加できないのは『桜を見る会』と全く同じ構図だ」という指摘があったが、まさにそのとおりだろう。


「国民には自助だ共助だと自己責任押し付けて中曽根の葬式には公助か」の声

 今回の合同葬に強い非難が集まっている理由はもうひとつある。それは、故人と葬儀主催者が両方とも新自由主義の権化であるということとの矛盾だ。

 周知のように、中曽根元首相は、日本に弱肉強食の新自由主義政策をもちこんだ総理大臣で、在任中は国鉄や電電公社などさまざまな公共インフラを民営化した。それなのに、その張本人の葬儀だけは国営でやるのか、という批判が数多くあがっているのだ。たとえば、以下のようなツイートが1万以上リツイートされた。

〈新自由主義の女王サッチャーが亡くなった時、論敵だったケン・ローチは言った。「彼女の葬儀は民営化しよう。競争入札にして一番安い入札者に決めよう。彼女もそれを望んだだろう 国鉄、電電公社、専売公社を民営化した中曽根氏の葬儀も、民営化と競争入札が相応しい。〉

 この矛盾は、合同葬を主催し、9600万円の税金の拠出を決めた菅内閣も同様だ。菅首相はまさに中曽根元首相や小泉純一郎元首相の流れをくむゴリゴリの新自由主義者で、総裁選でも「自助、共助、公助」と、国民に自己責任をうながすようなスローガンを掲げた。そして、就任後は、規制改革」を連呼し、「既得権益の見直し」を繰り返し主張している。

 ところが、その一方で中曽根元首相という権力者の葬儀だけはコロナ禍の状況でも巨額の税金をつぎ込んで実施するというのだ。これはどう考えてもおかしいだろう。

 実際、今回の批判で、もっとも目立っていたのは、菅首相の掲げる「自助」を皮肉ったものだった。

〈これこそ『自助』でやって。〉
〈中曽根元首相の葬儀を「公助」する必要があるのか〉
〈これも「自助」でやればいいんじゃない? 税金から9千万て。〉
〈中曽根の葬式なんか自助か絆か分割民営化でやれや〉
〈中曽根さんは今の自己責任型社会の基礎を作った人。独裁国家みたいな大仰なやり方でなく、質素に自助でやれないのか。〉
国民には自助だ共助だと自己責任押し付けて中曽根の葬式には公助。コロナ対策のはずの予備費使って大規模な葬式やるなんて、コロナで亡くなった人とは葬儀どころか骨になるまで会えないという遺族の苦しい現実なんて何とも思ってない証拠だよな。〉


中曽根合同葬の巨額予算は安倍の意向? 岸信介の合同葬は中曽根政権

 そういう意味では、今回の中曽根元首相の合同葬問題はまさに菅政権の掲げる「規制改革」や「既得権益の打破」がいかにインチキであるかを物語っていると言えるだろう。

 そして、同時に身内優遇という悪しき体質を安倍政権からそっくり引き継いでいることも証明した。

 実は今回、菅内閣がコロナ禍であるにもかかわらず、中曽根元首相過去最高の予算を安倍前首相の意向が大きいといわれている。ベテラン政治評論家が解説する。

「実は、安倍さんの祖父である岸信介元首相の合同葬を取り仕切ったのが中曽根さんだった。岸さんについては、元A 級戦犯の容疑者である上、60年安保を強行したことで国民から盛大な葬儀を行うことには反発が強くあった。しかし中曽根さんは、会場になった日本武道館に陸上自衛隊の儀仗隊を入れるなど、盛大な合同葬を強行。しかも、文部省に命じて教育委員会に各学校が弔旗を掲げることや子どもたちに黙祷を捧げることを強制する通知まで送らせた。今回の中曽根さんの合同葬の巨額予算は、そういうことに恩義を感じた安倍さんが、盛大にやるように菅さんに申し送りをした結果ではないか」

 新自由主義を全開に国民に自己責任を押し付ける一方で、安倍政権からの身内優遇体質はそのまま。菅政権に期待なんてしていたら、それこそ国民は既得権益者の食い物されるだけだろう。

(編集部)
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