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●《推定ウン千万〜1億円弱も払って出した》「ト」な広告…出稿側も「ト」なら、掲載側も「報道」の放棄

2017年09月22日 00時00分57秒 | Weblog


リテラの記事【失笑! 安倍応援団「視聴者の会」が加計報道で“加戸氏の発言を放送しないのは放送法違反”のトンデモ意見広告】(http://lite-ra.com/2017/08/post-3408.html)。

 《うわ、また出たよ……。22日付の読売新聞産経新聞朝刊を見て、こんなセリフが思わず口をついて出た。例の報道圧力団体「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)がまたぞろ“意見広告”を掲載していたのだ…同会の中心人物たちが安倍晋三応援団だらけであることや、賛同人の多数を日本最大の右派団体日本会議の関係者が占めていることなどを報じてきた…またまた読売と産経に推定ウン千万〜1億円弱も払って出した一面カラー広告…「視聴者の会」代表になった百田尚樹が「テレビの24時間停波を主張》。

 『下足番』新聞アベ様広報新聞に「ト」な集団の「ト」な広告が再び。両新聞に関連する…NNN、NTV、YTVやフジは自分の首を絞めることにつながらないか? トンデモ中の最も「ト」な、《「視聴者の会」代表になった百田尚樹が「テレビの24時間停波を主張》って、《悪意ある意図をもって捏造報道》という濡れ衣でテレ朝やTBSが《一定期間放送を認めない》状況にさせられても、読売系や産経系の(報道者と呼べる方はとても少ない)アベ様広報官らは、それに賛成するのね?
 《推定ウン千万〜1億円弱も払って出した》「ト」な広告…出稿する方も「ト」なら、掲載する方も「報道」機関の役割を放棄している。

   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
      再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
    《「NEWS23」岸井氏を名指し攻撃…異様な“意見広告”の真の狙い…
     産経新聞と15日付の読売新聞に掲載された全面意見広告
     国紙の紙面を買い取って広告を出したのは「放送法遵守を求める
     視聴者の会」。呼びかけ人には作曲家のすぎやまこういち氏、
     上智大名誉教授の渡部昇一氏ら“安倍応援団”の面々が並んでいた》

   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
    《このまま岸井氏が降板すれば、TBSは完全に“死んだ”ことになる
     こんなムチャクチャな団体にビビって、岸井氏を降板させれば、
     TBSは報道機関としてオシマイだ》

   『●スガ殿が「粛々」とジャーナリズムを破壊していく
             ~「安倍政権の圧力、狡猾なやり口」~
    《古賀茂明氏…は「いやー、ここまでやるかなという感じです」と
     驚嘆し、このように述べている。「賛同人の名前を見れば、
     安倍政権の応援団がしてることです。安倍政権が本気で
     このまま突き進めば放送については完全に
     国家統制の時代に入りますね」》

   『●いま、「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが
        攻撃を開始: 吉永小百合さんを断固支持する
    《安倍首相お抱え、NEWS 23岸井攻撃の仕掛け人が今度は
     吉永小百合を標的に!「共産党の広告塔」と陰謀論丸出し…
     読売新聞全国版朝刊に、またしても
     「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)が
     一面広告を出稿した。既報の通り、安倍応援団を母体とする
     この団体は、昨年11月14・15日にも産経と読売に一面広告を出稿、
     TBS『NEWS23』アンカーの岸井成格氏の発言をやり玉に上げ、
     番組降板の大きなきっかけになった》

   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
       政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
    《任意団体「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)が、
     読売新聞と産経新聞に1ページ全面の意見広告を掲載。そこでは、
     岸井氏を名指しで「放送法第4条の規定に対する重大な違反行為」
     と批判した。…視聴者の会が安倍首相を応援する論客を中心に
     構成されていることも、臆測を呼んだ》

   『●ギャラクシー賞受賞: 「報道への圧力が高まる
        テレビ界の危機的状況に対し、警鐘を鳴らす…」
    《そもそも、この「独ワイマール憲法の“教訓”」は、
     例の極右団体「放送法遵守を求める視聴者の会」が…。
     このような団体が激怒するという点その報道の正当性が
     浮き彫りになるかのようだが…》

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http://lite-ra.com/2017/08/post-3408.html

失笑! 安倍応援団「視聴者の会」が加計報道で加戸氏の発言を放送しないのは放送法違反のトンデモ意見広告
2017.08.24

     (22日付の新聞に出された広告(奥が産経新聞で手前が読売新聞))

 うわ、また出たよ……。22日付の読売新聞と産経新聞朝刊を見て、こんなセリフが思わず口をついて出た。例の報道圧力団体「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)がまたぞろ“意見広告”を掲載していたのだ。
 本サイトではおなじみだが、「視聴者の会」といえば、一昨年、安保法制を番組内で批判したTBS『NEWS23』アンカー・岸井成格氏を放送法違反だとする新聞意見広告を打ち、結果、岸井氏を降板へと追いやった民間団体。本サイトは「視聴者の会」の結成当初からその動向を追い続け、同会の中心人物たちが安倍晋三応援団だらけであることや、賛同人の多数を日本最大の右派団体「日本会議」の関係者が占めていることなどを報じてきた。
 そんな「視聴者の会」が今回、またまた読売と産経に推定ウン千万〜1億円弱も払って出した一面カラー広告。性懲りもなく、見出しには〈異常に歪んだテレビ報道 視聴者の知る権利が奪われ続けています〉(読売版)、〈テレビにはしっかり事実を伝えて欲しい…それが、視聴者の切なる願いです〉(産経版)との文言が躍っているわけだが、今回、連中が“テレビ報道が捻じ曲げられている!放送法違反じゃないのか!”と言いがかりをつけたのは、やっぱり例の“あのこと”だった。
 そう、加計学園問題で、ネット右翼や極右文化人たちがわめき立てている「なぜ前川喜平氏ばかり取り上げて、加戸守行氏の発言を報じないのか!」なるトンデモな主張をそのままぶつけてきたのである。
 「視聴者の会」の意見広告では、「閉会中審査における驚くべき放送時間の格差」と題し、前川喜平・前文科事務次官と、加戸守行・前愛媛県知事及び原英史・国家戦略特区ワーキンググループ委員など与党側参考人の発言について、7月10日から7月11日にかけてテレビで報道された時間を比較。そのうえで、〈テレビ報道では2日間ほとんどの番組で前川喜平氏による証言を大幅に取り上げ、他の参考人がほとんど存在しないかのような報道になっていました〉と結論づけている。ちなみに、これを調査したという「日本平和学研究所」なる社団法人は、「視聴者の会」前事務局長の評論家小川榮太郎氏が仕切っている団体だ。
 この身内調査のお手盛りっぷりについては前々から指摘しているのであえて繰り返さないが、それにしても、この連中、悪い意味で予想を裏切らない。賢明な読者はよもやこんな詭弁に騙されまいが、念のため、連中の主張がいかにトンデモか、そして国民の「知る権利」を侵害しようとしているのはどっちなのか、きちんと指摘しておく必要があるだろう。


無関係な加戸氏と目撃者の前川氏の証言を同列に並べる詐術

 そもそも“前川氏と加戸氏の発言を同じ時間で報じないテレビはおかしい”という連中の前提自体、噴飯モノとしかいいようがない。
 なぜなら、前川氏と加戸氏では、加計学園問題を解明するにあたっての証言の重要性がまったくちがうからだ。当然だが、加計問題の本質は、加計学園の獣医学部新設が認められたプロセスに不正や恣意性があったかどうかを検証することにある。そして、前川氏は所轄省庁の前トップであり、加計学園の獣医学部新設をめぐる政府内でのやりとりや加計側との“交渉”について、統括的に把握している立場にあった。
 一方、与党の参考人である加戸氏は本人も「(安倍首相の)応援団の一員」だと自認していたように、前愛媛県知事として加計学園側にくっついて、政府に陳情していたにすぎない。しかも、これまで10回以上も認められてこなかった加計学園の今治獣医学部新設がトントン拍子に進んだのは第二次安倍政権以降のことだが、加戸氏が知事を務めたのは2010年まで。ようは、安倍政権での特区指定の行政プロセスに、加戸氏はまったくタッチする機会もなければ、その内実を知る立場でもない
 たとえば、何かの犯罪の証人にたとえて言うなら、前川氏は事件現場に何度も立ち会っていた犯罪の目撃者。これに対して、加戸氏は容疑者を擁護し、支援する親戚のおじさんというレベルでしかない。マスコミが親戚のおじさんより、事件の目撃者の証言を何倍もの量で報道するのは当然だろう。
 実際、国民の関心も、前川氏が新たにどんな具体的な証言をするのか、発言自体にどれだけの信憑性があるのかに向けられていた。だからこそ、テレビメディアも前川氏の一挙一投足に着目していったのである。
 それを「視聴者の会」は、国民の関心ごとを無視して、安倍VS.反安倍のイデオロギー対立であるかのように矮小化。不公平だ、偏向だとわめいているのだ。イデオロギーにかぶれて、偏向しているのはいったいどっちだ、という話だろう。


加戸氏や原氏の証言はとっくにデタラメや嘘がばれている

 しかも、唖然としたのが、「視聴者の会」が今回の新聞意見広告で、〈これらの発言を、皆さんはご存知でしたか?〉なる見出しをつけ、加戸氏らの国会での発言をあたかも「これが真実だ!」といわんばかりに紹介していたことだ。
 言っておくが、これらの発言のほとんどはとっくに反証されたり、嘘があきらかになっている。
 たとえば、意見広告には、7月10日閉会中審査で加戸氏が、鳥インフルエンザや狂牛病、口蹄疫の問題をもち出し、「(知事在任時)愛媛県で公務員獣医師、産業担当獣医師の数の少なさ、確保の困難さ、そして獣医学部の偏在等々の状況のときに、ちょうどたまたま加計学園が今治の新都市への進出という構想を持ってこられた」などと発言したことが紹介されている。
 しかし、各都道府県が公表し農林水産省がまとめている2020年度の「獣医師の確保目標」では愛媛県は0人。しかも、公務員獣医師の地域的偏りはその場所に学校を新設したからといって解決するものでないことは、さまざまな専門家から指摘されている。
 また、「視聴者の会」は同じく、国家戦略特区WGメンバーの原英史氏の発言もほとんど報道されていないとして、メディアを攻撃。この原氏が7月10日の衆院閉会中審査での「規制改革のプロセスに一点の曇りもない」という発言、そして7月24日の同審査での「加計ありきなどという指摘は全くの虚構であることは、公開されている議事録を見ていただければすぐにわかることではないかと思います」という発言を紹介している。
 しかし、その原氏が「公開している」「一点の曇りもない」と言った政府公開の議事録には、WGの会合に加計学園の幹部が同席していたにもかかわらず記載されていなかったことが判明している。原氏はやはり7月10日に「判断に至る議論の過程については公開しており、中立性、公平性についても担保している」などとも言っていたが、これは真っ赤な嘘であったことがわかっているのだ。

 「視聴者の会」が取り上げろ、とがなり立てている人物たちの発言はこれ以外も、たんに安倍首相や菅義偉官房長官と同じ、なんの客観的証拠も示さないまま「不正はない」と言い張るものばかり。加戸氏にいたっては、「今治地域の夢と希望」などと、自分たちがなんとしても獣医学部新設をしたかったという身勝手な理屈を主張しただけだった。


視聴者の会が意見広告でネグった加戸氏の内閣府の忖度を認める発言

 また、「視聴者の会」はネグっているが、加戸氏はまったく逆に、この閉会中審査で口を滑らし、不正や忖度があったことをほのめかす発言までしている。

   「小泉内閣時代からありました構造改革特区に申請して、
    表門から行けないなら、せめて搦手門(=裏門)でも入れてもらおう
    という努力を重ねました」
   「愛媛県と今治市にとって、黒い猫でも白い猫でも、獣医学部を
    つくっていただく猫が一番いい猫でありまして」
   「有識者会議の判断と、内閣府のあるいは虎の威を借りるような狐
    発言を用いてでも強行突破していただいたことは、私は大変よろこんで
    今日にいたっています」

 これらの発言からは、加戸氏が獣医学部新設が実現すれば、プロセスの公正さなんて関係ないという姿勢であったことがよくわかる。おまけに狐=内閣府虎=安倍首相の威を借りて、獣医学部設置を突破したというようなセリフ。これは加戸氏が今治市の獣医学部特区選定が安倍政権の恣意的な決定だったことを認めたようなものだろう。
 「視聴者の会」は“加戸氏の発言を報道しろ”というなら、なぜこの発言を「意見広告」で紹介しないのか
 とにかく加戸氏にしても、原氏にしても、実際にはこんなレベルの発言しかしていないのだ。こんなものを前川氏の具体的な発言と同じように紹介しろ、と言うほうがどうかしている。
 しかも、彼らはもともと安倍政権の応援団であり、国家戦略特区の利害関係者だ。たとえば、加戸氏は、日本会議系の「美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会」の実行委員長を務め、安倍首相肝いりの諮問機関教育再生実行会議の有識者メンバーにも選出。『報道特集』(TBS)のインタビューでの前川氏の証言によれば、加戸氏が有識者メンバーに選ばれたのは「総理から直々にご指名があった」ためだという。
 ちなみに、この特区とはなんの関係もない「教育再生実行会議」の場でも、加戸氏は2013年10月11日に、獣医学部新設について、こんな主張を繰り広げていた。

   「三十数年間固定されておりますけれども、総理の言葉を
    借りまして、固い岩盤も愛媛県という小さいドリルであかないので、
    実行会議の大きなドリルで穴をあけていただければ

 また、原氏についても、本サイトで以前、報じたように、国家戦略特区を利用した“コンサルビジネス”に関与していた形跡もある。つまりバリバリの利害関係者なのだ。こんな人物たちの発言を、教育行政のトップでありながら内部告発をした前川氏と同じ時間を使って報道しろなどとクレームをつけるのは、無理筋にもほどがあるだろう。


「視聴者の会」代表になった百田尚樹が「テレビの24時間停波」を主張

 ようするに「視聴者の会」は、安倍応援団が政権擁護をするために、同じ安倍応援団の発言をもっと大きく報道しろとがなり立てているにすぎないのだ。
 しかし、連中がタチが悪いのは、証言の内容や証拠では大した反論ができないから放送法までもち出し、“報道時間を同じにしろ!”“国民の「知る権利」を守れ!”などと見当違いのいちゃもんをつけ、テレビ局に圧力をかけていることだ。言っておくが、放送法は、本来、放送局を取り締まる法律ではなく、むしろ政府などの公権力が放送に圧力をかけないように定めたものであって、当たり前だが、政治権力側の言い分を「公平・公正」に垂れ流せ、と命令するものではない。
 だいたい知る権利を重視するならば、批判すべきはマスコミではなく安倍政権のほうだろう。そもそも「知る権利」とは、表現の自由報道の自由と深く関連し、国家権力による情報統制に対抗するための概念だが、政権は文科省の内部文書など“加計ありき”の証拠が次々飛び出すなかにあって、「記憶にない」「怪文書」などと説明責任を放棄、省内の調査すら批判が高まるまで拒絶してきた。それこそ国民の「知る権利」を無視する暴挙であって、だからこそ一層、国民は“内部告発者”である前川氏の証言を求め、メディアも国民の「知る権利」を代行するために大きく取り上げたのである。
 いずれにせよ、今回、読売・産経に出稿した広告だけの話ではなく、「視聴者の会」がやっていることは、まさに、メディアへの報道圧力と、国民の「知る権利」に応えない安倍政権の援護であり、その別働部隊としか言いようがない反民主主義的な行為だ。
 実際、「視聴者の会」は今年になって、代表に作家の百田尚樹氏が就き、前述の小川榮太郎氏の後任として経済評論家の上念司氏が新事務局長となった。上念氏は、既報の通り、加計問題で文科省の高等教育局長専門教育課長補佐に対する個人攻撃をラジオで繰り広げた挙げ句、内閣府の職員と混同するというネトウヨによるデマを拡散した人物だ。
 また、新代表である百田センセイといえば、自民党勉強会での露骨な言論弾圧推進などで知られるが、最近もウヨク雑誌「月刊Hanada」(飛鳥新社)9月号で、例の「沖縄二紙はつぶさなあかん」に匹敵するこんなトンデモ発言をしていた。

   「悪意ある意図をもって捏造報道を行った局に対しては
    二十四時間停波するとか、該当番組に関しては一定期間放送を
    認めないなどの措置を検討してはどうか」

 連中の狙いがなんなのか、誰の目にも明らかではないか。これから「視聴者の会」が、報道の自由への意識が著しく欠けた百田・上念体制のもと、政治権力と二人三脚で報道への圧力を強めていくのは間違いないだろう。どこから巨額のカネが出ているかも怪しい新聞意見広告の詐術に騙されてはならないのはもちろんだが、今後も「視聴者の会」の動向を注意し、その報道圧力に徹底して抗う必要がある。

(編集部)
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●アベ様に犯罪をもみ消してもらえる「報道」者、かたや、「卑劣な報復=身辺調査」を噂される新聞記者…

2017年07月24日 00時00分04秒 | Weblog

[※ サンデーモーニング(2017年7月2日)↑]



サイゾーウーマンの姫野ケイ氏によるインタビュー記事【東京新聞社会部記者・望月衣塑子さんインタビュー(後編)/「山口敬之レイプ疑惑」に新たな事実も!? 東京新聞・望月衣塑子記者が語る、報道の裏側】(http://www.cyzowoman.com/2017/07/post_145492.html)。

   『●ジャーナリズムの劣化、そして、アベ様政権の力の源泉
         =「内閣人事局制度を始めとする「政治主導」改革」


 《…事件に関し、先日「ニューヨーク・タイムズ」の記者と話したところ、「アメリカだと、このような事件は政権が崩れるほどの超政治問題になるのに日本のマスコミはなぜ騒がないのか」と、何度も何度も繰り返し質問されました》。

 アベ様に犯罪をもみ消してもらえる「報道」者。で、かたや、記者の義務を果たして「最低の官房長官」「沖縄「負担軽減」担当相」に質問しただけで、「卑劣な報復=身辺調査」を噂される新聞記者が居る訳です。

   『●東京新聞社会部女性記者…「菅は周章狼狽。
      常に威圧的に…判で押したような答えでごまかすが、彼女は…」


 《「菅官房長官が警察組織を使って、望月さんの身辺調査をするよう命じた」という報道…疑惑について次々に質問を重ねているので、何か動きがあるのかもしれませんが、目に見える形にはなっていないので、今のところ危険な目には遭っていません。目立つと、やはり危ないことに巻き込まれる可能性は出てくるとは思っていますが、前川さんや詩織さんの話を聞くにつけ、私でなくても結局、誰かが声を上げなければいけなかったのではと思っています。日本の政治や社会を作っていくのは、政治家ではなく私たち国民の意識なのだということを改めて認識していく必要があると思っています》

 コンナ「裸の王様」やその酷い取巻き連中に負けたくない。

   『●斎藤貴男さん「人間が人間であるために、最後まで抗おう」
               と呼びかけ…コンナ「裸の王様」に負けたくない

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http://www.cyzowoman.com/2017/07/post_145492.html

東京新聞社会部記者・望月衣塑子さんインタビュー(後編)
「山口敬之レイプ疑惑」に新たな事実も!? 東京新聞・望月衣塑子記者が語る、報道の裏側
2017.07.13

 現在、女性の新聞記者は増えてきたものの、その割合は全体の2〜3割程度だという。男性ばかりの環境で、積極的に相手に食い込んで取材をしていると話題の東京新聞社会部記者、望月衣塑子さんに、今の政権やメディアの問題点を聞いた。

前編はこちら


■日本のマスコミは、なぜ詩織さん事件について騒がないのか?

――元TBSワシントン支局長の山口敬之氏に「レイプされた」として、ジャーナリストの詩織さんが被害届を出した件についても、裏で安倍政権が山口氏のために動いている疑惑があるとも聞きますが、どうなのでしょうか?

望月衣塑子さん(以下、望月) どういう過程でなぜ、逮捕が取りやめになったのか、その経緯は、まだはっきりわかりません。詩織さんのお話では、2人が出会ったのは、2015年3月末、詩織さんが働いているバーに山口氏がお客として来たことがあったようです。翌日、山口氏は詩織さん、TBSのNY支局員とともに食事をします。詩織さんは当時、フリーランスとなって仕事を始めるかTBSで働くかで悩んでおり、山口氏にTBSのワシントン支局で仕事ができないかという相談をしています。その後、山口氏と詩織さんは東京・恵比寿にある2軒のレストランで会食をした後、詩織さんが意識を失い、気付いた時には、ホテルで「レイプをされていた」と訴えています。詩織さん自身は、非常にお酒が強く、取材時に同席されていた友人の話でも、「ワインを2人で何本空けても、詩織さんが酔いつぶれたのは見たことがない」というのです。詩織さんは、「これで就職が決まるかどうかという面接も含んだような飲食の席で、緊張しているのに、大量にお酒を飲み、吐くまで泥酔するということ自体できない」とも話していました。

 また、関係者に取材したところ、事件が起きた日に山口氏と詩織さんが訪れたレストランは、山口氏のお父さんも愛用している「値段のないレストラン」だったそうです。山口氏のお父さんは、有名な元野球選手の顧問弁護士などもやられている方だと聞いています。

 そして、逮捕状が出て執行される予定だった15年6月8日、詩織さんの担当警察官は成田空港の出口で山口氏が降り立つのを待っていたところ、「逮捕はするな」という指示を受けました。TBSの元ワシントン支局長が逮捕されるということで、高輪署、警視庁の捜査一課、広報課にも根回していたにもかかわらずです。逮捕は見送られ、任意での聴取となりました。任意の聴取になった契機は、当時、警視庁の刑事部長だった中村格氏が「山口氏の身柄を取るな」と指示したとされており、「週刊新潮」(新潮社)の取材に中村氏は「(逮捕の必要がないと)私が判断した」と話しています。


詩織さんの件で、新たな事実が浮き彫りになる可能性も

――そうしたことを、詩織さんが顔や実名を出して訴えたのは、大きなリスクを伴いますし、非常に勇気ある行動だと思いました。

望月 そもそも詩織さんの事件は、山口氏が当時TBSワシントン支局長でありながら、「週刊文春」(文藝春秋)に「ベトナムに韓国軍の慰安所があった」という内容の記事を書いたため、会社から日本に呼び戻された際に起きています。山口氏は4月23日に支局長を解任されて営業に異動、その後、自ら会社を辞めています。警察も初めは「TBSワシントン支局長が相手では難しい」「準強姦(ごうかん)罪は動画がないと起訴は難しい」などと、被害届を受けたがらなかったらしいのですが、山口氏が営業に異動になった後、詩織さんや彼女の友人の供述や、タクシーのドライバーの証言、ホテルの防犯カメラに映っていた詩織さんが山口氏に引きずられているように見える動画などの証拠が集まるようになり、捜査が本格化していったそうです。

 詩織さんは準強姦罪の不起訴不当を訴え続けていますが、ジャーナリストとして活動するために、検察審査会に訴えたわけではないと言います。本来は、フリーランスのジャーナリストとしてやっていきたいのですが、この問題で自分が実名で声を上げずに示談で済ませてしまったら、ほかの性被害者の人がもっともっと声を上げにくいような世の中になってしまうのではないかと思ったそうです。一時期は、性被害者の団体に入って、そこの団体をサポートしようとも考えたそうなのですが、やはり日本の社会や法律を変えるために、自分が実名で出ていくことを選んだのだと思います。彼女は、市井の被害者ですが、戦っている相手のバックには、山口氏がかつて深く食い込んでいた安倍首相はじめ、強力な安倍政権があると感じており、権力を敵に回すのはとても恐ろしいはずです。28歳の女性にその覚悟ができるのは本当にすごいことで、かなりの覚悟と勇気が必要だったでしょう。しかし、話を聞くほど、彼女には自分のこと以上に、社会を変えていきたいという使命感のようなものが強くあると感じました。

 一方、山口氏は、詩織さんの実名告発会見を受けて、フェイスブック上で「私は法に触れる事は一切していません。ですから、一昨年の6月以降当局の調査に誠心誠意対応しました。当該女性が今回会見で主張した論点も含め、1年余りにわたる証拠に基づいた精密な調査が行われ、結果として不起訴という結論が出ました。よって私は容疑者でも被疑者でもありません。もちろん、不起訴処分の当事者は皆、検察審査会に不服申立する権利を有していますから、申立が行われたのであれば、私は今まで通り誠心誠意対応します」と反論しています。

 事件に関し、先日「ニューヨーク・タイムズ」の記者と話したところ、「アメリカだと、このような事件は政権が崩れるほどの超政治問題になるのに日本のマスコミはなぜ騒がないのか」と、何度も何度も繰り返し質問されました。加計学園の疑惑はテレビで扱っていますが、詩織さんの場合は日本テレビ以外のテレビ局では、ほぼ放映されていません。取り上げない大きな理由のひとつには、一度不起訴になった人はたくさんいるので、なぜ、あえてこの件を取り上げるのかという指摘があり、新聞で書くにも壁があるのは確かです。

 しかし、この件に関しては、複数の国会議員が疑問視しており、今後、国会の場なども含めて議題として取り上げられ、新たな事実が浮き彫りになってくる可能性もあります。


女性だからグイグイ質問できる部分がある

――取材対象である政治家には男性が多い中、女性だからやりづらいと感じたことはありますか?

望月 体力勝負になるところやセクハラ的なものがあるなど、大変さもありますが、基本的には女性も男性も「これを取材したい」「報じなければいけないと」いう思いでは同じだと思います。ただ、どちらかというと女性だからグイグイいける、女性の方が単刀直入に聞いていけるのかなと思うことはあります。例えば、菅官房長官の会見だと、普段から菅さんと付き合いのある記者さんたちは「あまりご乱心させてはいけないと気に掛けている面もあると思うのですが、私にはそのような配慮は、付き合いがないからこそ、ありません。毎日取材で顔を見せて会っていたら、私のようには、なかなか追及しづらいのだと思います。人それぞれですが、男性でガンガンストレートに聞く人は少ない印象です。でも稲田朋美防衛相の失言時は、防衛記者クラブでの質問は、男性記者がかなり執拗に追及していたと感じました。官邸の会見でも「ジャパンタイムズ」の男性記者は問題だと感じた場合、「それおかしいでしょ!」とストレートに怒りをぶつけていました。

――「菅官房長官が警察組織を使って、望月さんの身辺調査をするよう命じた」という報道もありましたが、実際に危険な目に遭ったりはしていませんか?

望月 疑惑について次々に質問を重ねているので、何か動きがあるのかもしれませんが、目に見える形にはなっていないので、今のところ危険な目には遭っていません。目立つと、やはり危ないことに巻き込まれる可能性は出てくるとは思っていますが、前川さんや詩織さんの話を聞くにつけ、私でなくても結局、誰かが声を上げなければいけなかったのではと思っています。日本の政治や社会を作っていくのは、政治家ではなく、私たち国民の意識なのだということを改めて認識していく必要があると思っています。

――新聞記者として、今後はどのような報道をしていきたいですか?

望月 加計疑惑をみると、現状は、官邸・内閣府と文科省の双方が「言った」「言わない」の議論に陥っているかのように見えますが、現時点で「加計ありきで進んでいたのではないか」という国民の疑念に対し、政府は納得のいく説明や客観的な資料をまったく示せていません。報道によって、政府がどのように何を説明でき、何を説明できていないのか、これを繰り返し繰り返し紙面やSNSなどを通じて、有権者である国民に伝えないといけないと感じています。

 06年の第一次安倍政権時に教育基本法が改正され、「愛国心」や「伝統」「公共の精神」が盛り込まれ、ナショナリズムが喚起される方向に変わったように思います。私が取材している武器輸出の問題でも、第二次安倍政権の閣議決定により、武器を他国に売らない国から、武器を売って稼ぐ国づくりへ大きく転換させようとしていることが見えてきます。

 2年前に筑波大学の学生新聞が行ったアンケート調査では、軍事研究賛成派の学生が反対派を上回ったという結果が出ています。筑波大はどちらかというと政府系の研究所やシンクタンクが多いということもありますが、そのような結果が出たのは衝撃的でした。今年になって、日本の科学者を代表する団体である「日本学術会議」で、軍事研究を禁止する1950年・67年の声明を継承していくとする決定が出たことを受け、同大の永田恭介学長は「軍事研究を禁止するルールを作っていく。学生とは一から議論していきたい」と会見で発表しました。NHKで一部報道されていましたが、名古屋大の大学院生らの中には「(実際の)戦争が起こらないのであれば、助成金をもらっていてもよいのではないか」「国防のためには軍事研究は必要だ」と言う学生もいたそうです。

 私が子どもの頃は、戦争の悲惨さを訴える番組がよく放送されていた記憶があります。でも、戦争を経験した世代が亡くなり、戦争の記憶が生々しく語り継がれていく機会が減っているという現状があります。今の若い学生さんほど、戦争に対するリアリティを持てないのでしょう。世代間の差が見えます。ここをどう埋めていけるか、戦争の記憶を引き継いだ私たち大人に課された課題だとも感じています。

 国民は身の回りの生活が干上がってくると政治に怒りを持つけれど、自分たちの周りが豊かなうちは、ちょっとくらい国の方向性が右や左にそれようが、実感としてはよくわからないのかもしれません。日本経済団体連合会(経団連)に属する大手企業の幹部たちも、話を聞くと、みんながみんな安倍首相の国家観がよいと思っているわけではないことがわかります。ただ、経済効果を数字で出し、株価を維持することが大切だと考える経営者は多く、富の格差が広がっていることは明らかですが、今は有効求人倍率の数字などは良く、経済成長が大きく後退しているようには見えないので、今の政権に対して経済界も妥協しているのかなと、取材していて実感します。でも、この国の形をつくるのは、私たちの民意です。今の政権の抱えている問題点について、一人でも多くの人たちに考える契機を持ってもらえるよう願っています。

(姫野ケイ)

望月衣塑子 (もちづき・いそこ)
1975年、東京都生まれ。東京新聞社会部記者。慶應義塾大学法学部卒業後、東京・中日新聞に入社。千葉、神奈川、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材する。2004年、日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑の一連の事実をスクープし、自民党と医療業界の利権構造を暴く。また09年には足利事件の再審開始決定をスクープする。東京地裁・高裁での裁判担当、経済部記者などを経て、現在は社会部遊軍記者。防衛省の武器輸出、軍学共同などをテーマに取材している。二児の母。趣味は子どもと遊ぶこと。
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●ジャーナリズムの劣化、そして、アベ様政権の力の源泉=「内閣人事局制度を始めとする「政治主導」改革」

2017年07月23日 00時00分53秒 | Weblog

[※ サンデーモーニング(2017年7月2日)↑]



サイゾーウーマンの姫野ケイ氏によるインタビュー記事(前編)【東京新聞・望月衣塑子記者が語る、安倍政権の裏側――記者がスパイのように……】(http://www.cyzowoman.com/2017/07/post_145472_1.html)。

   『●ユルユルの原発ゼロ目標さへ、
       しかも、閣議決定さへも出来ないムダ内閣
   『●「九電本店前ひろば」「経産省前テントひろば」の継続した抗議行動
   『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。 
            そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!
   『●「積極的平和主義」なアベ様には少女の声は聞こえない
             ~子どもの「未来」の破壊、「悪夢」への投資~
   『●望月衣塑子東京新聞記者、議論無く
     「「欧米列強に倣え、進め」と武器輸出推進の道に歩みを進めている」
   『●「国策の名の下に研究者が軍事研究に加担させられた
              歴史を繰り返そうとしている…亡国の施策だ」
   『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を
        渡った」自公お維…「平成の治安維持法」参議院突破
   『●東京新聞社会部女性記者…「菅は周章狼狽。
      常に威圧的に…判で押したような答えでごまかすが、彼女は…」
   『●「裸の王様」および「最低の官房長官」の
       「下足番」新聞=読売新聞…落ちぶれたものだ
   『●望月衣塑子東京新聞社会部記者
     「会見場は勝負しなければいけない場所、非常に重要な場所」

   『●斎藤貴男さん「人間が人間であるために、
      最後まで抗おう」と呼びかけ…コンナ「裸の王様」に負けたくない

 《権力側に気に入られ、権力に食い込もうとするがために、記者が自ら進んでメモを権力に差し出していると推測…こういう状況は、かなり危機的…。どんな立場にいようと、最後はメディア、そして記者は権力の監視・チェックをし、権力の暴走を防ぐために存在するということを肝に銘じる必要がある》

 ジャーナリズムの劣化が著しい。「アベ様のNHK」や「下足番」新聞。新聞とさえ呼べない『産経』


 《内閣人事局を掌握し、2014年以降、霞が関の部長級以上の官僚5,600人の人事権を握るようになったことは、今の政権の力の源泉…ものを言えない空気が霞が関官僚の中に漂っていて、官僚の間に不満もたまっていると思います》。


 アベ様「政権の力の源泉」=「内閣人事局制度を始めとする「政治主導」改革」。そこを考え直す必要があるようだ。

   『●アベ様の秋と『官僚たちの夏』: 「「総理のご意向」を
         理由に行政が歪められたことは紛れもない事実」
    《先週、ビデオニュース・ドットコムでは、一橋大学大学院の
     中北浩爾教授と、なぜ安倍政権にこれだけの権力が
     一極集中するようになったのか
について議論した。小選挙区制
     政党助成金の導入など一連の「政治改革」が個々の議員の権限を
     党に移行させ、内閣人事局制度を始めとする「政治主導改革
     各省庁の権限を首相官邸に集中させた結果、官邸の権力が
     極度に強大化
している現状が指摘された》

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http://www.cyzowoman.com/2017/07/post_145472_1.html

東京新聞・望月衣塑子記者が語る、安倍政権の裏側――記者がスパイのように……
2017.07.12

 安倍晋三首相のスポークスパーソンである菅義偉官房長官の記者会見で、何度も食い下がって質問を続けるひとりの女性記者が注目を集めている。その取材の様子が話題となり、最近はテレビや雑誌にもたびたび登場している東京新聞社会部の記者、望月衣塑子さんだ。なぜ菅官房長官にしつこく質問するのか、政治取材の現場はどういうところなのか、そして安倍政権の裏側について、望月さんに聞いた。


■記者クラブの会見では、指名される人が決まっている

――菅官房長官への記者会見で毎回食いついていますが、望月さん以外の記者は、あまり切り込んだ質問をしていないように見受けられます。安倍政権に批判的な質問をしてはいけない“暗黙の了解”のような雰囲気が記者クラブにはあるのでしょうか? また、そもそも記者クラブとは、どういう集まりなのでしょうか?

望月衣塑子さん(以下、望月) 記者クラブとは、総理大臣をはじめ各官庁、政党を担当している(大手メディアのテレビや新聞などの)政治部記者が入っている記者会で、そのうちの大きなひとつが「内閣記者会」(官邸クラブ)です。最初は私も「批判的な質問をしないのが普通なのかな?」と思っていたのですが、菅官房長官の会見では、手を挙げている記者の質問には、批判的な内容でも全部きちんと答えています。一方、安倍首相の記者会見では、司会者は絶対に安倍首相のお気に入りの記者しか指名せず、NHKなどは手を挙げてもいないのに指されると聞きました。菅官房長官の会見に関しては、官邸クラブが中心ではありますが、フリーの記者でも金曜午後は入れるようになっており、ある程度開かれてはいます。

 かつては政権に批判的な記者の質問も多かったと聞きましたが、最近は、あまり官邸に抵抗できないという空気感がクラブにあると思いますね。加計学園疑惑の話は、マイルドな聞き方をされていますし。

――望月さんは政治部ではなく、社会部の記者ですよね。ほかの部の記者でも入れるんですか?

望月 明確に記者会所属の記者しか出てはいけないという規定はないので、内閣記者会に会社が登録し、国会記者証を持っているなどいくつか条件をクリアしていれば、フリーの記者も含めて会見には入れます。官邸は週刊誌などのマスコミも、どんどん来ていいというスタンスとも聞きますが、内閣記者会側が既得権にこだわっており、フリーの記者が金曜日の午後会見以外に出ることには否定的だと聞いています。

――官邸クラブの記者は、政府の「御用記者」のような感じなのでしょうか?

望月 政治部と社会部では、目指している方向が、そもそも違うのだと思うので、批判的な質問をしない政治部記者が問題だとは思いません。政治部記者の中では、社会部的な疑惑の追及より、北朝鮮や中国との関係をはじめとする国際情勢や、経済政策などの政治情勢がどんどん動いていくから、それを日々追って、菅長官のコメントを取ることの方が重要なのだとも思います。

 だから、稲田朋美防衛相など、選挙での政治情勢に影響する失言などには、とても敏感だし、ツッコミも入るのですが、加計疑惑や下村疑惑(下村博文議員が加計学園から闇献金を受けたといわれる疑惑)などの社会部的な疑惑をいちいち掘り下げていくという雰囲気ではないのだと思います。政治部記者としては、日々目まぐるしく回っていく政治をどうフォローしていくかが主眼で、疑惑の追及が重要ではないというスタンスなのかもしれません。そのため、疑惑を掘り下げている社会部の記者こそが、怒りをもって追及していけるのだと思います。


同じ回答しかしない政治家を、国民に見せることが大事

――望月さんは、会見時に菅官房長官に何度も質問をされていますが、それに対し、菅官房長官は質問の答えになっていないような回答ばかりされていますよね。

望月 今では、その様子を国民に見せることが必要だと思っています。国民は、何を質問しても、菅官房長官がうろたえて同じ答弁を繰り返すのを見て、「さすがに『加計ありきでない』という言い訳は苦しいよな」と思い始めているのではないでしょうか。

――NHKや民放をはじめとしたテレビには、すべてをきちんと放送できない事情があるのでしょうか?

望月 これは、私がテレビ関係者から聞いた話ですが、例えば、国会が開いている間は加計学園疑惑がこぞって放送されていました。しかし、国会が閉じてしまうと加計疑惑について報道するかどうかは各局の判断になるそうで、そこから、各局の政権に対する忖度のスタンスがよくわかるというのです。ある番組ではトップで扱っているものが、別の番組では三番手扱いのニュースになっているとか。また、ある民放局では、コメンテーターに官邸の見解を話す人を入れるよう、上から指示が来たという話があるとも聞きました。

 テレビと比較すると新聞は、そのようにあからさまな圧力は受けていません。数年前、衆議院議員選挙を前に、萩生田光一官房副長官が民放各局の番組担当者や編集局長などに宛てて、「公平中立、公正な選挙報道をという内容の文書を送りつけています。このように政権が選挙報道側に規制を前提とするような圧力をかけることはありませんでしたから、極めて衝撃的な文書であり、安倍一強の下での政権のテレビメディアへの関与、圧力があからさまになった出来事でした。しかし、そのときも、すぐに騒ぎにはなりませんでした。やはり、テレビは電波を総務省に握られている(電波法に基づいて放送免許を与えられている)ことも関係あるのかもしれません。

 本来は、このような圧力があったら、テレビメディアは断固として闘うべきでしょうが、それはなかった。逆に、あの萩生田文書を契機に、テレビメディアの忖度が急速に進展していったのではないかという気がしています。これは民主主義や言論の自由にとって大きな危機だったと感じています。


官邸が記者をスパイのように使っている!?

――なんだか独裁国家のような感じですね。

望月 恐怖政治のようにも見えるかもしれませんが、問題とされるべきは、政権だけでなく、メディア側の姿勢にもあると思います。関係者を取材すると、官邸側は反政権的な官僚や政治家、マスコミ関係者などについて、出身官庁からの情報など、あらゆるチャンネルを使って調べているとも聞きます。韓国・釜山の総領事の森本康敬氏が異例の交代となった背景には、マスコミ関係者と森本氏が会食した際、政権に批判的な発言をしたことが、官邸に伝わったためとも聞きます。ある元自民党議員は、取材に対し「政治部記者に官邸批判をしていたら、その話がすべて官邸に筒抜けになっていて恐ろしかった」とも言っていました。前川喜平・前文科省事務次官は、一部メディアで報道が出る前に、新宿のバー通いについて官邸の杉田和博副長官から指摘を受けていました。

 どこのメディアでもそうですが、その部署に50人の記者がいれば50人分、取材対象から聞き取った内容のメモができます。マスコミのある社では、かつてはそのメモを記者全員で共有していたそうですが、今は「反政権的なことを言っている官僚や政治家がいます」と、官邸サイドにその話が筒抜けになるのを防ぐため、キャップやサブキャップ以外にメモをシェアしない形を取るようになったとも聞きました。これは、政権が怖いということ以上に、権力側に気に入られ、権力に食い込もうとするがために、記者が自ら進んでメモを権力に差し出していると推測させることを示しています。こういう状況は、かなり危機的ではないかとも感じます。どんな立場にいようと、最後はメディア、そして記者は権力の監視・チェックをし、権力の暴走を防ぐために存在するということを肝に銘じる必要があると思っています。

――権力を監視するはずの記者が、その役割を果たしていないということでしょうか?

望月 記者としては政権の内部に食い込みたいから、そのメモを官邸サイドに渡すのでしょうが、結局それは、官邸が記者をスパイのように使う材料にもなっているわけです。前川前次官に聞きましたが、文科省の文化功労者選考分科会の委員の人選で、閣議決定が必要なものがあったため、事前に官邸にお伺いを立て、人事のリストを見せた時、杉田副長官から「この学者は安保法制反対の学者の会にいるよね」とか「この人は政権にあまり賛成していないね」と指摘を受けたと話していました(杉田副長官は否定)。前川氏は、「要は、委員のメンバーからは外せと言いたかったのでは」と話していました。この話を菅官房長官にぶつけると、「それはない」と激しく否定し指摘されたことをとても嫌がっていました。内閣人事局を掌握し、2014年以降、霞が関の部長級以上の官僚5,600人の人事権を握るようになったことは、今の政権の力の源泉です。その内幕のような話は、最も触れてほしくない部分なのでしょう。

 前川氏によると、安倍政権前のかつての自民党でも似たようなことはあったが、審議会の人事に少しくらい反政府側の知識人がいても、官邸がそこまで口出しをすることはなかったそうです。民主主義的な議論をするには、ある程度、さまざまな立場の意見がある方が、議論に多様性があっていいじゃないですか。でも今、安倍首相の作り出す会議は、みんな安倍首相の色に染まった人ばかり。加計学園の民間の諮問会議のメンバーしかり、「NO」と言う人は周りに絶対寄せ付けたくないという感じがあります。メディアの使い方にしてもそうです。本来は国会の場など誰に対しても開かれている公平な場でこそ、自らの狙いや心情を打ち出してしかるべきなのに、読売新聞の一面で憲法改正議論を5月3日に出して、国会で「読売新聞を読んでください」と言い放ったり、改憲案を秋の臨時国会で提出することを「正論」懇話会が主催したイベントで言ったりとか、そういうのは非常におかしな話だなと思います。


今、政治がどうなっているのか知ること

――おかしなところが多い今の政権に対して、国民はただ見守ることしかできないのでしょうか?

望月 まずは知ることです。今、政治がどうなっているのか知ることで、選挙の際の一票につなげてください。支持率の低下は、政権にとって大打撃なんです。加計疑惑の中身をきっちりと知れば、今の政権がなんでもありのおかしな政権になりつつあるのではないか、という疑念が解消されるか、逆に疑念が深まるかということが、少しずつ見えてくると思うんです。人事権を握られた現在、霞が関の官僚はひたすら忖度に動いてしまい、「総理が言っているんだから」で済まされ、本来は司司であるべき官僚の姿勢さえもゆがみかねないという、政治の現状を理解することができてくると思います。官僚側に立てば、反対意見を述べて自分たちが左遷されるのが一番怖いということなのでしょう。

 かつて、小泉政権下で打ち出した教育政策が、当時文科省の一課長だった前川氏の考える教育理念・政策の在り方に合わないと、ご本人がブログを書いて反論していたことがあったようですが、小泉改革の中でも、彼が左遷されることはありませんでした。今は、そういうことがあるとすぐに、課長は飛ばされてしまいます。ものを言えない空気が霞が関官僚の中に漂っていて、官僚の間に不満もたまっていると思います。
(姫野ケイ)

後編へつづく
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●主犯A…『A Few Good Men』のようにネイサン・R・ジェセップ大佐を証人台に座らせろ!

2017年07月22日 00時00分06秒 | Weblog

[※ 報道特集(2017年7月8日)↑]



リテラの記事【閉会中審査でネトウヨ自民党議員たちが前川前次官に卑劣な質問浴びせるも次々返り討ちに! 逆に詭弁と嘘を暴かれる醜態】(http://lite-ra.com/2017/07/post-3305.html)、

 《「はじめから加計学園に決まるようにプロセスが進んだように見える。非常に不合理な意思決定だった」「背景に首相官邸の動きがあったと思う。和泉洋人首相補佐官がさまざまな動きをしていた」》。

   『●アベ様の秋と『官僚たちの夏』: 「「総理のご意向」を理由に
                   行政が歪められたことは紛れもない事実」

 さて、アベ様ご夫妻、取り巻き連中、オトモダチらを証人喚問すべし。

 山岡俊介さんの『アクセスジャーナル』の記事【鶴保庸介沖縄・北方相にも重大疑惑】(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=8153)によると、《「安倍一強」体制の奢り故かーー閣僚だけ見ても小渕優子経済担当相(支持者を観劇招待の政治資金規正法違反絡み)、松島みどり法相(うちわ配布が公職選挙法に抵触)、西川公也農水相(補助金交付が決まっていた団体から献金)、甘理明経済再生担当相(金銭疑惑)、今村雅弘復興担当相(「東北でよかった」発言)など。議員で自民党離党となると武藤貴也衆議院議員(金銭スキャンダル)、宮崎謙介衆議院議員(不倫)、中川俊直衆議院議員(不倫)、つい最近では豊田真由子衆院議員の元政策秘書に対する暴言・暴行(埼玉県警は元政策秘書の被害届を7月6日に受理)もあった。さすがに先の東京都議選での大敗で危機感を持ったようで、安倍晋三首相は内閣改造を8月3日を軸に検討し出し、やはり数々の失言などでとっくに辞任していてもおかしくない稲田朋美防衛相、金田勝年法相は交代させる見通しだが、鶴保庸介内閣府特命担当相(和歌山選挙区。参議院議員。当選4回)にも重要問題が浮上して来ている》。
 こうして並べてみると酷いな。自公お維トファに投票する人の気が知れない。

 日刊ゲンダイの記事【これから本番 閉会中審査は加計理事長「国会招致」の号砲】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/209159)によると、《政府・与党は「最後のヤマ場」みたいに軽く考えていたようだが大間違い。学校法人「加計学園」(加計孝太郎理事長)の獣医学部新設をめぐる「疑惑の闇」の真相解明は、いよいよこれからが本番》。
 同紙の他の記事【加計問題で閉会中審査 前川前次官「歪められた行政」暴露】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/209195)によると、《前川喜平前文科事務次官が初めて国会の議論の場に立った。加計学園ありきで「不公平」「不透明」に行政が歪められた事実を告発。「背景に官邸の動きがあった」と、政権中枢の関与を明言…。…民進党・福島伸享議員はまず、安倍首相の不在を糾弾。九州豪雨が激甚災害指定となりそうなほどの甚大な被害をもたらしている状況下で、「G20は終了したのになぜすぐに欧州歴訪から帰国しないのか」と追及した。安倍首相はエストニア訪問だけキャンセルして帰国を11日に1日早めたが、福島議員は「まさかこの委員会に出席したくないから帰国しないのか」と疑問を投げかけ批判、安倍首相と昭恵夫人出席の集中審議の開催を求めた》。
 主犯「A」不在…「THIS IS 「A」 主犯」の「A」=アベ様ご夫妻、オトモダチらを証人喚問すべし。

 返り討ちにあった恥かしい自民党議員センセについて。自信過剰な、はっきり言って「ト」な自称ジャーナリスト。
 リテラの記事【青山繁晴が閉会中審査で大恥! 質問は悉く前川氏に論破され、出会い系通い問題はデマがばれて質問できず】(http://lite-ra.com/2017/07/post-3306.html)によると、《「総理のご意向」をひた隠しにすべく、参考人招致された前川喜平・前文部科学事務次官に対する個人攻撃を連発。しかも、それを前川氏に徹底して切り返されるという醜態を満天下にさらけ出した》。

 『A Few Good Men』のようにネイサン・R・ジェセップ大佐を証人台に座らせろ!(https://ja.wikipedia.org/wiki/…)…残念ながら参考人招致の席には主犯「A」が居なかった。ご婦人やオトモダチ、取り巻き連中共々、至急、証人喚問をすべきです。大見得・啖呵《議員辞職》を実行されてから、国会の証人喚問の席につかれては如何か。

 最後に、東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017071102000130.html)によると、《▼そのせいでその昔の奥州での芝居巡業といえば、義経とはまったく関係のない狂言にまで、義経を出さなければ、客はおさまらなかったそうだ▼永六輔さんの『芸人その世界』に教わった。…肝心の首相が出席しなかった。これでは義経の登場しない「義経千本桜」か「勧進帳」か▼はっきりさせたいのは戦略特区での獣医学部新設について首相の指示があったか否かである。首相抜きでの審議では限界があり、真相に迫ることは難しかろう。第一、主役抜きの不条理劇では国民がおさまるまいまさかこの日限りの興行ではあるまいな。話の筋も理も見えぬままの幕では、ただでさえ、支持率急降下の立役者とその一座、今後は酷(ひど)い不入りに泣こうて》

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http://lite-ra.com/2017/07/post-3305.html

閉会中審査でネトウヨ自民党議員たちが前川前次官に卑劣な質問浴びせるも次々返り討ちに! 逆に詭弁と嘘を暴かれる醜態
2017.07.10

   「はじめから加計学園に決まるようにプロセスが進んだように見える。
    非常に不合理な意思決定だった」
   「背景に首相官邸の動きがあったと思う。和泉洋人首相補佐官が
    さまざまな動きをしていた」

 本日行われた閉会中審査に参考人として出席し、あらためて、官邸主導で国家戦略特区の獣医学部新設が「加計学園ありき」で進められたのかを告発した前川喜平前文部科学事務次官。前川氏は和泉洋人首相補佐官より「総理は自分の口からは言えないから私が代わりに言う」として、獣医学部新設の迅速な対応を求められてきた事実を証言し、「(規制の)穴の開け方に不透明さがある」と言及した。
 紙資料など一切持たず、まっすぐ前を向いて淡々と、しかし理路整然と答弁席に立った前川氏。その一方、またも露わとなったのが、安倍政権の醜い答弁や個人攻撃の数々だ。
 そもそも、肝心要の安倍首相は災害対応のために外遊日程を切り上げ帰国を決定したものの、なんと閉会中審査が終わった明日11日に帰国するという姑息な手段に出たが、それだけではなく与党は、きょうの閉会中審査における和泉首相補佐官と木曽功前内閣官房参与の参考人招致を拒否。また、加計孝太郎理事長と安倍首相が仲良くグラスを傾ける様子を昭恵夫人がFacebookに投稿した例の「男たちの悪巧み」写真や、野党が入手した資料などの配付資料に与党の委員会理事が出すなと拒否し、審議の開始時間がずれ込む事態に。
 さらに、いざ審議がはじまっても、山本幸三地方創生相は数分間にわたって官僚がつくったであろう手元の紙を読み上げ、野党の質問時間を削ったかと思えば、「なぜ獣医学部の需給が明らかではないのに押し切ったのか」という質問に、「需給の数とか量をはっきり示すのは無理」などと言い出す始末。つまり、内閣府のトップが「石破4条件なんか関係あるか」と投げ出してしまったのだ。
 これだけでも唖然とさせられたが、もっと酷かったのは、質問を行った自民党議員たちだ。
 まず、衆院で質問に立った平井卓也議員は、「文書を流出させたのは前川さんか?」と尋ね、前川氏は回答を差し控えた。すると平井議員は「自分ではないと答えられないのか」などと責め立てた。
 平井議員といえば、ネトウヨの巣窟とされるネットサポーターズクラブ、通称「ネトサポ」の代表で、2013年に行われたニコニコ生放送の党首討論会では福島瑞穂議員の発言中に「黙れ、ばばあ!」と書き込んだことが発覚したこともある人物。そんなネトウヨ脳では前川氏が守ろうとする公益通報者の保護の意味などわかるはずもないのだろうが、そのあとも平井議員は前川氏を個人攻撃。
 たとえば、獣医学部の定員抑制の告示が53年間も変えられなかった点を、前川氏は「告示を見直すことは政策論としては妥当だが、18歳人口、ペットや産業動物が減少するなかでは議論が必要」とごく当たり前の見解を示し、加計学園ありきの決定プロセスの不透明さを問題だとしたが、平井議員はその弁を「話のすり替えだ」と攻撃。さらには、定員抑制は「天下りと関係しているのでは?」と質問したのだ。
 一体、どっちが話をすり替えているんだかと言いたくなるが、極めつきは、平井議員が言い放った、こんな言葉だ。

   「前川さんはつねに立派な答弁されていますが、どう考えても自分が
    都合が悪くなるとノーコメントの部分もありますし、よっぽど自分を
    大切にされるんだなというふうにも思います」

 どの答弁や質問を聞いても「自分を大切にしている」のは安倍政権側にしか思えないが、同じようにゲスさ全開で質問を行ったのは、自民党の青山繁晴議員だ。
 青山議員についてはツッコミどころが満載すぎるため、追って別稿をお届けする予定だが、やはり青山議員も「既存の学校を守ろうとする姿勢と天下り問題は密接に繋がっている。日本の闇だ」などと言い出した。だが、この質問に対して前川氏は、「今治市における獣医学部新設と天下り問題を結びつけて議論するのはおかしい」とし、こうつづけた。

   「仮に結びつけるのであればですね、具体的な事例は木曽理事の
    問題です。木曽理事はたしかに私の先輩で、内閣官房参与の
    身分をもったまま加計学園の理事になっておられまして、
    そのふたつの肩書きをもった状態で私のもとにおいでになり、
    加計学園の獣医学部新設に向けて働きかけをされたと。
    こういうOBによる現役に対する働きかけこそ、いわゆる天下り問題の、
    弊害のひとつの端的な例だと思っておりますが、私は木曽理事の
    働きかけをもって何らかの政策判断に影響させるというようなことは
    いたしませんでした」

 天下り問題をもって前川氏があたかも既得権にしがみついていた卑しい人間だと印象づけようとしたら、官邸側の卑しい実態を指摘されてしまう。──完全に青山議員は前川氏に言い負かされてしまった格好で、これぞ「論破」というものだろう。
 しかし、下卑た質問をしながら返り討ちにあったのは、青山議員だけではない。共謀罪審議では「委員長、もういいでしょう!」などと叫んで動議を促し、採決に導いた“自民党の別働隊員”たる丸山穂高・日本維新の会議員は、前川氏に出会い系バー通いについて質問。「会見で国家権力とメディアの関係性に不安を覚えると言っていたが、女性の貧困の実地調査という言い訳について、地域を回っていると『あの言い訳ないんとちゃいますか?』と言われる」などと口にした。だが、前川氏は、「実地調査というのは適切ではなかったかもしれない」としつつ、「個人的な行動がどうして全国紙で報道されるのか」「私は官邸と読売新聞の記事は連動していると主観的には感じた。そういったことが私以外にも行われて、横行しているとしたら看過できない問題」と答弁。丸山議員が蒸し返そうとした出会い系バー問題だったが、前川氏はその問題の本質にある現在の権力の恐ろしさをあらためて突きつけたのだった。
 前川氏のロジカルかつ一貫性のある答弁とは対照的に、卑しさが滲み出てしまった安倍官邸および応援団による発言。いや、それどころか、“味方”として参考人招致したはずの加戸守行・前愛媛県知事から、とんでもない発言まで飛び出してしまったのだ。
 既報の通り加戸前知事は、安倍首相肝いりの諮問機関・教育再生実行会議のメンバーであり、国家戦略特区会議の今治市分科会にも参加。安倍首相の息がかかった人物であり、加計学園の獣医学部新設に骨を折ってきた人物であるわけだが、きょうの答弁では自身のことを「(加計学園獣医学部新設の)応援団」「私は加計ありきではありません」と言い、こう熱弁を振るった。

   「加計学園がたまたま、愛媛県会議員の今治選出の議員と加計学園の
    事務局長がお友だちであったから、この話が繋がれてきて飛びつきました。
    これはダメなんでしょうか? お友だちであればすべてダメなのか」

 加戸氏は美談調で語ったが、これはたんなる縁故主義で、こういった縁故を優先させる感覚を当然と考えることが、「“腹心の友”に便宜を図ったのでは」「安倍晋三記念小学校に特別な計らいをしたのでは」という一連の疑惑の根底にはある。これでは味方が内幕の意識を暴露したようなものではないか。
 このように、安倍政権サイドの醜態がまたも表れた閉会中審査だったわけだが、当然ながらこれで幕引きにはできない。
 現に、きょうは加計孝太郎理事長が自民党岡山県自治振興支部の代表を務め、加計学園が運営する英数学館岡山校を所在地としていた問題について、家賃を払っていなければ寄付となるため政治資金規正法の記載義務違反が疑われることを指摘。加計理事長の国会招致の声があがった。前川氏がこの問題の官邸側の中心人物とみる和泉首相補佐官の招致も当然だろう。
 そして、誰よりも審議に参加しなければならないのは安倍首相。安倍首相は国会が閉会して以降も「獣医学部を全国展開する」などとちゃぶ台をひっくり返すような問題発言を行ったかと思えば、外遊を理由に審議の場から逃亡してしまったが、国家戦略特区の最高責任者であり疑惑の当事者は安倍首相なのである。
 前川氏は、参考人ではなく偽証罪に問われる証人喚問でも出席すると言っている。安倍首相も、国会でお友だちである加計理事長と一緒に徹底した追及を受けなければ、まったくフェアではないだろう。

(編集部)
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●内田樹さん「泥靴でふみにじられた戦後立憲政治の常識」…国権の最高機関という素朴な願望も打ち砕かれる

2017年07月02日 00時00分05秒 | Weblog

[※ 東京新聞(2017年6月16日)↑]



アサヒコム(AERA)の記事【内田樹「泥靴でふみにじられた戦後立憲政治の常識」】(https://dot.asahi.com/aera/2017062000048.html)。

 《事実上の治安維持法がこれから施行されることになった。この法律にはいくつもの致命的な欠陥がある。一つは「法律を制定する場合の基礎を形成し、かつその合理性を支える一般的事実」たる立法事実が存在しないことである…踏みにじられたもののうちには、「国会は国権の最高機関であってほしいという素朴な願望も含まれている》。

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って
                              ・・・冷たい国だ
   『●教員について密告させ、労組を監視する=
        自公支持者の皆さんの大好きな「超・監視管理社会」
   『●「超・監視管理社会」: 自公支持者の皆さんの大好きな、
               アベ様の思うがままに恣意的に操れる社会
   『●青木理さん「供述が立証の柱…もっと物証が欲しい。
       「通信傍受を縦横無尽に使いたい。司法取引も」と…」
   『●「平成の治安維持法」=「テロ対策には 
     全く役に立たない共謀罪を、誰が何のために作ろうとしている」?
   『●「官憲が内心に踏み込んで処罰して、
     人権を著しく侵害した戦前、戦中の治安維持法」が亡霊のように…
   『●「戦前の治安維持法」の亡霊…「共産党幹部の
     夫のために家事をしただけで処罰の対象に」という悍ましさ
   『●ソレは既に彼らの手中…「大量監視の始まり。
      日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものに」
   『●「国連とは別の個人の資格」な訳のない
     国連特別報告者のアピールを無視?…沖縄でのプレ「治安維持法」

   『●『キネマ旬報』…「戦前・戦中の言論弾圧につながる
        治安維持法が成立した大正末期と…現在が似ている」
   『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を渡った」自公お維
                        …「平成の治安維持法」参議院突破
   『●既に「「一般の方々」のプライバシーに踏み込み、
       権利を侵害する捜査が、現に各地で行われている」のに…

 この現代社会で「平成の治安維持法」を導入する大愚。国際社会に恥を拡散。アベ様に逆らう者を取り締まるという「立法事実」というか、独裁者の願望というか…。
 法務委員会の採決をすっ飛ばし、参院本会議で強行採決…。確かに憲法に違反していないのだけれども、あまりに姑息。
 内田樹さん《泥靴でふみにじられた戦後立憲政治の常識》な無惨さ…そして、《「国会は国権の最高機関であってほしいという素朴な願望》が無惨にも打ち砕かれました。アベ様らのヤルことは、(室井佑月さん)《もう嫌だよ。この国の人間として、恥ずかしく思う。…非文明的な国みたいじゃないの》…だらけ。

 「突破」であり、あまりの「醜態」。
 アサヒコム(AERA)の記事【浜矩子「『もり』と『かけ』に追い詰められた安倍政権の醜態」】(https://dot.asahi.com/aera/2017062100032.html)によると、《参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」方式。この言語を絶するごり押しをもって、参院審議を暴走突破していった…その振る舞いは、やっぱり窮鼠の開き直りにしかみえない。そこにあるのは、強者のおごりならぬ、愚者のパニックだ。うしろめたさがもたらす強がりだ…国会という名の力強くて賢いはずの猫さんが、弱虫鼠集団に「破られる」ことがあってはならない。国会の権威は、その構成員たちの意識の高さと認識の深さによって支えられている。そこで多数を占める者たちは、ことのほか、この自覚が肝要だ。開き直りの逆襲鼠どもに居場所はない。…「の最後っ屁」…これを最後の醜態として、鼠転じて鼬化した群れには国会を立ち去ってもらいたい》。

   『●「有権者はすぐに忘れてしまうとたかをくくって」いるアベ様ら…
                    第三の森友問題を前に御優しい有権者



 産経新聞社の衝立の前でスピーチするアベ様、「私の友人だから認めてくれなどというわけの分からない意向がまかり通る余地など全くありません」(『サンデーモーニング』2017年6月25日)。では、野党の皆さんと国会の場で御話ししてみては如何? 臨時国会の場で、「丁寧に説明する」、「説明責任」を果たしてはどうか?

 青木理さん、「そもそも萩生田さんは人事局長で官僚の人事を握っている。でも、加計学園で先生をし、報酬を貰っていた。そんな人が「加計ありき」の岩盤規制を突破する…ある種「ドリル役」になったという問題点一つとっても、説明責任を果たさないと誰も納得しない」(『サンデーモーニング』2017年6月25日)。
 「岩盤規制」どころか、ドリルは「国権の最高機関」国会や「最高法規」憲法を穿つ始末。

  青木理さん。独裁者・アベ様は、当初、「日本語の文言のおかしいところを、憲法を直したいと言っていた。次に、96条を変えたい。その後、教育無償化だとか、緊急事態条項だとか。そして、今は、9条加憲ですよ。つまり、「変えたい」んですよ、どこでもいいんですよ、はっきり言えば。…憲法を守らなければいけない最高権力者とにかく変えたいんだと言って、変える。果たしていいのか? 騙されていはいけないんではないか?、僕なんかはそう思いますよね」(『サンデーモーニング』2017年6月25日)。

 青木理さん、前川喜平・前文科事務次官インタビューについて。「特定秘密保護法もそう、通信傍受法も強化された。そして、ついに共謀罪。主導しているのは、官邸に入り込んでいる、重用されている警察官僚なんです。しかも、警備公安警察っていう思想警察的な警察官僚の人たちがほぼ主導している。完全に行政権力と警察権力がかなり一体化しているのに近くなっている。思い出したいのは、前川さんが出会い系のバーに行っていた、なんてことをなぜ官邸がつかめたのか? …警察である可能性が高い。つまり、行政権力が警察権力をフルに使う。逆に行政権力が警察権力にコントロールされてしまうことも起こり得るわけですよね。司法警察権力というものと行政権力が結びついてしまった時の怖さ、と前川さんの指摘…、共謀罪は出来てしまいましたけれど、我々は考えるべきだと思いますね」(『サンデーモーニング』2017年6月25日)。

 あぁ、ため息しか出ないょ、まったく…。

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https://dot.asahi.com/aera/2017062000048.html

内田樹「泥靴でふみにじられた戦後立憲政治の常識」
by 内田樹 (更新 2017/6/21 16:00)

     (泥靴でふみにじられた戦後立憲政治の常識とは(※写真はイメージ))

 思想家・武道家の内田樹さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、哲学的視点からアプローチします。

*  *  *

 「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が参院法務委員会の採決を省略して、本会議で可決・成立した。事実上の治安維持法がこれから施行されることになった。この法律にはいくつもの致命的な欠陥がある。一つは「法律を制定する場合の基礎を形成し、かつその合理性を支える一般的事実」たる立法事実が存在しないことである。

 政府は当初これが国際組織犯罪に対処するために国連が提案したパレルモ条約の批准のために必須であるという説明をしてきた。しかし、パレルモ条約はマフィアなど国際的な犯罪組織を想定したもので、テロ予防のためのものではない。にもかかわらず安倍首相はこの法案を成立させ、テロ予防法制を整備しないと東京オリンピックが開催できないとまで言った

 国連の人権理事会のケナタッチ特別報告者はこの法律が「テロ等準備罪」を名乗りながら「明らかにテロリズムや組織犯罪とは無関係な過度に広範な犯罪を含んでいる」ことを指摘し、この法案が「何が法律で禁止される行為なのかについて合理的に認識できる」という法的明確性の原則に違背しており、政府によって恣意的に適用される懸念を示した。日本政府はこの指摘に感情的な反発を示しただけで、指摘された瑕疵(かし)について一言の反論もなさなかった

 衆院法務委員会での審議では法務大臣が法律内容についての野党議員からの質問に答弁できず法解釈について食言を繰り返しついには首相や副大臣が法相の発言を制止するという異常事態え起きた。この法案がきわめて粗雑に起案されたものであり、その解釈が閣内でさえ周知されていないことが露呈した。首相は「丁寧に説明する」と言ったが、両院の委員会審議で、政府は法案についての懸念を払拭するような明快な答弁も、情理を尽くした説得もついに最後まで行わなかった。そして突然の審議打ち切りと、強行採決である。

 これによって日本の戦後立憲民主制の土台をなしてきたいくつかの常識が泥靴で踏みにじられた。踏みにじられたもののうちには、国会は国権の最高機関であってほしいという素朴な願望も含まれている

※AERA 2017年6月26日
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