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●お維の《あらゆる腐敗が爆発》(適菜収さん)…《爆発が起きているのに「もともとガスが出るというのはみんなわかっている」…開き直り》(リテラ)

2024年05月01日 00時00分35秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(2024年04月21日[日])
万博より被災地復興を」「万博の予算を被災地に」。4カ月経っても、能登半島地震の被災地は復興とは程遠い。なのに…。

   『●「万博より被災地復興を」「万博の予算を被災地に」…アノ三代目司会者
     の下、『探偵!ナイトスクープ』に三代目大阪「ト」知事がパクパク登場

 《そんなにカネがないならやはり、万博絡みのインフラ整備などの巨額事業を見直し、復興に予算を割くべきじゃないのか》、全く大賛成。そして、カネはあるでしょ、簡単です。軍事費倍増を止めればいいのです。何兆円もの予算が確保できます。
 東京新聞の記事【こちら特報部/能登復興に「コスト削減」を持ち出した財務省に被災地は憤慨 そこまで節約したいなら、万博が先では?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321605?rct=tokuhou)。《能登半島地震から3カ月余り。断水の解消などの復旧が遅れる中、財務省は「維持管理コストを念頭に置き、集約的なまちづくりを」と提言を出した。「コスト削減ありきがにじむこの姿勢。「過疎地の切り捨て」の危惧も。そんなにカネがないならやはり、万博絡みのインフラ整備などの巨額事業を見直し、復興に予算を割くべきじゃないのか。(宮畑譲岸本拓也)》。

 吉村洋文大阪「ト」知事、《爆発が起きているのに「もともとガスが出るというのはみんなわかっている」とは信じられない開き直りぶり》(リテラ)。さらに、《吉村知事は「パビリオンの下に埋まっているのは土、土砂なのでガスが出ない」と述べたが、パビリオンが立てられているエリアは、浚渫土砂や陸上発生残土の処分地だった。一般的に浚渫土砂は海底や川底に溜まった土砂からなるが、そこに含まれた有機物が嫌気性発酵をすれば、メタンガスが発生する可能性》。ヘドロなど、有機物をたっぷりと含む底泥が投入されているんですから、嫌気状態下でメタン発酵が起き、メタンガスが発生しますわね。分かり切っています。お維の《あらゆる腐敗が爆発》(適菜収さん「それでもバカとは戦え」)。
 《今回は子どもたちが動員される万博会場で爆発事故が起きかねないという、人命がかかった重大問題だ》(リテラ)…藤永のぶよ(藤永延代)さんが指摘していた通りのことが発生。《「死者が出なくてよかった。爆発するで、とずっと言うてきて、やっぱりそのとおりになったやんかと憤る。…「開幕までにガスが出なくなるわけではないごみから出るガスを吸って体に良いわけがないこの場所を会場にしたこと自体が悲劇ここ使こたらあかんのちゃう?」》。こんな所に子供たちを無料招待という名の動員なんてあり得ないこと。親御さんに不安が広がることは必至だ、大阪マスコミがきちんと報道すればね…。
 リテラの記事【吉村知事はガス爆発でも開き直り「他区域ではガスが出ない」と大嘘! 地下鉄工事でメタンガス確認、大阪市も発生可能性認めたのに】(https://lite-ra.com/2024/04/post-6329.html)。《だが、その舌の根も乾かぬうちに、吉村知事はまたも新たな嘘をついた疑惑が持たれている。しかも、公共の電波を使って、だ》、《爆発が起きているのに「もともとガスが出るというのはみんなわかっている」とは信じられない開き直りぶりだが、もっと問題なのは、ガス爆発事故が起こった区域以外では事故の可能性はないパビリオンが立っているところではガスは出ない、と断言したことだ》。

 お維の《あらゆる腐敗が爆発》。
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/夢洲では現在も可燃性ガスが噴出中…万博騒動では大阪のあらゆる腐敗が爆発した】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/338843)。《「いのち輝く未来社会のデザイン」を掲げる大阪・関西万博が「いのち失うような感じになってきた。3月28日、会場になる人工島・夢洲で可燃性ガスが爆発。幸いなことに死傷者は出なかったが、開催後だったら大変なことになっていた。日本共産党の辰巳孝太郎党府委員会カジノ・万博問題…》。

   『●「万博より被災地復興を」「万博の予算を被災地に」…アノ三代目司会者
     の下、『探偵!ナイトスクープ』に三代目大阪「ト」知事がパクパク登場
   『●世界中の《人を呼んで祭りをする会場にはそもそも不向き…ゴミ処分場とし
     ての優位性は、祭り会場としては最悪の欠陥…「ゴミの島 夢洲の正体」》
   『●お維祭り工事現場で懸念されていたガス爆発事故…自見英子万博担当相「仮
     に今後、工事に伴ってメタンガスが発生した場合には、施工者が直ちに…」
   『●《「機能性表示食品」制度の創設を強く提言し、議論を主導させた人物が、
     安倍首相と昵懇の関係にあったからだ。その人物とは、大阪のバイオ製薬…》
   『●お維祭り工事現場でガス爆発事故…こんなゴミの島夢洲・大阪万博に子供た
     ちを招待という名の動員なんてあり得ない、親御さんに不安が広がることは必至
   『●お維「政治屋」塾で、一体何を「学び、感じ、世界を広げる」のだろう  
     か? お維祭りやカジノのように税金を「パクパク」する方法ですか?
   『●《「このまま強行すれば『大阪アホ万博』」…巨額の税金を投入して、
     7割もの人々が不要だと回答するお祭りにどれほどの意味があるのか?》

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https://lite-ra.com/2024/04/post-6329.html

吉村知事はガス爆発でも開き直り「他区域ではガスが出ない」と大嘘! 地下鉄工事でメタンガス確認、大阪市も発生可能性認めたのに
2024.04.17 11:00

     (大阪府HPより)

 ついに開幕まで1年を切った大阪・関西万博。パビリオン建設の遅れや入場チケットの販売低迷など問題が山積しているが、そんななかでも目立っているのが吉村洋文・大阪府知事の“放言問題だ。

 吉村知事といえば「玉川徹出禁発言で大顰蹙を買ったものの、当初は「出禁にする権限がまったくないという前提での発言」などと述べて開き直り。ところが、国会の衆院内閣委員会において経産省が「理事会の目的に沿うものであれば議事の提案をおこなうことは可能」と答弁をおこなったことで、吉村知事の発言が嘘であったことが判明橋下徹氏からも「政治的な発言を超えている」などと苦言を呈されたことで、渋々「不適切な発言だった」と認めて謝罪をおこなった。

 だが、その舌の根も乾かぬうちに、吉村知事はまたも新たな嘘をついた疑惑が持たれている。しかも、公共の電波を使って、だ。

 吉村知事の問題発言が飛び出したのは、13日に放送された『ウェークアップ』(読売テレビ)。この日、番組は万博会場から生放送がおこなわれ、吉村知事も出演したのだが、そのなかで番組MCの中谷しのぶアナウンサーは、3月末に万博会場予定地で発生したガス爆発事故に言及した。

 この事故については本サイトでもお伝えしたが(既報参照https://lite-ra.com/2024/03/post-6326.html)、3月28日午前11時ごろ、万博会場予定地の北西側の「グリーンワールド」工区で、開幕中に使用されるトイレの建屋の溶接作業をおこなっていたところ、火花がガスに引火し、トイレの床およそ100平方メートルを破損するガス爆発事故が発生。万博協会によると、地下の空間にたまっていたメタンガスに引火したことが原因とみられているという。

 このガス爆発事故について、中谷アナが「原因と再発は大丈夫なんでしょうか?」と問うと、吉村知事は「いま、原因を調査している」「安全が確認されてから再開する工事を安全に進めるというのは何より大切なこと」と回答。

 だが、問題はこのあと。中谷アナが「(ガス爆発が起きた)区域以外の会場内全体に可能性があるわけでないということ?」と質問すると、吉村知事は「そうです」と断言。さらに、こうつづけたのだ。

「パビリオンが立っているところは、下に埋まっているのは土、土砂ですので、そういったガスが出ないんですけど、(事故が起こった)北側のグリーンエリアはもともと一般廃棄物を埋めているところなので、そこではもともとガスが出るというのは、みんなわかっているんですね。なので、それを外に出すということをやっているんですけれど、ここは安全に工事を進めていこうと。原因はより究明した上で、工事の安全を徹底したいと思います」

 爆発が起きているのに「もともとガスが出るというのはみんなわかっている」とは信じられない開き直りぶりだが、もっと問題なのは、ガス爆発事故が起こった区域以外では事故の可能性はない、パビリオンが立っているところではガスは出ない、と断言したことだ。


■吉村知事「他区域で爆発の可能性はない」発言は嘘! 大阪市職員も1区以外でも発生する可能性認める

 ガス爆発事故が起こった区域以外では、事故の可能性はない。パビリオンが立っているところでは、ガスは出ない──。これは明らかな「」だ。

 まず、吉村知事は「パビリオンの下に埋まっているのは土、土砂なのでガスが出ない」と述べたが、パビリオンが立てられているエリアは、浚渫土砂や陸上発生残土の処分地だった。一般的に浚渫土砂は海底や川底に溜まった土砂からなるが、そこに含まれた有機物が嫌気性発酵をすれば、メタンガスが発生する可能性がある。少なくとも「ガスが出ない」とはまったく言い切れないのだ。

 実際、4月2日には、日本共産党の辰巳孝太郎・元参院議員らが大阪市環境局の担当者に対して聞き取り調査を実施したが、その際、大阪市側は「1区以外でもしゅんせつ土砂を使っているところがある」とし、〈1区以外でも発生する可能性を認め〉たという(しんぶん赤旗3日付)。

 いや、そればかりか、万博会場予定地近辺では、ガス爆発事故が起こったエリア以外でも、すでにメタンガスの発生が確認されているのだ。

 ガス爆発事故が起こったのは夢洲1区と呼ばれるエリアで、パビリオンが立てられるのはその隣の夢洲2区というエリアなのだが、現在、夢洲2区からIR予定地あたりにかけて地下鉄を整備するための工事(0.9キロ区間)がおこなわれている。じつは、この工事場所周辺でメタンガスが見つかっており、2022年1月には爆発防止対策として追加費用が上乗せされているのだ。

 たとえば、大阪港湾局が作成した資料においても、〈詳細設計における土質調査において、シールド掘進範囲の地中にメタンガスの存在が明らかとなり、シールド工法設備を防爆対策とする必要性が判明〉と説明。費用増加について報じた2022年1月28日付の東京新聞では、〈地中の工事場所周辺で見つかったメタンガスを、真空状態で外に出すことも必要になった。空気に触れて工事の火花などが引火すれば、大事故が避けられないためだ〉と伝えている。

 地下鉄は日本館などのパビリオンが並び立つエリアの真横の地中を走るが、その地下鉄工事でもメタンガスの発生が確認されているのだ。にもかかわらず、吉村知事は万博会場ではガス爆発事故の可能性はない」「パビリオンが立っているところではガスは出ないなどと断言したのである。あまりにも無責任ではないか


■吉村知事の呆れた強弁!「もともとガスが出るのはわかっている」 じゃあそんな場所になぜ…

 しかし、問題はこれだけではない。そもそも、ガス爆発事故が起こった夢洲1区について、吉村知事は「もともとガスが出るというのは、みんなわかっているんですね」などと述べたが、そのような場所に万博協会は屋外イベント広場やエントランス広場といった〈大人数が滞留することのできる開けた空間〉(万博協会資料より)をつくろうとしているのだ。いくら「安全が確認されてから再開する」「安全に工事を進めていく」などと繰り返そうとも、ガスが出つづけているような場所に人を集めようとしていること自体が問題ではないのか。

 しかも、万博協会は現在にいたるまで、このガス爆発事故についての会見をおこなっていない。「安全」を連呼するのであれば、吉村知事は万博協会の副会長として会見を実施し、まずは事故について説明をするのが筋だ。

 ところが、いまだに会見を開くこともなく、挙げ句、テレビ番組に出演して「パビリオンが立っているところではガスは出ない」などと証拠を提示することもなく断言する──。これまでも「うがい薬がコロナに効く」だの「大阪産ワクチン」だのとぶち上げるだけぶち上げて、何の成果も得られないまま終わると何もなかったかのように知らんぷりを決め込んできた吉村知事だが、今回は子どもたちが動員される万博会場で爆発事故が起きかねないという、人命がかかった重大問題だ。このような無責任な放言を、これ以上、放置するわけにはいかないだろう。

(編集部)
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●《4月の任期満了に伴う府知事選に出馬する意向》の大阪「ト」知事…お維の「ファクトチェッカー」は「吉村のイソジンをチェック」したの?

2023年01月30日 00時00分43秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(20230118[])
お維の「ファクトチェッカー」は「吉村のイソジンをチェック」したのかね?

   『●《大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政
     批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到》

 2年ほど前の記事 ―――――― 野尻民夫氏による、リテラの記事【大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到】(https://lite-ra.com/2021/02/post-5810.html)によると、《大阪維新の会が鳴り物入りではじめた「ファクトチェッカー」が、案の定、炎上している。…内容は〈新型コロナウイルス関連 大阪市内における濃厚接触者に対しての対応について〉とし、2670リツイートされたある投稿を取り上げたのだが、これが何から何まで酷いものだったのだ》。
 《一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ》、まともな公党がやることか? (適菜収さん)《独立した第三者ではなく特定の政党がファクトチェックを始めるというのも異常極まりない…》。
 ドロナワと言おうか、《盗人猛々しい》《冗談》《異常極まりない》《茶番》というべきか ――― いずれ静かに消えゆく“ファクトチェック”byお維 ⇨ 組織的不正なリコールに《おおっぴらに「賛同」を表明し「応援してます」などとエールを送っていた》のはファクトか、デマか? 《…数え切れないほどの嘘やゴマカシ…「ファクトチェック」で一般市民を吊るし上げる行為を即刻取りやめ、これまでの吉村知事自身の発言をこそ自己検証し、市民に伝えるべきだ》、全く同感 ――――――。

 さて、リテラの記事【吉村知事がぶち上げた「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」研究がトホホな結果でこっそり終了! 吉村は会見も開かず責任逃れ】(https://lite-ra.com/2022/12/post-6253.html)によると、《まだやるか、と言わざるを得ない。20日、大阪府の吉村洋文知事が来年4月の任期満了に伴う府知事選に出馬する意向を表明した件だ。出馬の意向を示した維新の会合の冒頭、吉村知事は次世代への投資や府市一体の成長戦略、そして大阪・関西万博の成功を公約に掲げたというが、目下、大阪ではまたも新型コロナの病床使用率が55%を超えるなど逼迫状況にあり、24日には大阪府のコロナ死亡者数の累計が7000人を超えた。無論、これは全国トップの数字だ。杜撰なコロナ対応でこれほど被害を拡大させながら、その反省など微塵もないまま「大阪万博の成功」を掲げて再選出馬するその面の皮の厚さには閉口するほかないが、ここであらためて検証すべきは、この男がぶち上げてきた大言壮語の数々だ》。
 お維は、《この男がぶち上げてきた大言壮語の数々》を「ファクトチェッカー」しては? 大阪・関西マスコミは、なぜに“ファクトチェック”しないのかね? それでも、お維支持者の皆さんはお維に投票し続けるのかね? まだ吉村氏に大阪「ト」知事で居させるつもり? 《つまり、ほとんどのメディアがその後の顛末をきちんと検証せず、吉村人気を共犯関係でつくり上げてきたことが、全国ワースト1の死亡者数を出しながら意気揚々と再選出馬の表明ができてしまう環境を生み出してしまったのである》。

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https://lite-ra.com/2022/12/post-6253.html

吉村知事がぶち上げた「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」研究がトホホな結果でこっそり終了! 吉村は会見も開かず責任逃れ
2022.12.31 12:35

     (大阪府HPより)

 まだやるか、と言わざるを得ない。20日、大阪府の吉村洋文知事が来年4月の任期満了に伴う府知事選に出馬する意向を表明した件だ。

 出馬の意向を示した維新の会合の冒頭、吉村知事は次世代への投資や府市一体の成長戦略、そして大阪・関西万博の成功を公約に掲げたというが、目下、大阪ではまたも新型コロナの病床使用率が55%を超えるなど逼迫状況にあり、24日には大阪府のコロナ死亡者数の累計が7000人を超えた。無論、これは全国トップの数字だ。

 杜撰なコロナ対応でこれほど被害を拡大させながら、その反省など微塵もないまま「大阪万博の成功」を掲げて再選出馬するその面の皮の厚さには閉口するほかないが、ここであらためて検証すべきは、この男がぶち上げてきた大言壮語の数々だ

 じつは最近になって、吉村知事が2020年8月4日に会見でぶち上げた、例の「ポビドンヨードうがい薬コロナに効く」という研究のその後について、読売新聞がこんな記事を掲載した。

「吉村知事「コロナに効く」から2年、うがい薬研究ひっそり終了…専門家「推奨できる結果なし」(読売新聞25日付)

 記事によると、研究をおこなってきた大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターのチームによる論文を、今年11月末に科学誌サイエンティフィック・リポーツが掲載。同センターが2020年11月〜2021年3月に、軽症・無症状の陽性者430人を「うがい薬を1日4回使うグループ」と「同じ頻度で水でうがいをするグループ」に分けて唾液PCR検査を実施。〈その結果、療養5日目に陰性となった人の割合は、うがい薬が34.5%、水うがいが21.4%だった〉という。

 ようするに、〈感染した人の喉からウイルスを減らす一定の効果は示された〉というだけで、吉村知事が会見でぶち上げた「うがい薬がコロナに効く」というような結果ではなかった。その上、〈他人への感染抑止効果を調べたわけでもない。感染や重症化を防ぐ効果は未検証〉というのだ。この研究結果について、感染症学が専門の聖マリアンナ医科大の国島広之教授は「使用を推奨できる結果とは言えない」とコメントしている。

 まあ、当初から「たんにポビドンヨードの殺菌作用で口腔内のウイルスが減るというだけでは」と指摘されており、そのとおりの展開になったわけだが、問題は、吉村知事がこの研究結果について、ほとんど説明することなくスルーしていることだ。

 吉村知事は、会見から約3カ月後の2020年11月に〈うがい薬の第二次研究は現在進行中です。来年の1月か2月頃に研究成果が明らかになる予定と聞いています〉とツイートしていたのだが、その期日には研究成果は公表されずじまい。そして、今年9月10日になって、〈ポビドンヨードによる唾液中ウイルスの低減研究の結果。公表資料〉とツイート。この投稿にはリンクが貼られていたのだが、それは研究結果の要約でしかない「臨床研究等提出・公開システム」へのリンクだった。

 しかも、今回の読売新聞の記事には、こう書かれていたのだ。

〈大阪府は、この結果について記者会見などで積極的に公表していない。同センターは「うがい薬に関する研究は終了しており、今後予定はない」としている。〉


■吉村知事は読売記事に逆ギレツイート! 大はしゃぎで手柄横取り会見開いたくせに説明責任放棄

 あれほどの混乱を日本中に巻き起こしたにもかかわらず、吉村知事にも大阪はびきの医療センターにも、会見を開いて説明する予定はない、というのである。

 言っておくが、2020年8月4日、吉村知事は、そもそも被験者がわずか41人の段階の、論文にすらなっていない、なんの検証も経ていない状況だったにもかかわらず、会見を実施。イソジンなどのうがい薬をズラリと並べ、テレビで生中継されるなか、力強い口調でこう語った。

「ウソのような本当の話」
「うがい薬を使って、そしてうがいをすることによって、コロナの患者さん、このコロナがある意味、減っていくと。コロナの陽性者が減っていく」
「コロナに効くのではないかという研究が出ました」
「このポビドンヨードによるうがい薬をすることによってですね、このコロナに、ある意味、打ち勝てるんじゃないかというふうにすら思っています」
「府民のみなさんには、8月20日まで、集中的にぜひ、(ポビドンヨードを含むうがい薬で)うがいを励行してもらいたい」

 そして、この会見のあとには、吉村知事の言葉を鵜呑みにした人びとが続出。ドラッグストアの棚からイソジンなどのうがい薬があっという間に消えるという現象が発生し、買い占めも起こり、メルカリなどでは高額転売する者まで現れた。また、ヨードを使ったうがい薬は妊婦や甲状腺に異常のある人などには注意が必要であるため、吉村知事の会見後には日本甲状腺学会などの3学会が使いすぎに注意を呼びかける声明を出したほどだった。

 つまり吉村知事は、多くの人がコロナの不安に怯えている最中に、検証もされていない少ないデータを持ち出して「コロナに効く」などという大風呂敷を広げ、日本中にパニックを巻き起こしたのだ。にもかかわらず、専門家から「使用を推奨できる結果とは言えない」と言われてしまう結果に終わると、まるでなかったことのように扱おうとしているのである。

 しかも、読売の記事が出ると、吉村知事は記事を引用リツイートして〈僕の発表の仕方は良くなかったと思う。ここは反省です。ただ、読売は研究者の意見も載せるべき〉などとツイート。「研究者の意見を載せろ」と主張する前に、2020年8月に会見を開いたように、吉村知事が研究者を伴って会見をすればいい話だろう。

 そもそも、府民による情報公開請求によって公開された内部文書によると、2020年8月の会見は当初、松山晃文・大阪はびきの医療センター次世代創薬創生センター長が研究成果を発表する予定になっていた。ところが、会見前夜になって吉村知事が説明することに変更。大阪府の藤井睦子・健康医療部部長が松山センター長に送信したメールには、〈知事自身がフリップを使って(中略)研究の成果をお話しになりたいということです〉〈知事が明日の会見で、ポビドンヨードの現物を展示しておきたい、とおっしゃっており〉と書かれていた。

 ようするに、「コロナに効く」と打ち上げたあの会見は、吉村知事が先走って手柄を横取りし、自身のパフォーマンスに利用したものにすぎなかったのだ。


■吉村知事が肩入れした「大阪ワクチン」も大失敗! 大阪万博をめぐる疑惑も浮上

 だが、こうした手柄の横取り、先走りの事例は、うがい薬騒動だけではなく「大阪産ワクチン」も同じだ。

 2020年4月、吉村知事と松井一郎・大阪市長は、「オール大阪でワクチン開発を進める」と宣言。これは大阪大学の森下竜一・寄附講座教授と、森下教授が創業したバイオベンチャーのアンジェスが共同でDNAワクチンを開発するというもので、吉村知事は「9月から実用化に向かう」「実用化されれば10万~20万人単位で接種が可能で、コロナウイルスと戦う武器になる」と豪語し、同年6月には「今年中には10万から20万の単位での製造というのが可能になる」「2021年春から秋に実用化を目指したい」とまで発言。この間、開発会社のアンジェスの株価は、それ以前の600〜700円台前後から2000円以上に爆上がりした。

 ところが、アンジェスは2021年11月に「(治験で)想定していた効果が得られなかった」と公表し、今年9月にはDNAワクチンの開発を中止すると発表。さんざん大言壮語を繰り返しながら大失敗に終わったのだ(ちなみに、森下氏は大阪万博にも食い込んでおり、「大阪パビリオン推進委員会」の総合プロデューサーに就任。さらに、万博スポンサー最上位の協賛企業に位置づけられる「スーパープレミアムパートナー」には森下氏が顧問を務める浄水器販売会社「株式会社サイエンス」が入っていることなどから、森下氏に万博を任せようとする吉村知事・松井市長の責任を問う動きが起こっている【詳しくは既報参照 → https://lite-ra.com/2022/10/post-6236.html)。

 コロナの不安につけ込むように、検証もおこなわれていない、目処も立っていない研究を持ち出しては、自分の手柄として喧伝し、利用するだけ利用する。しかも、それらが何の成果も得られないまま終わっても、なかったことのように知らんぷりする。これこそが、吉村知事がこのコロナ下でやってきたことの実態だ。

 そして、ずっと失敗しかしていないにもかかわらず、この大言壮語の数々は、吉村知事の狙いどおり、成果を生み出している。

 毎日新聞の大阪版では、12月7日から3回にわたって吉村知事の発言について検証する記事を掲載していたのだが、その第1回目では、「医療崩壊」をめぐる認識について、いかに吉村知事がご都合主義でブレさせてきたかを検証。そのなかで、政治コミュニケーションを専門とする福岡工業大の木下健准教授は、吉村知事についてこう指摘している。

「積極的に情報発信しているため、『仕事をしている』『優秀だ』という印象を抱く府民も多いのではないか。最初のイメージがその後も定着し続ける『プライミング効果』によって支持を得ている可能性がある」

 最初の声がやたら大きく、さらにはそれをメディアが持ち上げてきたせいで、結果が大失敗でも見過ごされてしまう──。つまり、ほとんどのメディアがその後の顛末をきちんと検証せず、吉村人気を共犯関係でつくり上げてきたことが、全国ワースト1の死亡者数を出しながら意気揚々と再選出馬の表明ができてしまう環境を生み出してしまったのである。

(編集部)
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●《大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到》

2021年03月16日 00時00分25秒 | Weblog

[※サンデーモーニング(2017年10月1日)(三「ト」物語)↑]


(2021年02月28日[日])
野尻民夫氏による、リテラの記事【大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到】(https://lite-ra.com/2021/02/post-5810.html)。

 《大阪維新の会が鳴り物入りではじめた「ファクトチェッカーが、案の定、炎上している。…内容は〈新型コロナウイルス関連 大阪市内における濃厚接触者に対しての対応について〉とし、2670リツイートされたある投稿を取り上げたのだが、これが何から何まで酷いものだったのだ》。

 《一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ》、まともな公党がやることか? (適菜収さん)《独立した第三者ではなく特定の政党がファクトチェックを始めるというのも異常極まりない》。
 ドロナワと言おうか、《盗人猛々しい》《冗談》《異常極まりない》《茶番》というべきか ――― いずれ静かに消えゆく“ファクトチェック”byお維 ⇨ 組織的不正なリコールに《おおっぴらに「賛同」を表明し「応援してます」などとエールを送っていた》のはファクトか、デマか? 《数え切れないほどの嘘やゴマカシ…「ファクトチェック」で一般市民を吊るし上げる行為を即刻取りやめ、これまでの吉村知事自身の発言をこそ自己検証し、市民に伝えるべきだ》、同感。

   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●「広域行政一元化」なんて言い始めた《大阪の3バカが活動拠点を
       国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう》(適菜収さん)
   『●《橋下徹…「万博が実現したのは松井さんの政治力。安倍さんの
     おちょこに酒をついで『(万博は)必要ですよね総理』と口説いた」》

   『●お維大阪「ト」政による医療福祉の削減、大阪市廃止「ト」構想に
      かまけてCOVID19対策を放置…リコール対象はお維だったのでは?
   『●「2,912,628票」「3,661,371票」、ホントに小池「ト」知事でよかった
      の? COVID19禍の年末年始も弱者の支援や相談に応じていたのは誰?
   『●《医療や保健所を削減…ろくに対策もせず都構想住民投票を強行…
     つまり維新による人災》…お維支持者の皆さんは沈黙? お優しいことだ
   『●《吉村洋文…小池百合子…鈴木直道…菅義偉…安倍晋三…「最も評価
     できない政治家」…なら理解できるが、やはり日本は完全に壊れて…》
   『●《愛知県で民主主義の根幹を揺るがす事態が明らかになった。知事の
      リコールを求めた署名の八割余に無効》…リコールされるべきは?
   『●扇動者なりの責任を ――― デタラメで組織的不正な《リコールを後押し 
           しながら不正発覚にだんまりの百田尚樹、有本香、吉村知事》
   『●《おおっぴらに「賛同」を表明し「応援してます」などとエールを
     送っていた》…(組織的不正無しでの)真にリコールされるべきはお維
   『●泥縄、《茶番》――― いずれ静かに消えゆく〝ファクトチェック〟
      by お維 ⇨ 組織的不正なリコールの件はファクトか、デマか?
    「立岩陽一郎さんや南彰記者、上西充子さんには、是非、お維の自称
     《公式ファクトチェッカー》のファクトチェックをお願いしたい」
    《これまで散々社会にデマを垂れ流してきた集団
     「ファクトチェック」を行うという。盗人猛々しいというか、
     なんの冗談なのか大阪維新代表の吉村洋文はこれについて「…」
     「組織として対応していこうという判断」と説明。独立した
     第三者ではなく特定の政党がファクトチェックを始める
     というのも異常極まりないが…》

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https://lite-ra.com/2021/02/post-5810.html

大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到
2021.02.28 02:32

     (ファクトチェッカー【公式】大阪維新の会より)

 大阪維新の会が鳴り物入りではじめた「ファクトチェッカーが、案の定、炎上している。

 はじまりは2月17日、大阪維新の会の公式Twitterアカウントが〈我が党では、昨今の深刻化するデマ情報の氾濫を受け、住民の皆様に正しい情報を知っていただけるよう情報の真偽を客観的事実をもとに調査し、事実を発信していく公式ファクトチェッカーを開設しました〉と告知したこと。これまで公党でありながらさんざんデマを垂れ流してきた維新が何を言うかという話だが、無論、このときからSNS上ではこんなツッコミが殺到していた。

まず自分たちへのチェックをせんとな
〈昨年春頃、吉村知事が言われていた「コロナの弱点見えてきた」について調査を〉
大阪市廃止の住民投票なのに大阪市はなくなりませんと喧伝されていたファクトチェックお願いします〉
イソジンと愛知県のリコールについてお願いいたします〉
〈イソジンのファクトチェックを第一にお願いします。その次はカッパのファクトチェックをお願いします〉

 だが、こうしたツッコミもどこ吹く風で、「ファクトチェッカー【公式】大阪維新の会」のアカウントは26日に〈第1弾のファクトチェック〉を投稿。内容は〈新型コロナウイルス関連 大阪市内における濃厚接触者に対しての対応について〉とし、2670リツイートされたある投稿を取り上げたのだが、これが何から何まで酷いものだったのだ。

 まず、今回維新が取り上げたツイートは、濃厚接触者として自宅隔離をしていたという一般のTwitterユーザーの、こんな投稿だった。

〈今日で濃厚接触者の私は自宅隔離が終了します。
この間、PCR検査結果を知らせてくれた時の検査調整センターからの連絡(2/3)のみ。
市からの食料支援やその他の手続き情報も無し。
大阪市の保健所からはついに一度も連絡無し
正に放置状態
大阪市終わってる〉

 このツイートに対し、維新は〈調査結果〉と称し、5つのポイントに分けて記述しているのだが、たとえば〈PCR検査結果を知らせてくれた時の検査調整センターからの連絡(2/3)のみ〉〈大阪市の保健所からはついに一度も連絡無し〉という部分に対しての〈調査結果〉とやらは、こんなものだった。

〈大阪市では濃厚接触者への健康観察について新型コロナウイルス感染症の流行当初は保健所から毎日電話連絡にて健康状態の聞き取りを行っていた。〉
〈しかしながら感染者数の爆発的増加に伴い、保健所等の業務量が膨大化し、業務の優先順位を検討した結果、保健所等が濃厚接触者に対して積極的に健康状態を聞き取る方式から、ご本人が異変を感じた際に保健所等に申し出て頂く受動型に切り替える判断を、大阪府において12月15日に行っている。〉


■〈市からの食料支援やその他の手続き情報も無し〉という投稿も事実だったのに…

 くどくどと御託を並べているが、維新が主張しているのは「最初は濃厚接触者の健康観察中に聞き取りの電話を毎日していたが、感染者が増えてそれができなくなり、保健所などが電話で聞き取る方式ではなく本人に申告してもらう方式にした」ということであって、元のツイート主が「連絡が一度もなかった」というのは「事実」だということになる。

 しかも、この〈調査結果〉を読むと、健康観察に入る前に行政側が「自己申告してくださいね、こちらから電話はしませんよ」ということをしっかり説明ていたのか、そちらのほうが気になるが、その問題については何も触れず、〈1月8日に厚生労働省からも(中略)業務負担の軽減を図るよう各自治体宛に通達されている〉と述べているだけ。行政側の怠慢が疑われるのにそれには目を向けず、「厚労省からもお墨付きを得ている」と主張するだけなのだ。

 だが、さらに酷いのが、〈市からの食料支援やその他の手続き情報も無し〉という部分への〈調査結果〉だ。

〈大阪市では濃厚接触者への外出自粛を要請しているが、日常的な買い物での外出は不要不急に当たらず、健康状態も無症状であることが健康観察の前提であるため食糧支援等は行っていない。〉
〈他都市においても大阪市と比較的人口規模が近く感染者数の多い横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、福岡市、札幌市について濃厚接触者への支援の状況を調査したが、いずれも14日間の健康観察とできる限りの自宅待機をお願いしているが、濃厚接触者は自宅療養者ではないため食糧支援等は行っていない旨の回答があった。〉

 これも「濃厚接触者の健康観察中の人には食糧支援をしていない」という話で、「市からの食料支援がなかった」という元のツイートは「事実」であるわけだが、〈調査結果〉などと称して「同じ規模の他の市もやっていない!」とがなり立てているのだ。

 つまり、これを「ファクトチェック」だと言うのならば、元ツイート主は何も虚偽やデマを述べてはおらず事実を書き綴っていただけで、すべてファクトだということになるのだ。

 というよりも、「ファクトチェック」などと言いながら維新がやっていることは、行政サービスに対して疑義を呈する一般市民に対し、ていねいな説明や情報を周知徹底しなかった行政の不備・怠慢を無視して「国も認めていることだ」「ほかの市もやっていない」と自己正当化し、開き直っているだけなのだ。


■「非党派性」というファクトチェックの国際原則を無視する維新の暴走

 いや、さらに言えば、為政者・公党が一般市民のツイートを「ファクトチェック」などと言って取り上げるという行為によって、あたかも「デマ」が流されているかのような印象を一方的に与え、一般市民を「吊し上げ」しているのだこれは公党による一般市民への「攻撃」であり、さらには維新信者による攻撃をも煽りかねない、恐ろしいものだ

 当然ながら、この「ファクトチェック」と称した維新の一般市民への攻撃行為に対しては、猛烈なツッコミが殺到している。

〈どこがファクトチェックやねん〉
書いてあることは全部ファクトでは?何か問題が?〉
〈ファクトチェックの意味分かってやってる?〉
〈大阪維新の会は、市政を批判したいち市民を晒して攻撃することを「ファクトチェック」と呼ぶんですね〉
〈この「ファクトチェック」こそが誤認を与え撹乱して一般人を脅すという、チェックされるべきものに思えます〉
〈・イソジンデマについて ・雨合羽でコロナを防げるかについて ・大阪ワクチンについてなど、維新が垂れ流した様々なデマについてファクトチェックする方が先だろう ええ加減にせえよ〉

 そもそも、公党は「ファクトチェック」をおこなえる立場にはない。実際、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)は2016年9月に「Code of Principles」(ファクトチェック綱領)を制定しており、その5つの原則のひとつとして「非党派性・公正性」を掲げている(NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」HPより)。また、ファクトチェック・イニシアティブの楊井人文事務局長も「大阪維新の会は政治団体であり、非党派性・公正性の原則から外れる」「ツイートの内容が事実かどうかをレーティング(真偽の判定)せず、あたかも誤情報だという印象を与えている」と指摘をおこなっている(朝日新聞デジタル27日付)。

 つまり、維新がやっていることは「ファクトチェック」などと呼べるものでもない上、市民の正当な批判を「デマが流されている」という印象操作するという、悪質極まりない行為なのだ。

 しかし、これこそが維新、そして吉村洋文・大阪府知事の狙いなのだ。実際、このデタラメにも程がある「ファクトチェック」について、吉村知事はその狙いを17日の会見でこう語っていた。

「ネット上のデマが出回る傾向が強い。特に“維新憎し”でいろんなデマが匿名で出回る。それがリツイートされたり、拡散されて、あたかも本当かのように情報が出回ってしまう。これはよくないと思う」
「“維新憎し”のデマに個別に僕自身が反論するのも大変なので、大阪維新の会として対応しようと。そのための組織を内部で立ち上げて、誰とは言わないがファクトチェックを担当する議員を置いて、その議員の方で事実をファクトチェックのアカウントから発信していきたい」


■正当な批判を「維新憎しのデマ」と決めつけてきた吉村洋文知事の体質がモロに

 今回、維新が「ファクトチェック」したツイートを見ればよくわかるが、それは一般市民が行政サービスの不備を訴えたものでしかない。だが、それを吉村知事は「維新憎しのデマ」などと呼ぶのである。

 しかし、吉村知事はこれまでも正当な市民からの批判を「維新アンチのデマ」などと呼び、攻撃してきた

 たとえば、昨年11月に新規感染者が急増し重症患者用の病床切迫が問題になっていた際、出演した『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)で「どこをどう命を救っていくのかという、そういった選別のような、これは本質的な議論をしなきゃいけない状況」「一定の本当にもう超高齢であったりご家族の同意が得られるような場合については、人工呼吸とかそういうのじゃなくて、これはもう若い人にそれをバトンタッチするというような判断というのが必要になってくることがあるかもしれない」と発言し、「命の選別をおこなう可能性に踏み込んだ。

 これには当然、ネット上で批判が高まったが、会見でこの問題を問われると、「一部で何か『命の選別だ』みたいなこと言ってるアンチの人たちがいますけど、それは事実とは違います」などと反論。“アンチによるデマ”だと言い張ったのだ。

 また、昨年8月に会見で「ポビドンヨードが新型コロナに効く」とぶち上げた際、この会見を生中継した『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)に出演していたテリー伊藤が「じつはこの話をですね、1時間半ぐらい前に知ったんですね」「薬メーカーの株価もかえるなっていうふうに、一瞬、頭も入ったんですけど、それを止めた」「それちょっとインサイダー取引みたいな感じで、僕の立場でそれやると申し訳ないなと思ってやらなかったんですけども」と舞台裏を語ったことを受け、ネット上ではインサイダー取引の可能性を指摘する声があがったが、このときも吉村知事は会見で「維新が嫌いなのはわかるんですけど」などと、批判をあたかも”反維新“の政治的な攻撃であるかのように矮小化した

 つまり、吉村知事は、自分にとって都合の悪いことをすべて“維新憎しのアンチのデマ”だとこれまでも攻撃してきたのだ。この政治家の本質がトランプ前大統領とまったく同じであることがよくわかると同時に、こうした攻撃によって吉村知事は批判を封じ込めてきたのである。

 本サイトでは吉村知事や維新が新型コロナ対応や「都構想」住民投票でついてきた数え切れないほどの嘘やゴマカシをそのたびに取り上げ、騙しの手口を批判してきたが、ネット上でもツッコまれているように、「ファクトチェック」で一般市民を吊るし上げる行為を即刻取りやめ、これまでの吉村知事自身の発言をこそ自己検証し、市民に伝えるべきだ

野尻民夫
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コメント
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●「広域行政一元化」なんて言い始めた《大阪の3バカが活動拠点を国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう》(適菜収さん)

2020年12月03日 00時00分51秒 | Weblog


日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280)。
リテラの2つの記事【東京493人よりもっと深刻! 大阪のコロナおざなり対策が酷すぎる…重症病床使用率ごまかし、都構想にかまけてやってる感アピールだけ】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5700.html)と、
【吉村洋文知事「命の選別」発言は“アンチのデマ”ではない! テレビで“治療を高齢者から若者に”と発言 背景に維新の優生思想】(https://lite-ra.com/2020/11/post-5709.html)。

 《そもそも維新の会フェアに戦ったわけではない。元大阪市長の橋下徹が明らかにしたとおり、公明党が賛成に回るように密約を交わし、市民に正確な情報が伝わることを最後まで妨害していた。今やるべきことは真相の究明と責任の追及である。それをやらないから、連中は増長する。大阪市長の松井一郎は、ほとぼりも冷めないうちに「広域行政一元化」などと言い出した。要するに、維新と公明で過半数を握る市議会で可決できる条例により、府に権限を集中させるということ。アホくさ。》
 《しかし、じつは東京都以上に重大な事態となっているのが大阪府だ。たとえば、大阪府の本日の新規感染者数は273人で過去2番目の多さだった。昨日18日も東京都は298人で、大阪府は昨日時点で過去2番目に多い269人だった。東京都の人口が約1400万人で大阪府の人口が約880万人であることを考えれば、東京都を上回る深刻さなのだ》。
 《実際には赤信号でも「数字は日々変わる」などと言って「マックス」の数字を分母にして現実をごまかす──。このような深刻な事態を招いたのは、言うまでもなく新型コロナ対応に集中すべきときに吉村知事や松井一郎・大阪市長が「都構想」住民投票を優先させ、その運動に邁進してきた結果であることは明白。「大阪ワクチン」「ポピドンヨード」「雨合羽」などと「やってる感」だけを演出し、肝心の医療提供体制の整備を疎かにしてきた、吉村知事と松井市長の責任は極めて重大だ》。

 無為無策無能で無責任の極みの《大阪の3バカが活動拠点を国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう》(適菜収さん)。
 「広域行政一元化」…お維は、まだ、やるつもりなのか。大阪のお維支持者の皆さんは、まだ、やらせるつもりなのか…。

   『●所詮「ト」構想だった:
      「地方自治への逆行」「何でもぶっ壊せばいいという暴論」
   『●《実際、元大阪市長の橋下徹は都構想の目的として
      「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」…》
    《政令指定都市である大阪市を潰しその権限、力、お金をむしり取ること
     である。…当然、大阪市民は財源も自治も失い、行政サービスは低下する

   『●大阪市廃止「ト」構想、再び否決…5年前に《「何度もやるものでは
          ない。1回限り」「ラストチャンス」》で否定されておきながら…
   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約

 《吉村知事にはまるで反省はなく、むしろ「トリアージ」、そして高齢者より若者の治療を優先する命の選別」発言まで口にしはじめた》…数多の仕打ち…お維支持者の皆さんの気が知れないです。リコール対象はお維でしょうに。お維非支持者の皆さんが、あまりにお気の毒だ。ましてや、《大阪の3バカが活動拠点を国政に移せば…》、なんて勘弁してほしい。《竹中平蔵…はテレビ番組で松井に対し私は、政治家としての能力、これは菅総理を含めて、みんなものすごく高く評価してるんですよ」「私ね、少し期間おいてね、国政に出ていただきたいんですと発言》だそうですよ、うさん臭くデタラメな連中がみ~んなグルです。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280

適菜収 作家
1975年生まれ。作家。近著に「国賊論 安倍晋三と仲間たち」、「ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体 」など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

それでもバカとは戦え
真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない
公開日:2020/11/14 06:00 更新日:2020/11/14 06:00

     ((左から)橋下徹、大阪の吉村洋文府知事と松井一郎市長の
                       3氏(C)日刊ゲンダイ)

 大阪市解体を巡る住民投票の否決後、立憲民主党副代表の辻元清美が「しびれるくらい拮抗したけど、これでノーサイド。どっちを選んだ人も大阪が好きで投票に臨んだ。市長には明日からこれ以上の分断を起こさぬよう細やかな対応を心からお願いしたいと思います」とツイート。

 「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉があるが、冗談ではない。大阪市が好きな人間が大阪市を消滅させる住民投票に賛成するわけがないではないか。日本が好きな人間が日本を消滅させることに賛成するのか。それと同じ。

 そもそも維新の会フェアに戦ったわけではない。元大阪市長の橋下徹が明らかにしたとおり、公明党が賛成に回るように密約を交わし、市民に正確な情報が伝わることを最後まで妨害していた。今やるべきことは真相の究明と責任の追及である。それをやらないから、連中は増長する。

 大阪市長の松井一郎は、ほとぼりも冷めないうちに「広域行政一元化」などと言い出した。要するに、維新と公明で過半数を握る市議会で可決できる条例により、府に権限を集中させるということ。アホくさ

 住民投票否決で維新の会が弱体化したと考えるのは判断が甘すぎる。

 菅義偉や周辺の政商でパソナ会長の竹中平蔵らが権力を握っている限り、なにが発生するかわからない。竹中はテレビ番組で松井に対し私は、政治家としての能力、これは菅総理を含めて、みんなものすごく高く評価してるんですよ」「私ね、少し期間おいてね、国政に出ていただきたいんですと発言。

 橋下はテレビ番組で「知事、市長をやってた時の話をしゃべり尽くして、もうネタがないんですよ」とコメンテーター“卒業”を示唆している。また別の番組では、大阪府知事の吉村洋文について、「維新のトップ、国会議員になってもらいたい思いはある」と国政復帰の話を持ち出した。非常にきなくさい状況だ。

 菅は住民投票について「二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとする大都市制度の大きな改革だと認識している」と評価、否決後は「大都市制度の議論において一石を投じた」と発言している。大阪の3バカが活動拠点を国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう
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https://lite-ra.com/2020/11/post-5700.html

東京493人よりもっと深刻! 大阪のコロナおざなり対策が酷すぎる…重症病床使用率ごまかし、都構想にかまけてやってる感アピールだけ
2020.11.18 07:37

     (大阪府HPより)

 本日19日、東京都の新規感染者が493人で過去最多を更新し、不安が広がっている。都の警戒レベルも最高段階に引き上げられる。しかし、じつは東京都以上に重大な事態となっているのが大阪府だ

 たとえば、大阪府の本日の新規感染者数は273人で過去2番目の多さだった。昨日18日も東京都は298人で、大阪府は昨日時点で過去2番目に多い269人だった。東京都の人口が約1400万人で大阪府の人口が約880万人であることを考えれば、東京都を上回る深刻さなのだ。

 しかもより重大なのは、重症患者の病床使用率だ。大阪府の重症病床の使用率は17日時点で33.5%だと公表されているが、実際には60%を超えているのだ

 そのカラクリはこうだ。大阪府は10月14日に重症病床の確保数を188床から206床まで増やしたが、対して11月16日時点で大阪府の重症患者は73人で、病床使用率は35.0%に達した。だが、NHKニュース(16日付)によると、重症患者用に確保された病床は患者が少ない時期には一般患者用としており、15日時点で大阪府が重症患者用として運用できる状態になった病床数は107床でしかない。つまり、実質的には重症病床の使用率は60%を超えているのである。

 吉村洋文・大阪府知事は昨日17日、16日に重症患者の病床使用率が35%に達したことについて「今のままで増え続ければ(府民に対する非常事態の基準となる)70%に到達する可能性は十分ある」などと述べたが、実質的には70%超えはもう目の前まで迫っているのだ。

 しかも、大阪府の場合は「今のままで増え続ければ」などと悠長なことを言っているような状況にはもはやない。たとえば、「ECMOnet」のデータによれば、17日時点で「重症者における人工呼吸器装着数(ECMO含む)」は東京都で36件だが、大阪府は58件にものぼっているからだ。

 実際、こんな証言もある。前出のNHKニュース記事では、府立中河内救命救急センターの山村仁所長が、今回、搬送されてくる重症患者の特徴について、こう語っているのだ。

「これまではもともと治療を受けていた新型コロナの患者が重症化して搬送されてくるパターンが多かったが、今回は、救急で運ばれてきて、センターでPCR検査をした結果、陽性が分かるケースがみられ、市中感染が広がっているように感じている」

 新型コロナ患者として治療されている最中に重症化するのではなく、すでに症状が悪化した状態で救急搬送されて陽性であることが判明するということは、これはつまり検査数が足りていないことの証左ではないか。

 現に、11月に入ってからの検査実施件数は東京都の最多が8175人(16日)であるのに対し、大阪府の最多は3982人(17日)と半分以下にとどまっている。

 徹底した検査を怠ったために市中感染が広がり、重症患者も急増──。ようするに、大阪府では「第1波」の教訓が何ら活かされていない、最悪の状態にあると言っていいだろう。

 そして、この最悪の状況を生み出した要因は、言わずもがな、吉村知事がコロナ対策そっちのけで、いわゆる「都構想」に邁進してきたことだ。

 事実、感染が再拡大していた8月の大阪府の新型コロナ死亡者数は62人(NHKまとめから算出。以下同)にもおよび、東京都の31人の2倍もの数に膨れ上がっていた。9月も同様に東京都45人に対して大阪府は54人と上回っていた。

 にもかかわらず、吉村知事はコロナ対応がうまくいっていると騙すようなことをやってきた。8月中旬には大阪府の重症者数が東京都の3倍以上にものぼったが、このとき吉村知事は「大阪の場合は死者をできるだけ減らしたいということで、できるだけ早めに気管切開をして人工呼吸器をつけて、命を救う治療を優先している」と発言。その後、大阪府医師会・茂松茂人会長が「治療はどこで受けても同じ治療をする」「大阪だけ、できるだけ早く人工呼吸器をつけるということはまずないと思う」と否定し、またも吉村知事のデタラメ発言だったことが露呈した。


■都構想にかまけてコロナ対策おざなり イソジン、大阪ワクチン…やってる感アピールだけ

 無論、こうした吉村知事のデタラメはいまにはじまった話ではない。吉村知事は5月に再び休業を要請する際の独自基準として「大阪モデル」をぶち上げ、「頼れるリーダー」「実行力がある」などとメディアに持て囃されたが、実際にはその後、基準を超えそうになると基準を変更。7月には「赤色」になる基準を「重症者の病床使用率が70%以上」のみとする修正をおこなった。その高すぎる基準にさえいまや到達しそうになっているわけだが、当初の基準(1週間の平均値で①「感染経路不明者の前週増加比」が1以上、②「感染経路不明者数」が5~10人以上、③「確定診断検査における陽性率」が7%以上)に照らし合わせれば、17日時点で①は1.49、②が180人、③8.9%となっており、すでに「赤色」になっているのだ

 この「大阪モデル」の恣意的な運用変更はもちろんのこと、「うがい薬」騒動や「大阪ワクチン」ぶち上げをはじめ、大阪府民を騙すようなことを繰り返してきた吉村知事。これらがすべて「都構想」への影響を睨んでのものだったことは明々白々だ。

 そして、夏の「第2波」対策を疎かにしたままで秋に突入し、10月下旬から新規感染者数は右肩上がりとなった。そんな最中に、吉村知事と松井一郎・大阪市長は、わずか5年前に否決されたばかりの「都構想」の2度目の住民投票の運動にかまけていたのである。

 いや、再び「都構想」が否決されたあとも、吉村知事は6日には「約半数の賛成派の声を尊重することも大事だ」などと言い出し、「広域行政の一元化」条例の制定を目指すことを宣言。これは市の権限と財源を府に差し出すという「都構想」で否決されたものを条例で実現させようとする住民投票の結果を蔑ろにしたシロモノにほかならないが、その一方、新規感染者数が過去最多を更新した11日に吉村知事がフリップまで用意して打ち出した感染拡大防止策は、なんと「静かに飲食」「マスクの徹底」だった。それらが重要なのは誰でもわかっているが、それ以上に検査医療体制の整備にしろ休業補償にしろ行政による対策が喫緊で求められているというのに、それでも「自助でどうにかしろ」ということだ。

 コロナ対策そっちのけで「都構想」に邁進し、その結果、人口比でいえば東京を上回る感染拡大を招きながら今度は条例制定などと言い出し、肝心の感染対策は住民に押し付ける……。大阪府の深刻な状況とともに、これまでさんざん持ち上げてきた「頼れるリーダー」のこうした実態を、メディアは責任をもってしっかり報道すべきだろう。

(編集部)
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https://lite-ra.com/2020/11/post-5709.html

吉村洋文知事「命の選別」発言は“アンチのデマ”ではない! テレビで“治療を高齢者から若者に”と発言 背景に維新の優生思想
2020.11.25 03:12

     (大阪府HPより)

 大阪府の新型コロナ感染拡大が大変な事態となっている。22日には新規感染者が過去最多となる490人となったばかりだが、昨日24日も8日連続の200人超えとなる210人で、またも東京都の人数を上回った。しかも深刻なのは重症患者の多さで、吉村洋文・大阪府知事は重症病床の確保数である206床に対する使用率が50%となったと発表した。

 だが、現実はもっと切迫したものだ。重症患者用に確保された病床は患者が少ない時期には一般患者用としており、24日時点で大阪府が重症患者用として確保できている病床数は130床。ようするに、実際には使用率はすでに79%となっているのだ。

 大阪府が独自に設けている「大阪モデル」では、「非常事態」を示す「赤信号」となる基準は「重症病床使用率70%以上」。つまり、現実にはもう「非常事態」。しかも、12月上旬には重症者数が病床数を上回るというシミュレーション結果も出ているのである。

 大阪府が重症患者用のベッドを150床まで増やすべく医療機関に依頼をおこなったのは今月9日のことだったが、それから2週間以上経ってもその150床には到達せず、130床にとどまっている。にもかかわらず、確保数の206床で使用率を割り出しているのは詐欺的と言うべきではないか。

 だが、この問題を昨日の会見で記者から問われた吉村知事は、こんな詭弁を弄したのだ。

「数字変わりますんでね。昨日は118(床)、きょうは130(床)で。1日で変わっていきますから、我々としては正確な数字を府民のみなさんにお伝えをしたい。日々数字が変わりますから、日々それで分母が変わった数字がどんどん出てくるとなかなかわかりにくいと思いますんで。そういった意味では『206(床)というのがマックスの数字なんです』というのはこれまでお伝えしているとおり、これからも伝えていきたい」

 実際には赤信号でも「数字は日々変わる」などと言って「マックス」の数字を分母にして現実をごまかす──。このような深刻な事態を招いたのは、言うまでもなく新型コロナ対応に集中すべきときに吉村知事や松井一郎・大阪市長が「都構想」住民投票を優先させ、その運動に邁進してきた結果であることは明白。「大阪ワクチン」「ポピドンヨード」「雨合羽」などと「やってる感」だけを演出し、肝心の医療提供体制の整備を疎かにしてきた、吉村知事と松井市長の責任は極めて重大だ

 しかし、ここまで府民を危険に晒しておきながら、吉村知事にはまるで反省はなく、むしろ「トリアージ」、そして高齢者より若者の治療を優先する命の選別」発言まで口にしはじめた


■吉村知事が『ウェークアップ!ぷらす』で「ベッドが足りなくなったら」と聞かれ「高齢者から若者にバトンタッチ」

 まず、吉村知事は19日に、重症者の病床確保について「大阪全体での救急病床のトリアージをしていく」と宣言。「トリアージ」というのは、大きな災害や事故現場などで多数の患者が出た際、制約があるなかで重症度や緊急度、救命可能性などに基づいて治療の優先順位を決めて選別をおこなうという意味だが、吉村知事のこのときの発言は、交通事故や脳梗塞などの患者を受け入れる病院と新型コロナ患者を受け入れている病院を明確に分けるという内容だった。

 一般の救急患者とコロナ患者の受け入れ病院を分けることを、「救急病床のトリアージ」などと呼び、わざわざ「トリアージ」という言葉を使うことじたい意味不明で、意図が透けて見えるようだが、問題はこのあとだ。その本音はすぐあらわになる。

 21日に生出演した『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)では、司会の辛坊治郎が「場合によって(重症患者の)ベッドのキャパシティを超えてきた場合にどうするかみたいなことは考えていらっしゃいます?」と訊くと、吉村知事はこのように答えた。

「これは三次救急の先生方と話をしなきゃいけません。かなりシリアスな話になってくると思います。つまりほかの病気の方、心筋梗塞であったり交通事故であったり、そういったみなさんの命もやっぱり守らなきゃいけません。ICUっていうのは限りがありますから、そういった意味ではどこをどう命を救っていくのかという、そういった選別のような、これは本質的な議論をしなきゃいけない状況に……」

 さらに、辛坊が「政治家としては絶対に言えないことを聞きますけど、本当に極限状態になったときは年齢その他で何かを区切るみたいなことはありえると考えています?」と尋ねると、吉村知事はこんな話をはじめたのだ。

「僕はご家族の同意というのは必要と思いますが、そういった判断、これは押さえなきゃいけないんですけども、これは諸外国ではそういった議論を実はされているんですが、一定の本当にもう超高齢であったりご家族の同意が得られるような場合については、人工呼吸とかそういうのじゃなくて、これはもう若い人にそれをバトンタッチするというような判断というのが必要になってくることがあるかもしれない」

 高齢者よりも若者を優先させる判断が必要になる──。つまり、吉村知事は19日に言っていた「病床の振り分け」という話ではなく、文字通り「命の選別」をおこなう可能性を語ったのだ


■吉村知事は「うがい薬」問題のときと同じく「そんなこと言ってない」「アンチのデマ攻撃」と言い訳

 無論、これらの発言にはネット上で批判が高まったが、昨日の会見でこの問題を問われると、吉村知事は“そんなことは言っていない!”などと否定したのである。

「『命の選別をする』ということではありません。むしろ命を守るために適切な病床の医療資源を配分していこうということです。ここは一部、誤解の生じないようにしていただきたい」
「一部で何か『命の選別だ』みたいなこと言ってるアンチの人たちがいますけど、それは事実とは違います。僕が言ってるのは病床の話です。病床の最適化、医療の最適化、やはりこれをやっていかなくてはならない状況にあると」
「一部のネット上で『命の選別を吉村がしている』というのはまったく違うということは、ここではっきりと申し上げておきたい」

 吉村知事は、19日に宣言した「病床のトリアージ」、つまり交通事故や脳梗塞患者など一般の病気の患者の受け入れ病院と新型コロナ患者の受け入れ病院を分けるという問題にすり替えて否定したが、『ウェークアップ!ぷらす』で言った発言はまったくそれとは違う。「超高齢者は若い人にバトンタッチする」とはっきりと口にしており、これはまぎれもない「命の選別」発言だ。

 吉村知事は「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」と喧伝して批判を浴びたあとも「予防効果があるとは、ひと言も言っていない」などと言い張り、「ぼくが感じたことをしゃべり、『それは間違いだ』と言われたら、ぼく自身、言いたいことが言えなくなる」などと述べ、反町隆史の歌の歌詞のようなことを言い出して“ポイズン吉村”などと揶揄されたが、またも自身の発言を“言っていない”などと無責任にも否定したのだ。

 さらに呆れるのが、「『命の選別だ』みたいなこと言ってるアンチの人たちが」と、まるで“アンチがデマを流している”かのように話をすり替えたことだ。「うがい薬」騒動でも吉村知事は「維新が嫌いなのはわかるんですけど」などと批判を矮小化させていたが、都合の悪いことをすべて「アンチのデマ」とするやり口をみていると、この政治家の本質がトランプ大統領とまったく同じであることがよくわかる

 しかし、いくら言い訳を重ねても、吉村知事が「命の選別」を口にした事実は変わらない。そしてそれが現実になるのではと不安を覚えずにいられないのは、そもそも維新の底流には生きる権利より医療費削減」「生産性の低い高齢者は早く死んだほうがいい」という優生思想が流れているからだ。


■医療削減をしておいて「医療資源に限界」の発言 背景にある維新の優生思想

 たとえば、今年起こったALS患者の嘱託殺人事件をめぐって、やはりALS患者であるれいわ新選組・舩後靖彦参院議員が「生きる権利を守る、生きやすい社会に」と発言したことに対し維新の最高幹部である馬場伸幸幹事長は議論の旗振り役になるべき方が議論を封じているなどと攻撃。さらに、表向きは馬場幹事長を諌めていた当時維新の代表だった松井一郎・大阪市長も、同時に生きやすいかどうかは個人の感性の問題などと問題を矮小化、なおもALS殺人をきっかけに尊厳死を議論すべきと主張していた。

 まさに背筋が凍る主張だが、吉村知事の「超高齢者は若い人にバトンタッチする」という発言にも「生産性の低い高齢者は早く死んだほうがいい」という維新的な思想が見え隠れするのだ。

 実際、吉村知事は昨日の会見でほかにも信じられないようなことを口にしていた。吉村知事が「命の選別」問題を“アンチによる攻撃”に話をすり替えたあと、記者が話を戻し、「たとえば150床を目指すなかで、重症者のほうが上回ってしまったときに、じゃあ誰が実際に重症のベッドに入れて、誰が入れなくなるのかという懸念も出てくると思うんですけど、ベッド数を上回ってしまったときの対応にかんしては、いまどのようなお考えがあるのでしょうか」と質問。すると、吉村知事はこう答えたからだ。

「これはまず府民のみなさんにはお伝えをしなきゃいけないというのは、医療資源っていうのは無限ではありません。医療資源っていうのは限りがある、無限に広がるわけではありませんので、ここは府民のみなさんにも当然、どのエリアでもそうですけど、そこはご理解をいただきたいと」

 救えるはずの命が救えなくなるという最悪の事態を回避するためには医療提供体制の整備が必要だということは、今年の2月からずっと繰り返し叫ばれてきた話だ。そして、今月末に完成するという臨時施設「大阪コロナ重症センター」をもってしても対応しきれないような状況にまで大阪はきてしまった。繰り返すが、いま地域を医療崩壊寸前まで追い込んでしまったのは政治の責任だ。その責任を棚に上げて、重症患者の病床が足りなくなるという現実が目の前にまできているなかで、医療体制を増強する努力を放棄し、「医療資源っていうのは限りがある」「無限に広がるわけではない」などと言い放つ──。重症患者には高齢者が多いが、ようするにこれは高齢の府民に対して「理解」という糖衣に包んだ表現で「覚悟しろ」と迫ったようなものだ

 この無責任かつ「命の選別」をも厭わない男が陣頭指揮をとりつづけ、大阪は一体どうなってしまうのか。そこにはただただ不安しかない。

(編集部)
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●大阪市廃止「ト」構想、再び否決…5年前に《「何度もやるものではない。1回限り」「ラストチャンス」》で否定されておきながら…

2020年11月05日 00時00分54秒 | Weblog


リテラの記事【大阪都構想住民投票に58億円の税金が! コロナ対策より都構想優先の吉村知事と維新 イソジン会見の裏側も発覚】(https://lite-ra.com/2020/10/post-5669.html)。
アサヒコムの二つの記事【橋下氏が突如表明した都構想 反対多数、松井氏は引退へ】(https://www.asahi.com/articles/ASNC16F8NNBZUTFK01S.html?iref=comtop_ThemeLeftS_01)と、
【「維新に尻尾振るなんて」 都構想、反発した公明支持層】(https://www.asahi.com/articles/ASNC17FPTNBZPTIL027.html?iref=comtop_ThemeLeftS_02)。

 《メディアでは「都構想」と紹介され、その名称が広く浸透しているため本サイトでも以下「都構想」と述べるが、今回の住民投票の正しい名称は大阪市廃止・特別区設置住民投票」であり、この住民投票で賛成が上回っても「大阪都になるわけではない。今回の住民投票は「大阪市を廃止して4つの特別区に再編するかどうか」を問うものだ。5年前に当時の橋下徹・大阪市長が何度もやるものではない1回限り」「ラストチャンスと言っておこなった住民投票で否決されたというのに、しかも、このコロナ禍にあってまたも住民投票をやろうとは開いた口が塞がらないが…》。
 《大阪都構想の住民投票は反対多数となり、大阪市の存続が決まった。都構想を掲げて橋下徹・元大阪市長や松井一郎市長が大阪維新の会を旗揚げして約10年。松井氏は「ラストチャンス」として挑んだが、維新の悲願は今回も大阪市民に受け入れられなかった》。
 《2度目の住民投票に打って出たが、連敗に終わった。公明党を賛成に転じさせることには成功したが、公明支持層の動きは鈍かった。特別区の財政見通しや住民サービスの行方に対する市民の不安も払拭しきれなかった》。

 大阪市廃止「ト」構想…5年前に《「何度もやるものではない1回限り」「ラストチャンス」》で否定されておきながら、またもドブガネして、このコロナ禍の大変な時期に、一体何をやっているのか。呆れるしかない。5年前、既に「地方自治への逆行」「何でもぶっ壊せばいいという暴論」(保坂展人世田谷区長)だったはずなのに。

   『●所詮「ト」構想だった:
      「地方自治への逆行」「何でもぶっ壊せばいいという暴論」
   『●《実際、元大阪市長の橋下徹は都構想の目的として
      「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」…》
    《政令指定都市である大阪市を潰しその権限、力、お金をむしり取ること
     である。…当然、大阪市民は財源も自治も失い、行政サービスは低下する

 そんな中、呆れた事件が発生。
 Huffingtonpostの記事【れいわ新選組・山本太郎氏の街頭演説、大阪府警が中止要求。府警「発表する予定はない」】(https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f8410aec5b6e5c32000bf29?utm_hp_ref=jp-homepage)によると、《この日、れいわ新選組の山本太郎代表が大阪市内で街頭演説を行ったところ、府警の警察官に中止を要求される一幕があった。…しかし、その後大阪府警・南警察署の警察官が「演説を一旦中止してください」と手持ちの拡声器で呼びかけた。山本氏は「一旦中止をする、法的根拠を教えてください」と説明を求めた。しかし、警察官はこれに応じず中止を求め続けた。山本氏は警察官にマイクを渡すよう支持者に促したが、警察官は拒否。支持者が警察官に詰め寄るなど、一時騒然とした。その後も警察官が「許可は得ていますか」と聞くと、山本氏が「いりません。道路交通法77条に基づいている」と主張するなど平行線をたどった。この後、山本氏は「独り言をマイクが拾っている」として都構想の反対を引き続き訴え、警察の対応を「法律も犯していないのに、公権力を使って表現の自由を侵している」と批判した》。
 お維は、府警に何か言わなくてもいいの? 大阪では、こんな警察の介入が許されるの? 大丈夫か、お維?

   『●「姉妹都市への決別宣言をする短絡的な政治」家・
     吉村洋文氏よりも、「国際政治家」な映画人・国村隼さん
   『●《アンダーコントロール》演出…お維や「小池都知事はよくやっている」
          だってぇ? そう見えるのは、《安倍首相がひどすぎるからだ》
   『●リテラ《吉村知事を賞賛する声…そのイメージは巧みな自己演出に
      よってつくり上げられた部分が多く、実像とはかけ離れたものだ》

 さて、11月1日(日)の投開票で、見事に否決されました。大阪の皆さん、コロナで大変な中、お疲れさまでした。大阪市廃止「ト」構想が否決されたのですから、松井一郎大阪市長・元大阪「ト」知事は、数年間の任期満了を待つことなく、即刻《引退》でしょ?
 そして、公明党の醜悪な振舞い。前回賛成しておいて、今回は反対に回ったというのなら理解できますが…賛成に転じるとはどういう事? しかも、橋下元大阪「ト」知事と裏約束・密約があったようですね。山口那津男氏と松井一郎大阪市長・元大阪「ト」知事、吉村洋文・大阪「ト」知事のスリーショット、あまりの醜悪さに言葉を失いましたよ。

 以下は、盛田隆二さんのつぶやきです。

――――――――――――――――――――――――――――――
https://twitter.com/product1954/status/1323059520931721216

盛田隆二Morita Ryuji@product1954

なるほど、そういうことか…。

維新は公明党に「衆院選で議席を譲る」と密約した。
だから、たとえコロナ禍であろうが、衆院選の前に住民投票をする必要があった。公明党は議席を得るために大阪市を売った。選挙の打算で唐突に賛成に転じた公明党に対し、創価学会員が不信を抱き、反対票を投じた。

―――
都構想よりコロナ対策@相互フォロー歓迎@osakatokosono

橋下さんの口から公明党との密約を暴露されているので発信します。

「急ぎすぎと言うけど公明党と握ったわけですよ、衆議院選のイスを維新は公明党に譲る代わりに賛成になってもらった。衆議院選の後に投票だとこの約束がどうなるかわからない。その前にやらないといけない。」

コロナより、、、そこ
―――
午前9:29  2020年11月2日
――――――――――――――――――――――――――――――

 橋下徹・元大阪「ト」知事、呆れます。ここにも、フィクサー気取りが。

   『●『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』を
               持つ人達は反省してくれるでしょうか?

   『●「俺様王国」ニッポン、「俺様王国」大阪「ト」を
             造りたい強権的政治手法好きな二人

   『●ご冗談を橋下さん:「泣き落とし」の一環、
      「やめたらアカン」…なんて許されない、すっぱり政界引退を


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https://lite-ra.com/2020/10/post-5669.html

大阪都構想住民投票に58億円の税金が! コロナ対策より都構想優先の吉村知事と維新 イソジン会見の裏側も発覚
2020.10.12 10:48

     (大阪府HPより)

 本日、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が告示された。メディアでは「都構想」と紹介され、その名称が広く浸透しているため本サイトでも以下「都構想」と述べるが、今回の住民投票の正しい名称は大阪市廃止・特別区設置住民投票」であり、この住民投票で賛成が上回っても「大阪都になるわけではない。今回の住民投票は「大阪市を廃止して4つの特別区に再編するかどうか」を問うものだ。

 5年前に当時の橋下徹・大阪市長が「何度もやるものではない1回限り」「ラストチャンス」と言っておこなった住民投票で否決されたというのに、しかも、このコロナ禍にあってまたも住民投票をやろうとは開いた口が塞がらないが、そんななか、先週発売の「週刊文春」(文藝春秋)が気になる記事を掲載した。そのタイトルは、こうだ。

「「株価に影響」懸念を無視 吉村知事「イソジン会見」前夜の「暴走メール」」

 ご存じのとおり、吉村洋文・大阪府知事は8月4日の会見でポビドンヨードを含むうがい薬をズラリと並べて「コロナに効く」などとぶち上げ失笑と非難を浴びたが、じつは会見直前の7月31日におこなわれた松井一郎・大阪市長や松山晃文・大阪はびきの医療センター次世代創薬創生センター長らとの面談において、吉村知事と松井市長がこんなやりとりを交わしていたことが、府民による情報公開請求によって判明したと伝えたのだ。

〈知事「本当は夜の街の人にも配りたいんだが」
市長「そうやけど、それは量を確保しないと無理やから。公表したら薬局は大慌てになる。株価にも影響する話。スケジュールとして、4日に5日からの休業要請について知事と俺で会見をやるから、そのときにこの研究成果を先生に発表してもらって」〉

 薬局には人々が殺到し、株価にも影響する──。こう指摘されながら、しかし吉村知事はこの重大な問題をスルーし、「(松山センター長に)同席してもらったらいい」などと語るにとどまった、というのである。

 実際、件の会見後にはドラッグストアの棚からはイソジンなどのうがい薬があっという間に消えるという現象が発生し、ポビドンヨードを含むうがい薬を取り扱っている塩野義製薬や明治ホールディングスの株価は跳ね上がった。そうしたパニックが起きることを想定しながら、吉村知事も松井市長も4日の会見に踏み切ったというわけだ。

 いや、それどころか、この会見を生放送した『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)に出演していたテリー伊藤は「この話をですね、1時間半ぐらい前に知った」「薬メーカーの株価もかえるなっていうふうに、一瞬、頭も入ったんですけど」などと言い、事前に情報が漏洩していたことを語っていた。インサイダー取引につながりかねない事態までをも引き起こしていたのである。


専門家が行うはずだったポビドンヨード発表を直前になって手柄横取りした吉村知事

 しかも、問題はこれだけではない。この7月31日の打ち合わせ時には、前述したとおり、会見では松山センター長が研究成果を発表する予定になっていた。だが、会見前日の3日夜、大阪府の藤井睦子・健康医療部部長が松山センター長にこんなメールを送っていたのだ。

〈会見は1部2部制にして、2部を「ポビドンヨード」にして、知事自身がフリップを使って(略)研究の成果をお話しになりたいということです〉
〈知事の説明の後、松山先生から補足説明をしていただくということでよろしいでしょうか?〉
〈知事が明日の会見で、ポビドンヨードの現物を展示しておきたい、とおっしゃっており、一般医薬品はこちらで複数品確保しましたが、医療用ポビヨン(ママ)ヨードの見本をお持ちいただくと助かります〉

 ようするに、本当ならば専門家である松山センター長が発表するはずだったものを、会見前日夜になって、吉村知事が説明することに変更し、さらには会見でうがい薬を並べることも吉村知事が指示していたのだ。

 あきらかにパニックを引き起こす発表を軽々におこなっただけでなく、手柄を横取りするかの如く、医師でも専門家でもないのに自ら研究成果を発表すると言い出す──。「うがい薬騒動」以前の6月にも吉村知事は「大阪産ワクチン開発」をぶち上げ、これも手柄を横取りした先走りの行動だったことがわかっているが(詳しくは既報参照 → https://lite-ra.com/2020/07/post-5499.html)、このような過剰な自己アピールに走った背景に「大阪都構想」に向けた得点稼ぎがあったのは疑いようもない。

 しかも、吉村知事がこうした「都構想」を睨んだ空疎なパフォーマンスを繰り広げる一方で、新型コロナ対応をめぐって、大阪ではとんでもない事実も判明している。

 なんと、大阪府では、新型コロナで「重症」に分類されないまま死亡する事例が相次いでいる、というのだ。

 この問題を伝えた毎日新聞8日付記事によると、重症に分類されないまま死亡した人は〈9月15日までに死亡が確認された186人のうち6割の115人が該当〉〈府が感染拡大の第2波の始まりとみなす6月14日から9月15日に限ると、死者99人のうち76%に当たる75人が重症以外だった〉という。

 

 もちろん、死亡前の症状をきちんと把握できてないのは大阪府だけではないし、なかには重症者の定義である人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO」の使用を高齢者が拒否したというケースもあるだろう。しかし、だとしても、死亡者の76%が重症扱いにならないまま死亡していたというのは尋常な数字ではない


■重症者・死者続出もコロナ対策おざなりで大阪都構想住民投票を強行する維新

 そもそも、大阪府では東京都の421人に続く223人という数多くの死者が出ている(11日時点・時事ドットコムより)。大阪府の専門家会議が2日に公表した分析結果でも、第2波(6月14日~9月21日)の大阪府の死亡率は1.3%で全国平均の0.9%を上回っている。

 また、前掲の毎日新聞の報道によれば、重症以外の死亡者には〈クラスター(感染者集団)が発生した施設や医療機関を利用した高齢者らが含まれる〉という。

 こうした結果は、吉村知事による新型コロナ対策をおろそかにしてきた何よりの証拠ではないのか。

 吉村知事といえば、重症者数が東京都の3倍以上にものぼった8月中旬、「大阪の場合は死者をできるだけ減らしたいということで、できるだけ早めに気管切開をして人工呼吸器をつけて、命を救う治療を優先している」と発言。その後、大阪府医師会・茂松茂人会長が「治療はどこで受けても同じ治療をする」「大阪だけ、できるだけ早く人工呼吸器をつけるということはまずないと思う」と否定し、またも吉村知事のデタラメ発言だったことが露呈したが、今度は一体何と言い訳するのか。

「都構想」の是非を問うより前に新型コロナ対策に専念すべきだというのに、住民投票を強行させた吉村知事。その一点をとっても、吉村知事が府民の命の安全と健康を守ることよりも維新としての私利私欲を優先させていることは明白だ。

 しかも、この2度目の「都構想」をめぐっては、2016年度以降の関連経費が大阪府と市を合わせて合計49億8053万円にものぼると共同通信が報道。さらには、大阪市は今回の住民投票に8億1300万円もの執行経費を予算化しているという。その約8億円は、感染防止対策にこそ注ぎ込むべきものではないか

(編集部)
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https://www.asahi.com/articles/ASNC16F8NNBZUTFK01S.html?iref=comtop_ThemeLeftS_01

橋下氏が突如表明した都構想 反対多数、松井氏は引退へ
池尻和生
2020年11月1日 22時59分

     (【動画】大阪都構想案の反対多数が確実となった。
      住民投票を振り返る)

     (住民投票で反対多数となり、会見する大阪維新の会の
      松井一郎代表=2020年11月1日午後11時49分、
      大阪市北区、井手さゆり撮影)

 大阪都構想の住民投票は反対多数となり、大阪市の存続が決まった。都構想を掲げて橋下徹・元大阪市長や松井一郎市長が大阪維新の会を旗揚げして約10年。松井氏は「ラストチャンス」として挑んだが、維新の悲願は今回も大阪市民に受け入れられなかった。

 「菅さんにはご迷惑をおかけしませんから」

 住民投票告示の数日前。松井氏がまず仁義を切ったのは、菅義偉首相だった

 大阪では、松井氏が代表を務める維新と自民党は激しく対立しており、都構想でも自民は反対の立場だ。一方、菅氏と松井氏は自民党が野党時代から親交を深めてきた。

 松井氏は2012年に国政政党・日本維新の会を設立する際、野党自民党で無役だった安倍晋三氏と菅氏に接近。安倍氏を党首にしたいと直談判した。安倍氏は断ったが、それが報じられると当時の橋下氏の人気も後押しして、同年の党総裁選で勝利。松井氏は菅氏と緊密に連携するようになり、菅氏も一貫して都構想に理解を示してきた。国政で時に野党の歩調を分断する維新は、菅氏にとっては役立つ存在でもある。

 ただ、大阪の自民にはそんな菅氏の姿勢に不満も多い。住民投票を控え、松井氏は難しい立場の菅氏に党内から火の粉が飛ばぬよう、できる限りの配慮をする考えを伝えた。

 だが、そもそも今回の住民投票の仕掛け人のひとりは、菅氏と言っても過言ではない

 19年4月、知事だった松井氏が大阪市長に、市長だった吉村洋文氏が知事にそれぞれ入れ替わった知事・市長のダブル選。両氏がダブル選を制したことで、都構想に反対だった公明党が賛成に回り、住民投票の実施が決まった。

 このダブル選までの過程で、橋下、松井両氏は菅氏に繰り返し相談。住民投票への突破口が開けず、松井氏が政界引退を口にした際には、菅氏が両氏を前に「政府は大阪に協力してきた。自分勝手を言うならもう知らない!」と机をたたいて激怒したこともある。その後、「奇手」とも言える入れ替え選を松井氏が提案すると、菅氏はこう笑って背中を押した。「とんでもないこと考えるなあ」

 僅差(きんさ)で敗れた15年に引き続き、やっとたどり着いた2度目の住民投票。松井氏は、なりふりかまわなかった。

 報道機関の世論調査で公明支持層の反対が上回っているとみると、すぐに支持母体・創価学会の旧知の幹部に連絡。それまで公明党本部は「大阪の問題」と静観してきたが、松井氏は山口那津男代表に応援に来てもらうよう要請した。大阪では連立を組む自公で賛否が割れ、次期総選挙での選挙協力への懸念から自公関係者が神経をとがらせるなか、山口氏を街宣車の上に乗せ、「勝たせてください」と訴えさせたのだ

 大阪の各政党が賛否をめぐって激しく火花を散らした都構想。その始まりは、ある新年会での、橋下氏の突然の表明だった。

     ◇

 私は09年に橋下氏の担当となり、その後も大阪で維新や自民などを担当。異動した間も、この10年余り、要所で大阪政局の取材に関わってきた。そのなかでも、いまでも忘れない光景がある。

 10年1月9日のこと。当時大…
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https://www.asahi.com/articles/ASNC17FPTNBZPTIL027.html?iref=comtop_ThemeLeftS_02

「維新に尻尾振るなんて」 都構想、反発した公明支持層
笹川翔平 河合達郎 太田成美
2020年11月1日 23時37分

     (【動画】大阪都構想案の反対多数が確実となった。
      住民投票を振り返る)

     (投票日をむかえ、大阪都構想への支持を呼びかける大阪維新の会の
      松井一郎代表(左)と吉村洋文代表代行=2020年11月1日
      午後0時29分、大阪市中央区、西岡臣撮影)

 地域政党「大阪維新の会」が結党以来10年にわたって掲げ続けた大阪都構想の実現に向け、2度目の住民投票に打って出たが、連敗に終わった公明党を賛成に転じさせることには成功したが、公明支持層の動きは鈍かった。特別区の財政見通しや住民サービスの行方に対する市民の不安も払拭(ふっしょく)しきれなかった。

     (都構想の賛否ほぼ互角、公明支持層も反対多く 出口調査)

 「今回は、公明党さんに多大なるご支援をいただいたが、すべて私の力不足だった」。維新代表の松井一郎市長は1日午後11時ごろから大阪市内で開いた記者会見でこう述べた。左隣には公明府本部代表の佐藤茂樹衆院議員が座っていた。

 公明は前回2015年の住民投票で反対したが、今回は賛成に転じた。昨春の府知事・市長のダブル選で、維新が2度目の住民投票実施を掲げて圧勝したことを受けてのことだった。背景には、維新が公明の現職議員がいる関西の衆院6選挙区への候補者擁立を何度もちらつかせた経緯がある。

 しかし、過去の選挙戦で維新幹部らが公明を激しく批判したこともあり、支持層の反発は根強かった。学会関係者には厳しい意見が相次いだ。「賛成というのも分かるが維新が嫌いだ」「負ければ辞めると松井市長が言っている。つぶしたい」「裏切り者」………。………
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