Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

「編集をひもとく」より かもめのジョナサン

2022-01-13 08:44:03 | 読書
トップ画像は,昨日の
田村 裕 (著, 編集), 横井 広海 (著), 臼井 新太郎 (著)「編集をひもとく -書物観察の手引き-」武蔵野美術大学出版局 (2021/11).
の 240-241 ページより.この本の最後の節のタイトルは「『かもめのジョナサン』にみる飛行表現の推移」である.原題 Jonathan Livingston Deagull : a story のこの本の初版は 1970 年.
日本では五木寛之訳が 1974 年に刊行され,話題になったのを覚えてはいるが,読んだか読まなかったかは定かでない. あちらのベストセラーを流行作家が翻訳かよ ! と思ったのは覚えている.
40 年後の 2014 年に完全版が出て翻訳もされ,再び注目された.

一種の絵本で,海外ではいろいろな出版社が,それぞれ趣向を凝らして「編集」している.欧文の横組み左開きに対し,日本では縦組み右開き.読む方向も,かもめの飛ぶ方向も逆になる.このため見出し画像のように,日本版の写真には製版時に左右を反転させる「逆版方式」が採用された : その結果,かもめの羽の角度が反転している.絵本や挿絵の多い洋書を縦組みの本に仕立てる際にはしばしば行われることだそうだ...知らなかった !

40 年後の完全版では写真は明るく修正された.初版ではトレーシングペーパーに印刷され下の写真が透けて見える部分があったそうだが,そういうぼんやりした情緒は無くなった.「編集をひもとく」は「本は生き物のように生まれ変わっていくのてある」と締めくくられていた.

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