Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

芥川賞受賞作「 1R1分34秒」

2019-02-24 09:36:07 | 読書
これは単行本のカバーイラストだが,僕が読んだのはやっぱり文春誌上.ちなみにアマゾンに引用の <「BOOK」データベースより> では

*****デビュー戦を初回KOで飾ってから三敗一分。当たったかもしれないパンチ、これをしておけば勝てたかもしれない練習。考えすぎてばかりいる、21歳プロボクサーのぼくは自分の弱さに、その人生に厭きていた。長年のトレーナーにも見捨てられ、現役ボクサーで駆け出しトレーナーの変わり者、ウメキチとの練習の日々が、ぼくを、その心身を、世界を変えていく―。第160回芥川賞受賞作。*****

もう一つの受賞作「ニムロッド」とくらべると,普通によくある小説.複数授賞にはある種のバランス感覚が働くのかもしれない.

ボクシング小説なのに情緒的,悪く言えばウジウジしている.しかし打ち合いの 打たれ側の心理描写が,ボクシングにほとんど関心がなくても真に迫って感じさせる.
ウメキチ登場後すこし おもしろくなったが,最後は延々と減量の記述が続く.やりきれないと思っていると,ストーリーが展開する前に終わってしまう.芥川賞的というか純文学的というか.

ノックアウトされて壊れて終わりたい...という願望はボクシングに限らず,世の中のどんな生き方にも普遍的...と思わせるところを評価.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

reading

/Users/ogataatsushi/Desktop/d291abed711d558e554bf7af66ee57d7.jpg