Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ただし、無音に限り

2019-02-06 09:22:06 | 読書
織守 きょうや,東京創元社 (2018/8).ミステリ・フロンティアの一冊.
この作家は初体験.本職は弁護士.Wikipedia によれば,2015年『記憶屋』で第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞し,同作を第1作とする〈記憶屋〉シリーズは、25万部を突破しているそうだ.

探偵に死者の霊が見え,眠ると死者の見た記憶が断片的にたどれる (ただし,無音) という設定.ミステリとしてはルール違反的な設定だが,探偵のこの能力が不十分なため,そこをどう推理で補うか,が問題になる.
中編2編だが,第2編は探偵が,その能力ゆえに落とし穴にはまる的な結末をむかえる.第1編では安楽死という味のあるテーマを扱っている.

探偵に依頼人を斡旋する弁護士は,探偵の能力を知っているが,その経緯は説明されていない.
また第1編で被疑者だった中学生に,探偵は自分の能力を白状?し,その結果第2編では中学生が探偵より頭のいいワトスン役? になる兆しをみせる.

ストーリーは地味だが,変格ミステリとして,☆☆☆.
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