NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

『坂道のアポロン』

2012-04-14 | 授業


『坂道のアポロン』(ノイタミナ)
学校きっての不良学生である千太郎に反発していた薫だが、千太郎のJAZZドラムの力強い演奏に耳をふさぎ聴かないようにしていたのにその迫力に圧倒されて聴き入ってしまう。クラシックしか聴かない薫だったが、帰り際にJAZZのレコードを購入する。千太郎のJAZZドラムのビートが頭から離れず、歩くときもそのビートに合わせて歩いてしまう。

その千太郎のドラム演奏シーンは劇中の薫だけが圧倒される物語の設定ではなく、アニメであるにもかかわらず、またアニメではあるが『のだめカンタービレ』と同様にCGによるアニメーションではあるが比較にならないほどの実存感。アニメの中に人が居るような、アニメーションとドラムの音が完全にシンクロしている。それだけではなくちゃんとドラムは一定のリズムから逃れているので、当たり前だけれどグルーヴ感を生み出している。それをアニメでやるって!

今週号のテレビブロスには渡辺信一郎監督と菅野よう子さんの対談が掲載されていましたが、このシーンは原作では薫のモノローグがあったとのこと。それを全部取り去って、アニメーションのみで表現したのだという。やっぱりそうなんだよ、圧倒的な表現が出来れば、無駄なモノローグや説明なんて要らないんだよ。むしろモノローグや説明以上に説得力が増す。だって自分でそのシーンを理解しようと努めるから。(そして部ロスの対談では面白い話がいっぱい!)


トップクリエーターの仕事を持って比べるのは悪いんだけれど、果たして日本の実写ドラマの方々がこういった表現を作りこめるのかというと、昨日の「カエルの王女さま」を観るとはなはだ疑問。菅野よう子さんは凄いとは思うけれど、苦手だった(殊に映画版『カウボーイビバップ』とかの”ネオ”な感じが)けれど、今回はサントラを予約しました。アニメの続きとサントラが待ち遠しいですよ!