NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

相棒は変わるか

2009-09-18 | 休み
政権交代が行われました。ビデオジャーナリストの神保哲生さんなどの取材を見ると、民主党政権はかなりドラスティックに北欧・欧米的な社会システム(宮台さんが言うような”分厚い”社会)に変革しようとしているみたいですが、日本がどう変わるかよりもテレビドラマ「相棒」がどのように変化するのかの方が気になります。


例えば、「相棒」の中でしばしば槍玉に挙げてきた取調べの可視化・録画録音についても現国家公安委員長は進めるとしています。少し違いますが「編集された殺人」では検察が証人の証言を恣意的に編集したVTRが殺人の原因を作ってしまったという事件でしたし、「冤罪」というエピソードでは可視化されていない中での長時間に渡る取調べでの”自供”がエピソードの鍵となっていました。

物語の駆動装置として密室の取調べが用いられていましたが、これが無くなってしまう(現実的には良いことと思いますが)公算が高いです。ちなみに今回の公安委員長は同時に司法取引やおとり捜査の実施にまで言及しているので、これからは密室の取調べではなく司法取引やおとり捜査を物語の駆動装置として使われるかもしれません。それは楽しみでもあります。

ほかにも外務省の事務次官が与党議員を貶めようとする「悪女の証明」も事務次官会議が廃止されて、相対的に事務次官の権限が減じられ諸外国のように単なる事務機関になった場合、どうなるのか。各省庁の官僚が暴走し殺人まで行ってしまう「サザンカの咲く頃」のようなエピソードもリアリティとして難しくなるかも知れません。

で、書いていて気が付いたのですが亀山夫人は結婚後大手新聞社を退社し、フリージャーナリストになった設定でしたが、フリー転向後も各記者クラブで取材をしていたような。元の新聞社からの依頼というのもあった気もしますが、依頼とは言え仮にもフリーのジャーナリストが記者クラブ内で取材なんて出来るのかどうなのか。それも記者クラブが解放されればどうでも良い疑問になります。


個人的にはシーズンを重ねるたびに、出演者が豪華になっていくのに比例して物語の強度が弱まって行ってしまっていると感じているので、こういう物語の動力源になりそうな問題点や不明点がなくなってしまうのは残念です。まぁ無くならない部分も多そうですが。