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NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

スリービルボードを観た

2018-06-23 | 備忘録
重たい犯罪と家族を描いているにも関わらず、
不謹慎なギャグを不謹慎なタイミングで突っ込んでくる!

ウディ・ハレルソン、ズルイ!
恐持てだけれど、優しくてユーモアがあり、優しい。
サム・ロックウェルもズルイ!!
『ザ・シンプソンズ』のネルソン署長レベルのボンクラで、
差別主義者で仕事が出来ずキレまくる。
フランシス・マクドーマンドも強烈だけれど、
弱さもちゃんと併せ持つ。

そして観客の感情を手のひらの上でもてあそぶかのうように
行ったり来たりさせられる。
ムカつくくらい面白い!

面白いだけでは飽き足らないのか、
社会批判までぶち込んでくる。

ラストもズルイ!凄い!

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ を観た

2018-06-21 | 備忘録
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』を観た。
石井裕也監督の作品の中で一番面白かった。

冒頭からスプリットスクリーンとかカットを切り替えまくったり、
カット切り替えのリズムがとっても良くて、
映像自体も結構遊んでいて、
映像だけ見ていてもとっても楽しかった。

正直『僕たちの家族』とか映画館で観た時、
どうしようかと思うくらいつまらなかった。

小賢しい男と小賢しい女の恋愛というよりも
分かり合っていく過程というか、
単なる恋愛にならずに、観ていて面白い。
周りの人生を甘くなく描く感じで
社会批判的な部分もあるので、
そういうところも含めて人を選ぶけれど面白い。

見知った渋谷や新宿の街を
嫌いだと言って歩き続けて会話する二人。
ラスト、本当に良いラスト。

勝手に、石井裕也監督が前妻との関係でダメになっていたけれど、
本作で吹っ切れたのだと勝手に思っていた。
本当に良かった。

今日から世界は君のものを観た

2018-06-20 | 備忘録
『ブラックプレジデント』の尾崎将也さんと門脇麦さんのコンビで尾崎将也さんの初監督作品。
引きこもりの主人公が社会に出て行く話でしかも主演が門脇さんだったので期待したものの、
予告で見られたゲーム会社の描写とサバゲーの描写がアレだったので観てなかった。

で、危惧の通りゲーム会社周りの演出はとってもやばかったです。。
メールのアドレスを確認せずに、添付ファイルを開ける社員。
自分でイラストを描いていないのに、ノリで描いたと答えちゃうイラストレーター。
上手いとされつつも説得力の無い絵。
ある程度名のあるであろうイラストレーターの絵を
勝手にリテイクさせるディレクター。
ザ・ゲーム会社のイメージ通りのオタクの集まるゲーム会社。
サバゲーの描写もしかり。。
留守中に勝手に女性の部屋に入り込む男のニートの友達と男性上司。
何故か主人公が働くゲーム会社はmages.なんだけれど、
よくこんな描写を許したな、心が広いな、mages.
あと、不快極まりない駒木根さんのくだり。。

正直、途中で観るのが辛くなるほど酷い描写のオンパレードなんだけれども、
改心の描写があることで凄い救われた。

この映画の何が良いか。

それは主人公がニートになってしまった切っ掛け。
YOU演じる主人公の母親がいわゆる毒親で
主人公の興味を幼児の頃から否定し続け、
大人になった今でも主人公のやりたい事を
「無理だから、無難にやれ」と否定し続ける。
それをとってもナチュラルに悪気無い感じで演じる。
心配している風で、娘を見下している母親。

そして主人公が恋愛を切っ掛けとするのではなく、
自分がやりたい事を見つけて、
自分の為にやりたい事をやっていくという結末。

母親を許すのではなく、母親に別れを告げ、
自分のやりたい事を見つけて、主人公が自立を掴み取る。

本当に色々と観ていて辛い演出が多くて辟易するのだけれど、
毒親からの脱出、恋愛ではなく自分のしたいことを
しようとして、世界を自分のものにしていくのは
中々観ない設定と結論だよ。

元ニートの講演会の講師を任せられた時、
ニートを克服していないと自ら認める描写もよかったです。

もっとブラッシュアップして欲しかった。





アトミックブロンドを観た

2018-06-18 | 備忘録
北野武が思いついた様々な殺し方を見せる為に撮られた『アウトレイジ』が如く、
キアヌ・リーブスのガンフーを見せる為に撮られた『ジョン・ウィック』と比べると、
ちゃんとシナリオがある『アトミックブロンド』の方が好み。

シナリオはスパイものの定番であるスパイリストを巡っての
奪い合いと騙しあい。

ガンフーと比べると、泥臭い格闘振り付けと
シャーリーズ・セロンの美しさは本当に格好いい。

ただ、群集シーンのモブの作りこみがどうにもうーん。。
シナリオは本格思考ながらも台詞とか
シャーリーズの衣装のケレン味とかがマンガなので、
泥臭いアクションしてもマンガ感がでるけれども、
やはりリアル志向でちょっとバランス悪いような。

ブレードランナー2049を観た

2018-06-17 | 備忘録
『ブレードランナー2049』を観た。
3時間近くある、ほぼほぼ会話劇だけれども、
謎解きを推進力にしていて且つ映像の趣向の凝らされ具合で
飽きることなく観る事ができた。

映画として、映像も話も面白いは面白い。
特にジョイちゃん周りの設定や描写、シーンは
おおぉとなるものが多く、だからこそ
あのあっけないジョイちゃんの退場シーンは辛い。
この設定、この映画で使ってしまって本当によかったの???

前作のオリジナル『ブレードランナー』は
寿命の無くなってしまった異常種のレプリカントが人間の脅威になるからと
主人公のデッカードが殺しまわるという話で、
明らかにレプリカント達のほうに感情移入する話だったのに、
本作のメインとなるレプリカントは嘘は付くし、平気で人も殺す設定のラヴちゃん。
レプリカントの製造企業、タイレルは倒産し、
その資産を引き継いだウォレスは
ラヴちゃんも含めて普通の映画の悪の組織然としちゃっている。。。

前作が人間とアンドロイドの違いって何?という
人間存在自体への哲学的な問いかけを行っていた映画だったのに比べて、
本作は前作の謎の部分、「デッカードとレイチェルは逃げ延びたのか」、
「デッカードの正体はレプリカントではないのか」という部分への
回答例に終始してしまっており、
悪の組織的な立ち居地のウォレスは
前半から自分たちの目的を饒舌に語りまくる!
ここも普通の映画の悪役っぽい!

ウォレス&ラヴの動機とレジスタンスの動機が同じ(レプリカント同士に寄る生殖)なのに、
目的が違うのが面白いというか、うーん。。。

全体に饒舌で、これ押井守感というか(の割りに奥行きが感じられない)
日本のSFアニメ感がとても強い。。デッカードが犬と二人暮らしだし!

映像とか音楽とか凄くいいし、
Kのキャラクターやジョイのキャラクターや設定もとても面白いのに、
前作の謎解きがメインで話が進んでしまい、
前作のような哲学的な問いかけのような
SF映画としての付加価値が、少なくとも私には感じられないのが
本当に残念だった。

そして本作も『フォースの覚醒』だった!
ハリソン・フォードはそこらじゅうで子供を作って、
映画の続編を作らせている!あとは次回作の『インディアナ。ジョーンズ』か!

いや、設定資料集を予約しておけばよかったと思うほどには
面白かった!