よみびとしらず。

あいどんのう。

新月

2022-11-24 12:40:30 | 散文
500年振りもなんのその
わたしはどこまでも永らえた
そんな瞬きを星に叶えて
ようやく出会えた
昨日のわたしに光は欠けて
遠く離れた海の底
わたしの言葉は眠りについた
おやすみなさいのその前に
空に輝く月の姿なし
獏は穏やかに目を瞑り
つむいだ台詞はかくも震えた
絡みつくのは蜘蛛の糸
加速する時間はなぎ払われて
わたしはひとつ
涙の枯渇した月はひとりきり
誰も届かない場所から手を伸ばす

そんな白い輝きを夜に、見た。

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