よみびとしらず。

あいどんのう。

光陰

2018-12-01 14:01:02 | 散文
背に負う熱が指し示す
背後から迫る道に標(しるべ)なくとも
熱は醒めることなくうたかたを追い
風上の空に明烏舞う

光の在り処に難あれども
光は人のなかに住まうと決めた
その心根に重なる掌(たなごころ)は
ぬくもりを目指して太陽を求めるも
ひはすでに掌中にあり
なれどもなおも渇望は続く

過去の目が見つめた贖罪に
あがらう術のない今があり
逃れられない時間のなかで
諦めることのない絶望は続く
そのなかにさえ光はあり
暗闇の深淵をわずかに灯す

その諦めきれないいのちの灯火(ともしび)に
呼吸は呼応し涙あふれる
その泉に端を発した
清らかな水はぬくもりを持たず
すべてを知りながらただ静観する

そのなかでいのちは産声をあげた

光は一切を忘れて仮宿に宿り
シナプスは両手(もろて)を広げて熱を待つ
いまはもう途絶えたかつての光も
背後から迫りくる熱となり
どんなに身悶え立ち止まろうとも
手放すことなくあなたを包む

たくさんの光に照らされて
あなたは時の流れすらものともせずに
昨日今日明日に同居して
刹那に変わりゆくわたしとともに
太古から変わらぬ呼吸は続く

最新の画像もっと見る

コメントを投稿