水を踏んだ後に地面は燃えて
枯れた草木に種を蒔く
その繰り返しからはみ出すこともなく
誰にも褒められないまま月日は過ぎる
委(ゆだ)ねて流れて押し戻されて
また新たに始まる一日に地団駄を踏めば
足元はぬかるみ底無し沼へ
懐かしき冷たさに枕を濡らせば
ただ時計の針音だけが暗闇に鳴り響く
そのおとないは誰の為かと
問いなき問いに答える術もなく
水を上に蹴り上げれば土砂降りの雨
傘を持つ手になんの意味もなく
それでも傘は捨てられず
ふと横を見れば
傘を手放した子供たちは笑って駆け巡る
その明るい姿に歯を食いしばった
微笑ましいとは思えぬ心根の
腐りきったわたしに唾を吐く
その正体には触れられないまま
わたしの弱音をどこまでも守り抜くわたしは
どこのどなたかと問う声の
その音は雨のリズムにつぶされて
これでまだわたしは生きていけると
あなたは心の底から安堵した
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