よみびとしらず。

あいどんのう。

STORM

2022-01-05 11:45:00 | 散文
縹渺(ひょうびょう)たる幻想に
びょおびょおと風は吹き鐘鳴らす
どうかこの扉を開けておくれと
母の声を偽り甘やかに香る
憧憬に戦慄を覚えて声は震えた
わたしはわたしを誑(たぶら)かし続けてはぐらかす
やがて黒と白に覆われた嵐は過ぎ去り
逆さまに配置された夜明けの晩は
過去からの記憶を置き去りにした

風はごうと鳴り
水色の時は廻る
風のない小屋に嵐来たりて
かつてのあなたにいまいるわたしは重なった


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