無頓着なままに翻(ひるがえ)り
真昼の空の薄紅も
それはいまはもう無き水辺に漂う睦語(むつがた)り
わたしの影とあなたの姿に
あなたの影とわたしの姿は
互いにすり寄り調べを交わした
一夜は目合(まぐあ)ひウチかソトかの
境界線に鳥は鳴く
だから帰ろうとうわべを拵(こしら)えて
わたしの人形はひとりきりの夜を愛した
影に入りびたりいつかあなたの元までも
花の香りに寄せられたのは
あなたの知らないわたしの素顔を
隠してくださいと月に祈りて光を浴びる
この身の姿の化(なり)て一鳴り
冷徹なまでに夜の帷(とばり)は下された
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