よみびとしらず。

あいどんのう。

あの頃

2021-08-15 11:59:27 | 散文
子供の足取りに耳をすませば赤いスカートはひらひらと舞った柔らかな手のひらをおおきく振ればただそれだけで世界は幸せに満ちていた明るい明日に全てを忘れて輝いていたのは月明かり夜になればすぐに眠りについていたあの頃は本当に知るよしもなかったあなたの素顔ただ泣き濡れて知らずしてあなたにわたしと同じ涙があったとはわたしを寝かしつけてくれた掌のぬくもりのその小ささがわたしの全てであった時わたしに噛みつかれたそ . . . 本文を読む