四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子の季節です。6/下旬~9/上旬まで小さいコハダを追い求め、繊細な酢〆を施します。新イカはまだです。

6月21日(金)

2024-06-21 16:42:15 | 6/1~6/30


野上啓三インスタグラムsushi43nogami2←こちらに変更しました。
すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。
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わたしの魚(ウォ)キペディア 第26回 たこ

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たこ焼きに入っているタコ、お正月の食卓にあがるようなタコ、寿司桶一人前〈並〉もしくは小僧ずしチェーンのお持ち帰り一人前に入っているタコのにぎり。
昔、タコと対面する機会はこのくらいでした。
成人してからタコわさびを食べた時には感動しました。チェーンの居酒屋さんだったと思います。お酒がすすみました。
他にもタコぶつ、タコ刺し、タコの唐揚げ、天ぷらと出逢い、茹でた頭の部分を薄く切ってタマネギのスライスと混ぜておかかがドバッのったものを初めて見た時はおいしそうで醤油の分量を失敗しちゃいけないと掛ける手が震えました。

「兄弟弟子の店だけど、カメちゃんも一緒に行くか」
主人の修行先の親父さんに声を掛けてもらいました。たしか1997年か1998年だったと思います。
昔一緒に働いていたという後輩の板前さんが閑静な住宅街に店を出したということで、板前である主人と顔を出すからもしよかったら‥ということでした。
有難くお受けして、当日は自分なりにおしゃれをして出掛けました。
渋谷から何駅か離れたその場所は四~五年前に歩いたことがありました。
「あ。この道一回だけ来たことあります、あれ、その時はここにお寿司屋さんはなかったなぁ‥」
出来たばっかりの店だもんそりゃないさというツッコミを親父さん主人どちらからともなく浴びながら店の暖簾をくぐると、威勢のいい短い声がいくつも飛んできました。
「いらっしゃいませぇッ!」
カウンター御主人の正面、どうぞと勧められ左から親父さん、主人、私と並んで座りほどなく出てきたお通しは青柳のぬたでした。
小ぶりの器は何焼きかわからないけれどすごそうで、お箸を置いてそれとなく店内を見渡してみました。
新しい内装の輝きと御主人の熟練した雰囲気と若いお弟子さんのテキパキとした感じに圧倒されて、また目線を自分の席に戻しました。
「ね、これ見てみ」
と主人が敷いてあるテーブルマット風の布の右端を少しめくりました。
「ガラスの下がディスプレイできるようになってんだよ」
自分のマットを少しだけめくってみると、分厚いガラス板がカウンター兼ディスプレイスペースの蓋になっており、中には桜をモチーフにした手ぬぐいが二枚と水色のガラスのオブジェと同じ色の砂が飾られていました。
カウンター全部がそうなっていました。
初めて見るデザインのカウンターにクラクラしていると、次のお料理が出てきました。
「タコの桜煮です」
御主人の言葉に頷きながら慣れない長い割り箸でひとつ口に入れると、こっくりとした濃い旨味がひろがりました。
「おいしい‥」
こんなにおいしいタコの煮ものを食べたのは初めてでした。
また何焼きかわからないけれど黒いすごそうな足の付いた小ぶりな器に盛られたタコは木の芽で飾られていました。
「これ、どうやって煮るんですか」
と私は御主人に質問しました。
いろいろ教えてもらったのですがすっかり頭に入らず、唯一覚えているのが「小豆を色付けのために少し」という言葉でした。
帰り間際、もう一度失礼にならない程度にマットをめくりました。
ガラスケースに飾られた手ぬぐいの桜の花びらはほんのりあずき色で、タコの桜煮と少し色が似ているな‥と思いました。

ちなみに主人のタコのやわらか煮はお茶を入れて煮ています。

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◎赤貝の仕込み 動画アップしました(5分03秒)
◎シャリ酢あわせ 動画アップしました(1分50秒)
◎かんぴょうを煮る動画アップしました(7分30秒)
◎玉子焼き動画アップしました(6分53秒)
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1dayアーカイブ2023年~2001年6月21日のおしながき[2023年][2022年][2021年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候[芒種・第二十七候・梅子黄うめのみきばむ]6/16~6/20
[2020年]休業いたしました
[2019年]
[2018年]
[2017年][2016年][2015年]トキシラズのすじこ味噌漬け、初入荷です。半腹の半分を生で、半分は炙ってお出しいたします。生は有機大葉添え
炙りは有機胡瓜添えです。

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006002_2007_2[2014年]「ほら、ピーンと立ってる」サンマの尻尾の部分を持って主人が言いました。「七月に根室で揚がる新サンマの前にね、北上している最中のサンマがこの時期獲れるんだって。まだ脂がないけど“身味(みあじ)がいいから入れる”って仲買さんが言ってた」008_2お刺身でも握りでもどうぞ‥

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002_2島根浜田あじ、〆あじ、福岡白いか、桑名煮蛤、静岡舞阪しんこ、新規入荷です。

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[2011年]

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ネタ皿も冷やしてあり、これから魚を並べていきます。

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[2010年]来月の半ば頃になると新イカが出てきます。
写真の新イカは一パイが大人の親指より少し大きいくらいですが、仕込みの工程は皮を剥いて開いて…と普通サイズのものと同じなのでけっこう大変そうです

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[2009年]
おしながきには記載していない細巻があります。その名も『しろ』。

そんな巻物が存在するのも、そういう名前で呼んでいるのも他のお店で聞いたことはないのですが、シンプルにシャリと海苔だけでおいしいのでたまにお出ししたりします。おにぎり屋さんの塩むすびみたいな感覚でしょうか。

誕生の裏話です。まだ店を始めて間もない頃、何か新しい巻物を生み出そうと試みたことがありました。チーズ・トマト・バジルを巻いてオリーブオイルに浸して食べてみたり、ヒラメを薄造りにしたものを中に入れて巻いてみたり、赤身・中トロ・大トロを全部入れて太巻にしてみたり。棒状の餃子を入れてみたこともありました。

最終的に残ったのは、山ごぼう・たくあん・胡瓜・ガリ・大葉・白胡麻を一緒に入れて巻いた細巻と、「いっそ何も入れないっていうのはどう?」と言って巻いたのがこの『しろ』でした。

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