四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子・新イカ大きくなってきました。生すじこ粒がまだ小さいですが入ってきました。イクラは生しか扱いません。秋と冬だけです。

青ゆず・黄ゆず

2008-07-21 12:01:00 | 07 みせのこと

002 築地のツマモノ屋さんから「そろそろ黄柚子が終わりだよ」と声が掛かるのはゴールデンウィークが明ける頃。

そして梅雨も終わりに近づくともう店頭は青柚子だけになります。

夏、太ったアナゴがどんどん出回り、煮詰めをつけたアナゴもいいけれど脂ののった感じを煮詰め以外で愉しみたいと思う時、にぎりの上には青いおろした柚子と塩がちりばめられます。

他に青柚子を使う場面で印象的なのは鱸のアラを潮汁に仕立てた時、包丁で柚子の表面を少し掻いてお椀に落とすところです。

写真は去年、九月下旬の撮影です。このあとしばらくして黄柚子が入ってきた…という記憶があります。

夏の暖簾を出す少し前には青い柚子があり、冬の暖簾に替えた少し後に黄色い柚子が登場する、そんなサイクルです。


手ザクにする

2008-07-14 19:29:00 | 04 つきじ(みせさき)

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この手つきをしている時、主人の目線は揃えた指四本の付け根の辺りにあります。

人さし指から小指までの幅を目印にマグロを切ろうとしているからです。いわゆるサク取り(手ザクにする)です。

シャリの上にマグロがのってほどよく両端が垂れ下がる…そんなベストな幅がこの指四本分です。

このすしダネ一切れに必要な幅を『一(ひと)たけ』と呼ぶそうです。

主人はたまたま指の付け根辺りと決めていますが、「指四本分を見当にしているのは同じでも、人によってはもう少し上の方とか、自分のにぎりに合わせた幅の決め方をしているのではないか…」と主人は話していました。

マグロの仕入れをする際も使います。

一(ひと)コロという大きいかたまりから切り出してもらってくる場合、「手ザク三つ分ちょうだいね」などと言って手をかざして測り、目印にするそうです。

いか、穴子などを切付ける際にもこの仕草をします。


トンネル型

2008-07-07 06:00:00 | 07 みせのこと

Photo細工巻は別にして、細巻には丸く巻くタイプと四角く巻くタイプがあります。ここに『全国すし商環境衛生同業組合連合会監修・改訂版・すし技術教科書<江戸前ずし編>』旭屋出版 という本があります。この中に出てくる細巻についての内容を抜粋します

“細巻には丸く巻くものと、四角に巻くものがある。丸く巻くものは、折詰や盛込みに、芯をみせずに横にして使うもので一本を四つ切りにするのが普通である。主として、かんぴょうなどは丸く巻く。反対に、四角く巻くものは、芯をみせるようにたてて使うもので一本を六つ切りにする。きゅうりやマグロなどの芯は四角く巻く。” 

写真ではわかりにくいかもしれませんが、かんぴょう巻は上辺がアーチを描くように、かっぱ巻と鉄火巻は断面がより正方形に近くなるように巻いています。主人はこのことを高校生の頃に一度教わり、修行先でもまた教わったのだそうです。かんぴょう巻の形を「トンネル型」とか「かまぼこ型」と呼んでいたような気がする、と言っていました。