goo blog サービス終了のお知らせ 

四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

無添加エゾバフンウニがまだ入ってきています。利尻礼文のウニ漁は通常6/15〜8/15ですが少し延長しているようです。

鮨 すし

2016-11-06 23:35:00 | わたしの魚(ウォ)キペディア 第1回~第

わたしの魚(ウォ)キペディア 第52回 最終回 すし

005

『わたしの魚(ウォ)キペディア』にお付き合いくださりありがとうございました。

『おかみノート』のネタが尽きて早三年。日々仕入れてくる魚を見ると思い出すあのこと、このこと。

それを忘れないうちに書いておこうというのが『わたしの魚(ウォ)キペディア』でした。

今回のテーマは「鮨」。

いろいろ考えたのですが・・・

やっぱりまだ

書けません。

いつになったら書けるのか

それもわかりません。

ウンウン唸って何パターンか書いているうちに残った言葉があります。

 

あこがれ

 

そうなんです

 

わたしは鮨にあこがれをいだいています

                         おわり

  

                   

読んでいただき、ありがとうございました。

おしながきはいつもどおり毎日更新していきます。

そしてまた『わたしの魚(ウォ)キペディア<シーズン2>』も更新する日が来ると思いますが、ひとまず終了です。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。 

                    すし処のがみ  

                       野上有紀子


鰊 にしん

2016-11-05 23:35:00 | わたしの魚(ウォ)キペディア 第1回~第

わたしの魚(ウォ)キペディア 第41回 にしん009_2


高校生の頃です。
ヨーロッパのどこかの国で、ニシンの酢漬けをパンに挟んでホットドッグのようにして食べている光景をテレビで見ました。
生魚にパンという初めて知った組み合わせに衝撃を受けました。

OL時代、本社が京都で出張の度に目にしていた“にしんそば”が気になり一度だけ食べたことがありました。
甘辛く煮たニシンの半身まるごとが温かい蕎麦にのっていて、不思議そうに眺めていると
「みがきにしんを炊いたん、だよ」
と一緒に食べていた関西の先輩が教えてくれました。

それから数年経ち、中野駅で信号待ちをしていると『身欠きにしん』という看板が目に入りました。
京都で食べたにしんそば。
磨き・にしんだと思っていたのは、身欠き・にしんだったのか‥とようやく勘違いしていたことに気が付きました。

串揚げ屋さんに行くと主人は『子持ち昆布の串揚げ』を必ず頼みます。
衣をひとかじりし火が通って白くなった子持ち昆布、いわばかずのこですが、その断面を眺めながら
「ニシンの身の一番美味しいなーと思うところだけを集めた感じ」
と言います。

春、まだ春と呼ぶには少し早い時期に小さなニシンが築地に出回ります。
青背の魚、それも小さめのものを酢〆にして握るのを好む主人はこの季節
ニシンと出会うのを楽しみにしています。




鱏えい 鱈たら

2016-11-03 23:35:00 | わたしの魚(ウォ)キペディア 第1回~第

わたしの魚(ウォ)キペディア 第35回 えい


001 エイといえばエイヒレぐらいしかないだろうと思っていたらとんでもない、別のお料理があることを知りました。
「かすべ?かすべって何!?」
おしながきの打ち合わせで、また聞いたことのない単語が出てきたので訊きました。
主人はタッパーに並べた魚の切り身を見せて「これはガンギエイ」と言いました。
「エイってかすべなの?」
「かすべっていうね」
いつものように食物事典をめくると、エイの欄に『かすべの煮付け』が載っていました。
「あった!かすべの煮付け。郷土料理みたい‥だね」
「北海道とかね、水揚げがあるところでは家庭でよく食べるって聞いたことあるよ」
「“まったくアンモニア臭くありません”って書いてある」
「あー無い無い。まったくそういったクセは無いね」

軽く湯通しして半透明になったその白い切り身は煮られてたっぷりの煮汁に浸り、夜の出番を待っていました。



わたしの魚(ウォ)キペディア 第34回 たら



044
タラとの出会いは湯豆腐でした。
鍋の真ん中に湯呑みが入っているのも子供心になんだか面白かったですし、その湯呑みに入っている鰹節とネギが混ざった醤油で食べるという、おままごとみたいな夕飯が果たして許されるのだろうかと思いつつ食べた記憶があります。
タラは切り身を三等分したくらいの大きさで豆腐9割に対して1割ほど入っていました。
食べようとするとけっこう大きめの骨がびよんと出てきたり、粗い身の繊維にあれよあれよというまに醤油が滲みこんでしょっぱかったりで期待するほどではなかったものの、白いご飯のおかずとしてはお豆腐よりこっちをパートナーにしていました。
そして後でお豆腐を愉しみました。
お豆腐熱かったですし。
湯豆腐のおとうふがおいしいと感じたのは、昆布とタラの旨みを吸い取っていたから‥だったのでしょうか。

それから二十五年近く経って、タラを生で初めて食べました。
主人が握ったにぎりです。
ほんの少しだけ煮切り醤油を付けたそれは本当においしかった。
訊くと昆布〆にした真ダラでした。

おいしいねと告げると主人はそれには応えず
「真ダラは昆布〆にしたほうがおいしいと俺は思う」
とだけ言いました。

湯豆腐、昆布〆‥、調理の仕方は異なってもタラと昆布は相性がいいのだろうか‥と思ったある冬の日のことでした。



鰈かれい 鯑かずのこ

2016-11-02 23:35:00 | わたしの魚(ウォ)キペディア 第1回~第

わたしの魚(ウォ)キペディア 第7回015 かれい



店を始めて間もない頃のあるカレイについての話です。
「これはめったに入らないホシガレイだよ」
と築地から帰って来た主人は仕入れたカレイをまな板にのせ、柳刃をつかって表面を削り取る動きを続けながら言いました。
「…ふ~ん。あんまり乾いてないんだねぇ」
私はカウンターを拭きながら答えました。
すると主人は包丁を止めて
「いま何て?」
と聞きなおしてきました。
「いやだから相当ウェットだなーと」
「え…?」
「干しだよね、ドライ。干して旨味が増すの?」
「・・・・・」
「ちがうの?」
「スターだよ、スター」
「スタァ?」
「日本語で」
「・・・ホシってもしかして星ッ!?」
「フフフ。“干し”鰈じゃないよ“スター”鰈」
「うへー、間違えちゃった。一夜干しとかさ、そんな感じかと思ってた。でもさ、何で“星”なの?」
「ヒレの部分に黒い点々があるでしょう。これが星みたいだから」

ホシガレイは星鰈だと理解した日のことでした。

わたしの魚(ウォ)キペディア 第32回 かずのこ042_2



お正月、カズノコを前にするとかなり目つきがギラギラする小学生だったと思います。そのくらい好きでした。
おそらくお年玉をもらった後も親や親戚の目の居ない場所まで行って小袋を覗く際、時代劇に出てくる悪徳商人のような「へぇっへっへ‥」という笑みを浮かべていたでしょうが、カズノコを前にした時のほうがかなりギラついていたと思います。

振り返ってみると、暮れからお正月にかけてはごちそうやお年玉など刺激の多いものばかりで心穏やかになんかしていられませんでした。
なんせ12/25にはクリスマスケーキの分配という欲にまみれた戦があります。
なんとか思いどおりのものを食べたいと頑張るわけです。
切り分けたあと一番大きいのを取りたい。
イチゴも大きいのが乗ってるのがいい。
周りを囲むビニールにくっついた生クリームを舐めたい。
包丁に残った生クリームとスポンジのくずもフォークでこそげ落として食べたい。
Merry Christmas のチョコ板も食べたい。ただしミドリ色の甘いふきみたいなのは要らない、等々。
でも思い返してみると興奮していたのは私だけで、兄弟ゲンカをするわけでもなく一番食べたいと思うピースを手にしていたのでした。

さて、クリスマスの戦の疲れが残っているというのに今度はカズノコです。
これもまた誰かとケンカするとかではなくあくまで私の内面の葛藤で、“バレないようにたくさん食べたいという願望をどう成就させるか”の戦いです。
家族全員が囲む食卓におせちが並んでいます。
「お餅いくつ食べる?」と台所から聞こえてくる母の声に返事もろくにせず、狙いを定めた黄金色に輝くカズノコをひたすら見つめる私。
と同時に松前漬けの中にも砕けたカズノコが点在するのを発見、このあと父親に「カズノコばっかり食べるな!」と注意をされずに最大限食べるにはどうしたらいいかを考え(ex.栗きんとんは辞退するのでその分カズノコ食べてもいい?とか)、黒豆や紅白なますあたりをつまみながら策略を立て、そして失敗し‥。
カズノコをいつかすんごいいっぱい食べてみたい‥と思いながら一年をスタートするのでした。



鰕えび 鰙わかさぎ

2016-10-31 23:35:00 | わたしの魚(ウォ)キペディア 第1回~第

わたしの魚(ウォ)キペディア 第15回 えび



024



くるまあましまぼたんしろさくらしばくまうちわおおこしおりもさてながいせたいしょうぶどう



今までに入ったことのあるエビの名前です。蝦の、へんのところが魚でもエビって読むらしいです。毎回『わたしの魚キペディア』に出している文字は、手ぬぐいに八十くらい染め抜かれている魚へんの文字のひとつひとつをデジカメで接写したものです。鮭とか鰻とか鰯とかは判ったのですがこれは読めなくてネット検索で調べました。




わたしの魚(ウォ)キペディア 第24回 わかさぎ



032凍った湖に小さな穴を開けそこからワカサギを釣って天ぷらにしてすぐ食べる・・。
これ、小学生の時にやってみたいことでした。
寒い時期になると日本列島の風景などを伝えるテレビのニュースではけっこう定番だったように思います。
私には衝撃でした。ぜんぜんやったことがないことばかりだったからです。
分厚い氷の上をスケート靴以外で歩いたことはない、足下の氷に穴を開けたこともない、釣りも経験ない、野外で揚げたての天ぷらを食べたこともない。
興奮して親に「ワカサギ釣りをやりに行きたい」と言ったら、ありがちな一瞬の激情だと見破られ、やんわりとですが断られました。



その頃、時期を同じくしてテレビではアサヒ玩具の『ママレンジ』のコマーシャルが流れていました。
欲しい、と思いました。ホットケーキミックスを溶いてタラララ~っと流し込んで、丸いホットケーキをママレンジで焼いてみたい。しかし私のプレゼン能力が足りなかったせいか買ってもらえませんでした‥‥。それ以来どうしてもワカサギとママレンジをセットで思い出してしまう私です。どちらも子供である自分にとって日常から少しだけ離れた冒険に感じたのでしょう。



それから二十五年ほど経ち、主人お手製の一夜干しにしたワカサギを食べた時は感動しました。ひとつだけ小さいのが混ざっていたからと軽く焼いて小皿にのせてくれました。
「ん?‥シシャモじゃない、メヒカリじゃない、白くてきれいだね。も、もしかして、これがワカサギ!?あの氷の上でピチピチ跳ねて、天ぷらジュージュー熱いうちに食べるアレ!?」
かぶりついたところから湯気がほぁ~っと立ちのぼりました。
「ワカサギ釣り‥か。氷の上寒いし、室内でこんなにおいしいものが食べられるのなら‥やっぱり行かなくてもいいか」
と思ったのでした。