お正月も店に来ては掃除をしたり、まな板が割れないようにお湯をかけたりしています。
飯切り(はんぎり)が乾燥すると“たが”が弛んでしまうので休みの間何度か水を含ませます。
野上啓三インスタグラム、←こちらに変更しました。
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すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。
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わたしの魚(ウォ)キペディア まぐろ
マグロといえば今でも『ど根性ガエル』のマグロのにぎりが永遠の憧れです。
宝寿司の親方と梅さんが握り、ひろしとピョン吉がものすごい勢いで食べるあのカウンター‥。テレビ放映が夕飯の三十分~一時間前だったもんですからなおさらおいしそうでおいしそうで。小学生の私は「マグロのにぎりあんな風に食べてみたいぃぃ~!」とひっくり返って畳の上をぐるぐる回ってました。
一度だけ奇跡のタイミングがありました。
『ど根性ガエル』のマグロのシーンがあった日の夕食がなんとマグロのお刺身だったのです。残念ながら酢飯じゃなくて白いご飯で、あのマグロのにぎりを再現することはできなかったわけですが。でもマグロのお刺身はかなりうれしかった。
S&Bのチューブの山葵を醤油に溶いてそこにマグロとマグロから滲み出た汁が染みた大根のツマを一緒に浸し、ご飯にのっけてツーンとしながら食べた当時の夕方六時四十分頃が懐かしいです。
わたしの魚(ウォ)キペディア はまち
可愛いコぶりっ子が完璧な域に達していない人のことを“はまちっ子”と呼ぶ時期がありました。1980年代前半、私が中学生の頃です。
そのお陰でブリの小さいものはハマチというのだと知りました。
社会人になり自分で回転寿司に行けるようになると、けっこう好んでハマチを食べるようになりました。
シブがき隊の曲ではスシネタにハマチがラインナップされており、江戸前の寿司にハマチは欠かせないものなのだろうなと認識していました。
関東でハマチは養殖のブリのことを指すと知ったのは店を始めて半年ほど経った時でした。ちょうどおしながきを書き始めた頃で、主人から仕入の内容を聞きネタケースに並んだ実際の魚を見て「ヒラメ、ヒラメは‥これ?」とか「サザエ、大きいね」とか言いながらひとつひとつ確認して書いていました。
ある日のこと、見覚えのある魚が並んでいましたので
「あ、これは知ってる!ハマチだっけ、ブリの子供でしょ?イェ~イ」
と得意気に板場にいる主人に言ったところ
「イナダって言ったでしょ」
とややキレ気味に言われてしまいました。
「い、いな‥え?、ちょっ、ちょっ、なに、怒ってんの?これ、ハマチじゃないの?」
「ハマチっていうと養殖になっちゃうの、東京では。これは天然のブリの小さいので、この大きさだとイナダっていうの」
「あ、あぁ‥。そうですか‥」
メモに『稲田』と書くと
「名字じゃないから。平仮名か片仮名でいいから。はい、本で調べてみる」
解らないと主人の号令が掛かります。
私は『8時だョ!全員集合』のマット体操における仲本工事氏のような正しい小走りでレジ脇に置いてある『すし技術教科書』を取りに行きページをめくりました。するとブリの欄には出世魚としての様々な呼び名が関東と関西それぞれずらっと並んでいるのが見えました。
「ややっ、西と東で相当ちがう‥」
「ね?関東でハマチは無いでしょ」
「関東は‥ハマチ=養殖って意味だね。関西は天然物の二十~四十cmくらいをハマチって呼ぶよ。関東のワカシ、イナダあたり‥かな」
「だからそこでちょっとした食い違いが生じることがあるんだよ。関東の寿司屋でね、“ハマチくれ”って言うと“ハマチ?うちは養殖置いてねぇよ”っていうふうになっちゃったりするんだよ」
「ふーん、そうなんだ‥」
なにも怒らなくてもいいのになぁ‥と思いました。
参考にと天然のイナダを一切れ試食させてもらいました。とてもさっぱりしていました。
「ウマいでしょ?」
「うん」
とても美味しくてこれ以上のものはあるのかと思うくらいでしたが物足りなさを感じたのも正直な気持ちでした。回転寿司で心を鷲掴みにされたハマチの脂っこさという衝撃がここには無いのです。それが主人の言う“良さ”なのかもしれませんが。
醤油を回し掛けガリと一緒に食べたあのハマチのにぎりはおいしかった。
これからどんなにスペシャルなイナダを食べたとしてもあの頃の高揚する気持ちにはなれないだろうとふと思う時があるのです。
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明日はわたしの魚(ウォ)キペディア かずのこ わかさぎ です
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1dayアーカイブ2022年~2000年12月31日のおしながき[2022年][2021年][2020年][2019年]
[2018年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[冬至・第六十四候・乃東生なつかれくさしょうず]12/22~12/26
[冬至・第六十五候・麋角解さわしかのつのおつる]12/27~12/31
・本年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎え下さい。 今、豊洲
・今年も築地は大混雑 今、築地
・富山 氷見 メジマグロ 今、店
[2017年]なまこの内臓はこのわた(腸管)、このこ(生殖腺)、にのわた(腸管、生殖腺以外)に分けられるそうです。『にのわた』、17年店をやっていて初めて仕入れました。
[2016年]
[2015年][2014年]通常通り営業致しました。
[2013年]今日もタコを煮ます。佐島、足のみです。アサヒ樽生ビール『熟撰』、10か月くらい前から5リットルの樽にしました。以前の大きい樽より香りと味がほんの少し際立っているように感じます。本日も通常通り17:30~23:30(LO23:00)の営業となっております。03-3356-0170[2012年]ほっき貝小なべ仕立て、手のひらサイズの土鍋でおつくり致します。[2011年]佐島のタコを煮ます。(足のみ)
[2010年]2010年締めくくりはコハダのご紹介です。ここ数日愛知のコハダが好評です。
毎年シンコが終わる頃、八月末~九月くらいに江戸前のいいものが出てくるのですが、今年はどういうわけかふるいませんでした。そのかわり九州勢がよかったです。熊本(天草)・長崎・佐賀。
そして今日は愛知のいいものが入っています。
[2009年]宮城・牡鹿(おしか)の大きいサヨリが入りました。 通常大きいサヨリはその姿からカンヌキ(門扉を留める閂(かんぬき)のようだから)と呼ばれますが今回のものは更に大きいので仲買いさんは“スーパーカンヌキ”と命名していたそうです。今日のメジは氷見からです。貝も充実しています。少し火を入れると甘みがひき出されるものが揃っています。(帆立・平・北寄)
新潟・IZUMIRYU(泉流)は、ほのかにりんごのような香りがする日本酒っぽくない日本酒です。岐阜・房島屋おりがらみはわずかに微発砲。濃厚さ、米の甘さにスッキリ感が加わり絶妙のバランスを保ちます。