四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子はコハダに、スミイカの子供=新(しん)イカは一パイで二貫とれる大きさに、イクラは皮が軟らかく粒が大きくなってきました

甘味の頂点

2008-12-22 22:23:00 | 07 みせのこと

020_2ホッキ貝は火を入れることで貝独特のクセが和らぎ、甘味が感じられるようになります。

すしダネにする際、捌いた身を湯引きにすることが多いです。湯に投じたら数秒も経たないうちにホッキの身は紫がかった灰色からから桜色に変わっていきます。鍋の中でグラグラと火を入れ過ぎてもダメ、入れなさ過ぎてもダメ、貝本来の個性を活かしつつ旨味をひき出すタイミングとしては、ふちがほんのり紅くなりかけたその一瞬だけです。主人はこの瞬間を見逃さずに引きあげ、握ります。

ほお張ると、口の中にホッキの香りと甘さがひろがります。


寿司屋の生チョコ

2008-12-15 22:21:00 | 07 みせのこと

001_2 生チョコを作ることがあります。寿司のことに集中し過ぎた時など息抜きになるのだそうです。

この時は小さくキューブ状に揃え “和の生チョコ” ということで、半分をココアパウダー、もう半分を抹茶にまぶしていました。


包丁の居場所

2008-12-08 22:20:00 | 07 みせのこと

118 包丁をホルダーに収める際、刃の向きは取り出したり入れたりする側とは反対に向けます。なるべく危なくないようにという配慮からです。

店を始めた頃、包丁を何処にどう置くか何も知らず主人に叱られました。

と言っても出刃や柳刃はもちろん触るわけもなく、自分が使う賄い用包丁の扱いについてです。私は使いかけのままあちらこちらに放置するような人間で、ステンレスの調理台とガラスのネタケースの上に直に置いた時はハッキリと注意を受けました。

「つるつる滑って危ない、ぶつかって刃が欠けるかもしれない、とにかく堅い面に刃物が当たって“カチャ”っていう感触がなんかいやなんだ。包丁を置く場所にはじゅうぶん気をつけて」と。

基本的に包丁はまな板の上かホルダー内か、ということを理解した出来事でした。


貝の季節

2008-12-01 22:08:00 | 04 つきじ(みせさき)

088_2 貝の季節、到来です。

十二月から本格的に天然のホタテ貝が入ってきます。タイラギ(たいら貝)も築地にはぽつぽつと出始めた様子です。が、主人はまだ仕入れて来ません。お目当ての、厚み十センチ近くもある身のしっかりしたものがこれから出てくるからです。

帆立やタイラギに限らず、赤貝・ほんみる貝・ほっき貝・あおやぎ・こばしら・とり貝・石垣貝・つぶ貝・・・と、貝がお好きな方にはこれから愉しんでいただける季節ではないかと思います。