雀ばぁば

おしゃべり雀、孫7人

86才のYさん

2008-09-19 22:55:15 | Weblog
Yさんは
私の勤務する薬局の
患者さん。

とても良いお舅さん!と
お嫁さんからも聞いている。

10年以上のお付き合い。

その病状の変化、
服薬の変化、
大体の家族構成も
分かっている。

年と共に、
薬の説明も理解しにくくなって
服薬は朝のみ。

薬袋にマジックの赤で

と書いているのに
昼に飲む薬がない! 
と、聞きに来る。

アレコレ説明していると

ああ、朝だけ かな!
やっと分かった!

以来、 朝だけ
と書いている。

Yさんは、
咳の症状があり
長年、咳止めが処方されている。

これにも、いろいろ変遷があり
結局、シロップ剤に落ち着いているが
便秘の副作用がどうしてもつきまとう。

当然、便秘薬が処方される。

この説明が、また大変。

便を柔らかくする薬(粉薬)
便を出す薬(赤い錠剤)

赤い錠剤は寝る前に服用となっているが
寝ているとき、もよおして
トイレに間に合わなかったら大変! 
家族に迷惑を掛ける。

お年寄りには
この恐怖と戦う方が結構いる気がする。

それで、赤い薬を昼に飲みたいと・・・。

いっぱいお話しして、
説明を繰り返しても
理解できない・・・・・

最後は、本人が言うとおり
ウン、それでいいからね。
と、言うしかない。

で、結局は飲んでいない・・・らしい。

シロップの用量を増やさないために
口を酸っぱくして
飲み過ぎを戒め
1日1~2回に落ち着いている。

ドクターは14日分を処方し
薬局はそれを3日分ずつ渡す。
もちろん、ドクター了承済み。

シロップ剤は、
冷蔵庫で保管しても
7~10日が限度だからである。


定期的にシロップ剤を受け取りに
薬局へやって来るYさんは
足下が危うくよちよち歩きなのに

いつも
先生、お大事に! と言って
帰って行く。

私が、足を悪くしているのを
知っているかららしい。




Yさんのことを取り上げたのは
彼の言葉にちょっと感激してしまったから。

最近、私は勤務が少なくなっていて
Yさんに会えないことが多い。

私も年だし、
足は悪いし
出来ればリタイアしたい。




だが、


先日、Yさんは、
ちょっと戸惑いながら
私の年齢を尋ねた。

エー! 年齢?
へへへ 16年生まれの 67才よ!

67才かな。
70才までは大丈夫やな。

元気でおって下さいよ。
元気でおって下さいよ。
私がここへ来る間は
元気でおって下さいよ。

そして、
いつものように
忘れ物がないか周りを確認して
椅子を戻して

お大事に! お大事に!
何度も言って
帰って行かれた。

躓かないようにね。
足下 気をつけて!
と、言いながら 涙が出そうだった。


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