好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 ムーティー/フランス国立管

2022-01-09 13:59:48 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」

指揮…ムーティー 
演奏…フランス国立管 
好み度…4.5(5点満点)

美しい中に激しくはないが切ないような情の織り込まれた、これはなかなかの演奏。
ムーティーはもともとガツンとメリハリの効いた響きをつくるタイプではないので、この演奏でも力強さとか緊張感とかは感じないが(あえてガツンとした音は避けているような節もある)、オケの、特に弦のフランス風の艶のある響きがプラスに作用して、ロシア的とかでなく、もっと普遍的で薄っぺらでない美しさに満ちた演奏のように思う。
第1楽章の第2主題も美しいし、展開部のクライマックスも急ぐことなく盛り上げて濃い情を新鮮に嫌味なく感じさせる。第3楽章はもうちょっと勢いがあっても、とも思うが、終楽章およそ3分以降の弦の叙情部は支える低弦も柔らかくよく響いて美しいものと思う。
柔らかく、情も織り込まれた、重なる弦の美しさが印象的な盤である。(20220210部分修正)
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マーラー 交響曲第2番「復活」 シャイー/ロイヤルコンセルトヘボウ管/プラハフィル合唱団 他

2022-01-09 13:54:25 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー
交響曲第2番「復活」

指揮…シャイー 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
合唱…プラハフィル合唱団 他 
好み度…5(5点満点)

コンセルトヘボウの美しい響きと、シャイーのカッコよい音づくり。ドロドロしたマーラーを聴きたければ他の盤を聴いたほうがよいと思うが、厚いが清清しいくらいに濁りのない、緊張感と艶を湛えた美しい復活のように思う。
オケもいいし、クライマックスの合唱の、十分な声量を感じさせながら幾層にもパートが重なるさまは他ではちょっと聴かれないもので、感動的な盛り上がりを聴かせる。静かに謳われる原光は弦も独唱も美しい。
何というか、みんなうまい。そんなうまい人達が、お上手だけでない、美しく感動的な復活を奏で歌い上げている、そんな盤のように思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 アンチェル/チェコフィル

2022-01-02 19:30:09 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…アンチェル
演奏…チェコフィル
好み度…5(5点満点)

引き締まった響きに、緊張感も伴った舞曲的な雰囲気を漂わせつつ、歌はしっかり歌う、ドヴォルザークならではの雰囲気と普遍的なシンフォニック的な完成度をあわせもったような、名演でしょう。
ティンパニの使い方が効果的で演奏に力強さと覇気を与え、各楽器、ときに力強くときに情を乗せて、思い切りのよい響きっぷり歌いっぷりも印象的で、カッコいい演奏とも言えるかもしれない。
タイム的には少し速めだが、歌うところはしっかり歌っているのでせっかちな印象も感じない。
颯爽とした緊張感と引き締まった、それでいて何か風景を連想させるような響き。
各楽器が思い気りよく響き、歌う。
力強いティンパニが演奏に力強い流れを与え、木管が温かな情を添える。
音色とリズム感にはこのコンビならではのものを感じる。
カッコつけてないけど、カッコいいココロに響く新世界。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 アンスネス/ラトル/バーミンガム市響

2022-01-02 19:27:15 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アンスネス 
指揮…ラトル 
演奏…バーミンガム市響
好み度…4(5点満点)

ラトルのどこかスタイリッシュな印象を与えるオケと、どこか静けさを帯びたような美しさをもったピアノの組み合わせ。
どちらかといえばオケの印象が強いような印象も受けるがピアノも非力感を感じるというわけではない。
繊細なソロ部分など聴いているとこの曲にこんな側面があったかと思わせるようでもある。
第2楽章は静かに、少し哀を帯びるような美しさである。
力押し感とかのしかかるようなところを感じさせない若さとか瑞々しさを感じさせるような。
ラトルのオケが目立っているようで、ピアノの静かな哀を帯びたような美しさが全体の印象を決めているような、ちょっと不思議な感覚を覚える、でも好感の持てる演奏である。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マーク/パドヴァ・ヴェネート管/アテスティ合唱団 他

2022-01-02 19:18:42 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マーク
演奏…パドヴァ・ヴェネート管
アテスティ合唱団 他
好み度…4(5点満点)

第1楽章~第3楽章にかけては、厚みも中くらいで、緊張感、力感、美しさ、深み等、いずれも特筆するような感銘は感じられないように思うが、基本的に穏やかなスタンスの中、ときに美しい響きも聴かせ、特別な感銘はないかもしれないが、何となく味わいも感じる。
終楽章は、オケも少し引き締まって力感を増した感もあり、また、合唱がいい。清らかな力感ある響きを響かせ、特に女声パートが印象的で、聴き慣れた女声は敬虔に、かつ普段前面に出てこない女声を美しく引き出して、美しく広がりのある、新鮮で敬虔なアンサンブルを聴かせている。フィナーレの堂々と謳う合唱の旋律は1音音程を変えていると思われるし、もしかしたらスコアに手を加えているのだろうか。男性パートも不足なく、この盤特有の雰囲気をつくっている。
都響との熱い力漲る1990年のライブ盤(こちらは1994年ライブ)、とは、同じ指揮者と思えないほどに趣は異なる。
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