好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 マーク/東京都響

2019-02-16 15:27:58 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…マーク
演奏…東京都響
好み度…5(5点満点)

なぜか、このコンビの響きには素朴な深みを感じる。
おおらかでのびやかであり、名人のような特別な響きを聴かせるというのではないのだが、よい意味でのくすみを帯びながら、血の通った力感を感じさせて、美しさも感じさせる、この曲によく合った響きである。低
弦も管もティンパニもよく効いて、各楽器が力と美しさのある音を響かせ、オケ全体の音として雰囲気ある響きをつくり、都響ってやるじゃん、と思わせる質の高さと総合力もちゃんと備えている。例えばバーンスタイン&VPO盤よりブラームスらしい渋い力感と深みが香るように私には思える。
マークのおおらかな歌心と自然なアクセント付け等も功を奏しているように思う。第1楽章の重みや力感も心地よい聴き応えのあるものだし、第2楽章の弦も厚みも艶も伴って美しい。第3楽章でも各楽器のアクセントは自然に歌をつくり、優しい生気に満ちた美しさを感じる。
終楽章も最初のころのホルンとかフルートなどゆったりおおらかで美しいし、有名な主題も深みを帯びた明るさを伴って美しく情感あふれる響きで、中盤も中だるみ感を感じさせることなく、フィナーレの凱歌もゆっくり高らかに力強い。
このコンビは第九に続いて聴いたが、両盤とも水準の高さに失礼だがちょっとびっくりした。推進力や重々しさで聴かせるタイプではないしオーバーな演出があるわけでもないが、ゆったりめのテンポで、地に足のついたような心地よい重みと艶消しの明るさと美しさと、歌も備えた、ブラームスらしい名盤といってよいと思う。
録音もよく、何か見え透いたようなものがない分、何度も聴きたくなるような演奏のような気がする。

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