紅茶の一期一会

紅茶歴(だけは)10年以上の管理人が、
主に、購入した紅茶の感想を書いています。

音楽感想:『この青空に約束を-』 オリジナルサウンドトラック

2010-11-20 19:47:10 | 音楽系
最近、サントラを買う機会が多い。
前から目をつけていたものがたまたま安く出ていたせいである。

私は、音楽CDを買うときは、非常に吟味をするタイプである。
何度も繰り返し聴いて、それでも飽きないようなら購入するという方法を採っている。
なぜなら、見境なく買っていると、CDの山が出来てしまう恐れがあるからである。(経験済。というか今の状況。)

上記のように慎重な買い方が出来るようになった理由には、動画サイトの存在が大きい。
ニコニコ動画や、Youtubeなど、自分の好みに引っかかる曲はたいていその辺りで聴くことが出来る。
CD化されていない音源や、絶版のCDまで聴けることがあるので、非常にありがたい存在である。

無料動画サイトは、CDの売り上げ減少の原因として、批判の矢面にさらされることもある。

しかし、ある意味、今までの売り方の方が奇妙だったのではないかとも思う。
すなわち、CDの全曲を聴かせることなく、いわば『ジャケ買い』をさせる手法である。
音楽のほんの一部をテレビなり、ラジオなりで聴かせて、その少しの手がかりで購入させる。

こうした情報の偏在があるのでは、消費者側は、音楽を隅から隅まで吟味することは出来ない。
そうなると、販売側は、質に見合わないものを売ることがたやすくなる。

だが、動画サイトの出現によって、音楽の吟味が可能になった。
これは、商品を吟味して購入するという、きわめて当然の行動が可能になっただけとも言えるのである。

もちろん、著作権は保護されるべきであることは言うまでもない。
それを侵害する者には、それ相応の措置が執られてしかるべきである。

しかし、法的な観点とは別次元の問題として、売り手側は今までの売り方を反省する事も必要であると思う。
イメージ戦略などで購入させるのではなく、
試聴を長く実施するとか、音楽それ自体の魅力を伝え、吟味させるような努力をすべきであると私は思う。

一時で数が出ればいいというやり方では、息の長い商売は出来ないのではないだろうか。


ということで、前置きが長くなったが、今日の記事も私が吟味して購入に至ったサウンドトラックの紹介である。


<総論的な感想>
○CDの概要
『この青空に約束を-』という美少女ゲームのサウンドトラック。
どうもPCゲームの初回限定版に、特典として付いてくるものらしい。

なぜこのCDを購入したかというと、『風のアルペジオ』という曲を手元に置いておきたいと思ったから。

『風のアルペジオ』を知ったきっかけは『ぴこのスコア』という楽譜サイトである。
そこに『風のアルペジオ』の楽譜ページに、楽譜と共にその演奏MP3も同じページに公開されていた。
それがなかなかどうして自分好みであった。
(『ぴこのスコア』さんには、他にもいろいろな曲を教えていただいた。密かに感謝をしている次第。)

それ以来、細々とサントラCDを探していたのだが、ゲームの付属としてしか流通していないことが判明。
さらに、このゲームの人気自体が高いらしく、中古市場でもあまりゲームの価格が下がっていなかったため、手が出なかった。
しかし先日、なぜか某中古ショップでCDのみを単売していたので、願ったりかなったりの思いで購入。


○CDの外観
CDのレーベルが、素朴な風景画になっていてなかなか好印象。
Disc1が田舎の学校の絵、Disc2が森の絵になっている。

2枚組・全39曲と、かなりボリュームがある。


○本CDの音楽全体の雰囲気
一般的な『夏の甘酸っぱい青春学生生活』というような記号を、忠実に表現した感じのもの。

理想の『青春』を音化したであろうこのCDは、かなり心地よいものに仕上がっている。
豊かな自然を感じさせる、素朴で等身大な雰囲気もこれに寄与していると思う。
サントラを聴いてゲームをやってみたいという気持ちにさせられたくらい、心地よい雰囲気をもった楽曲群である。

このサントラに関しては、ゲームをやる前に聴くのはまずいようにも思う。
少しでも『この青空に約束を』というゲームをプレイする可能性がある方は、聴かない方がよいかもしれない。
(ちなみに管理人はいつものごとく未プレイ。)


○作曲家など
作曲家は、主題歌がI’veの『CG-mix』さん。
挿入歌に『Hidemi Nemoto』さん。
エンディングテーマにave;newの『a.k.adRESS』さん。

そしてBGMの方の作曲家は、『なるちょ』さん、『R.H』さん、『桜乃明日華』さんの3方。

しかし、以下の各曲感想で触れるBGMは、ほとんどが『なるちょ』さんの曲である。
なぜか私の好みが彼の曲に集中しているらしい。
よって、下記で特に作曲家の指定がなければ、『なるちょ』さんの曲を指すということにする。


<各曲の感想>(太字は特に気に入っている曲。)
○Disc1 - 青空 -
01.allegretto ~そらときみ~ (Vocal.KOTOKO)
主題歌。上記で触れたとおり、作曲は『CG-mix』さん。
歌い手は可もなく不可もなくというか、それっぽい感じの声。

ボーカル曲をあまり入れない管理人だが、これはなかなか…。
なんだかんだ言っても、このCDの顔という位置づけの曲だろう。

一般的な「夏!甘酸っぱい青春!」という記号をストレートに表現したような曲。
パーカッション、エレキギターとシンセサイザーというシンプルな構成。
構成はシンプルだが、『♪allegretto~』の部分のリバーブがほどよいアクセントになっている。

音使いはポップかつ瑞々しい感じで、切なくも躍動感のある若々しい印象を抱かせる。
また、エレキギターの効果的な使用により、夏らしさがよくでていると思う。

エレキギターの間奏部分の後に、Bメロとサビを転調したメロが出てくるのだが、これの効果がまた絶妙。
このサビの最高音で盛り上がる部分が、『♪allegretto~』のリバーブと共に、爽やかな切なさの高まりを遺憾なく表現している。

最初は少し食い足りないと思ったが、意外と耳に残り、飽きにくそうな曲。


15.春を待つ少女のように
ピアノとギターという瑞々しさの中に素朴な印象を抱かせる構成となっている。
穏やかさと切なさを兼ね備えたような雰囲気を持つ曲。
素朴さの中に感じられる暖かみが、なかなかに好み。


17.ゆうなぎ
シンセサイザーとギターで構成された曲。
シンセサイザーによって、素朴さに音の広がりを付加しており、回想的な雰囲気を感じさせる。
何でもない日常が終わっていくのを惜しむような感じの曲。


18.もうひとつの青空
ピアノを主体とした旋律が、儚さと切なさを感じさせる。
素朴な恋い焦がれというか、そんな感じの曲か。


19.はぐれ雲のブルース
作曲家は『桜乃明日華』さん。
ギターを基調としたメロディ。
時間がゆっくり流れる、海の近い田舎らしさを感じる曲。


○Disc 2 - 約束 -
01.allegretto ~そらときみ~ Piano Ver.
作曲『CG-mix』さん、編曲『なるちょ』さんという布陣。
上記で取り上げた主題歌のピアノアレンジ。

切なさと過去回想的なニュアンスが強調された感じ。
主題歌サビ部分のメロ直後のピアノ旋律の上下が、過去の風景を走馬燈のように映し出し、
終盤の音の駆け上がりは、過ぎゆく日々を惜しむ高鳴る心情を表現しているようで美味。


10.Calling You
ピアノとシンセサイザー基調の少し和風な感じの出た曲。
散りゆく花のような切なさ、儚さ。

曲展開がかなり好み。

最初のうちは同じような旋律の繰り返し。
しかし、その旋律が、ある時から次々と移り変わっていく。
この曲展開が、いつの間にか擦れ違ってしまった現状に思いを馳せるようなニュアンスを感じさせる。

曲の進行も、音程が上下しつつも滑らかで、この点でもかなり美味。


13.約束のブーケ
ピアノ+シンセストリングスというありがちな構成だが、これは素晴らしい曲だと思う。

悩みの中から、躊躇しながらも前向きに変わっていく様を、ドラマティックに表現したような曲。

切なくも瑞々しいピアノの旋律に、シンセストリングスが少しずつ壮大さを付加していくような感じ。
この盛り上がり方も、もどかしさを感じさせながら、滑らかに進行していく。
これが、上記躊躇さの表現に貢献し、非常に上手くいっている。

そしてサビ部分、予定調和的にここぞとばかりに鳴り響くストリングスが何とも心地よい。
最後に素朴なところへ戻っていく感じも好み。


14.TWO OF US, SEVEN OF US
これもまた、迷いを払拭した感じの前向きな曲。
壮大さやドラマティックな雰囲気はないが、こちらの方が学生の身の丈に合っているような感じがする。


15.Pieces (Vocal.大咲美和)
挿入歌。作曲は上記『Hidemi Nemoto』さん。
これは、ゲームをやる前に聴かない方がいいような気がする曲。
ということで、感想を書くことも控えることにする。


16.風のアルペジオ Piano Ver.
これは総論のところで述べたとおり、このゲームの音楽を知るきっかけになった曲。
ピアノとシンセストリングスを基調としている。

旋律の流れがよく、穏やかでありながら、若々しさも兼ね備えた表現。
また、青空のような広がりが感じられる、開放的な雰囲気を持っている。
何かが始まりそうな期待に満ちたニュアンス。


<まとめ>
夏とか、切なさとかそういうワードがツボな人にはお勧め。
ただ、PCゲームの特典なので、手に入りにくいのが難点か。

The darjeeling(ザ・ダージリン) ダージリン 2010 セカンド グームティー農園

2010-11-13 19:15:20 | ダージリン
前記事で予告した『キサラギGOLD★STAR』のサウンドトラック記事は未だ書き上がらず…。
聴いてはいるのだが…、前の記事でイマイチと書いたのを少し後悔している。
決して悪くはないと思う。記事の方はもう少しお待ちを。


ということで、今日は紅茶レポート。
今回は、2010年のセカンドフラッシュダージリン。

『ザ・ダージリン ダージリン セカンドフラッシュ GOOMTEE (グームティー) DJ-MV-11/MUSCATEL VALLEY FTGFOP1』

紅茶専門店、The darjeeling(ザ・ダージリン)さんのお茶。

名古屋の栄地下街にお店がある。試飲も可能。
他には、銀座・麻布十番にも店舗があるようだが、店舗の数は少なめ。
アッサム・ニルギリも扱っているみたい。

<価格>
50g1000円と、有名茶園ものにしては廉価。

<レシピ、蒸らし時間>
5g400ccを3分蒸らし。

<茶葉>
黒褐色の茶葉。
ゴールデンチップなどはほとんど見受けられない。
しかし、形がそろっているので美しい。

<水色>
深い橙色。

<香り>
シャンパンを思わせる、ブドウのようにフルーティーで気品のある甘い香り。
ダージリンといえばこういう香りだという感じの香り。
香りの量が非常に多いので、満足感が大きい。

<味>
・全体的な印象
フルーティーで華やかな味わい。
味は強めで、ダージリンらしい味を心おきなく楽しめる。
ブドウ系の風味と、強めの戻り香がすばらしい。

甘み・渋み・旨みが一体となっている。上品で優雅な印象。
少々渋み中心のバランスだが、突出しすぎるところはない。
オーソドックスに美味しいダージリンだと思う。

・甘み
必要十分にある。

・旨み
強め。
まろやかで上質な旨み。
渋みとあいまって、十分な満足感に貢献している。

・渋み
強め。
しかし、後に残るような苦味はなく、舌触りも滑らか。
赤ワインのような、キレと収斂味のある渋みが感じられる。

・その他
後味に、ほのかなマスカテルフレーバーが残り、心地いい。
冷めてくると少し渋みが目立ってくるが、後に残るような苦味はない。

コストパフォーマンスは高めに感じた。
この価格でこの味は早々ないと思う。

オーソドックスなダージリンという感じだが、一回り上質な印象を持った。
初めてのダージリンとしては、かなりお勧め。

Fortnum & Mason(フォートナム&メイソン)ダージリンBOP(ブロークンオレンジペコ)

2010-11-06 21:03:15 | ダージリン
最近『キサラギGOLD★STAR』という美少女ゲームのサウンドトラックを購入した。

なぜかというと、自分が注目している作曲家、『藤宮圭』さんが曲提供しているという話を聞いたから。

まだしっかり聴き込んだ訳ではないけれど、どうもしっくりこない感じ。
後日、レポートを上げる予定ではある。


さて、今日は毎度の紅茶レポート。

『Fortnum & Mason(フォートナム&メイソン) ダージリンBOP』

Fortnum & Mason(フォートナム&メイソン)さんのお茶。
日本で展開している紅茶メーカーの中ではかなり有名。

しかし、実はここのお茶を飲むのは初めて。
なんとなくいつも買いそびれて、手を出してこなかった。
今回レポートするのは、友人が、とある用件のお礼にと購入して来てくれたもの(感謝)。

<価格>
直営店だと125g2100円。

<レシピ、蒸らし時間>
茶葉5gに対して、お湯400ccという割合で1分30秒蒸らし。
3分、2分30秒、2分を試してみたが、どうしても苦味が強く出てしまった。

<茶葉>
2,3mmくらいのブロークンタイプ。

<水色>
透明感のある紅色。

<香り>
量は少ない。

<味>
・全体的な印象
華やかさを抑えたシックな印象。
麦茶のような穀物系の焙煎的な風味に、ほんの僅かにマスカットのようなフルーティーさを感じる。
しかし、飲み始めの苦味が強く、なかなか口に運べない。

・甘み
少なめ。

・旨み
1分30秒蒸らしのためか、若干薄めに感じる。

・渋み
強め。
それに加えて、飲み始めの苦味が強い。これはよくない。
舌触りがザラつくことはない。

・その他
後味は、フルーティーなフレーバーが主で、焙煎香が従。
しかし、非常に薄いため、満足感はほとんどない。

冷めてくると苦味が出てくるかわりに、後味は強めに残る。
この後味はなかなか良い。


2分30秒蒸らしたものは、苦味が強くてストレートでは飲みにくいが、ミルクティーには良い。
焙煎香の効用か、コーヒーのように飲み応えのあるミルクティーになる。

ただ、ダージリンとしての風味を楽しみたい方には勧められない。
旨みや、甘みを楽しむ前に、苦味が感じられてしまう。


余談だけど、紅茶の味における『渋み』と『苦み』は全く違うものだと思っている。
『渋み』は、口が引き締まる感じがして、後に残らず、甘みや旨みに変わるもの。
『苦み』は、後々まで残って、心地よくないもの。

このダージリンは『苦み』の方が出てくるため、個人的にあまりお勧めできないお茶。

過去にレポートしたアーマッドトワイニングのダージリンの方が、はるかに美味しいと思う。
価格もそちらの方が安い。

感想:ルピシア アッサムDIKOM STGFOP1 QUALITY 2010(ディコムクオリティー)

2010-11-01 21:29:30 | アッサム
紅茶レポート。

『ルピシア DIKOM STGFOP1 QUALITY 2010(アッサム ディコムクオリティー)』

毎年ルピシアさんで仕入れるアッサムのセカンドフラッシュ。

<価格>
50g800円。

<レシピ、蒸らし時間>
茶葉5gに対して、お湯400ccという割合で3分蒸らし。

<茶葉>
STGFOP1。4mm位のフルリーフ。ゴールデンチップも散見される。

<水色>
透明感のある紅色。

<香り>
瑞々しい花の蜜のような香りが非常に心地いい。量は多め。
土臭さなどはまったくない。

<味>
・全体的な印象
アッサムとしては軽めの味わい。ただ、味がないわけではなく、飲み応えはある。
花の蜜のような繊細さ。ベリー系の風味も感じられる。
甘み中心のバランス。バランスは非常によい。

・甘み
ほどほどにある。飲みやすさに貢献している。

・旨み
強め。味がしっかり乗っている。
アッサムらしい味の強さはある。フルーティーなニュアンスすら感じる。

・渋み
ほぼない。えぐみもなく、舌触りは滑らか。

・その他
アッサムとしては珍しく、繊細な味わい。
しかし、ミルクを入れても味が負けることがない。
瑞々しいミルクティーが美味。

冷めてくると、力強いアッサムらしいココアな味わいが出てくる。

非常に美味しいお茶。
コストパフォーマンスも素晴らしい。
淹れやすいので、初めてのアッサムにも良いのではないか。


<おまけ 同じルピシアの『ナホハビ・クオリティー』との比較(試飲のため精度低め。)>
『ナホハビ』の方は、渋みやひっかかりが皆無になり、味わいの繊細さが一層増す印象。
ナホハビの方が純粋な花の蜜という感じがする。さらに瑞々しい。
花の蜜の風味も強い。

大枠での味わいは共通している。
ただ、ディコムの方は冷めたときに力強い味わいが出てくるのに対し、ナホハビは蜜のままという感じ。
一度で二度美味しいのはディコムの方か。

ディコムの方が、コストパフォーマンスも良い。(ディコム 50g800円・ナホハビ 50g1400円)

ただ、純粋な瑞々しさを味わいたい場合は、ナホハビの方がいいかも。
確かに値段なりのことはある味わい。


と、このディコムのアッサム。
大変素晴らしいお茶だったのだが、更新当日にネットショップの方を見てみたら、完売だそう。
(店頭の方には、ひょっとしたら残っているかもしれないが・・・。)

ただ、『ナホハビ』の方はまだ残っているようなので、そちらの参考になればと思い、UPさせていただきました。
こちらも素晴らしいお茶だと思います。