紅茶の一期一会

紅茶歴(だけは)10年以上の管理人が、
主に、購入した紅茶の感想を書いています。

吉田秀和氏の訃報に触れて

2012-05-30 20:24:31 | その他のWeblog
「音楽評論家の吉田秀和さん死去 98歳」(朝日デジタル)


当BlogのCD感想の大半は、
ゲームやアニメのサウンドトラックについてのものである。

しかし、私が持っているCDの7割以上はクラシック。
クラシックCDの感想記事が少ないのは不自然に思われるかもしれない。

これには理由がある。


私の持っているクラシックCDは、
そのほとんどが、1954年の前後10年に録音されたものである。

当然、既に、何人もの先人が感想を書いている。

今の自分が、これらの感想に付け足すことがあるのだろうか。
自分が書くまでもなく、言い尽くされているのではないか。


先人たちに対して、こうした思いを持つことが多かったからである。


こうした先人の筆頭が、吉田秀和氏である。

氏は、自分にとり、音楽と、その評論における師であった。

吉田秀和氏の著書『名曲300選』『世界の指揮者』は、
私のクラシック鑑賞の指針であったし、今なおその指針であり続けている。


吉田氏の文章には、その音楽を聴いてみたいと思わせる魅力がある。
そして、その音楽を聴いた後、再度文章を読み返すと、
これ以上に的確で豊かな表現があろうかと思わせるものがある。

恐らく私は、氏の文章の何割も理解できていない。
それを芯から理解するための、音楽や教養の知識、経験が不足しているからである。

だが、そんな自分でも何となく伝わるものがあるのだ。

また、音楽、演奏の分析の仕方についても、
音階の上がり下がり、楽器の使い方などの、
客観的な面をも根拠にしているがゆえ、説得力が大きい。

しかし、こうした分析の冷静さがありながらも、
その文章には、温かみがあり、上品さにあふれている。

自分も、このような文章を書きたいと思い続けてきた。
しかし、やはり、それは凡人には出来ない事なのであった。


そんな自分が音楽の感想を書く際、心に留めている氏の言葉がある。

1年ほど前だったか、レコード雑誌の企画で、吉田秀和氏を取り上げたものがあった。
そこで「演奏会の批評をどのように書いたらよいのか」を問われ、氏が返した言葉である。


「聴き終わった後に、何かこれだけは言っておかなければならないというものがあったはずです。
 それを書いて、最後に『よかった』と書く。それでいいのです。」




心よりご冥福をお祈りいたします。


○参考文献
Amazon:『名曲三〇〇選―吉田秀和コレクション (ちくま文庫)』
Amazon:『世界の指揮者―吉田秀和コレクション (ちくま文庫)』

2012年以降も持ち越さざるを得ない原発の問題。

2012-02-02 09:09:22 | その他のWeblog
年始の挨拶もなく、1月も過ぎたというときにようやく更新。

去年の年末のあるTV番組で、こんな光景を見た。
司会者らしき者が何人かの出演者に「今年はどんな年でしたか。」と聞き、
それに対し誰もが「楽しい一年でした。」「いい年でした。」と答える。そんな光景。

しかし、去年が楽しく、いい年だったとはお世辞にも言えないのではないか。
少なくとも、私は公共の電波で、そのようなことを言うことはできない。

いうまでもない。先の震災のことである。

当Blogを長年見てくださっている方は、うすうす感づいていらっしゃるかもしれない。

震災以降、当Blogの更新頻度が激減したことを。

上記光景のように、自分の楽しかったことなどを公共の場所に書くことに、
抵抗があったというのはひとつの理由としてある。

しかし、それ以上の理由。
今後一生涯、事故を起こした原発を引き受けて生きていかねばならないという事実。
これに対して、気が滅入っているというのが正直な気持ちである。

私は、これから社会に出ようとしている位の年齢である。

日本政治の迷走、国際社会全体の景気後退。
これらのことを考え合わせると、将来について陰鬱たる気持ちになる。
戦争でも起こるのではなかろうか。

大袈裟だが、原発を引き金に、そんなところまで考えてしまう。

名古屋で暮らしている私にしてこのような気分なのだから、
東北・関東の方々の気持ちは、想像するに余りある。

今年初めての更新であるので、今年の原発に関する問題を思いつくままにまとめてみる。


<事故の収束について>
福島の原発の状況はいまだ予断を許さない状況である。
つまり、冷却が止まればいつ危機的状況を起こしてもおかしくない。
それをすんでのところで阻止しているに過ぎないのだ。

配管の凍結による破損を大きく報道するのは、そのためである。


<放射性物質の放出と、それに対する国の措置について>
放射性物質の放出も現在進行形の状態である。

作業員の発癌リスクに対する国の補償については、知る限りいまだ言及がない。
チェルノブイリの事故作業員(リクビダートル)について、
ソ連は生涯の特別年金支給と、医療費無料の措置を講じた。

現在は有名無実化しているところもあるが、日本も参考にすべき点があると思う。

また、福島原発の周辺住民に対する措置につき、
『ふくしま集団疎開裁判』が起こされている。
この裁判の結果は、住民の移転にかかわる今後の政策形成に大きな影響をもたらすと考えられる。

それにも拘らず、報道がほぼ皆無という事態に背筋が凍る。


他にも
<除染>
<食品管理>
<原子炉の封印・管理>
など、いまだかつてなく問題が山積している。

除染は現実的な策なのか、有効なのか。

このようなことも考えつつ、当面は、チェルノブイリやビキニ環礁などの事案を参考に、
できる限り被曝量を抑える策を講じることが課題となろう。


なんだか暗い感情的な記事になってしまったが、
これからは少しずつ明るい趣味の記事も書き始めようと思う。

いろいろなことからエネルギーを得て、問題に取り組んでいく。
それが最も建設的であろうから。

福島第一原子力発電所事故の「現状」と「今後」を知るための資料をまとめてみた。2

2011-03-28 13:46:10 | その他のWeblog
『福島第一原子力発電所事故の「現状」と「今後」を知るための資料をまとめてみた。1』に追記をした。
追記内容は以下のとおりである。


→追記(3月28日)
『ビデオニュース・ドットコム』にて、
『あえて最悪のシナリオとその対処法を考える』(2011年03月25日)という記事がアップされた。

Part1は64分で、主に福島第一原発の現在の状況・今後の事態の予測を、最悪の悲観論も含めて語ったもの、
Part2は178分で、主に今後の健康への対応と、内部被曝の危険性、計画停電の裏側について語ったものである。

上記で述べたとおり、私は今後の対応を考える上で「最悪」の事態想定が不可欠であると思っている。
よって、参考として、この記事を追記させていただく。

この動画で小出助教が「防災ということを考えるのであれば、悲観的な予測をしたほうが良い。」という発言をしている。
これには、私も全面的に同意である。生命を守ることができれば、「考えすぎ」で終わってもよいのである。


以下は、この番組中に出てくる言葉で、わかりにくそうなものを説明した資料などを中心に集めたものである。
まず、Part1について、番組最初に言われている『最悪のシナリオはどこまで最悪か』という論文はこちら

また、小出助教がおっしゃっている「主蒸気隔離弁」の図解はこちら
この図解は敦賀原発の定期検査結果の報告(「3.その他 (3)」)から引いたものだが、
「主蒸気隔離弁」の大まかな構造上の位置は理解いただけると思う。


次にPart2で、チェルノブイリの事故による立入禁止区域・放射線管理区域についての話が出てくる。
これを、セシウムの分布で見た地図が、
こちら(京都大学原子炉実験所『チェルノブイリ調査関連写真集:チェルノブイリ600km圏汚染地図』)

チェルノブイリ原発から北東200~300kmの立入禁止区域、600~700kmの放射線管理区域というのは、
おそらく、この地図の紫色・濃桃色のついている部分のことを指しているのではないかと思われる。

このように、放射能をもったダスト(ちり)が風向きによって、遠くまで届くという事態を考えなければならない。
この放射能ダストの動きのCGシミュレーションが、『ノルウェー気象研究所』のこのページに載っているので、参考にされたい。

番組中で、矢ヶ崎教授が福島のデータだけ計測不能と出ていると言っているものとして、
文部科学省の『上水(蛇口水)、定時降下物のモニタリング』のページ。

さらに、神保さんがおっしゃっている、
スウェーデン国立スペース物理研究所 山内正敏氏 『放射能漏れに対する個人対策』のページ
(なおこれは、外部被曝についてのみ当てはまるものであるらしいので、注意が必要。)


また、計画停電に関連して、
2003年に原子力発電所を止めた時、起こらなかった「3月危機説」についての記事はこちら(2003年3月4日付nikkei BP net)。

同じく、計画停電に関係するところで、東電の発電所の稼動停止状況につき、
東京電力のプレスリリース『東北地方太平洋沖地震による影響などについて 午前4時現在 平成23年3月27日』
「火力」発電所がかなり停止していることがわかると思う。

ちなみに、これら「火力」発電所の発電量は、東京電力『設備一覧』を参照。

地震学者の「石橋克彦」氏のページはすでに追記前の記事に載せておいたので、
こちらも参考にしていただければと思う。

福島第一原子力発電所事故の「現状」と「今後」を知るための資料をまとめてみた。1(追記3/28)

2011-03-21 11:44:25 | その他のWeblog
先日、当Blogで
『東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生。情報の「誠実」な発信が肝要。』という記事を書いた。

しかし、現状を見ると、原発関係の情報について、
政府・マスコミ(特にTV)が、「楽天的」な意見のみを発信している旨、見受けられる。

このような情報の「発信」が、果たして「誠実」と言えるのであろうか。
前述記事で、私は「誠実」な情報発信の条件として『3、「多数」の情報源を参照する。』ということを書いた。
「多数」というのは、「意見が異なる者」の情報を出していくことも含まれる。

TVの原発関連報道において、この「意見が異なる者」の情報の提供がほとんどないのは、あまりに危険である。
なぜなら、原発の帰趨は国民の「生命」にかかわる問題であるからである。
すなわち、「安全」の問題である。

にもかかわらず、政府・マスコミは、「安全」ではなく「安心」のために、楽天的な見解のみを発信している。
「安全」と「安心」どちらが大事なのであろうか。
そんなことはいうまでもない。

「安全」に決まっている。

「安心」というものは、あくまで「感情」の問題である。
それに対し、「安全」は、「生命」に直結する問題なのである。

「大丈夫、大丈夫。」と繰り返すが、「今」大丈夫であることをいくら発信しても「生命」は守れない。

「生命」を守るために発信すべきは、
まず「過去から「将来」にかけて、危険な状態が続いている。」ということである。
そして、将来起こりうる事象を、正確に整理・発信することである。

さらに、「生命」を守るためという観点をひとつ進めて、
政府に対し、最悪の事態想定の下、避難の準備(計画策定など)を進めるべきことを求めていくこと。
また、事態によっては、住民に対して避難を促すことではないか。

なぜ、このような報道を展開せず、「楽観的」な意見の紹介に終始しているのか。非常に疑問に思う。


そういうわけで、TV局各社が楽観的な意見に偏るのであれば、
私は、ある程度「悲観的」、もしくは「中立的」な意見を取り上げようと考えた。

まあ、当Blogごときの小規模のBlogが、何を言っても焼け石に水かもしれない。
しかし、この原発の話は、自分にも大きく関係のあることであるし、
なにより、国民の「生命」を守るために、何かせずにはいられないのである。




さて、前置きが長くなったが、以下に資料を列挙していこうと思う。

まずは、『ビデオニュース・ドットコム』というサイトに掲載されている、専門家たちのインタビュー・対談である。
このサイトは、会員の会費によって運営されているもので、基本的に動画視聴は有料である。

しかし、この以下に紹介する地震関連の報道については、『無料』で視聴できる。
非常にありがたいことである。
緊急時におけるジャーナリストとしての気概を感じる対応であると思う。


まず、原発の現状・今後を、19分ほどでコンパクトに語ったものとして、
『福島原発事故 京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏電話インタビュー』(2011年03月17日)という動画がある。
この動画で、原発事故状況の大まかな全体像が把握できるのではないか。

時間がある方は、前・後編合わせて160分ほどの動画になってしまうが、
『福島原発事故でわれわれが知っておくべきこと』(2011年03月15日)
という動画が参考になるのではないかと思う。

前編(100分)で、福島原発の現状と今後の事実認識、分析を行い、
後編(60分)で、放射線から身を守る方法を詳細に説明するというものである。

ちなみに、後編の最後で言っている、『放射線医学総合研究所(放医研)』のホームページはこちら
放医研のページは、被爆への具体的な対処方法などがよくまとまっていると思う。



次の資料は、『ビデオニュース・ドットコム』からは離れる。
全部で45分になるが、『ニュースの深層』(朝日ニュースター)というTV番組である。

通常の被爆と体内被曝の違いが、割と分かりやすく解説されているのではないかと思う。
(ちなみに、この2種類の被曝の違いを理解することは、被曝への対処法の理解につながるなど、非常に重要なことである。)

YouTube→
ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」1/3
ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」2/3
ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」3/3

この番組の中で言っている、ドイツ人が解析したという放射能雲の動画はこちらと思われる。(定かではないが。)

ちなみに、この番組の中で名前の出てくる、『石橋克彦』氏のホームページはこちら(『石橋克彦の歴史研究のページ』)。今回の地震についての彼の意見も、こちら(石橋克彦 私の考え『2011年東北地方太平洋沖地震による「原発震災」について』)にある。

また、同じくこの番組で名前の出てくる『広河隆一』氏のホームページはこちら(『HIROPRESS.net』)
なお、上記ホームページ休載に変わり、広河氏が近時寄稿しているブログはこちら(『DAYSから視る日々』)


以上、比較的中立、悲観的な論調の動画を紹介してきた。
ただし、当然のことであるが、状況は刻一刻と移り変わっていく。
よって、判断のためには、新しい情報も入れていくことも必要であるということを付言しておく。



最後に、私が参照した書籍を挙げておこうと思う。(敬称略)
Amazon→
桜井淳『原発のどこが危険か』(朝日新聞社)
田中三彦『原発はなぜ危険か』(岩波書店)
広瀬隆『原子炉時限爆弾』(ダイヤモンド社)



かなりまとまりのない記事になってしまった。

しかし、この記事が、様々なニュースソースへの接触のきっかけになれば、
また、福島第一原子力発電所事故の「現状」と「今後」を考え、
各自の今後の具体的な行動を考えるため、参考になれば幸いである。



→追記(3月28日)
『ビデオニュース・ドットコム』にて、
『あえて最悪のシナリオとその対処法を考える』(2011年03月25日)という記事がアップされた。

Part1は64分で、主に福島第一原発の現在の状況・今後の事態の予測を、最悪の悲観論も含めて語ったもの、
Part2は178分で、主に今後の健康への対応と、内部被曝の危険性、計画停電の裏側について語ったものである。

上記で述べたとおり、私は今後の対応を考える上で「最悪」の事態想定が不可欠であると思っている。
よって、参考として、この記事を追記させていただく。

この動画で小出助教が「防災ということを考えるのであれば、悲観的な予測をしたほうが良い。」という発言をしている。
これには、私も全面的に同意である。生命を守ることができれば、「考えすぎ」で終わってもよいのである。


以下は、この番組中に出てくる言葉で、わかりにくそうなものを説明した資料などを中心に集めたものである。
まず、Part1について、番組最初に言われている『最悪のシナリオはどこまで最悪か』という論文はこちら

また、小出助教がおっしゃっている「主蒸気隔離弁」の図解はこちら
この図解は敦賀原発の定期検査結果の報告(「3.その他 (3)」)から引いたものだが、
「主蒸気隔離弁」の大まかな構造上の位置は理解いただけると思う。


次にPart2で、チェルノブイリの事故による立入禁止区域・放射線管理区域についての話が出てくる。
これを、セシウムの分布で見た地図が、
こちら(京都大学原子炉実験所『チェルノブイリ調査関連写真集:チェルノブイリ600km圏汚染地図』)

チェルノブイリ原発から北東200~300kmの立入禁止区域、600~700kmの放射線管理区域というのは、
おそらく、この地図の紫色・濃桃色のついている部分のことを指しているのではないかと思われる。

このように、放射能をもったダスト(ちり)が風向きによって、遠くまで届くという事態を考えなければならない。
この放射能ダストの動きのCGシミュレーションが、『ノルウェー気象研究所』のこのページに載っているので、参考にされたい。

番組中で、矢ヶ崎教授が福島のデータだけ計測不能と出ていると言っているものとして、
文部科学省の『上水(蛇口水)、定時降下物のモニタリング』のページ。

さらに、神保さんがおっしゃっている、
スウェーデン国立スペース物理研究所 山内正敏氏 『放射能漏れに対する個人対策』のページ
(なおこれは、外部被曝についてのみ当てはまるものであるらしいので、注意が必要。)


また、計画停電に関連して、
2003年に原子力発電所を止めた時、起こらなかった「3月危機説」についての記事はこちら(2003年3月4日付nikkei BP net)。

同じく、計画停電に関係するところで、東電の発電所の稼動停止状況につき、
東京電力のプレスリリース『東北地方太平洋沖地震による影響などについて 午前4時現在 平成23年3月27日』
「火力」発電所がかなり停止していることがわかると思う。

ちなみに、これら「火力」発電所の発電量は、東京電力『設備一覧』を参照。

地震学者の「石橋克彦」氏のページはすでに追記前の記事に載せておいたので、
こちらも参考にしていただければと思う。

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生。情報の「誠実」な発信が肝要。

2011-03-17 08:57:54 | その他のWeblog
遅まきながら、災害を遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。


さて、かくいう私も災害の「情報」を集めているのだが、
特に、「TV」について「情報が錯綜する」とはこういうことかと思った次第。

というのも、古い情報を繰り返し報道する中で、新しい情報が提供されるため、
矛盾した情報が同時に流れることがあり、どちらを信用すべきかわからなくなるのである。

これを防ぐため、各情報について「初出日時」をつけるべきではないかとも思う。


災害時の活動においては、「情報」の受け渡しが極めて重要な意味を持つ。
「情報」の「発信」「受信」如何で、救助活動が成功することもあれば、パニックが起こることもある。

そこで、その「情報」について重要だと思う点を書いておく。
それは、

1、「事実」「意見」をしっかり区別して、話し・聞くこと。

2、「不確実」な事柄と「確実」な事柄を区別して、話し・聞くこと。

3、情報源は「多数」の情報源を参照すること。


である。


1・2は重複する部分もあるが、具体的に言うと、
1…
 ○○が現に起こった。→「事実」
 ○○が起こると思う。→「意見」

2…
 △△の恐れがある。→「不確実」
 △△が100%ある。→「確実」

「事実」と「意見」、「不確実」と「確実」は天と地ほど異なっている。
これらを混同すれば、事実誤認が生ずるのは当然である。

さらに、事実誤認に陥っていることに気付くため、
また、情報が正確であることを担保するために、
3のような情報のクロスチェックが、一定程度有効である。


上記注意点は、ブロガーの皆さんをはじめ、
情報を「発信」する者は、日々心がけていることであろうと思うし、
情報を「受け取る」場合においても、
意識的にしろ無意識的にしろ、上記のように受け取っていると思われる。

しかし、非常時に置かれると、ついこれを忘れがちになる。
そうなると、「情報」に振り回され、冷静な判断をしにくくなる。

また、情報を「発信」する側も、上記のことを踏まえて情報発信する必要がある。
でなければ、無用の混乱を生み、死者まで出かねないような事態が起こりうる。


「無責任な放言をしない。」


孔子様も論語の中で強調され、常識としても当然のことではあるが、
非常時においては特に強調しておくべき点であると判断し、記事にした次第である。


○参考リンク
・ホームページ「論語の世界」

・Amazon
 『論語物語』下村湖人(講談社学術文庫)

 『新訳論語』訳:穂積重遠(講談社学術文庫)

無料版Gooブログで、簡易のアクセス解析を使う方法を発見した。(BlogToy)

2011-03-01 08:25:04 | その他のWeblog
前回『Gooあしあと』サービスの終了によって、このBlogを移転するという話をした。
アクセス解析が使えなくなるという理由である。
特に、「検索ワード」の解析結果は、自らの執筆意欲に影響がある。

よって、FC2に移転しようと思ったのだが、
『Gooあしあと』サービスが終了した後に使えるアクセス解析ツールを発見した。

これが紹介されていたのは、『HYPERSPACE UNIVERSE NEWS』というブログでである。

『gooブログ無料版でもアクセス解析 その1』
『gooブログ無料版でもアクセス解析 その2』

そのアクセス解析ツールがあるのは、『BlogToy』というページである。
このページにあるツールをBlogに貼り付けると、簡易アクセス解析機能が働く。
自分は、一番手軽そうな『ブンブンカウンター』を貼ってみた。

『ブンブンカウンター』をGooブログに貼れること自体は、前から知っていた。
しかし、これに簡易アクセス解析機能がついているとはまったく知らなかった。
(一応『BlogToy』のこのページには書いてあるのだが、あまり目立たない…。)

「簡易」アクセス解析といっても、機能としては、

・アクセス数(日別、時間別、ページ別)
・リンク元(リンク元、検索エンジン、検索ワード)
・訪問者の情報(リモートホスト、OS、ブラウザ)

と、自分としては十分な内容のものである。
(アフィリエイトなどをやっている方には不十分なのだろうが。)
というより、『Gooあしあと』より高性能である。(ページ別アクセス解析に「記事名」で載らないのだけが残念。)


Gooブログサイドバーに貼れる、数少ない(自分の知る限り唯一の、検索ワードを含む)アクセス解析ツールとして、
この『BlogToy』のパーツは、もう少し有名になってもいい気がする。

何はともあれ、このページを記事にしてくださった、上記Blogの管理人の方に感謝申し上げたい。

これで、Gooブログからの移転話は白紙に戻すことができる。
よって、ブックマーク(リンク)のほうも、当Blog(http://blog.goo.ne.jp/19shisyou88)にしていただければと思う。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

Blog開設から5周年の大晦日に考える「記事を書く理由」

2010-12-31 17:43:51 | その他のWeblog
先日注文した『MDR-V6』というヘッドホンの音質感想は、もう少し先になりそう。
ヘッドホンでも、慣らし運転をある程度やってからでないと、正確なことが書けないと思われるからである。

ただ、聴いていて一つ思うのが、
このヘッドホンの音質は、STAX(SRS-3030)やER-4Sとは、かなり異なったものだということである。
詳しい感想は、しばしお待ちいただきたい。



さて、なんだかんだいって、このBlogも今年の10月で5周年を迎えることとなった。
そのときに何か書こうと思ったのだが、多忙に付き結局スルーしたという経緯がある。

そこで、5周年目の大晦日という機会を借りて、「記事を書く理由」というものをちょっと考えてみた。
これは、なぜ5年も書いてこれたかという話とつながる所がある。
(「5年」と言っても、ほとんど更新のない年もあるので、強く言えない所もあるのだが…。)

まず、第一の理由として「言葉を探し、あてはめる楽しみがある。」という点が挙げられる。

当Blogでは、「味」とか「音楽」といった、言葉で表すことが難しいものの感想を主に扱ってきた。
これらに、自分の中でしっくりくるような、ど真ん中の言葉を当てはめることが出来たとき、非常にすっきりとした気持ちになるのである。
この気持ちを味わいたいがため、記事を書くという理由である。
(ただ、本当にぴったりの言葉だと思えることは、非常に稀である…。)

この理由があるからこそ、特に流行しているわけではなく、需要がなさそうな記事でも書くことが出来るのである。
(自分で需要がなさそうと思った記事でも、検索されていたりすることがあるのは内緒。)


次に、第二の理由として「読んでいただける方の存在」というものがある。

やはりこれは大きな理由である。
上記のような自己満足的に生み出した感想記事であっても、定期的に読んでくださる方がある。
また、更新して数年経った記事にも、検索して読んでくださる方がある。
これらに気づいたのは、アクセス解析をつけてからであるが、やはりこれが目に見えると嬉しいものである。


ということで、ここまでBlogを続けてこられたのも、読んでくださる方あってのことです。
本当に、日々励みになっています。
これは、何度言っても言い足りないくらいであります。

来年も、精進しつつ記事を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

初めて、gooブログランキングで10000位以内に入ったらしい。

2010-07-04 12:09:58 | その他のWeblog
 完全な私事なのですが、昨日の当Blogのgooブログアクセスランキングを見たら、

 「5553 位」 / 1432240ブログ と出ていました。

 gooブログランキングでは、10000位以内しか順位は表示されず、
 今の今まで当Blogのような地味Blogに順位が表示される事はなかったので、
 驚愕すると共に、恐れ多さも感じた次第です。
 
 原因は、間違いなく「クドわふたー」だと思われます。
 (先日の感想記事→感想:「『クドわふたー』オリジナル・サウンドトラック」
 本当にこのゲームの影響力の大きさは凄いですね。

 恐らく「ゲーム」の感想を求めて飛んできてくださった方がほとんどだと思います。
 しかし、ふたを開けてみると「サントラ」の感想のみが書いてあるにすぎず、
 残念な事態だったというパターンが多かったのではないでしょうか。本当に申し訳ありません。

 しかし、内容については力を入れて書いているつもりですので、
 感想などありましたら、コメントしていただければ幸いです。

 よくよく考えたら、5年もこのBlogを続けているのですね…。
 (「更新頻度」からすると「続けている」と言えるのかは疑問か。)

 最初のうちは、今以上に内容のない記事を書いていたと思います。
 しかし過去に一度、過去記事を省みたときに、本当に読めたものではないなぁと心から恥ずかしく思ったのですね。
 そういう記事を大量に削除しながら、二度とこのような恥ずかしい記事は書くまいと思った記憶があります。

 そういう決意が成功しているのかは別として、日々当Blogを訪ねてくださっている方々のおかげで
 このようなランキングに載る事ができた事は間違いなく、感謝の念に絶えません。

 あくまでこのような結果は一時のブームであって、今後落ち付いていくことは間違いないのですが、
 引き続き記事内容の充実を心がけつつ書いていきたいと思います。

 これからもよろしくお願いいたします。

自分の世界の狭さ

2010-03-03 20:02:09 | その他のWeblog
 って、まあどうあってもこの狭さからは逃れられないのですけどね。だからこそ、謙虚でなければならないと思っているわけです。にもかかわらず、ランキングなんてものを作ってしまった自分に嫌気がさしたので、記事を分解させていただきました。

 最近、10人ほどの劇伴曲作曲家の音楽を聴く機会がありました。それらを聴いていて、その内容の素晴らしさに驚くとともに、音楽の多様さに舌を巻きました。自分が聴いていた曲が、世界の音楽のほんの僅かなものに過ぎないというのは、意識していたつもりでした。しかし、それらがこれほど様々に輝きあるものだということに関しては、概念的な意識しか持っておりませんでした。これからは、ランキングなどというものではなく、1枚1枚謙虚に取り上げていこうと思います。

 それでもやっぱり佐野広明さんの曲はどうしようもなく好きだなぁ。

ペンクリニック(セーラー)に行ってきました。

2009-09-30 22:23:36 | その他のWeblog
先日ペンクリニックに行ってまいりました。
『ペンクリニック』ってのは馴染みがない言葉かもしれません。
簡単に言いますと、無料で万年筆のメンテナンスをしてくれるイベントのようなものです。

万年筆はインクの出が悪くなったり、ペン先がうまく動かなくなったりすることがあります。
そうすると書けなくなったり、書き出しや書いている途中にかすれたりするわけです。
それを、いい状態に調節してくれるイベントがペンクリニックなのですね。(略してペンクリ。)

今回行ったペンクリの開催はセーラー社ですが、どこのメーカーの万年筆でもやってくれます。
百貨店や、大きな文具店でたまに開催しています。今回行ったのは東急ハンズでした。

写真は今回見てもらった万年筆です。
『221』という刻印があります。中古で譲り受けたものです。
シャープかつエレガントなデザインで、すごく気に入っています。
実はペン先はもっと大きいのですが、黒いペン軸に覆われてこれだけしか見えないのです。
しかし、この金のシルエットがまた非常に美しいと思います。チラリズムの極致ですね。

ペリカンの赤インクを入れて、添削に使っていました。
しかし、インクの出が悪くなってしまったのです。

ペン先を押さえつけないとインクが出ないというのは、万年筆本来の姿ではありません。
つまり、尻軸をつまんでペン先を紙に置き、万年筆の重さだけでスーッと紙の上を滑らせてみて、インクが出てこないような状態です。
こういう万年筆は、調整するとすごく書きやすくなります。
(また、ペン先を押し付けて書いているのは、ペン先にとってもあまりいい事とは言えません…。)

早速見てもらうべく会場に行くと、人は全くおらず、すぐにやってもらえました。
調整をして下さったのはセーラー社の川口先生。
「これはいいペンです。」と褒めて下さりました。恐縮です。

調整と言っても、ペン先を目の細かい紙やすりみたいなものですりすり擦るような感じです。その間2,3分。
それだけでインクフローが復活し、書き味も心地よくなりました。素晴らしいです。しかし…不思議です。

その後はもちろん東急ハンズで買い物をさせていただきました。
買ったのは些細なものですが、無料でやってもらうにはあまりに申し訳ないですからね。

東急ハンズ名古屋店での開催は終わってしまいましたけれども、2週間後くらいに名古屋の丸善で開催されるようです。
また、名古屋以外では、東京や群馬、香川、富山などでも開催があります。
家に使えない万年筆がある方や、今使っているけどどうも書きにくいと言う方は、是非行ってみてください。

セーラー社のイベント情報 http://www.sailor.co.jp/NEWS/event/index.html

感想:サマーウォーズ雑感~主人公:陣内家の皆さん~

2009-09-14 20:30:21 | その他のWeblog
 サマーウォーズまだ上映しているんですね。
某民主党の鳩山代表が連立合意後に見に行かれたというニュースで知りました。
私は友人の誘いで、8月の始めに見に行きました。

 個人的な感想としては、問題がないわけではないが、なかなか良い出来であったのではないかと思っています。

 少なくとも、時をかける少女よりは好みでした。
時をかける少女では、タイムリープなどの設定を消化しきれていなかったような嫌いがあったように感じました。
しかし、今作ではオリジナルの設定であったためか、そうした消化不良感はなかったです。
やりたいことをやったという伸び伸びした雰囲気があったように思いました。(逆に伸び伸びしすぎた嫌いもありますが。)
さらに、本作はテーマが家族であったので、その点でも好印象です。恋愛方向よりこちらのほうが好みだからです。
 サマーウォーズのMVPは、やっぱり陣内栄先生でしょう。
陣内家のリーダー(?)でもある栄さんの深い愛情は胸を打ちますね。こんな人が嫁に欲しいです。
また、栄さんは、演技のほうも抜群に優れていたように感じます。厳しさから優しさまで広く演じ分けておられたと思います。
彼女の、優しさを含んだ「あんたならできるよ。」という言葉は、現代社会ではほとんど言ってもらえないものになっていると思います。
成果をせき立てる様な「お前なら出来る。」や「お前はダメだ。」というような言葉が大半であります。
だからこそ、一層この言葉が印象に残るのであろうと感じます。
こうした優しさが、陣内家の皆さんにも受け継がれているから、ああいう暖かい雰囲気の家族になるのでしょうね。
全体的に、こうした家族の雰囲気がよく伝わってくる好印象な映画でありました。

 さて、この映画には変わったところがあります。それは、主人公の存在感が希薄であるという点です。
 本作では、主人公が陣内家を見るためのフィルターになっているという印象を受けます。私などは、主人公の名前が映画を見た直後に思い出せませんでした。(爆)
表現したい中核テーマが『陣内家の絆』(言ってると恥ずかしい…)であろう事は明白です。(栄さんと侘助さんのくだりなど。)
この陣内家の絆という点を強調するために、主人公の存在感が後退させられたのだと私は勝手に考えております。
 しかし、そうした存在感の希薄さから生じる弊害もあります。それは、主人公の行動の説得力が弱くなってしまうという弊害です。この点が、本映画の最大の問題点だと思います。
存在感を後退させるということは、その人物の心理描写を少なくしてしまうことにほかなりません。
そうしますと、その人物がある行動をとったときに、なぜその人物がその行動をとったのかという必然性が感じられにくくなってしまうのですね。
つまり、主人公がどういう性格であり、どういう思考パターンを持っているかが不明瞭であるため、主人公の行動が突発的であるように思えてしまうのであります。
具体的に言いますと、人工知能と戦う動機付けや、恋愛的な要素に説得性が欠けてしまったりするのです。
ご都合主義であるといった批判がなされるのも、この点が一つの原因ではないかと感じます。

 また、行動の説得性とも関連するのですが、主人公以外の登場人物でも、今ひとつ説得的でない行動が散見されたのはさらに残念な点ですね。例えば、個人的には、人工知能と戦うより、栄さんに関することの方が先決であろうと感じてしまいました。(劇中でそういうことを言っているキャラクターがいましたが、私はそちらに共感しました。)
私の価値観が時代遅れであるからかもしれませんが、劇中の登場人物は、インターネット世界に少し固執しすぎなのではないかという印象が拭えませんでした。
(この点に関しては、「インターネットが高度に発展しているという時代設定だから。」という理由付けは可能だと思います。しかし、田舎を舞台に設定している以上、技術発展という観点は陣内家の内部では薄められてしかるべきなのではないかと考えてしまいます。)
素直に見ればもっと感動できたのかもしれません。
しかし、登場人物と自分の価値観の乖離を感じてからは、少し冷めた目で見てしまったところがありました。

 なんかこういう風に書いてくると、良くない映画のように聞こえてしまいますね。
しかし、最初の方に書いたように、総合的にはかなり良質な映画だと思います。
脚本については、上記で述べたような説得性の問題を除けば、優れたものであったと思います。
画質は言うまでもないですが、音楽も文句なく素晴らしいです。
例えば、ロングラン決定のCMで流れている『1億5千万の奇跡』という曲は、今聴いても映画の1シーンが思い浮かんでゾクッとします。
家族系のお話が苦手な方は、感動こそ出来ないかもしれません。
しかし、それでもなお楽しめると思います。人工知能との戦いでの演出などはなかなか見ものだと思いますよ。

 いつまで公開することになるかはわかりませんが、そう長くはやらないでしょう。
完全に夏をモチーフにした映画なので、冬まで上映することは考えにくいからです。
近頃涼しくなり秋が近づいていますが、この映画で夏の終わりを感じてみてはいかがでしょうか。

他者との共生のコツを説く~『Papa told me』という漫画~

2009-08-27 20:13:55 | その他のWeblog
最近私の書棚に漫画の量が増えてきました。
元々ほとんど活字の本しか読まない人間であります。
しかし、やはり良いものは良いので、つい買ってしまいますね。
ずいぶん昔の記事で、『AQUA』『ARIA』という漫画が素晴らしいという内容のものがあったと思います。
今回取り上げるのは『Papa told me』という漫画です。
もうかれこれ20年以上、現在進行形で続いているシリーズであります。
今は27巻+2巻の計29冊出ています。最新刊が出たのが今年の4月です。

この漫画は、短編のお話が集まったような感じの構成になっています。
総論的には、父子家庭の娘さんとその父親の身の回りで起こる出来事についてのお話であるといえましょう。
さて、この漫画の主人公とされる娘さんは、的場知世ちゃんという小学3,4年生位の女の子です。
この子が、自立的かつ非常に頭の良い子なのです。こういう女の子なら是非嫁にしたいと思うほどであります。(爆)
(まあ、知世ちゃんの意中の人はお父さんだけみたいです。このお父さんがまた素敵な方なのです。)
この知世ちゃんは観察力、思考力、感受性が抜群に優れているため、身の回りの社会に対する矛盾に疑問を抱くわけですね。
例えば、父子家庭であることに対して可哀想であるとの評価を下す人間がいるとします。
こうした人間に対して、知世ちゃんは「自分は父子家庭だけれども、優しいお父さんがいて幸せである。可哀想なんかではない。なぜ可哀想などというのか。」といった趣旨のことを言うのです。
すなわち、父子家庭=不幸せという既存の価値観に対して、そうとは限らないという疑問を呈するわけですね。
『Papa told me』のほとんどの話に、こうした既存の価値観に対する、知世ちゃん(や他の人達)の疑問が挟み込まれております。
また、こうした疑問と共に、既存の価値観に縛られた人々から傷つけられる人間というのも描かれます。
ゆえに、既存の価値観に賛同しきれない人間の共感を呼ぶのであろうと思います。(ほとんどの人がそうした人間でしょうし、私もそうであります。)
漫画中で彼女が発する「『ほとんど』と『すべて』じゃまるで違うよね。」という台詞が象徴的です。

既存の価値観への疑問ということで、どちらかというとラジカルな漫画なのでしょうが、作風としてはほんわかした印象で押し付けがましくありません。
ふっと笑みがこぼれるような優しい作風で、現代の童話と評される所以であると思います。
また、自分が自明としていた事柄に対し、疑問を抱く知世ちゃんの考えに膝を打つことも多く、知的な刺激もいっぱいであります。
こうした意味で、非常に好きな漫画なのです。

この漫画を読んでおりますと、人の苦しみが生まれる理由のひとつが浮き彫りになってくるようです。
それは、ある価値観を一方的に押し付けられるというものです。
この点が『Papa told me』のお話の中の登場人物が苦しむ共通の理由になっているのです。

こうした苦しみをできるだけ引き起こすことなく、自分を守りながら他者と共存していくにはどうすれば良いのでしょうか。
私は、この漫画が①他者の価値観を尊重する。②自分なりの主体的な楽しみを持つ。という方法を提示していると考えています。
私も、こうした想像力を活用する方法には賛成であります。
憲法にも『思想・良心の自由』が規定されています。
この自由は①の大切さを踏まえて規定されたものでありましょう。さらに、②の前提となる自由でもあると思います。
劇中の知世ちゃんや他の人も、想像力を発揮して人の苦しみを感知したり、身の回りに小さな楽しみを見つけ出したりしています。

『Papa told me』という漫画は、このような想像力の大切さや、これを養う必要性を教えてくれます。
想像力を縦横無尽に使うこと、それは豊かな人生を送る重要な鍵であったのです。
豊かな人生を送りたいと思っている方は、この漫画を読まれると非常に参考になると思いますよ。(なにかの宗教みたいですな…。)
また、想像力の欠如した政策などを遂行していらっしゃる方々は、是非この漫画を読んでいただいて、その意味を汲み取っていただきたいと思いますね。


P.S この漫画には『完全版』なるものが出ています。(全3冊)
しかし、この『完全版』には、単行本版の全ての物語が収録されているわけではありません。
よって、『完全版』でこの漫画に嵌ってしまうと、『完全版』に載っていない話を読むために、改めて単行本を集めることになってしまいます。(こうなったのは他ならぬ私です…。)
したがって、金銭的に余裕のない方は、単行本の1巻から買われることをお勧めいたします。
(選び抜かれた物語を収録した『完全版』の利点も、捨てきれないところはありますが…。)

『narcissu(ナルキッソス) 3rd』4月に発売。前編プレイの感想。

2009-03-28 19:37:11 | その他のWeblog
どうも、お久しぶりです。
そろそろダージリンのファーストフラッシュの時期でありますね。
リーフルさんではもう入荷しているみたいなので、近いうちに仕入れに行こうと思います。
明日にでも行きたいという気持ちなのですが、そういうわけにもいきません。
なぜなら、風邪を引いてしまい、味がわからない状況だからです。
まず、鼻の通りが悪く、香りがわからない。味の方も甘みが感じられず…。
これでは、好みの味を選んで買ってくることができません。
ということで、ファーストはこれが直ってからの楽しみにしておきましょうかね。

さて、題名の『ナルキッソス』というのは、とあるゲームの名前です。
無料でダウンロードできるフリーゲームです。
私がプレイしたのはかなり前なのですが、内容の質に関しては、無料とは思えない出来ばえであると思います。
無料なのは、テーマの問題ではないかと思っています。
お世辞にも「娯楽的」などとは、言えないものであるからです。
最近、そのナルキッソスについて調べていたら、なんと続編が出るというのであります。
現在のところ1、2と出ていますので、続編は3作目ということになります。

個人的には、1が好きなので1の紹介をしてみます。

ナルキッソス1の物語は、自動車免許を取ってすぐの主人公の男性が、余命宣告を受ける所から始まります。
その主人公は、終末医療機関で出会った、同じく余命いくばくもないセツミという女性(女子?)と出会います。
セツミは主人公に、自分は病院で死ぬのはいやだと話します。
主人公は、取りたての自動車免許で、彼女との病院からの逃避行を決意し、決行します。
その逃避生活の結末やいかに…。
粗筋は、こういったものであります。

テキストには声もついていて、『声付き』か『声無し』かを選べます。
個人的には『声付き』がお勧めです。セツミを演じている方の雰囲気で、淡々とした感じが良く出ます。
以下、私の感想をキャラクター、音楽、シナリオの三つに分けて語っていきます。

キャラクターは、両方とも無気力な感じです。設定が設定だけに、仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。
あまりの無気力さに、恐ろしさすら感じます。
しかしその点を差し引いても、セツミは可愛いですな(爆)。ロリかついろんな事を知っている娘ってのは、私のツボであるのです。

音楽に関しても、すばらしいものが揃っていますね。
プレイ後1年以上たった今でも、サウンドトラックでほとんどの曲を聞いています。切ないような凍えるような曲は私のツボです。
無料なのに、歌まで入っているのはスゴイです。
特にriyaさんの歌う「ナルキッソス」は素晴らしい出来だと思います。
個人的に、この手のゲームの歌では5本指に入りますね。
この歌は2のオープニングテーマなのですが、1にも密接な関連があると思います。

シナリオの長さは、じっくりやって5時間くらいで終わる程度です。
内容に関しては、抽象論に留めておこうと思います。
雰囲気としては、恐ろしさ7割と寂しさ3割といった所。
無駄なテキストがなくて、淡々としています。そのせいか、登場人物の無気力な感じが際立って怖いです。
こうなってしまうと、刑法の想定する『規範による行為コントロール機能』など形無しです。
昨今の社会に望みを絶たれていく人間にも、こうしたところがあるかもしれません。
恐ろしさの性質としては、なんというか『社会崩壊』を連想させるような感じのものです。
物語のテーマは、生と死ではなく、この辺りにあるのではないかと考えてしまうほどです。
このゲームをやった後は、モヤモヤした気分が3日ほど晴れませんでした。

癖のあるゲームでしたが、忘れられないゲームです。
ちなみに2の方は少しテキストが情緒的で、恐ろしさを感じることは少なかったですね。
しかし私は、この恐ろしさこそが、ナルキッソスのテーマの中核ではないかと(勝手に)思っています。
よって、その点が1ほど徹底できてないのではないかという観点から、1の方を好んでおります。
しかし、2の物語もいい出来だと思います。そういうわけで、続編が楽しみです。

ちなみに…ナルキッソス1は、寒い中でプレイすると良いのではないかと思います。
シナリオを進めれば、なんとなく理解していただける方もいらっしゃるかもしれませんが…。

ダウンロードはこちら『ステージなな』さん

半年ぶりです。

2008-06-04 17:44:36 | その他のWeblog
更新が滞っていたなんてものではありません。
このままgooから自然に抹消されると思ったのですが、勝手に消されたりすることはないのですね。

この半年でいろいろなこともありまして、このブログをどうしようかと考えました。
閉鎖してもいいのですけど、なんだかんだいってログも溜まっているので、
情報を残しておくという意味でも存続させておこうかと思います。

ブログのタイトルを変更したのは、この半年中にあったことと関連があるのですが、
「欝」という言葉を使っているのもどうかと思ったからです。
見ていてあまり気分のいいものでもないですからね。

コンセプトは今までどおり、カオスを目指すということで(爆)、
時事問題を含めいろいろな事を書いていこうと思います。

私の近況としては紅茶三昧ですな。
訳あってリーフルの茶葉を買うようになったのですが、さまざまな茶園の紅茶を飲む機会がありました。
そんなものを紹介していけたらとも思います。

今はダージリンファーストフラッシュ(春摘み)の時期です。
何銘柄か飲んでいますので、それのレポートも掲載していきます。

相変わらずの気分屋なのでこれからどうなるかはわかりませんが、
できる限り週に一回くらい更新できたらと思っております。


しかし、久しぶりに自分の書いた紅茶レポートを読んだら、
身の毛がよだつなんて言葉じゃ片付けられないほどの恥ずかしさ(汗)。

紅茶のレポートだけでもまじめ風な文体に直そうかと思案中…。