紅茶の一期一会

紅茶歴(だけは)10年以上の管理人が、
主に、購入した紅茶の感想を書いています。

ペンクリニック(セーラー)に行ってきました。

2009-09-30 22:23:36 | その他のWeblog
先日ペンクリニックに行ってまいりました。
『ペンクリニック』ってのは馴染みがない言葉かもしれません。
簡単に言いますと、無料で万年筆のメンテナンスをしてくれるイベントのようなものです。

万年筆はインクの出が悪くなったり、ペン先がうまく動かなくなったりすることがあります。
そうすると書けなくなったり、書き出しや書いている途中にかすれたりするわけです。
それを、いい状態に調節してくれるイベントがペンクリニックなのですね。(略してペンクリ。)

今回行ったペンクリの開催はセーラー社ですが、どこのメーカーの万年筆でもやってくれます。
百貨店や、大きな文具店でたまに開催しています。今回行ったのは東急ハンズでした。

写真は今回見てもらった万年筆です。
『221』という刻印があります。中古で譲り受けたものです。
シャープかつエレガントなデザインで、すごく気に入っています。
実はペン先はもっと大きいのですが、黒いペン軸に覆われてこれだけしか見えないのです。
しかし、この金のシルエットがまた非常に美しいと思います。チラリズムの極致ですね。

ペリカンの赤インクを入れて、添削に使っていました。
しかし、インクの出が悪くなってしまったのです。

ペン先を押さえつけないとインクが出ないというのは、万年筆本来の姿ではありません。
つまり、尻軸をつまんでペン先を紙に置き、万年筆の重さだけでスーッと紙の上を滑らせてみて、インクが出てこないような状態です。
こういう万年筆は、調整するとすごく書きやすくなります。
(また、ペン先を押し付けて書いているのは、ペン先にとってもあまりいい事とは言えません…。)

早速見てもらうべく会場に行くと、人は全くおらず、すぐにやってもらえました。
調整をして下さったのはセーラー社の川口先生。
「これはいいペンです。」と褒めて下さりました。恐縮です。

調整と言っても、ペン先を目の細かい紙やすりみたいなものですりすり擦るような感じです。その間2,3分。
それだけでインクフローが復活し、書き味も心地よくなりました。素晴らしいです。しかし…不思議です。

その後はもちろん東急ハンズで買い物をさせていただきました。
買ったのは些細なものですが、無料でやってもらうにはあまりに申し訳ないですからね。

東急ハンズ名古屋店での開催は終わってしまいましたけれども、2週間後くらいに名古屋の丸善で開催されるようです。
また、名古屋以外では、東京や群馬、香川、富山などでも開催があります。
家に使えない万年筆がある方や、今使っているけどどうも書きにくいと言う方は、是非行ってみてください。

セーラー社のイベント情報 http://www.sailor.co.jp/NEWS/event/index.html

リーフル ダージリン 2009 2nd サングマ農園 DJ-137 チャイナムスク

2009-09-27 07:37:30 | ダージリン
 今日は紅茶レポートです。今年初めて買ったセカンドダージリンであります。

『サングマ農園チャイナムスクDJ-137』

リーフルさんのお茶。30g1575円。
茶葉は、茶褐色でゴールデンチップがちらほらあるといったような感じのもの。

水色は茶のかった橙色。
芳醇でフラワリーな香り。香りの量が非常に多い。カップに注ぐと辺りに広がります。
若干のパインアップルのようなフルーティーな甘み。ハーブや薔薇の花のようなニュアンスもある。
去年のサングマヤマダバリを控えめにしたような印象。
甘みが旨みとうまく溶け合って渾然一体となっている。この当たりはお茶作りの妙を感じさせます。
丸みを帯びた渋みがある。ただひたすらに優しい味わい。バランスもよい。非常に癒されます。
全体的にジューシー。ほのかに漂うフラワリーな後味が心地いいです。

感想:サマーウォーズ雑感~主人公:陣内家の皆さん~

2009-09-14 20:30:21 | その他のWeblog
 サマーウォーズまだ上映しているんですね。
某民主党の鳩山代表が連立合意後に見に行かれたというニュースで知りました。
私は友人の誘いで、8月の始めに見に行きました。

 個人的な感想としては、問題がないわけではないが、なかなか良い出来であったのではないかと思っています。

 少なくとも、時をかける少女よりは好みでした。
時をかける少女では、タイムリープなどの設定を消化しきれていなかったような嫌いがあったように感じました。
しかし、今作ではオリジナルの設定であったためか、そうした消化不良感はなかったです。
やりたいことをやったという伸び伸びした雰囲気があったように思いました。(逆に伸び伸びしすぎた嫌いもありますが。)
さらに、本作はテーマが家族であったので、その点でも好印象です。恋愛方向よりこちらのほうが好みだからです。
 サマーウォーズのMVPは、やっぱり陣内栄先生でしょう。
陣内家のリーダー(?)でもある栄さんの深い愛情は胸を打ちますね。こんな人が嫁に欲しいです。
また、栄さんは、演技のほうも抜群に優れていたように感じます。厳しさから優しさまで広く演じ分けておられたと思います。
彼女の、優しさを含んだ「あんたならできるよ。」という言葉は、現代社会ではほとんど言ってもらえないものになっていると思います。
成果をせき立てる様な「お前なら出来る。」や「お前はダメだ。」というような言葉が大半であります。
だからこそ、一層この言葉が印象に残るのであろうと感じます。
こうした優しさが、陣内家の皆さんにも受け継がれているから、ああいう暖かい雰囲気の家族になるのでしょうね。
全体的に、こうした家族の雰囲気がよく伝わってくる好印象な映画でありました。

 さて、この映画には変わったところがあります。それは、主人公の存在感が希薄であるという点です。
 本作では、主人公が陣内家を見るためのフィルターになっているという印象を受けます。私などは、主人公の名前が映画を見た直後に思い出せませんでした。(爆)
表現したい中核テーマが『陣内家の絆』(言ってると恥ずかしい…)であろう事は明白です。(栄さんと侘助さんのくだりなど。)
この陣内家の絆という点を強調するために、主人公の存在感が後退させられたのだと私は勝手に考えております。
 しかし、そうした存在感の希薄さから生じる弊害もあります。それは、主人公の行動の説得力が弱くなってしまうという弊害です。この点が、本映画の最大の問題点だと思います。
存在感を後退させるということは、その人物の心理描写を少なくしてしまうことにほかなりません。
そうしますと、その人物がある行動をとったときに、なぜその人物がその行動をとったのかという必然性が感じられにくくなってしまうのですね。
つまり、主人公がどういう性格であり、どういう思考パターンを持っているかが不明瞭であるため、主人公の行動が突発的であるように思えてしまうのであります。
具体的に言いますと、人工知能と戦う動機付けや、恋愛的な要素に説得性が欠けてしまったりするのです。
ご都合主義であるといった批判がなされるのも、この点が一つの原因ではないかと感じます。

 また、行動の説得性とも関連するのですが、主人公以外の登場人物でも、今ひとつ説得的でない行動が散見されたのはさらに残念な点ですね。例えば、個人的には、人工知能と戦うより、栄さんに関することの方が先決であろうと感じてしまいました。(劇中でそういうことを言っているキャラクターがいましたが、私はそちらに共感しました。)
私の価値観が時代遅れであるからかもしれませんが、劇中の登場人物は、インターネット世界に少し固執しすぎなのではないかという印象が拭えませんでした。
(この点に関しては、「インターネットが高度に発展しているという時代設定だから。」という理由付けは可能だと思います。しかし、田舎を舞台に設定している以上、技術発展という観点は陣内家の内部では薄められてしかるべきなのではないかと考えてしまいます。)
素直に見ればもっと感動できたのかもしれません。
しかし、登場人物と自分の価値観の乖離を感じてからは、少し冷めた目で見てしまったところがありました。

 なんかこういう風に書いてくると、良くない映画のように聞こえてしまいますね。
しかし、最初の方に書いたように、総合的にはかなり良質な映画だと思います。
脚本については、上記で述べたような説得性の問題を除けば、優れたものであったと思います。
画質は言うまでもないですが、音楽も文句なく素晴らしいです。
例えば、ロングラン決定のCMで流れている『1億5千万の奇跡』という曲は、今聴いても映画の1シーンが思い浮かんでゾクッとします。
家族系のお話が苦手な方は、感動こそ出来ないかもしれません。
しかし、それでもなお楽しめると思います。人工知能との戦いでの演出などはなかなか見ものだと思いますよ。

 いつまで公開することになるかはわかりませんが、そう長くはやらないでしょう。
完全に夏をモチーフにした映画なので、冬まで上映することは考えにくいからです。
近頃涼しくなり秋が近づいていますが、この映画で夏の終わりを感じてみてはいかがでしょうか。

リーフル アッサム 2nd 2009 マンガラン農園 リーフタイプ

2009-09-10 21:34:33 | アッサム
紅茶のレポートです。今日はダージリンではなくアッサムです。

『アッサム マンガラン農園 リーフタイプ』

リーフルさんの茶葉。
アッサムのフルリーフ(リーフが砕かれていないもの)は珍しいですね。
50g945円と、アッサムとしてはかなり高額な部類に入ります。
茶葉は、黒褐色のものにゴールデンチップがちらほらあるという感じのもの。

3g300ccの5分蒸らしで淹れました。

水色は深い紅色。
まず漂うのは蜜のような香り。香りの量は多い。
飲むと強い甘みを感じます。渋みや舌へのざらつきは皆無です。
アッサムとは思えないほどの、穏やか、まろやか、滑らかな味わい。
蜜のような風味に、微かに爽やかな白い花のようなニュアンスがある。それにウッディーな感じも少々。
また、旨みも十分ある。テイストは重すぎず、適度なとろみがあるような感じ。
どこかが飛び出したりしないバランスの取れた味。
後味は、仄かにフラワリーな蜜の味わい。
冷めても雑味が感じられず、ストレートでゆっくり味わえる稀有なアッサムと言えましょう。

しかし、ミルクティーも絶品です。蜜や洋酒のような風味が漂う上品な味わいになります。これは素晴らしい。
こんなミルクティーが味わえるなら50g945円は安いと思います。個人的には砂糖を多目に入れて飲むのが好みです。

リーフル ダージリン 2nd 2009 リシーハット農園 DJ-138 チャイナクローナル

2009-09-03 22:11:59 | ダージリン
久しぶりの紅茶レポートです。
私の今年のセカンド初めはサングマDJ-137だったのですが、そのレポートを書く間のないうちに友人からリシーハットの茶葉をいただきました。(I君に感謝!)
自分で納得するまで試飲して楽しむのもいいですが、たまにはまったく知らないお茶をいきなり飲んでみるというのも面白いものですね。
ということで、この茶葉をレポートしていきたいと思います。

『リシーハット農園DJ-138チャイナクローナル』

リーフルさんの茶葉。30g1260円とリーフルさんのラインナップの中では安価な部類に入ります。
茶葉は、黒っぽい色をしたもので、シルバーチップが若干覗くようなもの。

3g300cc蒸らし5分で淹れました。

水色は赤みがかった橙色。
香りはフルーティーな中に若干の焙煎香があるという感じ。非常に芳醇。
切り込むような渋み。もちろん後には引かない。若々しくキリッとした渋みが旨みに変わるような感じ。
セカンドフラッシュのダージリンらしい風味とも言えるかも。
タンニンのような感じのコクがある。舌にしみこむような旨みで好み。
旨みがしっかり舌に保持され、満足感は高い。
風味はフルーツ系。桃のような風味がある。個人的にこの風味は好きですね。甘みもまずまずある。
全体的に、すっきりとしたキレのある味わいだと思う。
後味は、桃のような感じに、僅かに柑橘系のニュアンスがあるようなもの。

冷めると渋みが強まり、若干刺激的な味わいになる。ムスクのような後味。
何かを食べながらだと気にならない。むしろこの味の強さが、食べ物に負けず、食べ合わせが良い。
私はマーガリンを塗ったパンとの組み合わせが好み。

コストパフォーマンスはなかなか高いと思います。