美しい光景が眼下に広がる。
一緒に食事をした同僚も漏らしていたが、
広島って、つくづく川と橋の街だなあって思う。
そんな美しい広島だが、私は特に愛着はない。
かれこれ25年間住んでいるのだが、好きにも嫌いにもならない。
この街で長く過ごしながら、自分自身、よそ者って感じがする。
何故?と自問した時、
「小学校の大半を福山ですごした」とか、
「中学、高校は、一時間以上かけてよそに通っていた」とか、
「一番楽しい大学生活を東京で過ごした」などの理由付けがそこかしこに。
どれも当たっているようだが、さりとて決定的とも思えない。
いろいろと考える中で、「これかな?」と思えるのが一つある。
それは、私の中の「帰属意識」の薄さである。
例えば出身校への愛情が皆無な私。連帯感のかけらもない。
20年勤める今の会社も、「食い扶持」という以外に、
結局、私にとって大切なのは、仲間内のごく数人なのだろう。
それ以上の事は手におえないし、手を出そうとも思わない。
即物的なものにしか価値を見出せない、そんなキャパの小さな人間なんだろうなあ。
まあそれでも最近は、そんな「仲間内」が増加傾向にあるような気もするが…。
なぞと、ふにゃふにゃ心をめぐらせながら食べたヴィアーレのイタメシ。
それはそれで、やっぱりおいしゅうございました(岸朝子風)。