年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

スーツのこと

2016-07-15 20:23:01 | Weblog

 いつの日だったか、大阪で銀行員であった叔父が叔母から洋服のことで度々話題にしていたことを覚えている。それは、男は紺のスーツで始まり紺のスーツで終わる・・んだということを。何しろ先月も母親のお見舞いに不自由な身体をおして家族3人で入院するベッド脇に来て頂いたが、その叔母がよく昔から言ってたことに、うちのオトーサンは年が行っても普段着が似合わない、スーツが一番よく似合う人・・などとよく聞かされたものである。だから叔父が銀行を終える時に大量のスーツが残り、叔母からアンタ捨てるのモッタイナイから着てよ・・などと云って大量にまだ新しいいろんな色のスーツを送ってもらったことがあった。はるか昔のことではあるが・・。上着はピッタリでもズボンは短く補正をして着用させてもらった。
 で、何を思ったのか。突然、大学を卒業して最初に働いた時の服装は紺のスーツだったから、終わりとして叔母に教わった通りに紺色の夏のスーツを買おう・・などと思いついた。これが自分の仕事人生最後のスーツ購入となるやろう・・と頭痛と吐き気が治まった奥さんと連れだってショッピング。百貨店めぐりとなる。大型スーパーにしろ百貨店にしろ専門店にしろみんな何を買いに来てるんやろ・・の買い物客の群れを見ながら大きな疑問が毎度のことで湧いてくる。ナニしに来てるんやろか、と。

 顔は軽い笑みをたたえ、腹の中は、この客ものにしたるで~のオーラを発散させながら私どもに近寄る慇懃な態度の物腰が何となく顔と似つかわない感じの40過ぎの女売り子さんが近寄ってくる。ジーパンTシャツのズック靴スタイルの自分と杖を両手に持ち帽子を目深くかぶり、バッグを肩からたすきにかけた奥さんの二人に、あまり大きくない声で、どのようなものをお探しでしょうか・・と言い寄って来た。

 はっきりと告げる。仕事人生の最後の紺スーツを求めたい、濃紺の細いストライプの線が入って軽いもの。。ただし夏の2シーズン以上は多分着ることはないだろうから、そのレベルのもの、但し予算は〇万円程度。などと告げた。すると慇懃な態度にも若干無礼な感じのする女店員が、いや・・何年もこの品であれば着用できますよ~と甘ったれた声で云ってくる。イヤ2年でエエのです。自分の仕事人生は何年も残っていることはないだろうから、紺で始まり濃紺で終わりたいんです、これが終紺です。といっても理解してくれない様子、私たちが来るまでは暇を持て余したような仕種であった女店員さんに、ジャまた、と商品説明を打ち切ってもらうことにした。

 この買物を急に思いついたのは奥さんが、みんなの前でお喋り会をするのにヨレヨレの格好では嘘っぽい・・せめて講演の中身の薄さをスーツでカバーしてみるとエエのではないか・・と貴重なご意見があったので思いついたまま。昨日の採用面接会に来ていただいた人から、また講演を頼まれてしまったワケ。断りを入れたが押し切られてしまった。今までは地元人材派遣会社の人と契約していたが杓子定規の話が多く人気がないようで・・反面、アンタはずっこけの話が面白いから、人を集めるので喋れよ・・と。更生保護関係でだと。毎月2回は90分と60分のお喋り会を持っているので精一杯、本当はこれ以上増やしたくはないのが本音。少しずついろんなものに幕を降ろす準備をしなければならないと思っている今日このころ。