後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

トランプ氏の大統領令からアメリカ人の本音が見えて来る

2017年01月28日 | 日記・エッセイ・コラム
トランプ氏が次々に大統領令にサインして選挙運動中の発言を実行に移そうという姿勢を鮮明にしています。実行出来るか否かは議会の承認にかかっていますからその実効性はまったく不明です。
しかし次々と出される大統領令を見るとアメリカ人の感情的な本音が見えてきます。本音が分かることは実に興味深いことです。
アメリカは従来の理想主義を止め、理性を捨てて、恥も外聞も無く本音を言い出したのです。これはアメリカの文化を理解するうえで大変助けになることです。
そこで今日は幾つかの大統領令が明らかにしている本音を描き出してみたいと思います。

(1)TPPからの脱退
一部のアメリカ人は昔から国連のような国際協調主義が嫌いなのです。国際外交は自分が決めるもので国連に指示されるべきではないと考えています。この考え方の延長に太平洋地域の多国間の経済関係を集団で取り決めようとする国際協調が嫌なのです。それはアメリカが主導権を持って2国間だけで決めるべき問題なのだ。これがアメリカ人の本音なのです。

(2)メキシコ国境に壁
アメリカは昔のメキシコとの戦争に勝利し、カルフォルニア、テキサス、ニューメキシコ、などの南部諸州をアメリカの領土にしました。
しかしそこにはメキシコ文化が残りメキシコ人にとって住みよい場所になっています。
中西部の保守的なアメリカ人は二言目には、「メキシコ人が職場を奪う!」と言って差別してきました。
失業率が高くなると必ずのようにうに「メキシコ人が職場を奪う!」という声が高くなるのです。
その上、アメリカでは車の運転免許さえ手に入れば生活上の身分証明書になり困らないのです。人を雇う時は車の免許だけで多くの場合良いのです。そして実はメキシコ経由で南米の国々からの不法入国も多いのです。トランプ氏の大統領令でメキシコ国境に壁を作ることはアメリカ人の南米人差別の本音でもあるようです。「トラブルメーカーのメキシコ人を締め出せ!」がアメリカ人の本音です。

(3)オバマケアの廃止
アメリカ人の多くは医療保険は個人が保険会社から買うもので、国家が与えてはいけないという考えがあります。それが本音です。
貧乏人は高価な医療保険が買えません。ですからガンになっても高価な治療が受けられません。死んで行く他ありません。
それが嫌なら努力して金を稼ぎ高価な医療保険を自分で買うべきです。このような個人の努力が豊かなアメリカを作っているのです。
日本のように75歳以上になると全員医療費1割という制度などトンでも無いことです。このこのような平等すぎる全員医療費1割という制度は絶対にアメリカ人には賛成できません。これがアメリカ人の本音なのです。

(4)日本は見たことも無い巨大な船で車を運んでアメリカで自由に売っている!
その感情論は本音です。日本では確かにアメリカ車の関税はゼロです。しかし日本の安全基準や排ガス規制に合格しないとどんな車でも売ってはいけません。この日本の安全基準や排ガス規制は日本の車に合わせて作っているのでアメリカ車が排除されるのです。これがアメリカ人の本音です。なにせ感情論ですから日本の駐車場の狭さや道路の狭さもアメリカ車の締め出すためだと見るのでしょう。

(5)米軍基地の費用は100%、日本が払え!70%では足りない!
アメリカ軍が日本まで行って駐留し日本を中国と北朝鮮の攻撃から守ってやっているのだから、当然その費用は全額支払うべきだという感情的本音なのです。
日本人は駐留米軍の人件費や消耗品の費用だけを考えていますが、アメリカ人の本音は別かもしれません。
アメリカ軍の先端的な戦闘機や戦車や原子力潜水艦の膨大な開発費も日本は応分に負担すべきだという本音が背景にあるかも知れません。
そこまでは流石に要求しないでしょうが「次世代戦闘機の共同開発」といような名目で日本の出費が要求されるのではないでしょうか。

他にもいろいろありますが、長くなりましたの今日はこのへんにします。誤解しないでください!アメリカ人の本音に賛成しているわけではありません。絶対反対です。そのことは別の記事で書きます。

今日の挿し絵代わりの写真は多摩川上流の冬景色です。一昨日撮ってきました。


それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)










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