後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日本の天皇制を考える(1)何故、天皇は自由に辞められないか?

2017年07月06日 | 社会・経済
日本の天皇制は大和朝廷から続く世界に類を見ない日本独特の文化です。日本の文化的土壌に育った制度です。
それは中國の頻繁に交代する帝王ともヨーロッパの王様とも違う性質を持っています。
そこでこの日本民族が守っている天皇制というものを連載しながら考えて見たいと思います。
その第一回目は「何故、天皇は自由に辞められないか」という問題を取り上げたいと思います。

しかしそんな理由は知っているという方々や、天皇制に興味が無いという方々のために、はじめに珍しい花々の写真をお送りします。
写真と説明文は、『KITAHOのデジカメ散歩」( http://kitaho321.blog25.fc2.com/)から引用しました。
特にKITAHOさんの説明文を丁寧に読むと『KITAHOと花の世界』がしみじみと見えて来ます。ご一読下さい。

1番目の写真は西洋ニンジンボク(Vitex agnus castus )です。 4年ほど前に、挿し木苗を作り、八ヶ岳山麓の別荘に植え込みました。今は、背丈以上にも生長し、爽やかなスカイブルーを魅せています。 次回、別荘に行く際には、きっと爽やかなスカイブルーの彩りを見ることができることと思います。
クマツヅラ科の西洋ニンジンボク(Vitex agnus castus )は耐寒性低木 落葉樹で、地中海、南ヨーロッパから西アジアに分布しているものです。

2番目の写真はブル-の花、瑠璃色の美しいカタナンケの花です。和名もルリニガナ(瑠璃苦菜)と言います。
キク科なのですが、半透明の総苞片が珍しく、ここも魅力的なものです。
 今でこそ、苗の販売も目に付くようになりましたが、5年ほど前には躍起になって探し回りましたが、見付けることが出来ず、『じゃあ・・・種から育ててやるぅ~』と、イギリスのJonsons Seedsにお願いしたのを覚えています。

3番目の写真は東南アジアの洋ラン原種、Cirrhopetalum longiflorum 'Tokyo'  シルホペタラム ロンギフローラム ‘トーキョー’ というランの花です。

4番目の写真はハンゲショウの白くなった花です。夏至から数えて11日目・・・今日が7月2日。この日を半夏生と言います。
じつは・・・話の種にとドクダミ科 片白草(カタシログサ)を育てています。
このカタシログサは、ハンゲショウとも呼ばれ、6月小下旬頃から上部の葉が白変化するのが美しく、鑑賞価値ゼロのような、穂状の小さな花を付けます。 律儀に7月2日の半夏生の日を目指して白変化するというおもしろさがあります。
このカタシログサは水が好きで、大きな鉢植えで、腰水栽培をしています。

5番目の写真はオオタカネバラ(Rosa acicularis)の花です。別荘の傍の野山で撮った写真です。

さて花の話は終りにして、「何故、天皇は自由に辞められないか」という問題を取り上げたいと思います。
結論を書けば、天皇が辞めていなくなれば、総理大臣や閣僚を任命する人がいなくなり、政府が瓦解するからです。
現在の憲法にそう明記してあるのです。
日本国憲法における天皇に地位と役割は以下のように書いてあります。
日本国憲法第1条は、天皇を日本国と日本国民統合の「象徴」と規定してあります。その地位は、主権者(主権在民)たる日本国民の総意に基づくものとされ(前文、第1条)、国会の議決する皇室典範に基づき、世襲によって受け継がれる(第2条)ことと書いてあります。
天皇の職務は、国事行為を行うことに限定され(第7条)、内閣の助言と承認を必要とする(第3条)ことになっています。
しかし国政に関する権能を全く有さない(第4条)のです。ですから天皇は政治的発言をしてはいけないのです。
現行憲法においては、実質的な(=内閣総理大臣が行使する行政上の)権限がない点で明治時代に出来た帝国憲法と非常に異っています。ですからこれを「象徴天皇制」というのです。

天皇の地位については以下のように書いてあります。
日本国と日本国民統合の「象徴」とされ、主権の存する日本国民の総意に基づくものとされる。
天皇が「元首」・また「君主」であるのか否か議論があるが、日本は外国からは、立憲君主制をとる国の1つと見られ、天皇は、諸外国から「君主」として扱われているのが実情です。

さて天皇は日本国憲法の定める国事を行うとされているが、それでは天皇の行う国事行為はどのようなものでしょうか?以下の通り。
それを以下に示します。
国会の指名に基づく内閣総理大臣の任命。
内閣の指名に基づく最高裁判所長官の任命。
憲法改正、法律、政令及び条約の公布。
国会の召集。
衆議院の解散。
国会議員の総選挙の施行の公示。
国務大臣や、その他の官吏の任免の認証。
外国への全権委任状、派遣する特命全権大使・特命全権公使の信任状の認証。
大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の認証。
栄典の授与。
批准書、条約など外交文書の認証。
外国の大使、公使の接受。
儀式を行うこと。
この他皇居内での斎事、各種団体大会への出席、地方での公務などなどもあります。
これらの天皇の国事行為は、内閣の助言と承認が必要とされ、内閣がその責任を負う(輔弼と同義)。

ここで驚くべきことは国事の種類と数が多いことです。これでは天皇が忙しくてお疲れになるのが理解出来ます。
そして上記のように、
国会の指名に基づく内閣総理大臣の任命。
憲法改正、法律、政令及び条約の公布。
国会の召集。
衆議院の解散。
国務大臣や、その他の官吏の任免の認証。

したがって天皇が急に辞めて居なくなったら日本政府の機能が崩壊してしまうのです。
ですから国会は慌てて天皇の生前退位に関する法律を作り日本政府の機能が崩壊するのを防いでいるのです。

さて皆様、天皇は個人の意思で高齢になったら引退出来るようにした方が良いでしょうか?
天皇の職務である国事が多過ぎるとお思いになりませんか?
日本の天皇制ははたして必要でしょうか?
私は天皇制はその伝統文化的な価値が素晴らしいと思っています。ですから国事を含めて過剰に負担をおかけすることはひかえるべきと思っていますが、皆様はどのようにお考えでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

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