さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】週刊古代文明86

2008-10-10 23:54:06 | 読書録
週刊古代文明の表紙は、ギリシャ彫刻が飾っていることが多い。だが86巻の表紙を飾るこの強烈な顔は一体何?

答えは、これもギリシャ彫刻なのである。奴隷をあらわす紀元前2世紀のギリシャ喜劇の仮面だという。妙に印象的で胸にずしんと響いてくるようなインパクトを持つ仮面ながら、同時に親しみも感じられるのは何故か?

私はふと、日本の古代の伎楽面のことを思い出した。伎楽面を現在のイランの人に見せると、「自分達のおじいさんの顔を見ているような気がする」という反応が返ってくるという。伎楽は中国から伝わったが、そのルーツは西域やギリシャにもたどっていけるという。私はこの奴隷の面を見た時、ひょっとしてコレと伎楽面は兄弟のようなものではないのか・・・という気がして、心を揺さぶられるような気がした。鬼瓦にも似てるなぁ。遠いギリシャ喜劇の面なのに、異文化のニオイを感じない。

さて、この巻でもう一つコメントしたいのは、新羅の英雄、金庾信。百済と高句麗を滅ぼし、朝鮮半島を統一に導いた男だ。

金庾信は79歳で亡くなったそうだが、当時としては随分長生きだ。彼の生きた595年から673年という年代を日本史に当てはめれば、聖徳太子が摂政になった頃から壬申の乱までがすっぽりと入る。日本古代史で言えば主役がコロコロ変わった激動の時代、金庾信は活躍し続けていたわけだ。

百済や高句麗を滅ぼした後、唐を半島から追い出すわけだが、旧百済・高句麗の人達も新羅側に立って唐と戦ったという。ここらへん現代にも通じる半島統一への思いを感じるなぁ。「朱蒙」が古朝鮮の復活を志して漢と戦っている姿とダブるなぁ。
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