旅の最後に、浜松の楽器博物館に行ってきましたよ。
入るなり、こんな楽器たちに出迎えられるところです。
何と、楽器の撮影は自由。またイヤホンガイドを貸してくれて、展示品のごく一部だけれど、80種類の楽器の音色や説明を聴くことができます。またそれ以外にも、映像や、展示場所に設置してあるヘッドホンなどにより、その楽器を使った演奏の様子を知ることができます。
一度には語れないし、何から語っていいかわからないけれど、まずは今回私にとってサプライズの多かった鍵盤楽器および鍵盤状のものがついている楽器について、まとめてみたいと思います。
まずはチェンバロから。
チェンバロっていうと鳥の羽軸で出来たもので、弦を引っ掻くことにより音が出るというのは有名ですが、その鳥の羽軸がどんなふうにセットされているのかというと、
黄色い矢印の先にあるでっぱりがそれ。ちなみにこの部分ピンクの〇の部分から引っこ抜いたものです。
ひゃぁぁからこれはデリケートですね。すぐ悪くなっちゃったりしませんかね・・と聞くと、やはりささくれなどができやすいそうだ。最近ではプラスチックのものも出てきているとか。
チェンバロは、強く鳴らしても弱く鳴らしても音量が変わらないことでも有名ですよね。でも、先人たちは少しは変えられるよう、涙ぐましい努力をしてきたのです。この写真のチェンバロはイタリア製ですが、チェンバロの横から何か紐のようなものを引っ張っていますよね。
すると、鍵盤を押して上がってくる、弦をはじく機能をもつ部分が左右に少しずれ、弦を二本時間差で鳴らせるようになります。鍵盤をゆっくり押すと「チャチャン」という風に二回鳴っているのが分かりますが、鍵盤を早く押せば音が大きくなったように聞こえます。
このイタリア製チェンバロにはもう一つ工夫があって、最低音部のキー配列が違うんです。
白鍵6つと黒鍵2つでドレミファソラシドが弾けるんです。こういうのショートオクターブというそうですが、小さい楽器で音域を広げようとしたのでしょうか。ハーモニカで言えば、まるでブルースハープがやってるような処理ですね。
チェンバロはフランス語ではクラヴサンと呼ばれますが、これはフランス革命前夜に作られたものだそうで、めちゃくちゃゴージャスですね。まるで美術工芸品のようです。
こっちのチェンバロは、エレクトーンみたいに上下に鍵盤がありますね。(しかも黒白反転してるし。)
なお、チェンバロと同様に弦をはじく鍵盤楽器で、ヴァージナルとスピネットというものがあります。(広義ではチェンバロに分類されるが)
こっちがヴァージナル。
こっちがスピネット。
こっちはクラビコードで、チェンバロと違って弦を叩いているわけですが、チェンバロより音量が猛烈に小さいのには驚きました。
これはオルガン。中高時代、音楽室に同じようなレバー付きの足踏みオルガンがあって、めちゃくちゃ遊びましたねぇ。
これはチェレスタ。弦じゃなくて金属片を叩く楽器ですが、見かけは他の鍵盤楽器と変わらないので、チェレスタだって教えてもらわないと絶対わかんないですよね。
ダンパーは1つしかないので、ピアノじゃないな・・とは思うんですが。
これは誕生したばかりのピアノの復元品です。ピアノは1700年ごろにメディチ家に仕えていたバルトロメオ・クリストフォリという人が考案したのが始めらしく、そのクリストフォリが作ったピアノの復元品が展示されていました。
これは楽しいですよ・・太鼓付きピアノ。
足ペダルが4本、ひざ用のペダルが鍵盤の下に2個ついていて、演奏しながらドラムに似た音が出せるようにしてるんですね。まさしく現代のエレクトーンなどにも通じる考え方を電子技術なしで実現している楽器ですね。トルコの軍楽に影響されて出来た楽器とのこと。このピアノでモーツァルトやベートーヴェンのトルコ行進曲を弾いたら、猛烈に雰囲気出そうです。
これはちょっと心をあっちの世界に持っていかれました。ロール紙を使った自動演奏ピアノです。
そのロール紙、こんなデリケートなものなんです。名演奏家に演奏してもらったものをもとにロール紙を作るんだそうで、演奏された音に対応してインクで印をつける装置が別途存在し、そのインクに沿って紙に穴をあける職人さんがいて、実際の自動演奏時には、その穴に向かって空気を吹きかけ、穴を通過した空気をハンマーアクションに変換する・・・というようなことをやっているようです。実際私が聴いた自動演奏は、一部伴奏の音が転んでいるように聞こえましたが、穴をあける人がインクからちょっと前にズレた位置に切り込みを入れてしまったのでは・・などと思いました。
これは鍵盤楽器じゃないですが、ついでなんで。鍵盤は弦を抑えて音高を変えるために存在するので、大正琴みたいな発想ですね。ハーディーガーディーの音、想像していたよりもオルガンに近いです。フランスで人気が出た楽器のようですが、言われてみればパリの街角で見たアコーディオンおじさんが奏でていた音楽と似たような演奏になってました。
これは、逆に楽器をはじくために付けられた鍵盤ですね。まるでギターに歯がついて笑っているように見える楽器です。弾いてみたいですね・・こんなの。
弾いてみたい・・といえば、この博物館、体験ルームがあるんです。一般人が触って差し支えなさそうなものがおいてあるんですが、ちょうど私一人貸し切り状態。
ついつい昔懐かしいリードオルガンに足が向いてしまいました。我々が幼稚園の頃や、小学校1・2年の頃は、教室ごとにリードオルガンがあったのですよ。
実は父もリードオルガンを持っていたので、子どもの頃、ピアノを買ってもらう前は、そのオルガンでよく遊んでいました。
ちょうど、浜松市の歌の楽譜がのっていたので、音取りがてら、リードオルガンで弾いてみましたよ。弾いてて全然違和感なく、まだ自分に感覚が残っていることが分かりました。50年くらい前の楽器・・・つまり私と人生もろかぶりの楽器ですが、まだまだ元気でイイ音ですねぇ~私みたいに。
ということで、何十年ぶりでしょ・・リードオルガンなんて弾いたの。オルガンの振動が自分の身体の中に入ってくるような、大変心地の良い気分になりました。
入るなり、こんな楽器たちに出迎えられるところです。
何と、楽器の撮影は自由。またイヤホンガイドを貸してくれて、展示品のごく一部だけれど、80種類の楽器の音色や説明を聴くことができます。またそれ以外にも、映像や、展示場所に設置してあるヘッドホンなどにより、その楽器を使った演奏の様子を知ることができます。
一度には語れないし、何から語っていいかわからないけれど、まずは今回私にとってサプライズの多かった鍵盤楽器および鍵盤状のものがついている楽器について、まとめてみたいと思います。
まずはチェンバロから。
チェンバロっていうと鳥の羽軸で出来たもので、弦を引っ掻くことにより音が出るというのは有名ですが、その鳥の羽軸がどんなふうにセットされているのかというと、
黄色い矢印の先にあるでっぱりがそれ。ちなみにこの部分ピンクの〇の部分から引っこ抜いたものです。
ひゃぁぁからこれはデリケートですね。すぐ悪くなっちゃったりしませんかね・・と聞くと、やはりささくれなどができやすいそうだ。最近ではプラスチックのものも出てきているとか。
チェンバロは、強く鳴らしても弱く鳴らしても音量が変わらないことでも有名ですよね。でも、先人たちは少しは変えられるよう、涙ぐましい努力をしてきたのです。この写真のチェンバロはイタリア製ですが、チェンバロの横から何か紐のようなものを引っ張っていますよね。
すると、鍵盤を押して上がってくる、弦をはじく機能をもつ部分が左右に少しずれ、弦を二本時間差で鳴らせるようになります。鍵盤をゆっくり押すと「チャチャン」という風に二回鳴っているのが分かりますが、鍵盤を早く押せば音が大きくなったように聞こえます。
このイタリア製チェンバロにはもう一つ工夫があって、最低音部のキー配列が違うんです。
白鍵6つと黒鍵2つでドレミファソラシドが弾けるんです。こういうのショートオクターブというそうですが、小さい楽器で音域を広げようとしたのでしょうか。ハーモニカで言えば、まるでブルースハープがやってるような処理ですね。
チェンバロはフランス語ではクラヴサンと呼ばれますが、これはフランス革命前夜に作られたものだそうで、めちゃくちゃゴージャスですね。まるで美術工芸品のようです。
こっちのチェンバロは、エレクトーンみたいに上下に鍵盤がありますね。(しかも黒白反転してるし。)
なお、チェンバロと同様に弦をはじく鍵盤楽器で、ヴァージナルとスピネットというものがあります。(広義ではチェンバロに分類されるが)
こっちがヴァージナル。
こっちがスピネット。
こっちはクラビコードで、チェンバロと違って弦を叩いているわけですが、チェンバロより音量が猛烈に小さいのには驚きました。
これはオルガン。中高時代、音楽室に同じようなレバー付きの足踏みオルガンがあって、めちゃくちゃ遊びましたねぇ。
これはチェレスタ。弦じゃなくて金属片を叩く楽器ですが、見かけは他の鍵盤楽器と変わらないので、チェレスタだって教えてもらわないと絶対わかんないですよね。
ダンパーは1つしかないので、ピアノじゃないな・・とは思うんですが。
これは誕生したばかりのピアノの復元品です。ピアノは1700年ごろにメディチ家に仕えていたバルトロメオ・クリストフォリという人が考案したのが始めらしく、そのクリストフォリが作ったピアノの復元品が展示されていました。
これは楽しいですよ・・太鼓付きピアノ。
足ペダルが4本、ひざ用のペダルが鍵盤の下に2個ついていて、演奏しながらドラムに似た音が出せるようにしてるんですね。まさしく現代のエレクトーンなどにも通じる考え方を電子技術なしで実現している楽器ですね。トルコの軍楽に影響されて出来た楽器とのこと。このピアノでモーツァルトやベートーヴェンのトルコ行進曲を弾いたら、猛烈に雰囲気出そうです。
これはちょっと心をあっちの世界に持っていかれました。ロール紙を使った自動演奏ピアノです。
そのロール紙、こんなデリケートなものなんです。名演奏家に演奏してもらったものをもとにロール紙を作るんだそうで、演奏された音に対応してインクで印をつける装置が別途存在し、そのインクに沿って紙に穴をあける職人さんがいて、実際の自動演奏時には、その穴に向かって空気を吹きかけ、穴を通過した空気をハンマーアクションに変換する・・・というようなことをやっているようです。実際私が聴いた自動演奏は、一部伴奏の音が転んでいるように聞こえましたが、穴をあける人がインクからちょっと前にズレた位置に切り込みを入れてしまったのでは・・などと思いました。
これは鍵盤楽器じゃないですが、ついでなんで。鍵盤は弦を抑えて音高を変えるために存在するので、大正琴みたいな発想ですね。ハーディーガーディーの音、想像していたよりもオルガンに近いです。フランスで人気が出た楽器のようですが、言われてみればパリの街角で見たアコーディオンおじさんが奏でていた音楽と似たような演奏になってました。
これは、逆に楽器をはじくために付けられた鍵盤ですね。まるでギターに歯がついて笑っているように見える楽器です。弾いてみたいですね・・こんなの。
弾いてみたい・・といえば、この博物館、体験ルームがあるんです。一般人が触って差し支えなさそうなものがおいてあるんですが、ちょうど私一人貸し切り状態。
ついつい昔懐かしいリードオルガンに足が向いてしまいました。我々が幼稚園の頃や、小学校1・2年の頃は、教室ごとにリードオルガンがあったのですよ。
実は父もリードオルガンを持っていたので、子どもの頃、ピアノを買ってもらう前は、そのオルガンでよく遊んでいました。
ちょうど、浜松市の歌の楽譜がのっていたので、音取りがてら、リードオルガンで弾いてみましたよ。弾いてて全然違和感なく、まだ自分に感覚が残っていることが分かりました。50年くらい前の楽器・・・つまり私と人生もろかぶりの楽器ですが、まだまだ元気でイイ音ですねぇ~私みたいに。
ということで、何十年ぶりでしょ・・リードオルガンなんて弾いたの。オルガンの振動が自分の身体の中に入ってくるような、大変心地の良い気分になりました。