朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

東日本大震災をこう読む

2011-05-20 10:01:59 | 21世紀
完読13 東日本大震災 大局を読む!
長谷川慶太郎・日下公人著 李白社発行
 私の大好きな著者の本である。20年前、「北九州三百人勉強会」という会を作り講演会を延べ30回開きました。御二人とも快く承諾され来倉されました。
 沢山の著書がありますが、日下公人さんの御本七十有余冊は全巻読みましたし自宅の本棚にコレクションしてあります。
 読むと気分が良くなり、日本の将来が明るく見えるし、日本が如何に良い国かを実感出来ていました。
 この本は、緊急出版であるし編集者の以降が強いのか?未来はあまり明るくは見えません。
以前の話で、時期は明示してありませんが、青森県知事は議会演説でこんなことを言いました。「青森県庁は年間3,000億円のお金を使って色々な仕事をしているが、県民の納めた税金は1,000億円で、残り2,000憶円は、どこから来たかといえば、私が東京からとってきたのです」
 中央に頼るから、中央の指導により、全国同じような街並みになる。神戸は震災復興の結果、特徴のない官庁街のような街になってしまった。
 国が金を出すより、「災害地域の消費税は免除する、自力で復興をやれ」というのも良い。今の風潮では、国が復興に予算をだし、口を出すことになろうが、その量が多いほど国民は堕落する。
 中央集権でお金を地方にばらまき、それに対する批判を聞かない政治は一種の暴走体制だ。政治の暴走体制があったのは中国や北朝鮮だけではない。日本にもあった。この3国とも暴走はそんなに続けられるはずがない。もうケリがつくだろう。
 震災後の混乱を収めるどころか、増幅しているのが、今の民主党政権である。
 マスコミも、こんな風では全滅する。マスコミは日本にとって最大の脅威であると思っている。地震より怖い。地震・雷・火事・マスコミである。
 福島第一原発では、マグニチュード9の巨大地震が来たにも関わらず、地震そのもので壊れた原子炉は一つもない。これに対し、日本の原発技術はやはり大したものだというのが世界からの評価であって、この大地震で日本の原発技術の高さが改めて立証されたとも言える。
 事故の原因は冷却機能がなくなり、原子炉圧力容器内が高温になって燃料棒の損傷が進んだことにある。事故を防止するには、ただちに原子炉に海水注入すべきだったのだ。人の力で防げる事故なのだから、大部分は人災である。
 それにしても、いったい何にために福島第一原発で廃炉という議論が起こるのだろうか? それは、結局、原発反対論者の主張である。到底、現実的な議論ではない。 日本ではこれまで原発問題の議論をする人は、みんな原発反対の立場にいた。彼らの議論には明らかにイデオロギーのバイアスが掛っていた。
 日本の国民全体のムードはまだ原発について及び腰である。新聞や週刊誌での原発記事は、どれも原発の危険性だけを故意に強調して書いてあるし、事実を無視している記述も多い。
 反原発色の強かった朝日新聞の論調は少しづつ変わってきた。これからゆっくりと方向転換して原発存続へシフトしていくと思う。
 世界各国の利害もからみ、世界全体の原発の流れから言えば福島第一原発について廃炉は決して認められない。
 菅首相は福島第一原発の廃炉を狙っているが、そのコースは国際社会に拒否されている。米国のオバマ大統領もフランスのサルコジ大頭領も廃炉には反対だし容認しない。

 今の新聞には方向性のある新聞と無い新聞がある。産経新聞は、菅首相は辞めるべきである。自衛隊は偉い。米国は有難いという方向が出ている。その当否はともかく、方向性が決まっているので、記事が充実している。
 方向性がゼロなのは朝日新聞だ。やっつける相手もいなければ、誉める相手もいない。したがって、朝日の記者は人情エピソードのコマ切れを書いている。
 広告スポンサーの意向を伺い、テレビも新聞も手心加えが甚だしい。
 不勉強なのはマスコミだけではない。今の日本人も本当に勉強しなくなったと痛感する。 「勉強が趣味です」などという人はまず居ない。
 中央官庁の官僚も勉強しない。優秀な成績で入ったかもしれないけれども、入っただけであって、その後はどんどん知恵が抜けていく。
 公務員試験では何をみているかというと、有名国立大学卒業生と言えるかどうか? 米国の最近の本をよんでいるかどうか?である。そこでは採点の客観性が何より重視される。つまり、合格不合格を決まる時言い訳が立つような問題しかださない。だから、自分の頭で考えるような人間は官僚になれないのかもしれない。
 政府内で東電の国有化案が取り沙汰されている。これは被災者への賠償問題のせいであr。賠償額が最終的にどうなるか分からないとはいえ、東電がすぐに運転資金に困るということもないのだ。お金はいくらでも国債金融市場の安い金利で賄える。震災後に金詰りのために潰れるのは倒産寸前の中小企業だけだ。それ以外は潰れない。まして東電は世界最大の民間電力会社であり、年間売上高も5兆円に達する。潰れるわけがない。
 菅首相は東電を潰したいが、日本では民間企業しか電力供給出来ない以上、存続させるほかない。・・・・・・・その通りと思います。