晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

『小泉政権のイラク開戦支持の検証』/決してないがしろにしてはならない。日本人の品格の問題だ!

2010-08-05 23:13:09 | 世界に置ける日本
先入観と、嫌悪感。


この二つが、悪い方へと相乗効果をもたらした結果が、ジョージ・W・ブッシュによる<強引な>イラク侵略であった。


まさに、先入観。

▷「先般クエートに侵攻した「サダム・フセイン」が、法外な<野望>の基に、核兵器の増強をやっていない筈が無い」
▷「核兵器を開発貯蔵して、イスラエルを攻撃するに違いない」
▷「アル・カイーダに資金を提供し、武器弾薬を提供しているに違いない」
▷「サダム・フセインが援助しているアル・カイーダが、マンハッタン攻撃をやったに違いない」
▷「西欧諸国(=アメリカの意志)を完全に無視するサダムは、凶暴な悪人だ」
▷「イラクを滅ぼさない事には、世界平和は訪れない」


そして、まさに嫌悪感。

◇「パパ・ブッシュが勝てなかったサダムなんか、大嫌いだ!」
◇「西欧諸国(=アメリカの意志)を無視するサダムなんか、大嫌いだ!」
◇「イスラエルに歯向かうサダムなんか、大嫌いだ!」
◇「アメリカの<禁止命令>に逆らって、核兵器を開発貯蔵しているサダムなんか、大嫌いだ!」

と言う『息子ブッシュ』の<一人勝手>な我が儘に、西欧諸国は(ほぼ)無条件に言いなりになった。


ドイツとフランスとだけを除いて。


皆さん、ヨーロッパの各国の夫々の違いの意味と、その歩んで来た道筋をご存知でしょうか。


かつて、ローマ帝国が、現在の『西欧』の総ての<社会基盤>の基礎を造り上げた。

そのローマが滅んだ。

滅ぼした『ゲルマン』の諸族は、ローマ帝国の版図の各地に定着し、地域差、国家の枠組みが形成されて行った。


従って、基本的には「ヨーロッパ各国」は、種族が違い、当然価値観も異なり、常にライバルとして、敵対し合いながら、時代を経て来たのです。

お互いに、攻めたり攻められたり。
悉く、時々の経済的、政治的利害で、離合集散を繰り返して来た。
お互いに、足を引っ張り合いながら。

ですから、共通の利害と価値観に、なかなかまとまれない。

ヨーロッパに有っては、有る一つの民族(あるいは国家)が、他の総ての国々を支配すると言う事は、「陸続き」であるのも関わらず、不可能であった。

有る国が<急に>強大になり始めると、それまで<敵同士>だった、その他の国々が<その時だけ>手を結んで、旧に強大になる素振りを見せて来た国を、回り中から<寄って集って>足を引っ張る。

そして、また<ドングリの背比べ>状態に戻る。


ところで、EUはその発祥の経緯からして、『ドイツ』と『フランス』とが、牽引車となって引っ張ってきたのでした。

しかも、その両国が、経済力も人口も国土面積も、他国を凌駕している。

だから、これ以上「独仏両国のウエートが高くなる事を嫌う」と言う振り子の原理としての力がはたらいて、イタリアとスペインは、「イラク侵攻」に賛成に回った。
(イギリスは、ミニ・アメリカですから、同調して当然)


悲しきかなヨーロッパ。
事の道理より、政治バランスが優先してしまう。


イラクに対し、「今にも攻め込むゾ」と脅かしながら、イラクの弁明を聞き入れず「核調査査察団」を送り込むブッシュ。

その「調査団」が、国際法に違反して「核開発」やその他の「大量破壊兵器」を貯蔵していない事を明らかにしつつあったにも拘らず。

「絶対に違法行為をしている筈だ」と言いつのり、何をどのように<申し開き>をしても、<聞く耳持たぬ>で「攻めるぞ、攻めるぞ、白状しろ!」の一点張り。

これ以上、イラクとすれば「何をどうやって申し開きすれば気が済むのだ」、と言うところまでサダムを追い込んだ挙げ句に、とうとう攻め込んだのであった。


まず<結論>有りき。

どのような調査結果が出ようと、関係なく<攻め込む事>は決めていた。

「説明責任」を言いつのり、「悪う御座いました」とでも言わない限り許さない、どこかの元幹事長への野党とマスコミとの姿勢と全く同じ。

まず『戦争』ありき。


「イランへの押さえとしての役割」を勝手に期待して、イラクへのアメリカの武器援助、資金提供、同盟関係の背景からすれば、サダム・フセインにとって見れば、無茶苦茶な話であった為、サダムは最後までアメリカが「本当に」攻めて来る、とは思いもよらなかった。


あの、国際法に照らして、何処にも<正当性>のない戦争、いわば<侵略戦争>を、20世紀も終わりの時代になって行うなど、時代錯誤も甚だしいと言える程の、非合法な開戦であった。

(最も、アメリカ自体は、その社会構造の『産軍複合体』と、それを支える『ユダヤ資本』とが絡み合い、定期的に戦争を続けないと、経済が成り立たない、という大変不条理な国体になっている以上、彼らに取っては何ら不思議では無い<経済活動>であるのだろうが。。。)


その、アメリカによる、『多国籍軍』と称するゴマカシの衣を纏っての「イラク侵攻」に、実に<開戦と同時に>支持を表明したのが、他ならぬ『小泉ポチ』であった!


私は、あの日有るアメリカ人と恥ずかしながら有下らない理由で<口論>になったのです。

悔しくて私は言いました。
「不法な戦争するしか脳が無い野蛮な国民め!」

そうすると帰って来た言葉が。
「お前達だって『参戦国』のくせに!」


思っても見なかった<逆襲>でした。

そうなのだ。

支持を表明した時点で、「参戦国」に連なった訳だった。

その後、自民党政府は、「後方支援」を言い募っていたが、たとえ後方支援であろうと、最前線で重機関銃で市民をなぎ払っているのと、その依って立つ位置は、同じ『参戦国』側なのだ。

「候補支援である以上、戦闘行為には当たらない」と事実をごまかして『自衛隊』まで派遣してしまった。

あの時の、<あの日本>は『参戦国』だったのです。


▶<菅首相>小泉政権のイラク開戦支持、「将来、検証も」(毎日見出し)

>菅直人首相は5日の参院予算委員会で、03年3月に小泉政権(当時)が米国によるイラク開戦を「支持する」と表明したことについて「当時の政府判断についての検証は、将来どの時点かで行われることが望ましい」と語り、政策決定過程の再検証に前向きな姿勢を示した。

>福島瑞穂氏(社民)への答弁。

>岡田克也外相も「検証は将来の課題。今がそのタイミングなのか慎重に考える必要がある」と語った。
【毎日新聞/8月5日22時33分配信】



あの、『アメリカの兄貴』を自負するイギリスですら、最近の検証で『イラク侵攻作戦』は、間違っていた」と総括した。

『アメリカ命』のポチ小泉が、何の躊躇も無く、開戦と同時に<支持>を表明した事に付いて。
そして、憲法第九条を強引にねじ曲げて、自衛隊を派遣した事に付いて。

日本は、事の成り行きを、正確に分析し、検証しなければならない。

しかも、出来るだけ「直ちに」行わなければならない。
<将来>なんて、のんびりした事言っていて、事を風化させてはならない。

しかも、小泉が「生きている」うちに、やらなければならない。


何故なら、あの時点で「戦争に加担したい」と自発的に考えた日本国民が、果たしてどのくらい居た物か、を考えてみたまえ。

『参戦国』に連なるなんて、毛筋程も思わず、ただアメリカの後を付いてチョロチョロ走り回る「ポチ役」を演ずる事の<意味>を、国民は知らされていなかったのだから。


相互の助け合い精神が豊かであった筈の、日本人の美しかった精神を、「弱肉強食の日本」に作り替えた、あの小泉。


大企業のみに便せん供与をなし、中小企業を干上がらせ、国民個人を破綻させ、正社員を大幅に減らして、派遣労働者だらけにしてしまい、デフレを放置して国民の生活を破壊し、多くの失業者を生み出し、国民の最後の砦である社会保障制度を大幅に縮小して、自殺者を大量に生み出し、外資に株の買い取りを可能にする為に『ユーセー民営化』を叫び、挙げ句の果てに、『憲法違反』の海外派兵までやってしまった小泉。


その彼の罪状を挙げつらう事は、きりがないのでここでは止めておく。


しかし、どうしても許せない事。

小泉が、日本を戦争に参加させた、と言う事実。

小泉は、戦後65年にして始めてで唯一の、「戦争に参戦した」首相である。


私に、「参戦国民」の立場を押し付けた小泉。
どうしても、許せない。


コメント (16)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 菅直人は「歴史に名を残す」... | トップ | 65回目の『広島原爆忌』に... »
最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
許せないこと (scotti)
2010-08-06 12:51:06
イラクの石油埋蔵量が世界一だから、米国は収奪したかった、そのための戦争。
それがイラク戦争の正体です。
それと軍産複合体の利益確保。
査察団は2週間あれば結論が出るから待てと抑制を望みましたが、大量破壊兵器が無い事がバレルと都合が悪いので、ブッシュはその前に開戦強行しました。
それを無条件で支持したのがコイズミポチ首相と川口順子外務大臣です。
川口元外務大臣は今でも参議院議員していますね。
未だに、謝罪も反省も、大量破壊兵器が無かったことさえ認めていないコイズミと川口。
そしてイラク戦争開戦と同時に日本の株式は空売りを掛けられて、銀行株等を外資が超安値で手に入れました。
全てがシナリオどうりの国売り現象です。
歴史に照らして、売国派の罪人を処罰しないといけません。
総括しないといけません。
Unknown (通りすがりの男)
2010-08-06 13:00:49
久しぶりに投稿致します。

イギリスにおけるアヘン戦争と同じで、我が国にとってアメリカの私利私欲の為の侵略戦争に加担してしまったことは、歴史上最悪ともいえる汚点です。

僕も恥ずかしながらあのイラク戦争に何にも感じず、独裁者が一人死んだ程度にしか思いませんでした。

日本は戦後から今も在日米軍基地という形で、アメリカの戦争に加担し続けています。
イラク戦争ではじめて参戦国になったのではなく、大日本帝国が無くなり日本国になった時から、ある意味「参戦国」だったのかもしれません。

真の独立も平和も、日本がアメリカから自立しなければ、永久に訪れないのでしょうか・・・・・・。
デジャビュ (一有権者)
2010-08-06 14:38:59
今、日本でしてる北朝鮮バッシング…だぶるなあ。
▷「日本人を拉致した「北の金さん」が、法外な<野望>の基に、核兵器の増強をやっていない筈が無い」
▷「核兵器を開発貯蔵して、日本を攻撃するに違いない」
▷「テロ組織に資金を提供し、武器弾薬を提供しているに違いない」
▷「北朝鮮の潜水艦が、哨戒艦攻撃をやったに違いない」
▷「西欧諸国(=アメリカの意志)を完全に無視する北の金さんは、凶暴な悪人だ」
▷「北朝鮮を滅ぼさない事には、世界平和は訪れない」
冷静に考えれば、韓国を飛び越して日本を攻撃するなんてファンタジーに過ぎないのですが、不思議な物です。というか、麻薬だのミサイルだの売られるくらいなら、ウニやマツタケ買う方が、まだマシなんじゃないだろうか。結構、半島ってのはメンツを気にするらしいですからね。しかし、融和姿勢で上手く行かないのも実証済み。強硬姿勢もまた然り。この結び目を、どうほどけば良いのやら。
Unknown (おのま@カナダ)
2010-08-07 03:25:04
日本はアメリカの衰退とともに共倒れするのか、敗戦からそろそろ七十年、目がさめるのか・・・

いまだにブッシュ戦争に加担したことを総括しない日本は、思考力喪失のまま滅びるような気がします
2003年イラク侵攻当時 ( 逝きし世の面影)
2010-08-07 16:40:09
小泉純一郎一人を責めるのは、筋違いですよ。
彼は究極のポピュリストなのですよ。無知な国民の声を誰よりも敏感に感じれる不思議な能力があったのですから世界に先駆けて真っ先に日本がアメリカンイラク侵攻を支持したとき、当時の日本のマスコミやいわゆるメディア文化人達が揃いも揃って『北朝鮮問題でアメリカの力が必要なので支持するしか道は無い』と正等化していたのですよ。

当時のマスコミの論調を思い出すたびに私は日本人の一人であることに恥ずかしさに顔が赤らみます。
これを私流に分かり易く解釈するとですね、
日本国も日本のマスコミも、そして多くの日本人も、
日本人の数人を助ける為に、数十万人のイラク人が殺されるのに賛成したのですよ。
これ以上の道徳的退廃を私は知りません。
9・11事件でアメリカ人が正気を失い戦争に突き進んだように、小泉訪朝の02年以来日本人は正気を失っているのです。
scotti様。 (時々パリ)
2010-08-07 20:37:46
コメントありがとう御座いました。
そうです。
石油利権でした。
フセインが倒れた直後に、真っ先にイラクでの<石油インフラ>の修復と保守点検をまかされてイラク入りした<民間企業>は、ブッシュの家系に繋がる石油企業でした。
産軍財複合体という面妖な組織が、真のアメリカと言う国の真の政府なのですね。
時の政権は、表向きの体裁に過ぎず、民主党であろうが共和党で有ろうが、全く中身は変わらないのです。
普通のアメリカ国民は、恐らく一生知らない出終わる事でしょうが、アメリカの方向を決めるのは、見えない背後に潜む、自分達だけの利益を追求する醜い巨大なエネルギーなのです。
まあ、有り体に言って、国民は知らない奥の奥で、特殊な勢力が国を牛耳っている事実は、世界中何処も同じ事かもしれませんが。
通りすがりの男様。 (時々パリ)
2010-08-07 20:47:40
コメントありがとう御座いました。
客観的基準で(こんな物も相対的な事に過ぎないが)巨悪と言われる様な独裁者であっても、それを排除する権利を有するのは、その国の国民だけです。
第三者が、勝手に<正義面>して、有る主権国家を転覆させる法的根拠など、何処にも有りません。
そして、有る国の体制を、万一第三者が転覆させると、後々抱えきれない程の矛盾をはらんだ大問題を、残す結果にならざるを得ないのです。
>第日本帝国から日本になった時から、ずっと参戦国だったのかも。。。
このご指摘は、有る一面は正しいです。
別の面で言うと、小泉以前は、日本の同意とか支持など必要なく、アメリカが好きな様に世界侵略を続けるにあたって、日本はそれを推進する<システム>の一部に過ぎなかった。
小泉は、自ら積極的に<支持>を世界に向かって発信した。それも、開戦と<同時>に。
この点で、意義が全く違うのでは無いでしょうか。
一有権者様。 (時々パリ)
2010-08-07 20:55:14
コメントありがとう御座いました。
日本人の<典型>を分解してみると、動かすモーターは<マスコミ>と言う部品で、リモコンを影で操作しているのが<官僚>とう、スイッチを切られると、自分では動けないロボットだった、なんて事では無いでしょうか。
対半島の姿勢は、「徹底的に強硬に、且つタイミングを間違わずに<引いて>相手のメンツを立ててやる」という懐の深い職人芸が求められますね。
赤門クラブの<偏差値エリート>君達にも、自分の出世欲だけしか能のない政治家には絶対にムリですね。
おのま@カナダ様。 (時々パリ)
2010-08-07 21:00:19
アメリカと共倒れは無いでしょう。
アメリカが、本当に倒れるまで日本は付き添っていられる訳が無いのでは。
うんと先に見捨てられて、<滓>になってしまっているでしょう。
そもそも<思考力>なる物が有れば、こんな風にはならなかったのではないか。
思考力の有る人材を、育てられない、居ても発掘出来ない、見つかっても登用出来ない、登用しても実力を発揮出来ない、発揮し始めると潰されてしまう。
これが日本では無いでしょうか。
トホホです。
逝きし世の面影様。 (時々パリ)
2010-08-07 21:09:46
コメントありがとう御座いました。
それでも私は、小泉を責めます。
究極のポピュリストに過ぎない事は同意します。
その単なるポピュリストに<権力>を与えた国民に責任がある、事もその通りです。
彼に国民が権力を与えさせたのが<マスコミ>で有る事も、一切反論は有りません。
そのような日本にしてしまった事に、そのような日本になってしまった事に、日本人として恥ずかしさに苛まれるのも、同じです。
しかし、私は小泉を責めます。
結局<ポピュリスト>風情が、国の命運を担う様な地位に居てはいけないのです。
その地位に行く道程で、国民への<選択肢>であった事自体で、責められるに値すると思います。
そして、彼の成した<結果>は、充分に弾劾されてしかるべきだと、信じます。
ついでながら、その又<バカ息子>をもてはやすマスコミと、それにつられている国民とに、絶望感を抱かさせられます。

コメントを投稿

世界に置ける日本」カテゴリの最新記事