晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

秋の『ワイン市』に行って来ました。年に二回の恒例行事で、秋も深まるパリ。

2011-11-27 18:52:45 | グルメ
フランスは、美味し国。

食材に恵まれ、料理は「世界遺産」に登録されている程で、食文化の奥行きは非常に深い。


毎年2月の『サロン・ダグリキュルテュール(農業展)』は、ありとあらゆる種類の「生きた」牛やら、羊やら、豚やらから始まって、各種加工品が「ポルト・ド・ヴェルサイユ」という南の外れの<国際見本市会場>の広大な敷地に立て込む7棟に、「これでもか」とばかりに農業に関する展示がなされ、初日の大統領の訪問から農業関係者ばかりでなく、お年寄りから子供まで、大挙して押し掛け大盛況を呈する。

ビジネス・フェアーであると同時に、品評会であり、市民のレジャーの場ともなっている。


その、フランスの「豊かな食材」の中でも、ことのほか<質><量>共に、世界中に他に追随を許さないのが、「チーズ」と「ワイン」である。


その『農業展』の一環で『ワイン』の展示館もあり、ソウソウたる銘酒からソコソコの物まで、あらゆる産地のワイナリーのブースが並ぶ。

何れ劣らぬ逸品ぞろいで、業者が多く訪れ試飲しながら買い付けを行っている。

それとは別に、「大手流通ルート」に乗っていない中小のワイナリーが造っている組合『VIGNERONS INDEPENDENTS(独立系ワイン生産者)』の「合同展示販売会」が、年に二度春と秋とに行われるのです。



     
     会場内の光景


ワンフロアーに1500軒ほどのワイナリーが参加して、ブースを構えているのです。

間口2m程の狭いブースでは有りますが、1500軒も集まると、それは壮観です。


     
     入場前のレジスター


入場料は6ユーロ。

同じワイナリーで何回か購入すると、事前に招待券を送ってくれる様になります。

ちなみに私は5乃至6軒から送って来てくれる様になりました。

大混雑のレジスター・カウンターに行って住所氏名を記入した入場券を出し、当日何回も出入り出来るカードと、テイスティング・グラスを貰って、会場内に入ります。

歩き回って、試飲して、購入してという際にグラス片手では邪魔になると思う人の為に、グラスを首からぶら下げる<ヒモ>を、売っていました。


     
     「ハンドフリー・グラス・ホルダー」のカウンター


お目当てのワイナリーのブースを見つける為に、出展者リストが「地域別」に書き出されて居り、フロアーの見取り図が有ります。


     
     ブースの位置を示す見取り図


     
     各ワイナリーのブース番号リスト


勿論、招待券にはそのワイナリーのブース番号が、ちゃんと明記されているので、問題無し。


     
     出展者リストのディテール


私は、入場するや直ちに、気に入りのワイナリーに直行します。

各通路はアルファベットが割り振ってあって、両側に並ぶブースに、位置から80くらいまでの番号がつけられています。


     
     J-22 「シュッド・ウエスト」地区 『シャトー・ド・サール』
     アンリ・ド・バッツ・ド・トランクレオン


この看板が、最初に訪れた、本日の目的地。

アンリ・ド・バッツ・ド・トランクレオンさんがオーナーの「シャトー・ド・サール」。

フランス「南西部」(仏ワインの産地名)の『ビュゼ』地区に有るワイナリー。

ボロドーから、トウールーズに向かう道筋に有る地区の、所謂地酒です。


     
     接客中のアンリさん

一本850円くらいで、コクが有ってすこぶる旨い赤ワインを、取り敢えず12本購入。


大きな通路の交差路の頭上に、各方面の誘導指示ボードがぶら下がっています。


     
     方向指示ボード


品評会場や、プレス・センター、配送請負所、業者の専用スペース、などなど。


次に向かったのが、同じ『シュッド・ウエスト』地方の、「ガイヤック」地区のワイナリー。


     
     『ガイヤック』『ガイヤック・ドウー(貴腐)』
     「ドメーヌ・サルヴィー」
     アンヌ・マール & パトリック・デュレル


世に名高い「城塞都市カルカッソンヌ」から北へ向かったあたり。

赤白ともに造っている地区で、これも極めつけの地酒。


     
     パトリックさんとアンヌ・マールさんご夫妻


ここは、軽めで辛口のフルーティーな白ワインと、作柄の良い年は貴腐ワインも造っています。

私は、この「ドメーヌ(ワイナリー)」の<ペルレ(微発泡)>の白ワインが、大好きなのです。

完全に発酵し終わらない状態で年を越して、そのままボトルに詰めると瓶内で微かに泡が残るので、ほんの少し刺激が有ります。

ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」みたいな物です。

この作り手の「ペルレ」、これがまあうんと軽くて爽やかで、一切の雑味が無い、がぶがぶ飲めてすこぶる旨い。

一本僅か600円。


     
     グリーンのボトルに入った「ペルレ」


     
     6本入りのカートン


ここでも12本お買い上げ。



次なる標的は。

東フランス、アルプスの麓『サヴォア』地方のワイナリー。


     
     『ドメーヌ・キャレル / ウージェーヌ・エ・フィス』
     『サヴォア』地方
     「サヴォア・ジョンジュー」「ルーセット・ド・サヴォア」
     
     商談中のウージェーヌ・キャレルさん


ここのワインは、アルプスらしからぬ「コクがあって」ボディーがしっかりした、隠れた銘酒です。

通常、スイスやドイツに近づくと、日照時間と土壌のせいで葡萄の果実の糖度があがらず、酸の強いワインになります。

酸っぱい、言い換えると「フルーティー」な白と、軽くコシのない赤。

ところが、一部の「ルーセット・ド・サヴォア」という呼称のワインの中には、全く別ものと思わせる物が有る。

ここの白のうち、『マレステル』という畑もその一つ。

僅か1100円ほどで、5倍以上の値段の下手なシャブリなどより、ずっと味わい深い。

トロリと厚みがあり、バニラ香と蜂蜜香が、樽の木のキャラメル香と相まって、いやはや、素晴らしいのです。


     
     サヴォア地方、「マレステル」の白と「ジョンジュー」の赤


ここでは、白12本と、赤6本も購入してしまいました。



その、宏大な展示会場の片隅に、軽食コーナーが有ります。

取り敢えず、「フォア・グラ」その他のソーセージ類のサンドイッチ・ショップです。


     
     生産者直売「フランス・シュッド・ウエスト」自家製フォアグラ
     「サンドイッチ」の看板が嬉しい


     
     フレッシュ・フォア・グラの瓶詰めと、丸ごと塊のパック



各種ハムとソーセージのサンドイッチ屋さんのコーナーも。


     
     チーズを使って、サンドイッチ製作中


     
     「ドライ・ソーセージ」


     
     作るそばから売れて行くサンドイッチ


     
     美味しそうな「パン・ド・カンパーニュ(田舎パン)」



会場には、既に来年度の春の展示会での「品評会」のポスターが、張られていました。


     
     1212年3月29日30日 の予告
     金賞・銀賞・銅賞のラベルが張られたポスター


そう言えば、例のビュゼの赤も、金賞か銀賞の常連です。

今回は、ワインのお好きな方には、羨ましがらせるだけの「酷な」文章になってしまいました。

せめて「眼福」だけでも、お裾分けです。

どうか、お許しを。



     


貴方も、ちょうどその時期にパリにお出でになるチャンスが有りましたら、一度足をお運びになられては、如何でしょうか。




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2 コメント

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むむむ・・・ (猫大好き母)
2011-11-29 06:20:06
「ワイン市」・・・。なんて、なんて羨ましい事、この上ない。私の場合はワイン市ではなくて「お酒市」なるものが欲しいのですが、もしフランスへ行くとしたらこの時期か春に決めました。そして首からワイングラスを提げて一日中試飲して周りましょう。それだけで満足して、酔っ払ってしまいそうですね。

>がぶがぶ飲めてすこぶる旨い。
もう、こういう表現の出来る地ワインが
いつも身近にあるなんて、いいなあ~。
猫大好き母さま。 (時々パリ)
2011-12-03 09:19:38
コメントありがとう御座いました。
やはり、「むむむ」でしたか(^^)
ワインなんてものは、何千円も何万円も出して飲む物ではござんせん。
勿論、三ツ星レストランに経費で行けたときは、多いに好奇心を追求すれば良いのですが。
普段の家庭のお惣菜で、旨いワインを麦茶と同じ感覚で飲みながら、夕餉を楽しむ。
これですって。
6月か11月です。
この時期にいらして下さいませ。

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