フランスは、美味し国。
食材に恵まれ、料理は「世界遺産」に登録されている程で、食文化の奥行きは非常に深い。
毎年2月の『サロン・ダグリキュルテュール(農業展)』は、ありとあらゆる種類の「生きた」牛やら、羊やら、豚やらから始まって、各種加工品が「ポルト・ド・ヴェルサイユ」という南の外れの<国際見本市会場>の広大な敷地に立て込む7棟に、「これでもか」とばかりに農業に関する展示がなされ、初日の大統領の訪問から農業関係者ばかりでなく、お年寄りから子供まで、大挙して押し掛け大盛況を呈する。
ビジネス・フェアーであると同時に、品評会であり、市民のレジャーの場ともなっている。
その、フランスの「豊かな食材」の中でも、ことのほか<質><量>共に、世界中に他に追随を許さないのが、「チーズ」と「ワイン」である。
その『農業展』の一環で『ワイン』の展示館もあり、ソウソウたる銘酒からソコソコの物まで、あらゆる産地のワイナリーのブースが並ぶ。
何れ劣らぬ逸品ぞろいで、業者が多く訪れ試飲しながら買い付けを行っている。
それとは別に、「大手流通ルート」に乗っていない中小のワイナリーが造っている組合『VIGNERONS INDEPENDENTS(独立系ワイン生産者)』の「合同展示販売会」が、年に二度春と秋とに行われるのです。
会場内の光景
ワンフロアーに1500軒ほどのワイナリーが参加して、ブースを構えているのです。
間口2m程の狭いブースでは有りますが、1500軒も集まると、それは壮観です。
入場前のレジスター
入場料は6ユーロ。
同じワイナリーで何回か購入すると、事前に招待券を送ってくれる様になります。
ちなみに私は5乃至6軒から送って来てくれる様になりました。
大混雑のレジスター・カウンターに行って住所氏名を記入した入場券を出し、当日何回も出入り出来るカードと、テイスティング・グラスを貰って、会場内に入ります。
歩き回って、試飲して、購入してという際にグラス片手では邪魔になると思う人の為に、グラスを首からぶら下げる<ヒモ>を、売っていました。
「ハンドフリー・グラス・ホルダー」のカウンター
お目当てのワイナリーのブースを見つける為に、出展者リストが「地域別」に書き出されて居り、フロアーの見取り図が有ります。
ブースの位置を示す見取り図
各ワイナリーのブース番号リスト
勿論、招待券にはそのワイナリーのブース番号が、ちゃんと明記されているので、問題無し。
出展者リストのディテール
私は、入場するや直ちに、気に入りのワイナリーに直行します。
各通路はアルファベットが割り振ってあって、両側に並ぶブースに、位置から80くらいまでの番号がつけられています。
J-22 「シュッド・ウエスト」地区 『シャトー・ド・サール』
アンリ・ド・バッツ・ド・トランクレオン
この看板が、最初に訪れた、本日の目的地。
アンリ・ド・バッツ・ド・トランクレオンさんがオーナーの「シャトー・ド・サール」。
フランス「南西部」(仏ワインの産地名)の『ビュゼ』地区に有るワイナリー。
ボロドーから、トウールーズに向かう道筋に有る地区の、所謂地酒です。
接客中のアンリさん
一本850円くらいで、コクが有ってすこぶる旨い赤ワインを、取り敢えず12本購入。
大きな通路の交差路の頭上に、各方面の誘導指示ボードがぶら下がっています。
方向指示ボード
品評会場や、プレス・センター、配送請負所、業者の専用スペース、などなど。
次に向かったのが、同じ『シュッド・ウエスト』地方の、「ガイヤック」地区のワイナリー。
『ガイヤック』『ガイヤック・ドウー(貴腐)』
「ドメーヌ・サルヴィー」
アンヌ・マール & パトリック・デュレル
世に名高い「城塞都市カルカッソンヌ」から北へ向かったあたり。
赤白ともに造っている地区で、これも極めつけの地酒。
パトリックさんとアンヌ・マールさんご夫妻
ここは、軽めで辛口のフルーティーな白ワインと、作柄の良い年は貴腐ワインも造っています。
私は、この「ドメーヌ(ワイナリー)」の<ペルレ(微発泡)>の白ワインが、大好きなのです。
完全に発酵し終わらない状態で年を越して、そのままボトルに詰めると瓶内で微かに泡が残るので、ほんの少し刺激が有ります。
ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」みたいな物です。
この作り手の「ペルレ」、これがまあうんと軽くて爽やかで、一切の雑味が無い、がぶがぶ飲めてすこぶる旨い。
一本僅か600円。
グリーンのボトルに入った「ペルレ」
6本入りのカートン
ここでも12本お買い上げ。
次なる標的は。
東フランス、アルプスの麓『サヴォア』地方のワイナリー。
『ドメーヌ・キャレル / ウージェーヌ・エ・フィス』
『サヴォア』地方
「サヴォア・ジョンジュー」「ルーセット・ド・サヴォア」
商談中のウージェーヌ・キャレルさん
ここのワインは、アルプスらしからぬ「コクがあって」ボディーがしっかりした、隠れた銘酒です。
通常、スイスやドイツに近づくと、日照時間と土壌のせいで葡萄の果実の糖度があがらず、酸の強いワインになります。
酸っぱい、言い換えると「フルーティー」な白と、軽くコシのない赤。
ところが、一部の「ルーセット・ド・サヴォア」という呼称のワインの中には、全く別ものと思わせる物が有る。
ここの白のうち、『マレステル』という畑もその一つ。
僅か1100円ほどで、5倍以上の値段の下手なシャブリなどより、ずっと味わい深い。
トロリと厚みがあり、バニラ香と蜂蜜香が、樽の木のキャラメル香と相まって、いやはや、素晴らしいのです。
サヴォア地方、「マレステル」の白と「ジョンジュー」の赤
ここでは、白12本と、赤6本も購入してしまいました。
その、宏大な展示会場の片隅に、軽食コーナーが有ります。
取り敢えず、「フォア・グラ」その他のソーセージ類のサンドイッチ・ショップです。
生産者直売「フランス・シュッド・ウエスト」自家製フォアグラ
「サンドイッチ」の看板が嬉しい
フレッシュ・フォア・グラの瓶詰めと、丸ごと塊のパック
各種ハムとソーセージのサンドイッチ屋さんのコーナーも。
チーズを使って、サンドイッチ製作中
「ドライ・ソーセージ」
作るそばから売れて行くサンドイッチ
美味しそうな「パン・ド・カンパーニュ(田舎パン)」
会場には、既に来年度の春の展示会での「品評会」のポスターが、張られていました。
1212年3月29日30日 の予告
金賞・銀賞・銅賞のラベルが張られたポスター
そう言えば、例のビュゼの赤も、金賞か銀賞の常連です。
今回は、ワインのお好きな方には、羨ましがらせるだけの「酷な」文章になってしまいました。
せめて「眼福」だけでも、お裾分けです。
どうか、お許しを。
貴方も、ちょうどその時期にパリにお出でになるチャンスが有りましたら、一度足をお運びになられては、如何でしょうか。
食材に恵まれ、料理は「世界遺産」に登録されている程で、食文化の奥行きは非常に深い。
毎年2月の『サロン・ダグリキュルテュール(農業展)』は、ありとあらゆる種類の「生きた」牛やら、羊やら、豚やらから始まって、各種加工品が「ポルト・ド・ヴェルサイユ」という南の外れの<国際見本市会場>の広大な敷地に立て込む7棟に、「これでもか」とばかりに農業に関する展示がなされ、初日の大統領の訪問から農業関係者ばかりでなく、お年寄りから子供まで、大挙して押し掛け大盛況を呈する。
ビジネス・フェアーであると同時に、品評会であり、市民のレジャーの場ともなっている。
その、フランスの「豊かな食材」の中でも、ことのほか<質><量>共に、世界中に他に追随を許さないのが、「チーズ」と「ワイン」である。
その『農業展』の一環で『ワイン』の展示館もあり、ソウソウたる銘酒からソコソコの物まで、あらゆる産地のワイナリーのブースが並ぶ。
何れ劣らぬ逸品ぞろいで、業者が多く訪れ試飲しながら買い付けを行っている。
それとは別に、「大手流通ルート」に乗っていない中小のワイナリーが造っている組合『VIGNERONS INDEPENDENTS(独立系ワイン生産者)』の「合同展示販売会」が、年に二度春と秋とに行われるのです。
会場内の光景
ワンフロアーに1500軒ほどのワイナリーが参加して、ブースを構えているのです。
間口2m程の狭いブースでは有りますが、1500軒も集まると、それは壮観です。
入場前のレジスター
入場料は6ユーロ。
同じワイナリーで何回か購入すると、事前に招待券を送ってくれる様になります。
ちなみに私は5乃至6軒から送って来てくれる様になりました。
大混雑のレジスター・カウンターに行って住所氏名を記入した入場券を出し、当日何回も出入り出来るカードと、テイスティング・グラスを貰って、会場内に入ります。
歩き回って、試飲して、購入してという際にグラス片手では邪魔になると思う人の為に、グラスを首からぶら下げる<ヒモ>を、売っていました。
「ハンドフリー・グラス・ホルダー」のカウンター
お目当てのワイナリーのブースを見つける為に、出展者リストが「地域別」に書き出されて居り、フロアーの見取り図が有ります。
ブースの位置を示す見取り図
各ワイナリーのブース番号リスト
勿論、招待券にはそのワイナリーのブース番号が、ちゃんと明記されているので、問題無し。
出展者リストのディテール
私は、入場するや直ちに、気に入りのワイナリーに直行します。
各通路はアルファベットが割り振ってあって、両側に並ぶブースに、位置から80くらいまでの番号がつけられています。
J-22 「シュッド・ウエスト」地区 『シャトー・ド・サール』
アンリ・ド・バッツ・ド・トランクレオン
この看板が、最初に訪れた、本日の目的地。
アンリ・ド・バッツ・ド・トランクレオンさんがオーナーの「シャトー・ド・サール」。
フランス「南西部」(仏ワインの産地名)の『ビュゼ』地区に有るワイナリー。
ボロドーから、トウールーズに向かう道筋に有る地区の、所謂地酒です。
接客中のアンリさん
一本850円くらいで、コクが有ってすこぶる旨い赤ワインを、取り敢えず12本購入。
大きな通路の交差路の頭上に、各方面の誘導指示ボードがぶら下がっています。
方向指示ボード
品評会場や、プレス・センター、配送請負所、業者の専用スペース、などなど。
次に向かったのが、同じ『シュッド・ウエスト』地方の、「ガイヤック」地区のワイナリー。
『ガイヤック』『ガイヤック・ドウー(貴腐)』
「ドメーヌ・サルヴィー」
アンヌ・マール & パトリック・デュレル
世に名高い「城塞都市カルカッソンヌ」から北へ向かったあたり。
赤白ともに造っている地区で、これも極めつけの地酒。
パトリックさんとアンヌ・マールさんご夫妻
ここは、軽めで辛口のフルーティーな白ワインと、作柄の良い年は貴腐ワインも造っています。
私は、この「ドメーヌ(ワイナリー)」の<ペルレ(微発泡)>の白ワインが、大好きなのです。
完全に発酵し終わらない状態で年を越して、そのままボトルに詰めると瓶内で微かに泡が残るので、ほんの少し刺激が有ります。
ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」みたいな物です。
この作り手の「ペルレ」、これがまあうんと軽くて爽やかで、一切の雑味が無い、がぶがぶ飲めてすこぶる旨い。
一本僅か600円。
グリーンのボトルに入った「ペルレ」
6本入りのカートン
ここでも12本お買い上げ。
次なる標的は。
東フランス、アルプスの麓『サヴォア』地方のワイナリー。
『ドメーヌ・キャレル / ウージェーヌ・エ・フィス』
『サヴォア』地方
「サヴォア・ジョンジュー」「ルーセット・ド・サヴォア」
商談中のウージェーヌ・キャレルさん
ここのワインは、アルプスらしからぬ「コクがあって」ボディーがしっかりした、隠れた銘酒です。
通常、スイスやドイツに近づくと、日照時間と土壌のせいで葡萄の果実の糖度があがらず、酸の強いワインになります。
酸っぱい、言い換えると「フルーティー」な白と、軽くコシのない赤。
ところが、一部の「ルーセット・ド・サヴォア」という呼称のワインの中には、全く別ものと思わせる物が有る。
ここの白のうち、『マレステル』という畑もその一つ。
僅か1100円ほどで、5倍以上の値段の下手なシャブリなどより、ずっと味わい深い。
トロリと厚みがあり、バニラ香と蜂蜜香が、樽の木のキャラメル香と相まって、いやはや、素晴らしいのです。
サヴォア地方、「マレステル」の白と「ジョンジュー」の赤
ここでは、白12本と、赤6本も購入してしまいました。
その、宏大な展示会場の片隅に、軽食コーナーが有ります。
取り敢えず、「フォア・グラ」その他のソーセージ類のサンドイッチ・ショップです。
生産者直売「フランス・シュッド・ウエスト」自家製フォアグラ
「サンドイッチ」の看板が嬉しい
フレッシュ・フォア・グラの瓶詰めと、丸ごと塊のパック
各種ハムとソーセージのサンドイッチ屋さんのコーナーも。
チーズを使って、サンドイッチ製作中
「ドライ・ソーセージ」
作るそばから売れて行くサンドイッチ
美味しそうな「パン・ド・カンパーニュ(田舎パン)」
会場には、既に来年度の春の展示会での「品評会」のポスターが、張られていました。
1212年3月29日30日 の予告
金賞・銀賞・銅賞のラベルが張られたポスター
そう言えば、例のビュゼの赤も、金賞か銀賞の常連です。
今回は、ワインのお好きな方には、羨ましがらせるだけの「酷な」文章になってしまいました。
せめて「眼福」だけでも、お裾分けです。
どうか、お許しを。
貴方も、ちょうどその時期にパリにお出でになるチャンスが有りましたら、一度足をお運びになられては、如何でしょうか。
>がぶがぶ飲めてすこぶる旨い。
もう、こういう表現の出来る地ワインが
いつも身近にあるなんて、いいなあ~。
やはり、「むむむ」でしたか(^^)
ワインなんてものは、何千円も何万円も出して飲む物ではござんせん。
勿論、三ツ星レストランに経費で行けたときは、多いに好奇心を追求すれば良いのですが。
普段の家庭のお惣菜で、旨いワインを麦茶と同じ感覚で飲みながら、夕餉を楽しむ。
これですって。
6月か11月です。
この時期にいらして下さいませ。