観測にまつわる問題

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賢く戦うとは

2023-09-02 02:53:02 | 外交安全保障
「ロシアのように損失は出せない」指揮官語る反転攻勢 長期化も(NHK 2023年9月1日)

>私たちはロシア軍のように大きな損失を出すことは受け入れられない。時間は優先事項ではない

・・・戦争の進め方を最終的に決断するのはウクライナに他なりません。ただ支援しているのは我々で意見は聞くべきでしょう。試しもせずただ支援を待つのは外部から見て拙過ぎました。また本来は防御を固める前に(戦線が膠着していた東部はさておき南部の)機甲突破も狙うべきだったように思えます(戦力が足りなかったのかもしれませんが)。気候とか地形を知り尽くしているのはウクライナと思っていましたが、ウクライナは特に戦闘民族という訳でもないでしょう。アメリカ等の意見も聞くべきです。

時間を優先すべきだったと私は主張したことがありますが、防御を固められると不味いという意味もあります(何時になるかも分からない、当初ゲームチェンジャーになる(量)と見えなかった戦闘機の支援に拘って、戦闘開始を遅らせるなと言いたかった訳です。支援もタダではなく、支援だけで勝とうとするなら、支援する気も削がれます)。徒に防御に突っ込めと言いたい訳ではありません。ドンバスも防御を固めていなかったから侵入を許した訳ですが、ロシアに防御を固める時間を与えるべきでもありませんでした。

例えは悪いかもしれませんが、ナチスはマジノ線を突破せずに北部を迂回して(アルデンヌの森を通り抜け)フランスを急襲して落しています。ウクライナはNATO諸国方面は兎も角、ベラルーシ国境を常に警戒すべきですし、沿ドニエストル(モルドバ方面)も警戒は怠るべきではありません。案外、無理と思われる急襲が戦争の勝利に繋がって来た歴史もあって、対するロシアはどちらかと言えば、守勢に回って勝ってきた国ですが、それは心に留めておく必要もあります。

>指揮官は、無人機の数はまったく足りておらず、いっそうの確保の必要性を強調しました

・・・これは直接の支援ではありませんが、日本の観戦武官の数は足りているでしょうか?戦争は常に進化しています。ロシアサイドのC国はドローン大国であり、日本は自衛の必要があるんですね。日本はドローン市場で存在感がないと思いますが、特に海を渡るドローンは自衛の観点から研究し、自前の技術を高めておく必要があります。自衛を怠るとやりかねない国があるんですね。また電子戦は重視してもし足りないということは無いと思います。

>アメリカの当局者の話として、東部の要衝バフムトに戦力を集中させるウクライナの戦略に強い不満を示し、「部隊は最も難しいとされる防衛線の突破に向けて南部に集結させるよう促してきた」と警告したというのです。

・・・実情を知らず下手なことは言えず、敵に心理的に負けてはならないでしょうが、同時に敵の実力を過小評価してはなりません。難しい地域は後回しでいいんです。ウクライナはロシアに戦線を突破されることを怖れているのか知りませんが、防御の容易な地域に誘い込むような狡猾さがあってもいいでしょう。賢く戦うのはいいと思いますが、それが結局は最速だとも思います。

サッカーに例えるのが適切か分かりませんが、カウンターで防御が整う前の攻撃が得点に繋がるでしょうし、守備を固められてもスペースをつくる等崩し方があり(結果的にそれが最速でしょう)、徒に正面突破を試みても仕方ありません。

後、無人機によるモスクワ攻撃とか心理戦を行おうとしているように見えたのですが、それはどうでしょうか?威信で統治しているプーチン大統領を舐め過ぎであって、到底そのような攻撃で撤退するとは思えず、仮に撤退を決断するくらいプーチン大統領本人、あるいはロシア世論を心理的に追い込めたとして、核攻撃を誘発する可能性もあります。それよりは戦場でウクライナは勝って、「ショイグ・ゲラシモフの首を獲る」方が領土奪還の近道であり、プーチンロシアを徒に追い込まない上策だと私は思う訳です。復讐感情を持つなと言いませんが、それで目的(領土奪還)を見失ってはなりませんし、復讐最優先だと報復合戦がエスカレーションするだけでウクライナにとって得なことは何もありません。法治国家は仇討ちを禁止し(代行し)、復讐のエスカレーションを抑えるように出来ているものです。

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