中国が大型監視船投入へ 日本に圧力(
NHKオンライン 11月16日 15時23分)
>中国政府は、東シナ海での巡視活動に大型の海洋監視船を新たに投入すると発表し、沖縄県の尖閣諸島について領土問題の存在を日本側に認めさせようと、さらに圧力をかける構えです。
中国が日本に領土問題を認めさせようとしているなどとは聞いてないし見ていない。少なくとも中国政府の公式見解は「尖閣諸島は中国の領土」だから、中国に意図を聞けば、「中国の領海に居座る日本を追い出す」ためと答えるだろう。
考えてみてほしい。
領土問題の存在を認めさせたいならば、普通に訴えればいいだけだ。日本は拒否するかもしれないが、理由を説明しなければならないわけで、訴えること自体に意味がある。韓国が日本の提訴の構えを嫌がっているのもそういうわけで、中国も
領土問題の存在を認めさせたいならば、まずは裁判に訴え、その意志を見せなければ、話になるまい。
事実をハッキリ言えば、今の中国はひたすら圧力をかけるという暴力的手段(体当たり事件や国内暴動がその最たるものだ)や嫌がらせを繰り返しているだけで、その意図に平和的解決が含まれているとは考えられない。平和的解決を目指すならば、日本のように訴え(それすら恐る恐るで何時訴えるのかも分らない)、外交交渉によればいい(韓国は少しでも発言すれば逆ギレするし、ロシアとの話は進まないが)。
元々明らかに日本の実効支配下にあった島で、アメリカも日本に返した島(その後中国が日本を低く見て騒ぎ出しているに過ぎない)だから、ハッキリ言って、今更何をやろうが、誰がどう見ても日本の実効支配下(施政下と言いかえてもいい)にある地域に中国が侵入しているという事実は動かせない。あえて中国が圧力をかける背景には、圧力で日本を屈服させる(平和的解決を採る気がない)意図があると見るべきだ。
かくして中国に話し合う意図がない(中国に領土を「返す」という話なら、歓迎するだろうが、勿論ドロボウに餌を与えるべきではない)のだから、あたかも中国が「領土問題を認めさせる意図がある」(すなわち話し合いで解決する気がある)かのような報道はすべきではない。中国自体がそんなことは全く言ってない上、そう読み取れる要素も無いからだ。
何度でも書くが、中国に話しあいで解決する意図があるなら、訴えれば良い。日本は拒否するかもしれないが、少なくともそれで中国に話しあいで解決する意図があることは分るし、日本に理由を説明する義務も出てくる(それが領土問題が存在するということでもある)。何故それをしないかと言えば、裁判になれば、中国の嘘が全部バレるし、勝ち目ないからだろう。中国が自身で言う通り、尖閣が中国のものならば、訴えて失うものは何もない。簡単な話だ。
つまり中国が圧力をかける意図は・・・
①強硬姿勢をとること自体に意味がある(政治的に日本と対立すること自体に意味がある)(実際に第二次大戦云々を何時までも強調しているという事実がその証拠となり得る)(そうすれば政治的に有利になるないし、そうしなければ政治的に不利になる)
②日本を屈服させて尖閣を本気で奪う気である
・・・のどちらかしなない。領土問題を認めるとなれば、主張が平行線を辿った場合(全くそうなるしかない)、公平な第三者が決める(裁判以外想定できない)しかないのであって、その場合、負けるリスクもある。訴える側(実効支配を欠く側)の中国が訴えない以上、中国政府はその主張に自信が無い(あるはずもないが)のだろう。日本としても、無理を通して道理をひっこめるわけにはいかない。中国は言いたいことがあるなら、裁判に訴え、反論可能な形で全世界にその主張を明らかにし、負けたら引くことを明確にすべきなのであって、中国がそうしない限り、日本は単に自国の領土(少なくとも100年以上、沖縄として日本とアメリカの実効支配下にある地域)を守って、無茶苦茶な要求に屈しないという姿勢を見せなければならない。それが日本のためであり、アジアのためであり、世界のためであり、迂遠ながら中国のためでもあるということだ。