観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「北方領土」「農業」を考察する予定(未定)。

日本古代史は女性天皇(女系天皇)を求める

2022-04-07 13:38:27 | 皇室・日本文化
「旧皇族の男系男子の養子案」の実現を 維新の意見書判明(NHK 2022年4月6日)

>旧皇族の男系男子を養子に迎える案について、過去に皇位継承を目的として養子に迎えた例があることなどを指摘し「歴史的にも現実的にも特に高く評価できる」としています。

歴史的に日本の皇室に特徴的なのは女性天皇の存在です。また、倭迹迹日百襲姫命・神功皇后・飯豊青皇女といった女性皇族の活躍も古代日本史の特徴と言えるかもしれません。この歴史的に見られた女性天皇(皇族)の存在が、男系絶対論で欠けています。近親婚・側室制度の廃止といった近代的条件の下で、男系を絶対視すると女性天皇の存在は容認できなくなるからです(実際に男系絶対論者の大勢は女系天皇に繋がるからと女性天皇も認めません)。今は現代であり、近親婚・側室制度を復活させることは困難であることを認めると、女性天皇という歴史を取り戻すためには、女系天皇容認しかないことが明らかであり、世論もそれを支持しているようです(女性天皇、7割超が容認 「女系」も5割 毎日新聞・埼玉大調査(毎日新聞 2022/2/23)。現実的にも世論に沿って皇室を考えることは高く評価できることは言うまでもありません。養子制度に関して言えば、別王朝が入り込む手段を与えることになると危惧します。神武天皇の男系子孫で良ければ、平氏も源氏(足利義満)も該当しますし、徳川家康とて(仮冒でしょうが)(皇統に連なる)「新田家」と言えなくもありません。皇統の危機に傍系継承も過ぎれば類例がないものと言えます。養子継承はそれを糊塗する手段に他ならず、それが実現すれば、事実上の王朝断絶ですし、実現しなければ意味がありません。

>「日本の皇位が古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえ、皇室典範を改正して実現すべきだ」

日本神話を踏まえると皇室は天照大神の子孫ということに意味があります。女系継承を日本神話は認めていると言え、実際に女系天皇は養老律令・大宝律令では認めていたとされます。持統天皇から文武天皇への継承も実態は女系継承とも言えましょう。

>女性皇族が結婚後も皇室に残るというもうひとつの案については「皇位継承の資格を女系に拡大することにつながるのではないか」

女系継承を認めることが筆者は重要と思います。皇族に男子がいない場合、女性天皇に繋ぐことが考えられます。子供は出来ませんでしたが、未婚だった飯豊青皇女は子供をつくって皇統を繋げようとしたようです。(傍系継承で有名な)継体天皇も手白髪皇女を皇后にすることを条件に傍系継承が認められたと考えられ、実際に現在の皇統は手白髪皇女の子である欽明天皇の系統です。

日本の古代史は皇統の危機に女性天皇を求めていると言え、それは女系天皇を通じてしか実現できません。

雇用の流動性で経済成長させるための基礎

2022-04-05 07:18:17 | 厚生労働
雇用の流動性で経済成長させるための基礎として、労働者がイニシアティブをとることの重要性が挙げられると思います。労働者に付加価値をつけるのは労働者自身でしかないからです。また、雇用の流動性の悪い例として理研の600人の雇い止めが挙げられるのではないでしょうか。

「理研600人リストラ」に中国人ITエンジニアは「不思議です」と繰り返した(NEWSポストセブン yahooニュース 4/3(日) 16:15)

これは雇用の流動性の実例ですが、賃金の上昇に繋がりそうにありません。どうもこれは民主党政権の「有期雇用5年経過で本人が希望すれば無期雇用に転換しなければならない」という改正労働契約法(2013年施行)に問題があるようです(なぜ理研は600人もの研究職を雇い止めするのか yahooニュース 3/29(火) 城繁幸)。賃金の上昇を岸田政権が掲げるなら、塊より始めよなのかもしれず、優秀な技術者や研究者に十分な報酬をもって答えるべきなのでしょう。たちまちは雇い止めを防ぐために2013年の改正労働契約法を撤廃し、理研の600人の職を確保することが考えられます。雇い止めにあって、600人が好待遇で転職できれば良いのですが、実態は研究者や技術者を安くこきつかうシステムの一部になりそうです(技術者・研究者としての仕事もどれだけあるのか良く分かりません)。有期雇用でも優秀な人は、理研にしがみつくのではなく、イニシアティブをもって転職すれば(あるいはヘッドハンティングで転職すれば)、賃金の上昇に繋がるのではないでしょうか(そうさせないために理研が無期雇用に切り替えたり給与を上げたりすることが考えられます)?まぁ無期雇用は雇用の流動性に繋がらず、セリで賃金上昇に繋げるという話の本筋に関係ないことも言うまでもありませんが。「敵性国」への頭脳流出問題に関して言えば、安全保障の枠組みで対応すると共に、雇用の流動性で賃金を上げておくことも重要になってくると思います。

リカレント教育の普及の遅れも日本の課題として指摘されていますが、これも(優秀な層が)無期雇用でクビになる危険性が薄いことが、大いに影響しているような気がします。(停滞している)GDPを上げるには(労働者を増やすと共に)労働生産性を上げるしかなく、労働生産性を上げるには、(新しい技術を身に着けようという)労働者一人一人の意欲が重要になってくると思われます。

科学研究者雇用における年齢差別の撤廃を(内藤豊 つくば生物ジャーナル 2002 1 122‐123)
優秀な研究者が年齢を理由に引退させられるのは問題ではないでしょうか。日本でも研究者の職は平均賃金より高いようで、(大学を渡り歩くような)雇用の流動性もそれなりにあるような気がしますが、優秀な研究者が残れば、労働生産性はそれなりに上がるものと思われます。問題は研究意欲の無くなった研究者に引導を渡せるかですが、それは公平な審査で対応するしかありません。年齢を理由に引導を渡しているようでは、優秀な研究者にまで引導を渡すことになり、本末転倒だと言え、始めから可能性を追求してない敗北主義のようにも映ります。

裁量労働拡大をいつまで先送りするのか(日経 2018年3月2日)
>時間をかけて働くほど賃金が増える現在の制度には、働き手自身の生産性向上への意識が高まりにくいという問題がある。戦後、長く続いてきた仕組みだが、国際的にみて低い日本のホワイトカラーの生産性を上げるには制度の見直しが不可欠だ。
残業ゼロ法案とも言われますが、適用範囲は重要なようです(【3分で理解】ホワイトカラーエグゼンプションとは? 残業代ゼロや長時間労働に…? カオナビ人事用語集 2017/07/01)。ホワイトカラーの給与の上昇は雇用の流動性で確保されると思われます(格差の拡大は言われても、その逆は言われませんから、高所得層の給与の上昇が抑えられることはあまり心配しなくていいのでは?)。逆に言えば、雇用の流動性が無ければ、残業ゼロで働かせる悪徳経営者に対する抑止力が無いとも言えますが、それを恐れて改革しなければ、何にもならないだろうとも言えます。ホワイトカラーの低生産性の理由は裁量労働制の未導入だと言われ、日本は生産性を上げていかなければ、今後生き残ることは出来ないかもしれません。