観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「北方領土」「農業」を考察する予定(未定)。

GXの仕切り直しに関して案出し

2024-04-27 17:55:07 | 資源エネルギー・環境
気候変動の防止を目的とするGXはあまり上手く進んでいないと思いますが、やはり途上国や資源国の合意が取りにくいからだと思います。根本的には、先進国は環境が激変するコストが高いと感じるんでしょうが、途上国においては、少々天変地異が起きても、命の値段が安いので、気にしないということなのかもしれません。途上国が経済発展すればいいのかと言われれば、世界の経済発展はいいのですが、単純にCO排出が増えるはずです。途上国は環境がどうというより、経済を発展させたく、環境対策が足かせになる(工場の廃棄物をそのまま排出した方がコストは安いみたいな発想か)と思っています。しかし地球が温暖化して海面上昇が起こったら大変なのは、縄文海進でも明らかですね。

ではどうしたら良いでしょうか?一つには海面上昇より大きな目的を導入することです。それは文明の存続です。このままだといずれは資源エネルギーが尽きて、文明が存続しないことは明らかですから、省資源省エネはわりと大きな意味を持っています。ひと昔前にピークオイル論で経済が混乱したことを覚えている人もいるでしょう。これは何時かは起きることですが、本当に起きてしまうと、海面上昇より下手をしたら、経済に打撃になります。途上国も資源エネルギーのない世界で発展は出来ませんから、この目標は合意できるはずです。ただしその場合石炭を使用しないという判断はまず有り得ないはずです(地球の温暖化と電気の無い世界のどちらを選ぶでしょうか?)。これをGXとどう調和させるかになってきますが、省資源や炭素回収といった技術の導入になってくると考えられます。これに資源国が反対するかですが、資源国は価格を上げてもいいし、資源国としての地位が長続きするというメリットがあります。ですから問題は省資源してもコストカットにはならないということになってきますが、省資源する国と省資源しない国があると、省資源しない国が相対的にコスト増になるので、経済的動機が全くないとは言えません。まぁ鉄のような豊富な資源で何処まで省資源するかの問題が個別にあるとは思いますが、レアメタルほど省資源・代替資源の必要性は高いと言えます。そしてそれが成功すれば、資源をテコにした力による外交が意味を持たなくなってくるとは言えるでしょう。技術開発が重要という訳ですね。省資源省エネで言えば、無駄のないライフスタイルも重要かもしれませんが、原発は夜に安い電力を安定して供給できますし、あまり無理にライフスタイルを転換していくことには賛成できません。原発があれば、夏の寝苦しい夜とか冬の寒い夜にエアコンを使用することは無駄ではないんですね。再生可能エネルギーはこれが出来ません。完全に蓄電池前提で、環境対策と便利な生活の調和のお荷物になっていると言えるでしょう。蓄電池が(レアメタルとか使わずに)開発できれば、省資源省エネに資すると思いますけどね。更に言えば、実用的な蓄電池が開発できるなら、原発にも応用できると言えます。夜の発電をピーク時に利用することが出来るんですね。ですから、原発は現時点で再生可能エネルギーより優れていますし、蓄電池が開発されても上位互換と言えるのではないかと思います。

もう一つは仕事を創る側面は否定できません。無論「無駄な仕事」は生産性を落とすんですが、途上国や資源国こそ仕事が無いことに困っていることに気づいても良さそうです。

排出権取引に関して言えば、ライフスタイルの転換を目的とすれば、経済成長にダイレクトに悪影響を与え、上手くいかないと思います。炭素回収の技術の普及等に目的を絞れば、上手く機能させることが出来るかもしれませんが。

そんなことを言って間に合うのかと言われれば、間に合うかどうかは分かりません。しかし現状でもスケジュール通りに進んでいないので同じです。環境対策と経済発展を調和させるなら、一番大事なのは技術開発になってくるでしょう。空中から炭素を回収する技術が開発されれば、温暖化に関しては一発なんですけどね(省資源省エネの問題は残ります)。またその手の地球工学が開発できなければ、自然変動の氷河期リスクや温暖化リスクに対応できないとも言えます。

人口問題に関して言えば、少子化は環境問題にプラスの側面は否定できません。ただし過疎化の問題は深刻です。途上国で森を切り開いて都市開発し、先進国の地方がゴーストタウンになるなら、大きな無駄が生じているとは言えますが、地方ほど余所者に厳しいと言い、上手くマッチングできる見込みがあるとは言えません。一つだけ言えるのは、丈夫な建物を建築し、長く利用すれば、環境にはいいということでしょう。また木材といった天然資源を持続可能な範囲で利用するのも悪くありません。移動の自由は大切だと思いますが、大都市への集中と地方の過疎化というトレンドが底なしに進行するのは環境的には無駄な側面があると思います。廃校を利用するにも限度がありますよね。スクラップするのもタダではありませんし。その分大都市で建設するのも地価や人手で大変なところがあります。まぁ大都市で公共交通を使えば、一人一台の車社会で都会で渋滞を発生させるよりはよほどいいとも言えますが。歩くと健康にいいとも言えますしね。安い公共交通は、人口ブラックホール東京ならではのなせる業かもしれませんが。近くのコンビニに行くにも車でデスクワークだと真剣に健康が心配になります。家でトレーニングすればいいのかもしれませんがね(運動で休息を潰すのが健康にいい?)。

何故先進国でGXなのかと言えば、結局有望な投資先が不足しているからでしょう。日本など幾らマイナス金利にしようが、インフレにして更なる実質的なマイナス金利にしようが、日本人の誰も日本に投資しませんから、超少子高齢化が日本人のメンタルに相当悪影響を与えていると言えると思いますが、GXを進めて有望な投資先を創出すれば、経済にプラスとは言えます(雇用の創出ではありません。先進国は仕事はそう不足していないのであって、民間で出来る生産性の高い仕事が民間で出来ない生産性の低い仕事に置き換わったら経済の足を引っ張るだけですから)。

最後にこういう複雑な制度設計や困難な技術開発のためには優秀な理系人材が必要だと言えます。これは日本の問題ですが、理系人材の報酬が安く、魅力的な職場になっていません。民間企業の採用だけに任せるのではなく、(環境問題や革新的な技術開発に繋がる基礎研究はお金になりませんから、必要な研究に)公が報酬をズドンと上げて(何が必要な研究かは理系人材自身が基本的にはインナーで判断するしかないと思いますが)、優秀な人材を確保するべきでしょうね。それが民間企業の報酬増大に繋がるかもしれません。賃上げは経済のキモですよね。DXで無くなってしまうような無駄な事務作業に優秀な人材を割いている余裕など、日本にあるか疑問ありますよね。

山地の太陽光発電の将来性とソーラーカー

2023-09-29 13:31:09 | 資源エネルギー・環境
ノーモアメガソーラー、福島市が宣言 景観悪化に歯止め(日経 2023-09-29)

傾斜のある(一部地盤の悪い)山地で一般的な森林は炭素を貯留しており、日本は山がちな山島ですが、山地での太陽光発電はカーボンライフサイクルを悪化させているように見えますね。景観の悪化によるベネフィットの低下、防災対策の徹底によるコストの上昇を考えると、福島市の決定は納得できます。これが「福島新エネ社会構想(資源エネルギー庁)」の結論だとしたら、意味は重いのではないでしょうか?

もし蓄電池が開発が進んで、再生可能エネルギーの比重が高まったら?・・・遅ればせながら、キャッチアップすればいいのではないでしょうか?日本は既に太陽光発電で出遅れました。無理な競争にコストをかけることもありません。例えば砂漠だらけで雨も降らない(土砂災害もなく、日照時間が長い)サウジの太陽光発電に日本が関与して技術を保つ(豊田通商、サウジアラビアにメガソーラー 25年稼働へ 日経 2023年6月28日)のは悪くないと思いますが。

全方位のトヨタはソーラーカー(トヨタ新EV「bZ4X」 年間1800km分を賄うソーラー発電の本気度がすごい!!(2021年11月15日 ベストカーWEB)/トヨタの電気自動車『bZ4X』一般販売開始は本当か? 販路拡大に向けて方針変更(2023年9月5日 ENECHANGE Ltd.))もやっているんですね。さすがです。意味のあるコングロマリット。

空のバイオ燃料SAF

2023-09-14 13:58:13 | 資源エネルギー・環境
日本航空 次世代航空燃料「SAF」使用で運航へ NY定期便で1週間(NHK 2023年9月14日)

植物などを原料とする次世代の航空燃料と言いますと、森を切り開いて農業をやったりしたら、逆に環境破壊になるのでは?と思ってしまいますが(バイオ燃料に関する議論)、LC(ライフサイクル)での排出量が85%以上削減されるとも言われます(サプライチェーン全体での カーボンフットプリントの算定・検証等に関する背景と課題 経済産業省 2022年9⽉22⽇)。SAFの原料は廃用油、第1世代バイオエタノール(コーン、さとうきび等)、⾮可⾷原料(ポンガミア、微細藻類、第2世代エタノール(古紙等)等)、ごみ(廃プラ等)、CO2、⽔素と各種類型があって、85%削減の数字は目安に過ぎないとは思いますが、それは兎も角、環境に配慮したエネルギーに一定の目途が立っているのも確かなのでしょう。

バイオ燃料は自動車の分野では、石油業界等が推すETBE配合バイオガソリンと、環境省等が推すE3の2種類の導入が進められているようです。

トヨタはバイオ燃料で走る小型ハイブリッド車をブラジルで生産するとも。

日本では自動車分野のバイオ燃料の導入は遅れているような印象はあります。トヨタが全方位で環境対応するのはいいと思うのですが、日本国も全方位で環境対応するべきなのかもしれません(選択と集中等と言って、水素に期待し過ぎている?)。先端分野は何が成功するか事前に分かりませんから(それが分かっているなら、研究する必要は無い訳です)。航空で導入が進むなら、思ったより自動車(や船)もいけるんじゃないでしょうか。

中国で台頭する環境保護派は科学の視点で議論できるか

2023-08-23 20:31:16 | 資源エネルギー・環境
処理水放出に反対する中国 知られざる環境保護派の台頭(日経 2023年8月23日)

中国はIAEAに職員を派遣しており、科学的なことは理解した上で、嘘をついていると思います。恐らくアメリカの安全保障を理由とした対中国政策に対する意趣返しのつもりで日本にあたっているのでは?(日本は特に独自の厳しい対中国政策は現状で採っていないと見られます)

中国が不透明な核政策等、安全保障政策で東アジアの不安定要因になっていることは明らかだと思いますが、きちんとした理由のあることであれば、バイデン政権は話し合う余地があるようです。無論、日本も処理水の海洋放出が安全であることを幾らでも説明すべきですが、政治的意図で不安を煽っているのだとすれば、その政治的意図の方にアプローチせざるを得ません。(例えばトリチウム量の国際比較等)簡単に要約した話なら、幾らでも可能だと思いますが、疑えばキリがなく、疑問の個別の回答は専門的にならざるを得ず、説明を理解するのに素養がいる話だと私は思います。

要は専門家の言が信頼されているか否かですが、中国(やロシア)は普遍的な科学を西側の政治的な意図で歪められており信用できないとしているのでしょう。しかし、科学が政治的な意図で歪められているなら、飛行機は飛びません。自然は政治に忖度しないですからね。中国人は歴史的に皇帝の徳のあるなしが災異の原因と考えてきたようですが、正直ちゃんちゃらおかしな話でしょう。徳治主義にいい側面もあるとは思いますが、科学を無視した徳治主義等、現代では有り得ない話です。日米と中国の徳の比較はさておき、環境問題については科学の視点で話が進められなければなりません。

そしてそれは逐一理解するのは一般国民には難しい話であって、専門家の話し合いが重要ですが、一般国民の理解を問うこと自体、ミスリードの設問だと私は思います。一般国民は専門家が話し合っているかどうか、話し合いに前向きかどうか、真摯な話し合いが進んでいるかどうかを見ていればいいはずです。

EVが競争力を持つ中国、日本の脱炭素ビジネスの将来

2023-05-27 18:01:49 | 資源エネルギー・環境
“逆風”の中国市場 日本の自動車メーカーに危機感(NHK 2023年5月26日)

日本人は中国の技術を馬鹿にし過ぎで後で痛い目にあうかもしれませんね。

EVは補助金があって現時点で本当に安いのかは兎も角、車体価格とランニングコストの安さで普及しているようです。補助金なしで勝負できるなら、日本でも普及するでしょうし、環境負荷がトータルで軽いなら、補助金前提で日本でもいずれ普及する流れになるでしょう。トータルでの環境負荷の軽さが判断できる日本の省庁は環境省で、国際会議で重要なのはCOPになります。自動車産業は日本の虎の子ですが、GXが今後の将来を左右する時代が来たのかもしれません。

EVモーターズ、6億円調達 関西電力グループなどから(日経 2022年8月31日)

安定した安い夜間電力で充電すればEVは安く活用できます。再稼働が進む九州・関西(加圧水型原発)のEVはポテンシャルがある?

中部電力管内(沸騰水型)は旧来の自動車産業の聖地ですが、浜岡原発と運命を共にするんでしょうか?南海トラフ地震の危険性がある地域ですが、本気で再稼働するか、廃炉にするのかよくよく考えるべきだと思います。

東電がグズグズしているのは何ででしょうか?旧来の産業と東京(首都圏)は運命を共にするつもりでワザとやっているんでしょうか?司令塔がそんなことでは日本全体が沈みかねません。大事故を起こしたのは東電ですが、管内の住民の生活コストのためにも「復興」が求められていると私は思います。

我らが四電は九電・関電と同じ加圧水型のはずですが、グズグズしています。管轄でない広島高裁が何故しゃしゃり出ているのか分かりませんが、仮処分で伊方は止められています。中電の嫉妬でしょうか?

電力も加圧水型ですが、グズグズしています。ブラックアウトも然りですが、地域のリーディングカンパニーがこんな有様で、北海道経済の将来は明るいと言えるんでしょうか?北海道は再エネのポテンシャルがあると言いますが、安定した脱炭素の鍵は原発にあるのでは?

岸田首相は沸騰水型の中電管内の首相ですが、GXへの感度が低いのはその辺でしょうか?広島アピールもいいのですが、日本の首相であることを忘れてはいけませんね。森さんの北電(沸騰水型)もそうですが、アベノミクスが原発に弱い印象もあります。

東北電力は沸騰水型ですが、さすが東日本大震災で事故を起こさなかっただけあって、先陣を切るでしょうか?東北地方は再エネのポテンシャルもあるようで、環境産業で将来性があるかもしれません。

岸田首相は沸騰水型の中電管内の首相ですが、GXへの感度が低いのはその辺でしょうか?広島アピールもいいのですが、日本の首相であることを忘れてはいけませんね。森さんの北電(沸騰水型)もそうですが、アベノミクスが原発に弱い印象もあります。

東北電力は沸騰水型ですが、さすが東日本大震災で事故を起こさなかっただけあって、先陣を切るでしょうか?東北地方は再エネのポテンシャルもあるようで、環境産業で将来性があるかもしれません。

沖電管内に原発はないですし、市場規模から将来的にも出来ないかもしれませんが、島嶼部の再生可能エネルギーはどうなるんでしょうね?小型原発が実用化されれば、状況は変わってくるのかもしれませんが。島嶼部の自動車は走行距離に不安があるとされる(年々長くなっている)EVが案外適している可能性も。

原発再稼働に関する考え方

2023-05-18 04:58:07 | 資源エネルギー・環境
描けぬ再稼働、かすむ優位 浜岡原発停止12年(中日新聞 2023年5月12日)

私は原発再稼働を基本的に支持していますが、(ネット上で検索してみるだけでも)浜岡原発は固い岩盤の上に建っていないのではないかとの指摘があり、それが事実としたら大変なことです。まずそれがデマかどうか検証してデマだったら訂正してもらう必要があると思います。

地震は起こるという前提で原発は建てられるべきだと思います。その点で重要なのは活断層の存在の有無というより、硬い岩盤の上に建てられているか否かではないでしょうか?見つからないような深いところにある活断層が起こす地震はそれほど大きくないと考えられています。

処理水の安全性の程度

2023-04-30 08:33:53 | 資源エネルギー・環境
日本の水道水は比較的安全と言われますが、あまり飲む人はいません。しかし生物濃縮が問題になることはありません。福島の処理水の安全性も同様と思われ、飲むのに科学的な問題は無いという程度の話と思いますが、福島産の農水産物に影響はないのであって、福島での生活に問題は発生していません。

韓国をはじめとした福島県産の農水産物の輸入禁止措置は科学的に問題と思います。WTOは正常に機能しないようですので、日本も韓国の原子力発電所周辺水域の農水産物、あるいは水道の水が汚いとかいってキムチ・海苔とかの農水産物の輸入を禁止にすることは考えられると私は思います。

処理水の問題に関しては、福島の漁業者の反対は小さくないかもしれません。でも漁民が処理した下水の海洋放出に反対したとは聞きません。福島の事故は勿論問題ですが、適切に対処されていると思われ、あまり科学を信頼しない態度だと逆効果になる(福島産に悪いイメージがつく)のでは?

寒波で電力逼迫、原因と対策

2021-01-13 09:00:56 | 資源エネルギー・環境

陸上自衛隊金沢駐屯地 ツイッター 1月10日

今、グリーンエネルギーのマイナス面を強調するのは気が引けますが、LNG不足に加えて、天候不順による太陽光の稼働減が電力供給逼迫の原因となっているようです。

LNG不足、太陽光の稼働減――電力需給逼迫の理由(電気新聞 2021/01/10)

太陽光発電の割合ですが、2019年には7.6%になっており、影響力は小さくないようです(国内の2019年度の自然エネルギーの割合と導入状況 環境エネルギー政策研究所)。

寒波でLNG火力の供給追いつかず。今後の脱炭素路線にも影響?(日刊工業新聞 2021年01月12日 ニュースイッチ)

>想定を上回る需要に対し、LNG火力発電は即応できない。小売電力事業者の通知に基づき燃料を調達しており、需要が急に増えたからといっても調達のリードタイムに2カ月かかるからだ。LNGは備蓄が難しい上に、設備に支障を来さないようにタンクの在庫量を維持する必要があり、稼働率を無理に上げられない。

石油発電は供給弾力性に優れるようですが(「石油火力」の位置付けと石油火力向け石油燃料の供給について 石油連盟)、石油ショックで新設が禁止され、施設が老朽化しているようです(【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[2019年版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等) サステナビリティ・ESG投資ニュースサイト)。石炭発電はCO2排出に問題がありますが、今回のことで貯蔵が効くメリットが見えてきたと思います。

原子力に関しては・・・
原子力の必要性(中国電力)
>少ない量で大量の発電を行えるため,燃料の輸送や貯蔵も容易です。
>原子炉に装荷したウラン燃料は,4~5年程度使用することができます。


リモート天然ガス井戸 国立労働安全衛生研究所(NIOSH)USA パブリックドメイン 

スポット価格の高騰が止まらない。寒波でLNGの在庫が減少(電気新聞 2021年1月12日)
>現在のLNG不足は一時的な現象で、年間を通してみると余剰感が強い。
>LNGはタンクに入れて長期間貯蔵すると気化してしまうため、夏場に余ったLNGをためておいて冬場に使うといった運用もできない。

今年の冬は想定外の電力需要があったようで、天然ガスは余剰気味で貯蔵が効かないため、十分な発注が無かったと見られます(なぜ電力ひっ迫を招いたLNG不足を予測できなかったのか 日経エネルギーNEXT >今回の危機の原因はあくまで燃料の不足)。上手く燃料を買えればいいのですが、気候変動の予測は難しいと思われ、原発再稼働で電力の総供給量を大幅に増やしておくこと(余剰は揚水発電)、石炭火力を維持しておくことも抜本的な対策になりそうです(CCSは必要かもしれません)。

なお再生可能エネルギーで蓄電技術が言われますが、蓄電技術が使えるのは原子力発電も同じだと思われ、出力調整も技術的には可能のようです(原発のいわゆる「出力調整」問題の壁 国際環境経済研究所)。

気候変動問題でグリーンもいいんですが、CO2を出さない電力として原子力は有力ではないかと思います。少なくともお天気任せの再生可能エネルギーよりは安定性があります。