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てらまち・ねっと



 今日のブログは違うことにしたいと思ったけど、昨日の首相の所信表明を聞いて、気が変わった。

 麻生氏は、民主党の言うことに「財源がないぞ、示せ!」と言いたいとも取れる。
 しかし、財政再建や構造改革は当面先送りし、麻生氏の「経済対策優先でいくというその財源こそ、不明」なまま。
 結局、自ら穴を掘ったようだ。

 ともかく、トップの「これから日本をこうしたい」という表明ではなかった。

 麻生氏が所信表明で民主党小沢氏に「答えるようにと『質問』した」のに対して、民主は「代表質問」の場で一切答えず、政権公約を示すという。
 選挙前から、お互い結果を承知しいるような感じもする。

 ところで、NYタイムズ社説の麻生評が厳しく外務省がかみついたらしい。
 それに、麻生氏自身の不正献金も出てきた。

●【麻生首相所信表明】とてつもない楽観論 「選挙」にかすむ国家のありよう (産経)
 「民主党」という言葉を12回持ち出し同党への攻撃姿勢を前面に打ち出した。
 「明るさ」が持ち前とされる首相の真骨頂ではあるが、各論となると「とてつもない楽観論」(自民党中堅)でちりばめられた。
 民主党幹部はほくそえむ。「首相は決して攻めているのではなく、守りに入っている。背中を膨らましているネコにみえてくる」

●「麻生流」で反転狙う=解散にらみ、民主挑発−麻生首相 (時事)
 自らが目指す重点政策を示して理解を求めるはずの所信表明で、首相が異例の「けんか戦法」に出たのは、逆境の中で衆院選の勝機を見いだしたいとの思いがあるためとみられる。

●麻生首相:予算委開催意向示す 「敵前逃亡」批判避け 野党攻勢必至、自民内に疑問も(毎日)
 補正予算案審議は首相にとっては「もろ刃の剣」だ。

●主党代表質問で首相の「逆質問」無視へ(日経)
 麻生太郎首相が民主党に「逆質問」したことについて、民主党は代表質問で一切回答しない方針を固めた。
 代表質問で、次期衆院選のマニフェスト(政権公約)を公表。政権交代を念頭に、小沢氏の「所信表明」と位置付け、首相には答弁を求めない。

●政府、米紙「首相は好戦的なナショナリスト」に反論(読売)
●「首相、けんか腰のナショナリスト」社説、NYタイムズに外務省反論(朝日)
●NYタイムズ社説「けんか好きな国粋主義者」に外務省反論(日経)

●贈賄側企業が07年も献金 首相の自民支部に30万円(共同)

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●【麻生首相所信表明】とてつもない楽観論 「選挙」にかすむ国家のありよう   産経 2008.9.29 18:19
衆院本会議だ所信表明演説する麻生太郎・首相=29日午後2時21分、国会・衆院本会議場(酒巻俊介撮影)
 麻生太郎首相は29日の所信表明演説で、「民主党」という言葉を12回持ち出し同党への攻撃姿勢を前面に打ち出した。民主党の小沢一郎代表に対する代表質問といえる異例のスタイルをとり、迫る次期衆院選を強く意識したことは言うまでもないだろう。ただ半面、危殆(きたい)に瀕しつつある日本をどういう方向に導いていくのか、指導者としての思いや決意がかすんでしまったことは否定できない。
 麻生首相は演説で、「日本は強く、明るくなければならない」「日本人の力を信じて疑わない」などと連呼し、日本全体に覆う暗雲を吹き飛ばすことに努めた。「明るさ」が持ち前とされる首相の真骨頂ではあるが、各論となると「とてつもない楽観論」(自民党中堅)でちりばめられた。

 首相は「日本経済は全治3年」として景気対策を最優先し、財政再建や構造改革は当面先送りする考えをにじませた。しかし、景気対策への具体的な処方箋(せん)や道筋は示せず、小泉純一郎元首相以降、歴代首相が触れてきた消費税増税の必要性にも口を閉ざした。
 民主党が選挙をにらんで与党への格好の攻撃材料としている社会保障制度や格差是正問題も主要項目から外した。選挙へのマイナス要因となる材料は封印しておきたいとの思惑が透けてみえてくる。

 こうした中で首相は民主党への「逆質問」を連発した。外交について「日米同盟の強化」を真っ先の課題に挙げ、国連至上主義に走る小沢氏の姿勢をただしたのは当然のことだ。
 だが、民主党の政権担当能力の欠如をあぶりだすことに腐心するあまり、「自身の国家ビジョンを具体的に国民に訴えるという首相の責任がなおざりになり、民主党の方ばかり向いている」(自民党ベテラン議員)との声も聞かれる。

 自民党総裁選に挑戦すること4度目で射止めた首相の座だ。民主党を攻撃するのもいい。だが演説で「宰相・麻生」はいったい日本をどうしたいのか、国民に伝わったとは言いがたい。衆院選に向け「太郎VS一郎」の演出にこだわり続ければ、所信表明演説で民主党を「政局第一」と指弾した言葉が、国民から首相自身に浴びせられるだろう。

 民主党幹部はほくそえむ。
 「首相は決して攻めているのではなく、守りに入っている。背中を膨らましているネコにみえてくる」(高木桂一)

●「麻生流」で反転狙う=解散にらみ、民主挑発−麻生首相  時事 2008/09/29-21:15
 麻生太郎首相は29日の所信表明演説で、民主党の国会対応を「政局第一義」と決め付け、経済対策や「テロとの戦い」などで小沢一郎代表に同党の見解を明らかにするよう執拗(しつよう)に求めた。「政権交代を標ぼうする民主党への挑戦状」(河村建夫官房長官)を突き付けたのは、迫る衆院解散・総選挙を意識して「麻生VS小沢」の論戦に持ち込み、苦境からの反転につなげる狙いがある。
 24日に発足した麻生内閣は、出だしから荒波にもまれている。問題発言を連発した中山成彬前国土交通相は、組閣から5日目で辞任に追い込まれた。2代続いた首相の政権投げ出しに対する国民の視線も、依然として冷淡だ。演説に先立ち、首相がこれらの問題で「国民におわび申し上げる」と陳謝したことは、政権が置かれた厳しい状況を浮き彫りにした。

 自らが目指す重点政策を示して理解を求めるはずの所信表明で、首相が異例の「けんか戦法」に出たのは、逆境の中で衆院選の勝機を見いだしたいとの思いがあるためとみられる。
 「(国会で)合意形成のルールを打ち立てるべきだ。民主党に、その用意はあるか」「補正予算の成立は焦眉(しょうび)の急だ。のめない点があるなら、論拠と共に代表質問でお示しいただきたい」。型破りな首相の演説からは、民主党に「責任政党」としての自覚を問い、小沢氏が代表質問で正面から答えない場合は、衆院解散の大義名分にしようとの思惑もうかがえた。

 民主党に逆質問するくだりでは、野党席から「自分は何をやりたいのか」とのやじや、怒号が渦巻いたが、首相は構うことなくだみ声を張り上げ、民主党を挑発。「当面の論点をご提示しました。お考えをお聞かせ願いたく、私の所信表明を終えます」と不敵な笑みを浮かべ、約20分間の演説を締めくくった。この間、小沢氏は終始ぶぜんとした表情で、机の上に置かれた演説文のページをめくることすらしなかった。

 首相は二十九日夜、『(小沢氏に)質問には答えていただけると思う。やりとりができると期待している』と記者団に語ったが、小沢氏は首相の挑発には乗らない構え。10月1日の代表質問では、「民主党が政権を取った時の国の姿を、財源の問題も含めて提示したい。首相にはほとんど質問しない」(鳩山由紀夫同党幹事長)として、政権担当能力をアピールする作戦に徹する見通しだ。民主党内からは29日、首相の演説に対し「傑作だ。立派な野党党首だ」(幹部)と痛烈に皮肉る声が上がった。

●麻生首相:予算委開催意向示す 「敵前逃亡」批判避け 野党攻勢必至、自民内に疑問も  毎日新聞 2008年9月30日
 麻生太郎首相が08年度補正予算案成立のための予算委員会開催に改めて強い意向を示したのは、国会審議もせずに解散に踏み切れば「敵前逃亡」との批判を受けかねないからだ。しかし、中山成彬前国土交通相の辞任で、野党が攻勢を強める中での補正予算案審議は首相にとっては「もろ刃の剣」だ。衆院解散日程の判断と共に、首相は厳しい政権運営を迫られる。【犬飼直幸】

 29日の所信表明演説で首相は「補正予算案の成立は焦眉(しょうび)の急」と表明。10月1日からの代表質問で賛否を回答するよう民主党に強く迫った。

 首相は10月3日までの各党代表質問後、衆参両院で2日ずつ予算審議をして9日に補正予算案を成立させた直後の解散が最善と考えているとみられる。野党が予算案成立への協力を確約すれば、そのシナリオが成り立つが、協力に応じなければ、即座に解散することも考慮している模様だ。いずれの場合も、投開票日は11月2日が有力。ただ野党との協議次第では、審議日程が長引き、予算案成立を優先すれば、日程がずれ込む可能性も残される。

 これに対し、野党が多数を占める参院の尾辻秀久自民党議員会長は29日の記者会見で「野党に煮え湯を飲まされ続けてきた。だらだらせずに早く解散したほうがいい」と警告。党内には依然、予算審議入りを疑問視する声も根強い。

 公明党も同様の姿勢を示していたが、首相の強い意向を伝えられた同党幹部は「首相が強く予算審議入りを要望すれば、我々は強く反対することはできない」と語った。

 こうした中で、自公両党の幹事長、選対委員長は9月29日夜、国会近くのホテルで会談した。与党は予算審議を開くことが可能かどうかを判断する期限を10月1日に設定している。野党との交渉が決裂すれば、首相は野党に責任を転嫁してただちに解散に打って出る可能性もあり、臨戦態勢を整えるために集まったとみられる。

●主党代表質問で首相の「逆質問」無視へ  日経 2008年9月29日23時15分
 麻生太郎首相が29日の所信表明演説で民主党に「逆質問」したことについて、民主党は代表質問で一切回答しない方針を固めた。

 小沢一郎代表は10月1日の代表質問で、次期衆院選のマニフェスト(政権公約)を公表。政権交代を念頭に、小沢氏の「所信表明」と位置付け、首相には答弁を求めない。臨時国会冒頭の「党首対決」は、首相の所信表明を踏まえて野党が質問し、首相が答弁するという慣例を外れた異例の展開となりそうだ。

 麻生首相は所信表明で、民主党に対し「日米同盟と国連と、どう優先劣後させようとしているか、論拠とともにうかがいたい」などと質問。29日夜には記者団に「お答えをいただけると思っている」と述べた。

 鳩山由紀夫幹事長は記者団に「麻生内閣には語るべき政策がないから(小沢氏が)首相に質問しても意味がない。国会の場で、麻生氏より小沢氏の方が『首相の器』だと示す」と狙いを説明。

 首相の要求には「答える責務は全くない。失礼なことを言われて黙っているわけにはいかない」と述べ、自らの代表質問で異議を唱える意向だ。

 小沢氏に次いで質問に立つ鳩山氏は、汚染米不正転売や後期高齢者医療制度、辞任した中山成彬前国土交通相の任命責任、金融不安、年金問題の「5点セット」で首相を追及する構えだ。

●NYタイムズ社説「けんか好きな国粋主義者」に外務省反論  麻生内閣 2008年9月30日01時55分 読売新聞
 藪中三十二外務次官は29日の記者会見で、米紙ニューヨーク・タイムズが25日付社説で、麻生首相を「けんか好きな国粋主義者」などと酷評したことに対し、口頭で反論したことを明らかにした。

 反論は兒玉和夫外務報道官がニューヨーク出張中だった26日に電話で行った。近く文書も送る方針だ。

●「首相、けんか腰」社説、NYタイムズに外務省反論  朝日 2008年9月29日19時56分
 外務省の薮中三十二事務次官は29日の記者会見で、米紙ニューヨーク・タイムズが25日付社説で、麻生首相を「けんか腰のナショナリスト」などと評したことに対し、日本政府として同紙に反論したことを明らかにした。

 薮中氏は、首相の国連総会演説や所信表明を引き合いに、麻生政権の外交方針について、「日米同盟を基本に中国や韓国など近隣諸国との関係も強化し、地球規模の問題にも取り組む、非常にバランスのとれた外交姿勢だ」と説明。こうした考えを同紙にも伝えたという。

●政府、米紙「首相は好戦的なナショナリスト」に反論  日経 29日 23:51
 藪中三十二外務次官は29日の記者会見で、麻生太郎首相の人物像を「好戦的なナショナリスト」などと評した米ニューヨーク・タイムズ紙に反論したことを明らかにした。藪中次官は会見で「首相は非常にバランスのとれた外交姿勢をとっており、報じられたようなことはない」と述べ、ニューヨーク総領事館を通じてこの旨を伝えたという。
 ニューヨーク・タイムズは25日付の社説で、首相が外相時代に「植民地時代の成果を称賛するなどして、中韓との関係を悪化させた」などと報じている。

●贈賄側企業が07年も献金 首相の自民支部に30万円  2008/09/29 05:05 【共同通信】

 麻生太郎首相が支部長を務める自民党福岡県第8選挙区支部が、国立病院発注の機器納入をめぐる汚職事件の贈賄側企業から2007年にも30万円の献金を受けていたことが、29日付で同県選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書で明らかになった。

 同支部の会計担当者は「法律に基づいて献金を受けており、問題はない。返還する考えはない」としている。だが、警視庁による捜査が継続中で、粉飾決算の疑いも浮上している企業の献金だけに、野党などから批判が上がりそうだ。

 献金したのは医療機器販売会社「ヤマト樹脂光学」(東京都千代田区、破産手続き中)。過去の政治資金収支報告書や麻生氏の事務所によると、同社は06年までの12年間に、同支部や首相の資金管理団体「素淮会(そわいかい)」に計370万円を献金したことがすでに判明しており、献金は総額400万円となった。

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 今回の大臣の辞任問題、もともと中山氏がそういう考えだったことは知られていた。自民党有志による「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」会長
 中山氏は、「教育勅語にはいいことが書いてある」とか、「教科書から『従軍慰安婦』の記述が減ってよかった」とし、自民党内屈指のタカ派。

 それを知っていて任命した麻生氏は、同じく確信的だ。
 いずれ本体も ホンネ を出すだろう。
 ということで情報を記録。

●「水差された」自民議員怒り…中山国交相は辞任後も持論 (読売)
 「がっかりしている。日本全国の選挙に影響が出る」と困惑しきり。

●日教組批判「確信的に申し上げた」 中山前国交相 (朝日)
 日教組批判は「失言」ではなく、「政治信条」と言い切った。
 「日教組や自治労が支持する民主党が政権を取れば日本は大変なことになる。その広報を私は務めないといけない」と説明した。29日朝にはTBS系の番組に出演することも明かし、「さっそく『朝ズバッ!』に出るということは、そういう役割(広報)が回ってきた(ということ)」と言った。

●日教組批判 最後まで 中山国交相辞任 「確信的にあえて」 謝罪なく延々と持論展開 (西日本新聞)
 今回の組閣では当初、行革担当相を打診され「私も役人(旧大蔵省)出身、妻(中山恭子首相補佐官)も子どもも公務員。お受けできない」と涙ながらに抗議して閣僚差し替えの混乱を招く一因ともなった中山氏。そうした経緯もあってか麻生首相からはこの日、「この種の発言は普通、官僚経験もある人はされないはず」と酷評された。

●中山氏の暴言連発に憤慨、不快感 「話にならぬ」あきれ顔 (共同)

●日教組批判は「確信犯」=辞任会見で自画自賛−中山氏 (時事)
 「(発言後)たくさんの方から『よく言ってくれた』といった山のようなメール、電話が深夜まで鳴り続けていた」と、自身の発言を自画自賛。

●日教組発言、関心引きたかった=国交相一問一答 (時事)
 −麻生内閣や総選挙に与える影響は。
 そのことがわたしが一番心配すること。もしそういうことがあれば万死に値する。

●社説:中山国交相辞任 あまりにお粗末なつまずきだ (毎日)
 首相は中山氏を任命した責任に加え、ただちに収拾に動かなかった認識の甘さも問われる。

●【社説】 国交相辞任 決戦へ目を覆う失点だ (中日)
 中山氏は保守派論客で売る。文部科学相当時も歴史教科書の記述を「極めて自虐的」となじった。
 役人目線の人物にどうして閣僚ポストを与えたのか。

 最後に ● タカ派 についてのことを引用しておく。

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●「水差された」自民議員怒り…中山国交相は辞任後も持論
麻生内閣  2008年9月28日22時54分 読売新聞
  相次ぐ問題発言で辞任に追い込まれた中山国土交通相は、28日の最後の記者会見でも、日教組をめぐる一連の発言について「撤回しない」と開き直った。

 なおも「(日教組には)子供をダメにしようという闘争方針で活動している人がいる」などと“持論”を展開。近く予想される総選挙に向け、地元に戻っていた自民党議員らからも「完全に水を差された」と怒りの声が上がった。
 ・・・
 「日教組は教育のがん」などと前日に地元・宮崎で発言した内容については「確信的にあえて申し上げました」と語気を強め、報道陣から「辞任する覚悟だったのか」と聞かれると、無言のまま軽くうなずいた。会見は約1時間。ほとんどが放言問題だった。

 わずか5日で大臣が去った国交省では「あまりに無責任」と批判の声が噴出した。幹部の一人は「道路財源の無駄遣いや官製談合から、信頼回復に向けて動きだしたばかりなのに。省のイメージは悪くなるばかりだ」。成田空港問題に携わったことがある職員は「現場の苦労を知らない人の発言」と怒り心頭の様子だった。

 麻生内閣発足後、初の週末となり、選挙をにらんで地元に戻るなどしていた自民党議員らからも、出はなをくじかれ恨み節が漏れた。

 中山氏の隣の選挙区である宮崎2区から出馬予定の江藤拓衆院議員は「がっかりしている。日本全国の選挙に影響が出る」と困惑しきり。自民党北海道連会長の今津寛衆院議員は「国会の論戦で、我が党の政策をしっかり有権者に理解してもらってから選挙に臨む方がいいかも……」と、早期解散を避けたい考えをにじませた。同党秋田県連の鈴木洋一幹事長は「総選挙への機運を高めていたのに、完全に水を差された。有権者に私が謝罪しても仕方ないが、説明して歩かなければならないだろう」と怒りを隠さなかった。・・・

●日教組批判「確信的に申し上げた」 中山前国交相 朝日2008年9月29日3時0分
 「確信的に申し上げた」「国民の関心を引きたかった」——。「失言問題」でたったの5日間で大臣を辞めた中山国土交通相。28日の辞任会見でも、日教組に対する批判は止まらなかった。
・・・
 「(25日の)記者会見以来、『よく言ってくれた』『がんばれ』『辞めるな』といった山のようなメールをもらった。電話も深夜まで鳴り続けた」。まずは、自分の発言に多くの人が共感していることをアピールした。
・・・
 「成田空港『ごね得』」や「日本は単一民族」という発言に関しては「言葉足らずだった」と撤回したものの、日教組批判は「失言」ではなく、「政治信条」と言い切った。
・・・
日教組問題は大阪問題に飛び火。一部、大阪府と大阪市の問題を混同しながら、「日教組や、いわゆる官公労の組合の支援を受けている民主党が政権を取れば、いまの大阪府のようになる。職員の給料は高いしヤミ手当はあるし、裏金はあるし……。今回の選挙は、日本を大阪府にしないための選挙だ」と言った。

 中山氏は27日夜、拉致問題担当首相補佐官を務める妻の中山恭子参院議員に辞任について相談したことを明かした。恭子氏からは「辞任は仕方がないわね。日本の教育を考えるいいきっかけになるといいね。前向きに考えましょう」と言われたという。
     ◇
 「(日教組や自治労が支持する民主党が政権を取れば)日本は大変なことになる。その広報を私は務めないといけない」と説明した。29日朝にはTBS系の番組に出演することも明かし、「さっそく『朝ズバッ!』に出るということは、そういう役割(広報)が回ってきた(ということ)」と言った。

●日教組批判 最後まで 中山国交相辞任 「確信的にあえて」 謝罪なく延々と持論展開  2008/09/29付 西日本新聞朝刊 2008年9月29日 00:13
 ・・・
 麻生首相に辞表を提出後、国土交通省で記者会見した中山氏。冒頭、一連の発言に関し「『よく言ってくれた』『頑張れ』と山のようなメール、電話が鳴り続けている」と強調。騒ぎの責任については「不快な思いを与えた方々にはこの前も陳謝した」「大分県を名指ししたことについては申し訳なかった」などと切り上げ、政権や総選挙への影響を「そのことが一番心配」と述べた。

 「成田」「単一民族」発言は撤回したとしながらも、日教組に関しては「政治家中山成彬としては撤回したという考えはない」と言い放ち、1時間近く「ごく一部の過激分子が政治的に子どもたちを駄目にして、日本を駄目にしようと活動している」などと持論を展開。自民党有志による「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」会長として、「自虐史観」批判を展開してきたことでも知られるだけに、前日の発言も含め「確信的にあえて申し上げた」と胸を張った。
・・・
 今回の組閣では当初、行革担当相を打診され「私も役人(旧大蔵省)出身、妻(中山恭子首相補佐官)も子どもも公務員。お受けできない」と涙ながらに抗議して閣僚差し替えの混乱を招く一因ともなった中山氏。そうした経緯もあってか麻生首相からはこの日、「この種の発言は普通、官僚経験もある人はされないはず」と酷評された。

●中山氏の暴言連発に憤慨、不快感 「話にならぬ」あきれ顔  共同2008/09/28 22:14 【共同通信】
 ・・・
 「単一民族」発言に猛反発した北海道のアイヌ民族からは、首相の任命責任を厳しく問う声も。

 札幌市南区の木版画家結城幸司さん(44)は麻生首相が総務相時代の2005年10月「(日本は)一国家、一文明、一言語、一文化、一民族」などと発言したことを挙げ「首相も同じ考えなのでは」。旭川市の川村アイヌ記念館館長の川村兼一さん(57)も「あまりに失礼。アイヌについて、しっかりとした認識を持った人を後任に選んでほしい」と注文を付けた。

 国と反対派が長年対話を重ねた経緯を「ごね得」のひと言で片付けられた成田空港関係者も「これまで築き上げた国、自治体、住民の共生の思想を踏みにじるものだ」(小川国彦・元成田市長)と不快感をあらわに。

●日教組批判は「確信犯」=辞任会見で自画自賛−中山氏  時事 2008/09/28-12:59
 「失言とは思っていない」「宮崎での発言は確信犯」−。中山成彬国土交通相は辞表提出後の午前10時半から、国土交通省で記者会見。日教組批判については最後まで撤回しなかった。

 冒頭、中山氏は「(発言後)たくさんの方から『よく言ってくれた』といった山のようなメール、電話が深夜まで鳴り続けていた」と、自身の発言を自画自賛。その上で、「(臨時国会の)審議にいささかの支障があるとすれば私の本意とすることではない」と、辞任の理由を説明した。
 「日教組はがん」などとした発言について、「失言と思っていないのか」との質問には「はい」ときっぱり。いったん落ち着いた問題を地元の宮崎で蒸し返したことについては「確信的に申し上げた」と語った。

●日教組発言、関心引きたかった=国交相一問一答  時事 2008/09/28-14:01
 【辞任の決断】
 −いつ決断したか。
 辞任しなきゃいかんと途中から思った。ゆうべ、いろいろな方々に相談した。家内(中山恭子参院議員)とも相談した。本当に悩んだ。政治家中山成彬として、何が日本を駄目にしているのか伝えるのも仕事と考えた時に決断した。

 −麻生内閣や総選挙に与える影響は。
 そのことがわたしが一番心配すること。もしそういうことがあれば万死に値する。
・・・
 −奥様は何と言ったか。
 辞任は仕方ないと。このことが日本の教育を考えるいいきっかけになればいい、前向きに考えようと。

 −国会議員を辞めるのか。
 そんなことは考えていない。

 −行政の空白を招いた。
 国交行政にそれほどの空白ができるとは思っていない。

 【日教組】
 −日教組発言を撤回しないと言ったが。
 政治家中山成彬としては撤回したという考えはない。

 −日教組に対する認識は。
 問題はごく一部の過激な分子。日教組の中にもまじめに授業に取り組んでいる先生もいるが、政治的に子どもたちを駄目にして日本を駄目にしようという闘争方針で活動している方々がいる。それが日本を駄目にしている。

 −日教組と学力の相関関係はあるのか。
 大体そういう傾向と思う。

 −相関関係を明らかにするために全国学力テストを始めたのか。
 いろんなことを検証するため。

 −なぜそこまでこだわったのか。
 それほど重要な問題。なぜこんなゆがんだ教育が行われているかについて関心を引きたかった。(報道各社インタビューで)国交相の仕事は何かと質問を受け、安心安全に暮らせる日本をバトンタッチするんだと答えているうちに、そこに住む日本人をちゃんと育てないといけないという気持ちがますます強くなった。

 −日教組の問題を言って良かったか。
 もちろん良かったと思う。

 −大分の人たちはどう感じたと思うか。
 大分県を名指しで言ったのは申し訳ない。

 −昨日、宮崎でなぜああいう(日教組批判の)発言を。
 確信的にあえて申し上げた。

 【民主党と官公労】
 −昨日、公務員は働かないと述べた。
 これは大阪のこと。民主党が政権を取れば日教組や自治労、官公労の支援を受けているので今の大阪府みたいになる。長年、トップと職員組合が癒着関係だった。今回の衆院選は、日本が大阪府みたいにならないために、どうしたらいいのかを国民に訴える選挙になる。(了)

●社説:中山国交相辞任 あまりにお粗末なつまずきだ  毎日新聞 2008年9月29日 東京朝刊
 これが麻生太郎首相が言うところの「適材適所」人事だったとは、とても言えまい。発足1週間もたたぬ麻生内閣で、中山成彬国土交通相が成田空港の整備や日教組批判などの問題発言をめぐり、辞任に追いこまれた。次の衆院選を控えた新政権にはかりしれない打撃を与えた出足のつまずきである。

 閣僚としての資質に疑問を抱かせた一連の発言に加え、日教組解体論まで持ち出し「自爆」した経過はあまりにお粗末だ。首相は中山氏を任命した責任に加え、ただちに収拾に動かなかった認識の甘さも問われる。事態を厳しく反省し、一連の発言に対する自身のより具体的な見解も国会で説明すべきである。

 問題発言の波紋が広がる中、中山氏が地元・宮崎で行った発言は、異様なものだった。成田空港整備で地元の「ごね得」があったとの発言や、「単一民族」という言葉を用いた点は改めて陳謝したが、国交相としては所管外の日教組批判を改めて展開。「日教組を解体しなければいかん。小泉(純一郎)さん流に言えば『日教組をぶっ壊せ』」と息巻いた。
・・・
 中山氏の一連の発言が知識不足と事実誤認の点で大きな問題をはらむことを、私たちはすでに指摘している。これではそもそも、国交相として職責にどれほどの熱意と関心があったかすら疑問だ。教育問題に関する発言がこれまでも物議をかもしてきたのだから「失言」というよりは「確信」だ。首相の人選は不適切だったと言わざるを得ない。
・・・
 それこそ政権を「ぶっ壊し」かねない辞任だが、発言をうやむやにしてはならない。中山氏はあくまで国会の混乱回避を辞任の理由としており、日教組発言についてはむしろ正当性を主張している。首相は発言を「甚だ不適切」と認め、国民に謝罪したが、それだけでは不十分だ。・・・

●【社説】 国交相辞任 決戦へ目を覆う失点だ  中日 2008年9月29日
 異常事態である。就任たった五日で中山国交相が辞任した。問題発言「三連発」の責任を免れなかった。総選挙を前に与党への打撃は深刻だ。言葉を軽んじた責めが発足間もない政権を揺さぶる。
 失言や放言を懸念される面々が名を連ねた麻生内閣がスタートしたのが二十四日。世間に新しい顔触れが浸透する前に、中山成彬国土交通相が二十八日に辞任した。
 いきなりの不安的中である。
・・・
 中山氏は保守派論客で売る。文部科学相当時も歴史教科書の記述を「極めて自虐的」となじった。辞任会見では「確信的に申し上げた」とまで語った。大臣の職の重さを全く理解していない。懲りない人である。国務大臣たる資質以前の問題だろう。

 麻生太郎首相の任命責任は極めて重い。中山氏は当初、行革担当相を打診されたが自分が官僚出身だとして拒んだ。役人目線の人物にどうして閣僚ポストを与えたのか。麻生氏は自民党最大派閥町村派の支援もあって総裁選で大勝した。同派事務総長である中山氏を論功で遇したのなら、まさに「古い自民」のやり方だ。首相は船出から大きな間違いを犯した。
・・・
 私たちは新内閣発足時、「発する言葉を軽んじず、その質を競う」よう注文をつけた。懸念が早くも当たってしまった。こんなことを繰り返していると、政治の劣化が加速するだけである。

●「タカ派」「妄言」…韓国紙は麻生氏に警戒感  スポニチ 2008年09月02日 12:14
 韓国主要各紙は2日、福田康夫首相の退陣表明を1面で報道、有力な後継候補として自民党の麻生太郎幹事長について「タカ派」と紹介したり、創氏改名をめぐる過去の発言を「妄言」と指摘するなど警戒感を示している。

 韓国大統領府報道官は同日、「コメントすべき事案ではない」と論評を避けた。
・・・

●特集:麻生内閣の横顔  毎日新聞 2008年9月25日
 ◇名門出身、失言癖も--総務、地方分権改革・鳩山邦夫(60)津島派
 安倍、福田内閣の法相で、在任中は「法相が絡まなくても(死刑執行が)自動的に進む方法がないか」「友人の友人はアルカイダ」などの発言で物議をかもした。

 ◇原子力の工学博士--法務・森英介(60)麻生派
 麻生太郎首相の側近で、一昨年の麻生派結成時から事務総長を務めている。昨年と今年の総裁選では、麻生選対で裏方を取り仕切った。

 ◇党内きってのタカ派--財務、金融・中川昭一(55)伊吹派
 小泉・安倍内閣で4年にわたり、経済産業相、農相、党政調会長などを務めたが、昨年の安倍内閣改造で要職を退いた。その後の約1年は、安倍内閣の政策を引き継ぐことを掲げた「真・保守政策研究会」を発足させたほか、著書も出版するなどして過ごし、充電期間は十分。

 父一郎氏の死去に伴い、83年の衆院選に立候補、30歳で初当選した。党内きっての「タカ派」として知られ、麻生太郎、安倍晋三両氏とは極めて近い間柄。

 ◇軍事おたくを自認--農林水産・石破茂(51)津島派
 防衛庁長官2期、防衛相1期を務めた国防族の論客。今回の総裁選には派閥の独自候補擁立を目指す中堅・若手の声に推されて初出馬し、独特の語り口で知名度もアップした。
◇妻は前拉致担当相--国土交通・中山成彬(65)町村派
 党内きっての保守派を自任し、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会長を務める。外交姿勢や経済政策に対する考え方が「麻生太郎氏とは元々非常に近い」と公言しており、政策手腕を買われた。

 大蔵官僚から83年の衆院選に出馬したが落選し、3年後の再挑戦で初当選した。小泉内閣では文部科学相を務めた。妻は福田政権で拉致担当相を務めた中山恭子参院議員。趣味のゴルフは党内屈指の腕前という。

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 先日、天気のいいタイミングを見計らって彼岸花を撮りに行った。
 車で5分ちょっとのところにある岐阜市の市民公園(畜産センター)。

 咲き時としては、ぴったりの頃合いで、気持ち良く花を眺めることができた。

 そしたら、写真をブログに載せる前に、この数日、岐阜の南の方、海津市の津屋川 の堤防の彼岸花の群生地の写真が新聞の何紙かの一面をかざった。
 とはいえ、なかなか1時間以上かかるそこまではいけなくて、ガマンしている。

 ともかく、写したデジカメ写真の整理をして2度楽しむ。

 なお、一緒に咲いていた「紫式部」(と頭に浮かんだ)を調べたら、紫式部と小紫の見分け方があるという。
 庭などにあるのは、たいていは「小紫」だそう。

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ここのところ5位、6位あたり

(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

    


  


  


    








    


  


  


  


小紫 (こむらさき)
紫式部 (むらさきしきぶ)の仲間の  小紫 (こむらさき)熊葛(くまつづら)科
白式部も近くにあったけど・・・
  


紫式部と小紫の見分け方。
見分けるコツは、葉のつけ根と実のつけ根が一緒が紫式部、離れているのが小紫。
白式部は、紫式部の白系も、小紫の白系も含めて言うことが多いらしい。

 ↓ 他に見分けの解説など ↓

ムラサキシキブ(紫式部)  と  コムラサキ(小紫)
「 山野に生える落葉低木です。庭などに植えられて「ムラサキシキブ」と呼ばれるのはコムラサキ(小紫)のことが多いと思います。コムラサキに比べて実のつき方がまばらで,素朴な感じです。 」

ヤブムラサキ も あるそうな

 両方を比較したブログ 「だい」のひとりごと

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 昨日26日の朝刊各紙。
 各紙とも、内閣支持率のデータと評価がトップ。
 小泉引退の記事を横に追いやっていた。

 概していえば、福田内閣発足時より10%低い。
 自民党の思惑は完全にはずれた。
 
 新聞5紙をとっているので数字を比べると、(いつも自民政権の裏で糸引く「渡辺」の収める)読売が相変わらず高い。
 もちろん、あとでインターネットをみると、もっと高いところもあったけど。

    支持率%   不支持率%
朝日   48      36
共同   48.6    32.9
毎日   45      26
読売   49.5    33.4
産経   44.6
日経   53      40

 一番見やすいのは朝日だったので最初に整理。 

 産経は 「福田前内閣の55・3%を下回り、平成5年の細川内閣以降の10内閣のうち、下から3番目という低水準」
 「自民党が見込んだ『総裁選効果』や『ご祝儀相場』はみられず、新内閣発足の勢いで衆院解散・総選挙に臨むという自民党のシナリオ通りにはならなかった。」 とする。

 ところで、j-castは、「麻生支持率、各紙はバラバラ 解散の見方も分かれる不思議」として整理しているが、最後に「『麻生人気』が本物かどうかは、選挙の結果いかんということにもなりそうだ。 」と結んだのは、軽く逃げたというべきか。

 論評としていつも堅い河北新報の社説は、
 「支持率が伸びなかった理由の一つは、景気後退と米国発の金融不安、汚染米事件による食の信頼喪失、厚生年金記録改ざん・後期高齢者医療問題という『3点セット』にほかなるまい。」
 「有権者は生活を取り巻く重苦しい空気に触れながら平成を振り返り、これまでの延長の政治に過大な期待を寄せるのをやめようとしているのではないか。 」

 麻生氏は「見た目だけで言われても、支持率はあまり興味がない」とコメントするが、動揺が無いはずはない。
 
 総選挙が済むまで、この数字は下がることはあっても上がることは無いわけだから、大方の予想以上に苦しいはず。

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ここのところ4位、5位あたり

●麻生内閣支持48% 比例投票先、自民が民主上回る   2008年9月25日22時20分
 麻生内閣の発足を受けて、朝日新聞社が24、25の両日実施した全国緊急世論調査(電話)によると、内閣支持率は48%、不支持率は36%だった。支持率は、福田内閣後半に20%台で低迷したのと比べると大きく回復したが、安倍内閣発足時(06年9月)の63%、福田内閣発足時(07年9月)の53%を下回った。

 総選挙について「仮に、いま投票するとしたら」として聞いた比例区の投票先は自民36%(9月2、3日調査は28%)、民主32%(同32%)。昨年12月から折に触れてしているこの質問で、自民が民主を上回るのは今回が初めてになる。ただ、選挙のかぎを握るとみられる無党派層では、民主27%で自民17%をなお上回っている。

 内閣支持をみると、自民支持層の85%、無党派層の31%が支持している。福田内閣後半には自民支持層の支持は6割前後、無党派層は1割前後まで落ち込んでいた。

  麻生首相が掲げる「景気対策優先」に対しては賛成64%、反対18%で、幅広い支持を受けた。賛成の人の6割強は内閣を支持しており、支持率を押し上げる要因になっているようだ。

 麻生首相の人物評価では、実行力について「あると思う」54%、「そうは思わない」28%と評価された一方、国民の感覚に近い政治家だと「思う」は32%、「そうは思わない」が54%と対照的な結果になった。

 自民支持率は前回9月10、11日調査の29%から34%に伸び、民主23%(前回19%)を引き離している。

 望ましい政権の形でも、自民中心が39%(9月2、3日調査32%)、民主中心40%(同41%)と、自民中心が増えて伯仲した。

 麻生首相と民主党の小沢一郎代表のどちらが首相にふさわしいかでは、麻生首相54%、小沢代表26%で、麻生首相が圧倒した。無党派層をみても44%対22%で麻生首相に軍配が上がる。

 「日本の政治は政権交代がときどきあったほうがよいか」と聞くと「あったほうがよい」73%、「そうは思わない」21%。自民支持層でも約6割が「あったほうがよい」と答えた。

 だが、「あったほうがよい」という人でも、「首相にふさわしい」のは、麻生首相47%、小沢代表33%。小沢民主党はいまのところ「政権交代」の声を十分には引きつけられないでいるようだ。

●麻生内閣支持率48% 福田政権発足時下回る  2008/09/25 19:02 共同通信
 麻生内閣発足を受け、共同通信社が24日夜から25日にかけ実施した全国緊急電話世論調査で、内閣支持率は48・6%となった。不支持率は32・9%だった。支持率は昨年9月の福田前内閣発足直後の57・8%を下回った。

 次期衆院選比例代表の投票先は、自民党34・9%、民主党34・8%と拮抗した。このほか公明党5・7%、共産党2・7%、社民党1・2%、国民新党0・4%、新党日本0・2%。

 麻生太郎首相と民主党の小沢一郎代表の「どちらが首相にふさわしいか」との質問では、麻生氏が53・9%で、小沢氏の29・4%を大きくリードした。

 ただ、望ましい政権の枠組みでは民主党中心の政権への交代がよいと答えた人が43・8%で、自民党中心の政権継続の38・1%を上回った。

●麻生内閣:支持45% 発足時、前政権比12ポイント減--毎日新聞世論調査  毎日新聞 2008年9月26日
 毎日新聞は24、25両日、麻生内閣の発足を受け、電話による全国世論調査を実施した。内閣支持率は45%で、昨年9月の福田内閣発足時を12ポイント下回った。一方、次期衆院選で自民党と民主党のどちらに勝ってほしいかを尋ねたところ、自民党41%、民主党37%で、昨年8月の調査から13回目の質問で初めて自民党が上回った。こうした数字を与党は好感しており、早期衆院解散・総選挙に向けた流れが加速しそうだ。(3面にクローズアップ、5面に質問と回答)

 ◇次期衆院選で勝利望む政党、自民が逆転
 福田内閣の改造を受けた8月の前回調査では、自民、民主両党ともに24%だった政党支持率は自民党28%、民主党22%で、自民党が6ポイントリード。麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表のどちらが首相にふさわしいかを聞いた質問への回答も、麻生首相42%、小沢氏19%で、いずれも与党に好ましい結果となった。

 麻生内閣を「支持しない」と答えたのは26%で、「関心がない」は27%だった。

 支持する理由は(1)「指導力に期待できる」42%(2)「親しみを感じる」20%(3)「政策に期待できる」16%--などの順。支持しない理由は(1)「政策に期待できない」36%(2)「自民党の首相だから」29%(3)「軽率なイメージがある」21%--などだった。

 首相が行った組閣、党役員人事への評価は「評価しない」が48%で「評価する」の36%を上回った。【坂口裕彦】

 ◇68%が解散より補正予算案優先
 毎日新聞の世論調査は経済政策に関する3問も盛り込んだ。衆院解散・総選挙と、補正予算案の成立のどちらを先にすべきだと思うか尋ねたところ、補正予算が68%で、解散の22%を大きく上回った。解散で政治空白をつくるより原油や食糧の高騰への対応を求める世論がうかがえた。

 「当面は財政健全化よりも景気対策を優先すべきだ」という首相の考えに対しては、「評価する」66%、「評価しない」24%。小泉純一郎元首相が進めた構造改革路線について継続か見直しかを聞いた質問への回答は、「継続すべきだ」29%、「見直すべきだ」61%で、首相の経済政策を評価する意見が多い結果となった。【田中成之】

●麻生内閣支持49・5%、「福田」発足時下回る…読売世論調査  2008年9月26日03時01分 読売新聞
 麻生内閣の発足を受け、読売新聞社が24日夜から25日にかけて実施した緊急全国世論調査(電話方式)によると、内閣支持率は49・5%、不支持率は33・4%だった。

 内閣発足時の支持率としては、福田内閣の57・5%を下回った。
・・・
 政党支持率は自民37・4%、民主22・8%で、自民党総裁選の告示直後に実施した緊急電話調査(自民43・4%、民主26・3%)に比べていずれも低下した。総裁選によって自民党に対する印象が「良くなった」という人は11%、「悪くなった」は16%で、「変わらない」が71%を占めた。告示早々に麻生氏の圧勝が固まり、論戦が盛り上がらなかったことが影響したようだ。

 新内閣の顔ぶれでは、総裁選で2位につけた与謝野経済財政相の再任を「評価する」が46%、「評価しない」は27%だった。戦後最年少の小渕少子化相の起用は「評価する」「評価しない」がいずれも40%だった。

 新内閣に優先的に取り組んでほしい課題(複数回答)は、「景気対策」83%、「年金問題」と「食品安全対策」がともに79%、「高齢者医療」72%――の順で多かった。後期高齢者医療制度の見直しで自民、公明両党が合意したことについては「評価する」68%、「評価しない」19%だった。

●麻生内閣支持率44・6% 福田内閣下回る 本社・FNN世論調査 
  産経 2008.9.26 11:41
 麻生内閣誕生を受け、産経新聞社はFNN(フジニュースネットワーク)と合同で25日、世論調査を実施した。内閣支持率は44・6%で、発足直後の支持率としては福田康夫前内閣の55・3%を下回り、平成5年の細川護煕内閣以降の10内閣のうち、下から3番目という低水準となった。政党支持率は自民党が31・7%で民主党(25・9%)を5・8ポイント上回ったが、この差は自民党総裁選告示直前の前回調査(今月10、11日)とほとんど変わらなかった。
 自民党が見込んだ「総裁選効果」や「ご祝儀相場」はみられず、新内閣発足の勢いで衆院解散・総選挙に臨むという自民党のシナリオ通りにはならなかった。
・・
 衆院解散・総選挙を望む時期は「年内」が32・7%で最も多く、次いで来秋の「任期満了または来年後半」29・4%、「来年前半」17・2%で、「すぐに」は16・6%だった。

●麻生内閣、支持率53% 衆院選の支持、自民と民主伯仲  日経 25日 23:02
 日本経済新聞社とテレビ東京が24、25両日に実施した緊急世論調査で、麻生内閣の支持率は53%となった。福田内閣末期の8月末の前回調査に比べ24ポイント上昇したが、安倍(71%)、福田(59%)の両内閣発足時には届かなかった。不支持率も福田政権発足時を13ポイント上回る40%の高水準。次期衆院選の比例代表の投票先は自民党36%、民主党33%で伯仲した。

●麻生支持率、各紙はバラバラ 解散の見方も分かれる不思議  j-cast 2008/9/26
新聞各紙が出した麻生内閣の支持率は44~53%と、最大で10ポイント近くの違いが出ている。さらに、次の総選挙で自民・民主どちらが有利かでも見方が分かれる混乱ぶりなのだ。「麻生人気」は、どこまで本当なのか。

支持率、10ポイント近いずれ

各紙で支持率が違う麻生太郎首相
科学的な世論調査のはずなのに、これほど調査結果やその見方が違うものなのか。

毎日新聞は、2008年9月24、25日の世論調査結果を発表。次期衆院選で勝ってほしい政党として、自民が41%と民主の37%より上回ったと報じた。この結果は、ここ1年で初めてのことだという。そのうえで、「こうした数字を与党は好感しており、早期衆院解散・総選挙に向けた流れが加速しそうだ」との見方を伝えた。

一方、産経新聞は、ほぼ逆の見方だ。フジテレビとの25日の合同世論調査で、衆院選比例代表で投票したい政党は、民主が39.3%と自民の36.0%を上回ったと報告。そして、次のように書いたのだ。「自民党が見込んだ『総裁選効果』や『ご祝儀相場』はみられず、新内閣発足の勢いで衆院解散・総選挙に臨むという自民党のシナリオ通りにはならなかった」

これらの記事を素直に読めば、こんな結論が考えられる。麻生太郎新総理は、毎日の見方に立てばすぐに解散を、産経の見方なら解散を先延ばしした方が賢明だと。新聞を見比べた読者は、頭が混乱しそうだ。

支持率調査でも、各紙の結果は最大10ポイント近くずれている。

産経が44.6%と、主な新聞では最も低い。続いて、毎日45%、朝日48%、共同通信48.6%、読売49.5%、そして、最も高い日経が53%だ。

福田康夫前首相が改造内閣を発足させたときも、各紙調査結果がバラバラになった。これは、J-CASTニュースが8月4日に報じているが、マスコミの世論調査は当てにならないものなのか。

「解散風を変えるのは難しい」
・・ 比較的低い支持率になった理由について、各紙では、「お友だち内閣」とも言われた組閣・党役員人事の問題や国民の感覚に近くないことなどが挙げられている。
・・
麻生首相自身は9月25日、世論調査結果について、「仕事をした上での評価ではない」として支持率にあまり興味がないことを明らかにした。また、与謝野馨経済財政担当相は26日、スタートとしては「いい数字だと思う」と答えている。

「麻生人気」が本物かどうかは、選挙の結果いかんということにもなりそうだ。
●社説  麻生内閣支持率/何が出はなをくじいたのか  河北新報 2008年09月26日金曜日
 人々は日々の暮らしを前に、新内閣への期待を「ご祝儀相場」で膨らませる余裕など失ってしまったということだろうか。
 共同通信の全国世論調査によると、おととい発足した麻生太郎内閣の支持率は、政権投げ出しを批判された福田前内閣の発足時さえ下回る48.6%(不支持率32.9%)にとどまった。

 麻生内閣の支持率は福田内閣より約9ポイント、その前の安倍内閣より約16ポイント低く、1991年以降の11内閣の中で下から4番目だ(いずれも発足時比較)。
 初の女性を含む5候補が話題を集めた「自民党総裁選劇場」でホップ、麻生人気が売りの新内閣発足でステップ、その勢いを次期衆院選へのジャンプにつなげるのが同党の作戦だった。

 しかし、期待していたほどの数字は出なかった。麻生政権のショックは小さくないはずだ。
 支持率が伸びなかった理由の一つは、景気後退と米国発の金融不安、汚染米事件による食の信頼喪失、厚生年金記録改ざん・後期高齢者医療問題という「3点セット」にほかなるまい。

 新内閣発足に伴うご祝儀相場である程度の支持率アップはあったと思われるが、それは国民生活直撃を意味する「3点」にかき消されたのではないのか。
 理由の二つ目は、自民党政権そのものへの期待感低下が慢性化しつつあることではないか。いくら本の表紙を変えても内容は変わらないというわけだ。

 麻生氏は、平成の時代に入ってから実に14人目の首相となる。麻生氏を除く首相一人の平均在任期間は約1年半と短い。
 こんなに多くの首相が去来していったい政治の何が変わったのか。在任5年半の小泉時代に政治は茶の間に入りこんだが、残ったのは深刻な格差だった。

 有権者は生活を取り巻く重苦しい空気に触れながら平成を振り返り、これまでの延長の政治に過大な期待を寄せるのをやめようとしているのではないか。
 麻生政権は国民からのっぴきならない評価を突き付けられたことになる。これで政権戦略の見直しは避けられなくなった。

 まずは、「三段跳び作戦」の不調によって選択肢が狭まった衆院解散のタイミングを麻生首相がどう判断するかだろう。
 首相周辺はこれまで、10月上旬に景気対策が柱の補正予算案を短期日で審議・成立させ、直ちに解散に持ち込む日程を念頭に置いていたが、この解散戦略を変えるのかどうかが焦点だ。

 今度の調査では内閣支持率が低く出ただけでなく、望ましい政権枠組みに関する設問で「民主党中心」が「自民党中心」を8月調査以来再び上回った。
 つまり民主党政権への流れを食い止めることが麻生政権の最重要課題となる。

 しかし、麻生首相が解散時期を先送りすれば、政権の体力と鮮度は失われていくだろうから、かえって深手を負うだけだ。
 ここは景気対策の審議に力を尽くし「いずれが政権を担うべきか」をかけて民主党とがっぷり4つの相撲を取るしかないのではないか。ほんの数日で風向きが変わるのも政治だ。首相の最終決断はそれからでもいい。


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 それなりに驚いた昨夜の報道。
 草念の参議院選のとき「格差なんて世界中にある」との旨を言い放っていた小泉氏。
 辞め方はきっぱりしていた。報道では「数日前」から流れたらしいけど。

 ともかく、自民党関係者は「影響ない」とコメントするけれど、自民党の総選挙に大きなダメージとなることは間違いない。
 
 幾つか記事をとどめておく。

● 「小池百合子元防衛相が敗北したことは、自らの存在感が希薄になったと悟る引き金になったようだ」

● 「長期政権を維持。再登板待望論も根強い中でサッパリと身を引いた。」

● 「最後まで周囲を驚かせ続けた「変人」は、次期衆院選で苦戦が予想される80人を超える「チルドレン」の多くを置き去りにしたまま、永田町を去る」

● 「次の総選挙で生き残るにはだれにかけるか――。チルドレンの動向からはそんな思惑も透けて見える」

● 「 ■小泉元首相の主な発言■ 」
  「政治家は常に、使い捨てにされることを覚悟しなければならない」
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●最後のサプライズ!小泉元首相が引退   サンスポ 2008.9.26 05:02
 
 ついに純ちゃん引退!! 小泉純一郎元首相(66)=衆院神奈川11区=が次期衆院選には出馬せず、今期限りで政界引退する意向を周辺に伝えたことが25日、分かった。関係者を前に「引き際を大事にしたい」。アイドル的人気を背景に戦後3位となる約5年5カ月の長期政権を維持。再登板待望論も根強い中でサッパリと身を引いた。次男の小泉進次郎氏(27)が同日、後継出馬の意向を示した。

 「変人総理」「小泉劇場」「電撃訪朝」「サプライズ人事」「郵政解散」「刺客」「チルドレン」…。数々の話題と伝説を生み出した希代の政治家が、余力を残す形?で引退を表明した。

 「36年間議員生活をしてきたが、自分の役割は済んだ。引き際を大事にしたい」。25日夜の地元・横須賀市での会合で、後援者を前に引退を表明した。会合には進次郎氏も同席し「引き続き支援をお願いします」とあいさつ。事実上の後継出馬宣言をした。

 会合後、同市の事務所近くで報道陣に囲まれて「引退するんですか?」と問われると、車内で右手をあげて静かにうなずく場面もあった。

 「小泉劇場」「電撃訪朝」「郵政解散」「刺客」…。数々のドラマと伝説を生み出した希代の政治家が、余力を残す形?で引退を表明した。

 「36年間の議員生活にピリオドを打ちたい。自分の役割は済んだ。政治家は引き際を大事にしたい」。25日夜、地元・横須賀市の事務所での会合で15人ほどの後援者を前に引退を表明。淡々とした口調だったという。

 会合には進次郎氏も同席。小泉氏は「進次郎を出馬させたい」と頭を下げた。続いて進次郎氏が「父の意思を継いで厳しい戦いに臨んでいきたい。引き続き支援をお願いします」。キッパリと後継出馬宣言した。

 会合後、報道陣に「引退ですか?」と問われると、車内で右手をあげて静かにうなずく場面も。27日の同市内での講演会で正式に引退表明する考えも明らかにした。

 これぞサプライズ?と思える電撃引退表明に思えるが、実は政界周辺では“周知の事実”。政治評論家の有馬晴海氏も「既定路線。首相退任時点で今期限りの引退を決めていた。影響力の低下で突然引退したわけではない」と話す。

 「持論の郵政民営化も実現するなど、首相を5年半やり遂げた。これ以上やり残したことはないはず。森喜朗元首相のようにキングメーカーになりたい人ではなく、政界にしがみついている必要も意思もない人。今後は政界と完全に縁を切るのでは」と分析する。

 小泉氏自身は25日の会合で、今後について「英国のブレア前首相や米国のクリントン前大統領のように政治活動は続ける」と明言。次期衆院選で「何人か応援したい候補がいる」とも話した。

 後継の進次郎氏は、小泉氏が初出馬したのと同じ年。「明るく気さくな若者」「腰が低くてまじめ」というのが後援者の共通の印象だ。

 兄は俳優の小泉孝太郎(30)。関東学院大を卒業後、米コロンビア大学大学院に留学。米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)の研究員として勤めていたが、昨年帰国。父の地元事務所で秘書的役割を務めつつ、地元の後援者回りをして秘かに“後継準備”をしていた。

 次期衆院選は純ちゃんではなく、「進ちゃん劇場」だ!!

●小泉元首相:引退へ 存在感、神通力薄れ 「支持」小池氏も総裁選惨敗   毎日新聞 2008年9月26日 東京朝刊
 小泉純一郎元首相の引退表明は、小泉改革路線の見直しを鮮明にする麻生太郎新首相の始動の日と重なった。01年に首相に就任して以来7年余り、小泉氏の動向は常に政界の関心事だったが、自民党総裁選で「小泉路線」の小池百合子元防衛相が敗北したことは、自らの存在感が希薄になったと悟る引き金になったようだ。

 「小泉氏は(サプライズを生む)魔法のつえをなくしてしまった。次期衆院選で小泉氏が応援しても小泉チルドレンは負けるだろう」

 長く秘書として仕えた飯島勲元首相秘書官は、引退の報を聞くと周辺にこう語った。

 今回の総裁選で小泉氏は完全に「蚊帳の外」に置かれた。自らの後継者に指名した安倍晋三元首相は「小泉路線」の見直しを目指す麻生氏を率先して支持。麻生氏も小泉政権時代、政調会長、総務相、外相と重用した経緯があるだけに、かつての部下たちの裏切りは「屈辱」だったとみられる。小泉政権の防衛庁長官だった石破茂農相は25日、記者団に「麻生政権の使命は小泉改革の負の部分を検証することだ」と強調した。

 小泉氏は総裁選さなかの12日、小池氏支持の武部勤元幹事長らに「自民党は大変な危機なのに、危機感がまだ足りない」と指摘したが、得票率は麻生氏66・9%に対し、小池氏8・8%。しかも、小池氏は地方票がゼロ。01年の総裁選で地方票が小泉氏で雪崩を打ったのと好対照だった。

 これでは、衆院選前後に新党を結成し、キャスチングボートを握るのは難しい。05年の郵政選挙大勝で膨れ上がった自民党の議席も、次期衆院選で大幅減は必至。小池氏や中川秀直元幹事長らの「浸透力」の弱さを目の当たりにし、「小泉時代の栄光」が雲散霧消する前に、身を引いたという感が強い。

 中川氏は25日、「小泉改革がなければ90年代の失われた10年は終わらなかった」と語ったが、「反麻生」で反転攻勢に出る後ろ盾が失われるショックは隠せなかった。【中川佳昭】

●「らしさ」最後まで 小泉元首相引退 「早すぎる」の声  2008年9月26日 読売新聞
 小泉旋風、小泉劇場、小泉チルドレン――。世間をしばしば驚かせた小泉元首相(66)が25日、突然、次期衆院選に出馬しない意向を表明した。ゆかりの政治家や県民からは惜しむ声が相次ぎ、辞め方も「小泉さんらしい」という感想も聞かれた。

 「大きなことを成し遂げたので、辞める決意を固めている。国会活動はやめるが、政治活動は続ける」

 小泉元首相は同日夜、横須賀市の自民党県第11選挙区支部事務所での役員会で、地元の県議や市議、後援会関係者に意向を伝えた。

 参加した県議らによると、小泉元首相は「長い間、支援してくれて本当にありがとう。1期目、2期目、回数を増すごとにうれしさが増して、力がわいた。総理をやめた時から、自分の引き際を考えていた」と言葉を詰まらせながら話した。

 「国にとっても損失」と翻意を促す声も出たが、「話はわかるが、やめるときは自分で決める」と決意が固く、参加者は了解したという。

 秘書を務めた多摩区選出の土井隆典県議(自民)は「もう1期やってくれると思っていた。小泉チルドレンもいるし、後ろ盾となってくれることを期待していた。郵政民営化もそうだが、信念を貫く立派な政治家だった」と振り返った。

 自民党県連職員を25年以上務め、郵政解散で比例当選した浮島敏男衆院議員は、「河野洋平衆院議長も引退を表明し、一つの時代が終わったなと感じる」と話した。

 横浜市戸塚区品濃町の会社員伊藤茂樹さん(65)は「改革を進めるには、力がまだ必要だと思う。もう一度首相になってもよかった」と残念がった。

 一方、相模原市の男性会社員(48)は「小泉改革にはマイナスが多く支持できなかったが、実行力に期待した部分もあった。引退の仕方は小泉さんらしい」と話した。

 松沢知事は「潔い性格の人だから、引退を予想していた。首相経験者で長く国政にいるのもふさわしくないと思ったのだろう。政権を投げ出しておいて居すわる人もいる。人生いろいろ、政治家の出処進退もいろいろだと思った」と語った。

【初陣で苦汁、以後12期連続当選】
 小泉元首相は、1969年、父で元防衛庁長官の純也氏の急死で留学先のロンドンから帰国。地盤を継ぎ、同年の衆院選で神奈川2区(当時)から初出馬したが落選。再挑戦の72年の衆院選で、30歳で初当選を果たして以後、12期連続で当選した。99年には民主党衆院議員らの政治資金パーティーなどに出席し、県連から2年間の県連役職停止と県連常任顧問職をはく奪される処分を受けたこともある。首相就任後の2001年7月の参院選で小泉旋風を巻き起こした。05年9月の郵政解散後の衆院選では与党で3分の2を超える議席を獲得し圧勝した。

●小泉元首相が引退!衆院選目前チルドレン置き去り  2008年9月26日06時04分 スポーツ報知
 自民党の小泉純一郎元首相(66)は25日、次期衆院選に出馬せず、今期限りで政界を引退することを明らかにした。地元、神奈川県横須賀市の関係者に伝えた。小泉氏は2001年の総裁選で“小泉旋風”を起こして第87代首相に。郵政3事業や道路公団の民営化を推進し、北朝鮮訪問により拉致被害者の帰国も実現。国民的人気を誇った。一方、「変人」と称され、05年の総選挙では郵政民営化に反対した全議員に刺客を送る非情さもみせた。「劇場型政治」で5年5か月もの長期政権を維持したカリスマは、何ともあっさりと36年の議員生活を終える。

 首相退任後も圧倒的存在感を誇ってきたライオンヘアが、最後のサプライズを繰り出した。

 小泉氏は父・純也元逓信相が65歳で亡くなっていることから、かねてより65歳を区切りに引退をほのめかしていた。この日、地元の関係者に「36年間議員活動をしてきたが、自分の役割は済んだ。引き際を大事にしたい」と次期総選挙に出馬しない意向を打ち明けた。政治活動は続けるという。小泉氏は25日深夜、記者団に、地元で27日に開く会合で支援者に説明する考えを示した。

 小泉氏は72年に衆院議員に初当選して当選12回。国民的人気を得たのは2001年の総裁選からだった。最大派閥の橋本派の領袖・橋本龍太郎氏と対決。劣勢とみられたが、田中真紀子衆院議員と全国遊説し「自民党をぶっ壊す」のキャッチフレーズで“小泉旋風”を巻き起こして圧勝。首相スタート時の支持率は86・3%だった。

 圧倒的人気を背景に、「官から民に」と構造改革路線を訴え、道路公団など特殊法人を民営化。05年には長年の持論だった郵政民営化法案を可決。02年、04年には北朝鮮に渡り拉致問題を進展させ、「劇場型政治」といわれながら06年まで5年5か月の長期政権を維持した。

 01年、大相撲夏場所でけがをおして優勝した横綱・貴乃花に「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した」と絶叫。議員になる前の勤務先に関する疑惑を追及され「人生いろいろ」と開き直るなど話題に事欠かなかった。

 派閥に属しながらも子分はなし。休日は1人でオペラ観賞するなどドライな人間関係に終始した永田町の異端児は、たびたび非情な顔を見せた。総裁選勝利の原動力となり、外相に抜てきした田中真紀子氏が官僚との対立が続くとあっさり更迭。05年の郵政民営化では、参議院での法案否決を理由に衆議院を解散。法案に反対した衆院議員の選挙区すべてに刺客を擁立する徹底ぶりだった。

 郵政選挙で大量当選した杉村太蔵氏ら「小泉チルドレン」に対しても「政治家は使い捨てにされることを覚悟しなければならない」と、突き放す言葉を送っている。

 今回の総裁選では小池百合子氏を支援するも、旋風は起こせなかった。そんな中、「小泉氏引退」の未確認情報が数日前からささやかれていた。総裁選当日、中川秀直氏から「まさか引退なんてことはないでしょうね?」と問いただされた小泉氏は「いやいや」と手を振ったが、明確には否定しなかった。

 最後まで周囲を驚かせ続けた「変人」は、次期衆院選で苦戦が予想される80人を超える「チルドレン」の多くを置き去りにしたまま、永田町を去る。

●小泉チルドレン懸命 生き残りへ「だれにかけるか」 朝日 08年9月10日13時38分
 自民党総裁選が10日告示され、05年の総選挙で初当選した「小泉チルドレン」約80人にとっても忙しい日となった。3年前は郵政旋風に舞い上がり大量当選を果たしたが、いまや2代続けての首相の政権投げ出しで逆風が吹く気配も。頼みの小泉元首相はだんまりを決め込んだまま。次の総選挙で生き残るにはだれにかけるか――。チルドレンの動向からはそんな思惑も透けて見える。

 山崎派の広津素子氏(比例九州)は10時半、党本部での麻生太郎幹事長の出陣式に出席。もみくちゃになりながら、会場の前方にたどり着き、麻生氏の話に聴き入った。直後に数メートル離れた部屋で行われた小池百合子元防衛相の出陣式にも顔を出し、昼からは石原伸晃元政調会長の出陣式もはしごした。

 前回立候補した佐賀3区の公認候補は保利耕輔政調会長に決まり、自身の処遇は宙に。「離党も辞さない」覚悟だが、支持基盤は弱い。総裁選では06年は安倍晋三氏、07年は福田康夫氏に投票したが、今回は決めかねている。「九州という意味では麻生さんですが、小池さんも応援したい。石原さんも(心の中では)色濃くなった。様々な方の政策を聞いてみたい」

 元郵政官僚の遠藤宣彦氏(比例九州)は前回総選挙で公示8日前に「落下傘」として福岡1区から立候補。ひたすら「郵政民営化」を訴え、比例で復活した。
 無派閥で迎えた過去2回の総裁選は麻生氏を支持。「福岡出身の麻生氏を首相に」との支援者の声を背に昨年12月、麻生派入りした。
 総選挙では、負け知らずの民主党県連代表松本龍氏と争う。「選挙の顔にも明るい麻生氏がふさわしい」と今回も麻生氏を支援する。

 ●小泉元首相、今期限りで引退 次期衆院選には出馬せず 
 朝日 2008年9月25日20時44分

■小泉元首相の主な発言■
 「私の内閣の方針に反対する勢力はすべて抵抗勢力だ」(01年5月、国会で)

 「『(選挙に)勝てば小泉の改革はつぶしちゃえ』と。もしも自民党議員がそんなことを考えたら、私が自民党をぶっつぶします」(01年7月、参院選の街頭演説で)

 「この程度の約束を守らないことは大したことではない」(03年1月、国債新規発行30兆円枠の公約について国会で)

 「どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、私に聞かれたって分かるわけがない」(03年7月、イラク復興支特別措置法について党首討論で)

 「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ」(04年6月、自身の年金問題について国会で)

 「郵政民営化に反対して否決しようという人は、小泉退陣せよと、倒閣運動と同じです」(05年8月、首相やりとりで)

 「いつ参拝しても騒ぎにしようとする勢力があるんですから、8月15日に行っても適切じゃないかなと」(06年8月、終戦記念日の靖国参拝後に)

 「政治家は常に、使い捨てにされることを覚悟しなければならない」(06年11月、前年の総選挙で当選した新人議員への訓示で)

 「おれは小池を支持する。小池に1票を入れる。小池総裁が実現すれば、小沢民主党といい勝負ができる」(08年9月、自民党総裁選に出馬した小池百合子元防衛相について)

●積極財政加速も=「聖域なき改革」で格差社会の影-小泉氏引退  時事 2008/09/26-00:21
 小泉純一郎元首相の引退表明で、小泉政権以来の財政健全化や規制緩和などの「改革路線」は、さらに後退する可能性がある。かつての高い支持率を背景に、退陣後も存在感のあった小泉氏が表舞台を去ることで、精神的な重しが取れるためだ。小泉政権の「聖域なき改革」は現在、格差社会を生んだと批判を浴び、麻生太郎首相の登場で、自民党は再び積極財政路線に傾いている。小泉氏引退はその流れを加速しそうだ。

 小泉政権は、郵政民営化や道路公団民営化などを推進したが、最大の特徴は財政出動を徹底的に抑えたことにある。公共工事など「ばらまき」施策を排除した結果、ゼネコンや建設業者の再編・淘汰(とうた)が進んだ。2001年に中堅ゼネコンの青木建設が破綻(はたん)した際には「構造改革が順調に進んでいる表れ」と言い放ち、波紋を呼んだ。

 半面、低所得の非正規雇用が増加し、現在は小泉改革の影の部分ばかりが目立つ。24日に誕生した麻生首相は積極財政を提唱し、小泉改革からの脱却を目指す。民主党も低所得者層への配慮や地方重視の方向を打ち出しており、小泉氏の唱えた「小さな政府」の見直しが始まっている。(了)

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 昨日の内閣の発足には格別の興味はない。
 それより、一昨日9月23日の朝日新聞の一面に載った記事は良かった。

「『首相公選』の総選挙へ」とのタイトル。
「役者がそろった。本舞台の幕が上がる。いざ総選挙へ政治は走り出す」との書き出し。  
   「 一党支配から、政権交代のある政治へ 」
   「 有権者が総選挙を通じ、直接、首相をすげ替える  」

 そうなんだ、今回の総選挙は、実質は国民が首相を選択する初めての選挙なんだと、頭が整理できた。

 とてもいい記事なので保存したい。
 そして、今の状況を確認するために、1年前の参院選・自民大敗の時の朝日新聞の記事を読んでみた。
 例えば次のような言葉。

●「 薬害エイズや在日、障害者、性的マイノリティーといった人々が声をあげているのも今回の特徴だ。自分たちに決めさせろと「当事者主権」を訴えている。 」

●「 自民が「成長実感」を掲げるのは、そこから生活がこぼれ落ちていたということだろう。だから民主は「生活第一」だ。しかし、そこからもこぼれるものが「生存」であり、「いのち」だ。 」

●「この大敗をみれば有権者の答えは明らかだ。政権は国民による信任度チェックに落第した」

●「国民の信を問う形での解散総選挙はありうる。その場合、与党はかなりの確率で議席を減らすだけでなく、参院の逆転状況は変わらない。活路は開けにくい。」

●「違いが浮き彫りになれば、その時こそが、衆院解散、総選挙で国民に信を問う機会となる。選択の時は早い方がいい。 」

●「参院選後に長い政治の低迷が続くだけでは、日本は国際潮流を読み違え、「ポスト冷戦後」の世界から取り残される恐れがある。 」

 9月23日の記事の終盤は、
   「小沢氏にとって今回の総選挙は『最後の戦い』という。
    しかしもちろん、日本の政治にとってはそうではない。・・・」

 小沢がどうこうでもなく、2大政党がいいとも思わないけれど、一党支配から政権交代のある政治への移行は ワクワク する。

 
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「首相公選」の総選挙へ 政治エディター 根本清樹
2008年9月23日 朝日新聞一面

 役者がそろった。本舞台の幕が上がる。
 いざ総選挙へ政治は走り出す。
 歴史的意味合いがこれほど幾重にもかさなる総選挙は、かつてない。

 第一に、仮に小沢民主党が過半数をとれば、「麻生政権」は終わる。
 有権者が総選挙を通じ、直接、首相をすげ替える。
 これは明治以来の日本憲政史上、初めての事件となる。

 過去の政権交代とは違う。
 1947年の片山社会党政権も、93年の細川非自民政権も、総選挙後の連立工作でできた。
 有権者がじかに新首相を名指ししたわけではない。

 逆に与党勝利なら、いわば仮免中の麻生首相に有権者が本免許を与える格好になる。
 どちらに転んでも、「首相公選」に近い。
 掛け値なしの「政権選択」が実現する。

 この変化を準備したのは、リクルート事件以来の「政治改革」の20年である。
 一党支配から、政権交代のある政治へ。
 それは、単に自民党を引きずり降ろせばいいという話ではなかった。

 衆院小選挙区制を導入し、もう一つの大きな政党を育てる。
 そして、どちらかに思い切ってやらせてみる。
 だめならきっぱり取りかえる。
 政治の姿を一新する企てだった。

 その後、新党乱立や再編ゲームに明け暮れる時期があり、大連立騒ぎや2代続きの政権投げ出しもあり。
 曲折を経て、ともかく今回、二大政党が正面から向かい合う。
 改革が追い求めたものに、現実がなんとか追いつきつつあるなかでの決戦。
 それが第二の歴史的意味である。

 05年郵政選挙のような劇的な結果がもたらされるのか。
 黒白にわかにつかず、離合集散の迷走劇が再演されるのか。
 永田町談合政治への逆戻りだけは御免こうむりたい。

 第三に、「小泉構造改革」に代表される市場志向の政策路線が問い直される。
 政治が能なしだから、経済がうまくいかない。
 10年前の金融危機前後にいわれた「政治リスク」論である。
 政治は規制緩和や歳出削減を進め、「自己責任」を高唱した。

 功もあったが罪もあった。
 格差と貧困が広がった。
 社会保障が傷んだ。米国発金融危機もあり、「市場こそリスクだ」との声が出る。

 市場一辺倒ではもう立ちゆかない。
 財政に限りがあるなかで、何ができるのか。
 苦境のときこそ、未来を向いた選択肢を示してもらいたい。
 とりわけこの面では、公明、共産、社民などの各党に鋭角的な主張を期待したい。
 小沢氏にとって今回の総選挙は「最後の戦い」という。
 しかしもちろん、日本の政治にとってはそうではない。

 どの党にせよ、負けたら終わりではないし、勝っても次はわからない。
 政権選択をめぐる終わりのない旅が、今回から始まるのだと考えたい。

●「安倍政治」審判は 編集委員座談会  朝日新聞 2007年07月28日
 有権者は「安倍政治」をどう審判するのか。小沢民主党に政権への足がかりを与えるのか。参院選の投開票は29日に迫った。直前の情勢や今回の選挙の意味、選挙後の展開について、政治担当編集委員の早野透、星浩、根本清樹が話し合った。

 早野 小沢民主党代表の「1人区作戦」が功を奏している。熊本県の阿蘇山のふもとの村で遊説を聞くと、はじめは拍手パラパラ、しかし最後は農業の「戸別所得補償制度」を訴えて万雷の拍手を浴びた。「私は自民党支持だが、農民はいじめられすぎた」と、多くの人が小沢演説に共感しているようだった。勢いを感じたね。
 星 22日の日曜日、東京の新宿、銀座で安倍首相の遊説を聞いたが、途中で帰る人も目についた。改革や成長戦略を訴えるのだが、同行した衆院議員は「新宿や銀座ならこれでもいいが、下町では聴衆がしらける」という。都会の勝ち組でない人に切実なのは格差問題だ。その点、安倍氏の主張は広がりがない。年金問題への反発も強い。有権者に電話作戦をしても「ふざけるな」と切られてしまうケースがあるという。

 根本 05年の郵政総選挙での小泉前首相に対する熱狂と、今回の雰囲気には雲泥の差を感じる。大津市での首相遊説を聞いたが、首相は候補者名を連呼し、「あと一歩です」と絶叫を繰り返す。相当な危機感と見えた。
 早野 22日、グッドウィルの本社がある六本木で非正規雇用やスポット派遣の若者らが「折口(会長)ちょっと来い」「違法営業体質を改めろ」と気勢をあげ、福島社民党党首がかけつけた。ヒルズやミッドタウンという勝ち組の牙城(がじょう)での光景は、この選挙の一面を象徴していた。

 ■1人区作戦奏功 早野
 ■首相に失望の声 星
 星 当初は格差が焦点のはずだったが、年金問題に紛れてしまった。
 早野 争点はカタカナの「アベシンゾウ」問題になっちゃったな。行きつく先が赤城農水相のばんそうこう騒ぎ。安倍氏の政治姿勢、未熟さへの不信感だね。「戦後レジームからの脱却」とか「美しい国」とか、「何言ってんの」という反応だ。安倍氏のイデオロギー性は有権者に届かない。
 星 自民党の地方議員と話すと、首相が年金問題を当初、民主党の菅直人氏のせいにしたことに失望している。政敵とドンパチやるのもいいが、首相ならもっと大所高所から国の将来を考え、国民の信頼を得て欲しいという思いがあるようだ。
 根本 選挙戦に入っても失言や不祥事が止まらない。有権者は安倍政権に対し「だめだこりゃ」という感じだと思う。

 早野 小沢氏は元々市場原理派に近かったが、今は「弱者を守れ」だ。昔の自民党の日本型社会主義みたいなことを言ってる。彼の目標は与野党逆転、政権交代であって、政策はその時次第、権力闘争の人なんだな。1人区作戦は自民党の本丸を奪うという話だ。
 星 ただ、小沢氏は過去を背負いすぎている。旧田中派という自民党の権力中枢で育ったこと。政策面でも小さな政府や規制緩和を唱えてきたこと。これは重荷になる。

 ■「生存」真の争点 早野
 ■憲法改正、後景に 根本
 早野 本当の争点は別のところにあるんじゃないか。自民、民主の交代でほんとに政治が変わるのか。憲法改正の方向は同じだろう。護憲の共産、社民との対立軸だ。国民新党は株主と役員による利益の山分けを批判、大企業増税を打ち出し、自民党とくっきり違う。もう一つ、薬害エイズや在日、障害者、性的マイノリティーといった人々が声をあげているのも今回の特徴だ。自分たちに決めさせろと「当事者主権」を訴えている。
 星 そこは少数意見をすくえない自民、民主両党の至らなさだ。ただシングルイシュー(単一争点)だけでは大政党はもたない。

 早野 自民が「成長実感」を掲げるのは、そこから生活がこぼれ落ちていたということだろう。だから民主は「生活第一」だ。しかし、そこからもこぼれるものが「生存」であり、「いのち」だ。共産、社民が訴えるのはそこだ。
 星 民主党の年金構想の考え方は「お金持ちになると基礎年金はもらえませんよ」だ。基礎年金はいらない、国の世話にならないのが名誉なことなのだという発想に結びついていくと、おもしろい議論になる。
 根本 首相が意気込んでいた憲法改正は後景に退いた。前のめりで議論を進めるよりはましだ。

 ■負けても辞めず 早野
 ■衆院解散へ動き 星
 早野 自民はおそらく負ける。しかし、40議席を超したらもちろん、30台でも首相は辞めないんじゃないか。2期6年で憲法改正をめざす人が、「政権選択でない」選挙なのにへこたれてたまるか、ということでは。

 星 いや、40議席台前半以下なら、辞める可能性はある。安倍氏には憲法改正など中長期的にやりたい課題が多い。政治生命に傷がつく前にいったん兵を引き、勢力を再結集して他日を期そうと考えるのではないか。
 早野 勝敗ラインを明言しないということは、辞めないぞということでしょう。誰が辞めろと言うのか。森元首相? 青木幹雄参院議員会長? 加藤紘一元幹事長? 麻生外相が「あとはおれに任せろ」と言う?

 星 しかし辞めないと党内抗争になりますよ。「次の総選挙も安倍でやるのか」と、主流派も小泉チルドレンも浮足だつ。けじめ論が強まる。
 根本 どんなに負けても安倍氏はすぐには辞めるべきではない。あえてそう言ってみたい。後継レースが実質的に始まるかも知れないが、しかたない。しかるべき時に公正に党総裁選を実施し、そこで選ばれた人物を首相候補として衆院解散、総選挙に臨むというシナリオが望ましい。そうなれば総選挙がまさに「政権選択選挙」となるし、参院選は「中間選挙」と位置づける政治慣行の確立にもつながる。
 星 そううまくいくかな。抗争激化のなかで、安倍氏が反安倍勢力排除という党内向けの思惑から衆院を解散するということもありうる。これは自民党にとって最悪の展開だ。

 早野 国会のことも考えないと。与野党が逆転して民主党が参院議長をとると、今までにない状況になる。重要法案は一切成立せず、首相問責決議も可決されかねない。立ち往生だ。国民の信を問う形での解散総選挙はありうる。与党は衆院の3分の2を減らすのはいやだろうが。
 根本 その場合、与党はかなりの確率で議席を減らすだけでなく、参院の逆転状況は変わらない。活路は開けにくい。
 星 与党が衆院で次々重要法案を通し、参院で野党の対応を試す手はある。野党は国政を停滞させるのかと迫り、衆院解散へというシナリオだ。
 早野 そこで与党が信任されたとなれば、野党を切り崩しにかかると。

     ◇
 早野 残りわずかだが、自民党の巻き返しはないのかね。
 星 民主優位という情勢が自民を利するアナウンス効果もありうるが、あまり期待できない。
 根本 プラスからマイナスへは一瞬で転落する。98年参院選の橋本自民党の惨敗が典型だ。しかし、その逆は時間がかかる。今回は間に合わないだろう。

●自民、歴史的大敗 民主躍進、初の第1党 安倍首相は続投表明 参院選  2007年8月30日 朝日新聞
安倍政権の信任が問われた第21回参院議員選挙は29日投開票された。自民党は改選の64議席から37議席に減らし、89年に宇野首相が退陣した過去最低の36議席に匹敵する歴史的大敗となった。公明党も選挙区で擁立した5人中3人が落選する惨敗で、非改選を含む与党の議席は過半数を割り込んだ。

 しかし、安倍首相は同日夜、続投を表明した。
 一方、民主党は改選議席の32議席から60議席台に躍進し、自民党が55年に結党してから参院で占めてきた第1党の座が初めて入れ替わった。民主党幹部は同日夜、安倍首相の退陣と衆院の早期解散を要求。朝日新聞社が全国で実施した投票者への出口調査でも56%が安倍首相に「代わってほしい」と回答している。安倍首相の政権運営は厳しくなり、進退論がくすぶり続けるのは必至だ。

 自民党惨敗の結果にもかかわらず、首相は29日夜のテレビ番組で「反省すべき点は反省していかないといけないが、私の国造りはまだスタートしたばかりだ。改革を進め新しい国をつくっていくために、これからも総理として責任を果たしていかなければいけない」と語り、続投する意向を表明した。公明党の太田代表も首相続投を支持した。首相は早ければ8月下旬にも内閣改造・党役員人事を行う方向だ。

 一方、自民党の中川秀直幹事長は選挙結果を受けて「幹事長の責任であるのは間違いない」として首相に辞表を提出した。青木幹雄参院議員会長も「責任の重さを痛感している」として、辞意を表明した。また首相は「早期に(衆院を)解散する考えはない」と述べた。

 与党は今後、国会運営という最大の難問を抱えることになった。野党が主導権を握り、法案審議は政府・与党の思うようには進まないからだ。民主党が参院で第1党となり、議長のポストを獲得する見通しだ。

 法案が参院で否決されても衆院で再議決するのは可能だが、異例の手法だ。自民党内には「野党が反対する法案は出さなければよい」(森元首相)との声もあるが、「政権はいずれ行き詰まる」との見方が強い。首相は今後の国会運営について「今回第1党となった民主党とも、参院で協議すべきは協議し、協力しながら国造りを進めなければならない」と語り、民主党の協力を求めていく考えも示した。

 今回の参院選は安倍政権の信任が問われる選挙だった。選挙結果については党内からも「歴史的敗北」(選対幹部)との声や「続投して首相と自民党がますます傷つくことを恐れる」(加藤紘一元幹事長)と厳しい見方も出ている。首相が「選挙の顔」としての役割を果たせなかったことから、今後、党内で総選挙をにらんで「ポスト安倍」をめぐる動きが加速する可能性もある。

首相は就任後、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を打ち出し、憲法改正の手続きを定める国民投票法制定や教育基本法、国家公務員法の改正などの実績を強調した。

 だが、ずさんな年金記録問題への批判は安倍政権を直撃。「政治とカネ」をめぐる問題では松岡利勝前農水相が自殺、後任の赤城農水相にも同様の問題が浮上し、閣僚の失言も続いた。任命責任者の首相の資質が問われる事態に陥り、有権者の厳しい批判を受けた。
 また、自民党が地域経済の疲弊に苦しむ地方の1人区で苦杯をなめたことから、首相が小泉前政権から引き継いだ構造改革路線の修正を迫る声が勢いを増す可能性もある。公明党が独自色を強めていけば、憲法改正や安全保障分野を中心とした「安倍カラー」も薄めざるを得ない状況だ。

 一方、大勝した民主党は選挙結果を「首相への不信任」として、安倍政権の正統性を問うとともに首相退陣を要求する構えだ。参院で議長など主要ポストを獲得することで国会運営の主導権確保を狙う。小沢代表は衆院解散・総選挙に追い込み、一気に政権交代を実現する戦略を描いている。
 首相も国会運営が行き詰まれば国政が滞る責任は野党にあるとして、国民に信を問うため衆院を解散する選択肢もある。ただ、次の総選挙で圧倒的多数を占める衆院の現有議席を維持できる保証はなく、厳しい政権運営を迫られるのは確実だ


 
 ○自民・片山氏落選 1人区で6勝23敗
 民主党は73議席を争った選挙区で初めて第1党になった。48議席を競う比例区でも自民党を圧倒。98年の現民主の結成以降、足かけ10年で参院全体でも第1党となった。細川政権時代の自民を除けば野党では初めて。民主の獲得議席は過去最多だった前回04年の50を大きく上回り、目標の55議席を超えた。

 前回より二つ増え29ある1人区で自民は6勝23敗。小泉ブームで25勝2敗と圧勝した01年の議席を大きく失った。片山虎之助・党参院幹事長も民主新顔に敗れた。公明党も5選挙区の公認候補のうち埼玉、神奈川、愛知で落選。比例も含め1けたに落ち込む惨敗だった。

 一方、民主は選挙区で改選21議席をほぼ倍増する40議席を得た。1人区で17勝。3人区の埼玉、千葉、神奈川、愛知と5人区の東京で2人ずつ擁立し全員当選。共産党は非改選も含め選挙区ゼロ。社民党は選挙区で議席を得られなかった。国民新党は島根で当選を決めた。

 ◆辞任に値する審判 政治エディター・西村陽一
 いくつもの「信」が問われた選挙だった。年金制度は信頼できるのか。「政治とカネ」の問題に自浄作用が働いたか。そして詰まるところ、安倍首相の政策と指導力、政権運営能力である。

 この大敗をみれば有権者の答えは明らかだ。政権は国民による信任度チェックに落第した。安倍首相にとって辞任に値する厳しい審判である。
 なるほど参院選は、総選挙と違って、政権選択の選挙ではない。しかし、前政権の巨大な衆院議席の上に生まれた安倍政権が、初めて全国規模で受けた洗礼である。何より、「私と小沢さんのどちらが首相にふさわしいか」と問いかけたのは、首相自身だった。

 逆風の直接のきっかけは社会保険庁の失態と政府の初動ミスに対する怒りであり、透明性を欠く政治資金問題への批判だった。だが、それらが引き金となり、もっと深いところでじわじわ進んでいた支持基盤の変容を刺激し、国民にくすぶっていた疑問に火をつけた。

 安倍首相には二つの顔があった。ひとつは、急進的な新自由主義改革を追い求めた小泉政権の継承者。もうひとつは伝統的な規範、憲法や教育の再生を掲げる新保守主義的な為政者の顔である。
 継承者としての安倍政権は、急進的な構造改革に疎外感を強めていた地方で票を失った。長年の貯金がなくなったかのような保守王国の総崩れ現象は、安倍氏が継いだ小泉時代の「負の遺産」を物語る。

 一方、保守思想色の濃い課題は、身近な問題を重んじる有権者に、「政治は今、何を優先すべきか」をめぐるずれを実感させた。首相が本来手がけたい課題と国民が切実に解決を求める課題との不一致である。
 英米には新自由主義と新保守主義とが共存した先例もある。安倍政権は、両者のほどよい均衡点を見いだせなかった。

 しかし、それ以上に大きかったのは、一連の問題閣僚の任命責任や危機の際の対応ぶりにみられた、指導者としての器量と技量への疑問だった。
 安倍首相は続投を表明する際、失われた「信」の回復策を語らなかった。「国造り」と「改革」をいうならば、それを根本から定義し直し、実行体制とあわせ、国民に示さなければならない。かつて選挙の顔として安倍氏を担いだ自民党は、この再定義に全面的に関与する責任がある。

 民主党の勝利には戦術的成功の側面がある。自民党からはがれた支持層を安定的に固めきる再編を成し遂げたわけではない。政局に頭を奪われ、国会に混沌(こんとん)をもたらすだけでは、次の選挙で痛いしっぺ返しを食らうだろう。年金、税制、格差、政治資金、農業、分権、対テロなどで、法案と政策を政権準備構想としてまとめるべきだ。
 内政と外交で、国会が緊張感に満ちた論争を行い、とくに2大政党の違いが浮き彫りになれば、その時こそが、衆院解散、総選挙で国民に信を問う機会となる。選択の時は早い方がいい。
 年末から来年にかけて、すでに「ブッシュ時代の終わり」が始まった米国をはじめ、ロシア、韓国、台湾などで新しい指導者が次々と現れる。中国は五輪開催に国家の威信をかける。参院選後に長い政治の低迷が続くだけでは、日本は国際潮流を読み違え、「ポスト冷戦後」の世界から取り残される恐れがある。
(2007年7月30日朝刊1面)

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 今日は、野菜と蕎麦とサンマのこと。
 うちの畑の産物。
 まだ、菜っ葉類が採れ始めで少なめ。
 ササゲや秋茄子、キュウリがつなぎに活躍してくれます。

 ところで、例年なら、秋が一番「ヘルスメーター」の数字が気になります。
 でも、昨年夏前に痛風をやったことで食事内容がガラッと変わっていますから、私は、今年は、特に気にしなくても良さそう。

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 ところで、田舎暮らしをする人はわりと蕎麦が好き。
 第二の人生に転換したり、脱サラしたり、田舎に入ったりして「蕎麦屋」を業としてはじめる人も少なくありません。
 インターネットでみても、そんな情報がたくさん拾えます。
 例えば・・・・

● 八ヶ岳の大泉村に「GO-SOBA」
  50代の住替で暮らしが変わった 脱サラしてログハウスのそば屋に

● 脱サラ若僧の営業日記 - 佐野蕎麦
  こだわりの越前十割手打ち蕎麦

● 蕎麦の本 こだわり蕎麦屋の始め方蕎麦の本紹介
 蕎麦に関する面白い本が出版されたよ。という紹介より、蕎麦屋を経営するための今後の方向を示す本が出版されたと捉えれた方が適切であろうか。

● ブログ 田舎暮らし 人気ランキング
 ブログでは、特定のテーマでのグループがたくさんある。
 その中には、「田舎暮らし」もあるそうな。

● こちら岐阜県山県市内には、地域の元気な女性たちが運営しているユニークな店があります。
 先日、用事のついでに 美山のバザール で 蕎麦 を食べました。
 私は、ここの蕎麦のファン。
  

●岐阜新聞 旬の食材使い素朴な味「ざるそば定食」

●山県市観光協会 ふれあい バザール

●東海農政局のPR


● こちらは、先日の うちの 昼ごはん
 連れ合い特性のスパ 超大盛



●上記の「バザール」の名物のテンプラで出る 「桑の木豆」
「抑制栽培」として8月初めに播いてみました。
ギリギリ収穫できるかなぁ



●その畝の続きの ササゲやキュウリ
 こちらは大丈夫でしょう。
 おっとっと、ネギが草に負けそう(汗)
  


●秋ジャガも地上に芽を出し始めました
赤系のイモの茎や葉は赤みがあり、 白や黄色系のイモは黄緑
  


●こちらは 春に収穫したジャガイモ アンデス・レッドの料理
茹でてから 半分はポテト・サラダ 半分はジャーマン・ポテト



●トウモロコシ は 7月後半に播いた キャンベラ



●続いて、先週紹介した長さ45センチの 「庄屋長ナス」
 「焼きナス」にしてみました。ともかく、茄子の味が違う



●サンマは、今年は値打ち
だから 何回も食べました 


● サンマ はどう書くの??  どれも本当らしい
 
「サンマ」 「秋刀魚」 「さんま」「佐伊羅魚〈サイラ〉」 「青串魚〈サンマ〉」 「三馬〈サンマ〉」


●サンマ、豊漁で価格下落 前月の4分の1に  共同 2008年9月13日 08:36

イトーヨーカドー木場店の売り場に並ぶサンマ=12日、東京都江東区

 秋の味覚サンマの価格が、9月に入ってからの豊漁で下落している。主要漁港の平均卸売価格は1キロ当たり60円前後で推移し、8月の約4分の1に急落。食品値上がりが相次ぐ食卓は歓迎だが、漁業者は経営に痛手と悲鳴を上げている。

 サンマの主要団体である「全国さんま棒受網漁業協同組合」(東京)によると、漁港地の平均卸売価格(12日)は1キロ当たり約55円。前年の同時期に比べ、約6割の水準だ。ことし8月は240円前後で取引されていた。

 小売価格も大幅に低下。イトーヨーカドー木場店(東京都江東区)では1匹95円で販売。買い物に来た主婦(39)は「安くてうれしい」と銀色に光るサンマを買い物かごに。売り場の担当者は「2000匹用意したが、売れそうだ」と話す。

 燃料費高騰と魚価低落傾向による窮状を訴えるため、サンマ漁を8月18日に一斉休漁したばかりの漁業者は複雑だ。「値下がりし過ぎると採算割れで船が出せなくなる」(根室漁業協同組合)という声が目立つ。


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 公文書の管理について、政府の有識者会議の中間報告が7月に出た。
 文書の作成から保存・廃棄まで、統一ルールをつくるよう提言している。

 新聞の社説は、
 「何より求められるのは、公務員が未来にも及ぶ国民への説明責任と真正面から向き合うことだ」
 「政策決定過程が分かる『生きた文書』が残せる基準を作ることが不可欠だ。さらに肝要なのは情報公開だ。」
 などとする(下記に紹介)。

 ところで、これらとも関連があるといえばある、無いといえばない、役所の公文書の定義。
 そのことについて訴訟で争っている福井県の審議会の音声記録。裁判所は、職員の備忘のメモ、だと訴えを棄却した。
 中身の無いヒドイ判決だった。

 今回のような基本的な定義を争う情報公開訴訟は、地裁で勝つに越したことはないげと、地裁、高裁では通じず、最高裁で初めてまともな議論になる、そんな可能性も少なくないと当初から思っていたが、こちらが上告してその最高裁に行くことになった。

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 昨日の名古屋高裁金沢支部の判決は、おおまかに言えば次のよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)地裁認定のとおり音声記録は職員の備忘的メモなので県の管理している文書ではない。

(2)控訴人は、媒体を県費で購入、県庁内で保管、職務に関連して使用、組織共用性があると主張するが、前記認定のとおり・・備忘として所持していたに過ぎない。

(3) 控訴人の、未整理情報を公文書としないとの例外規定はなく、未整理状態を続けることで合法的に公開請求を拒否できることになってしまうと主張するが、前記(1)認定のとおり・・備忘として所持していたに過ぎない。

(4)控訴人は、審議会の議事録の要約が完成したことで対象外となることはなく、保管手続きの内部規定を設けるかどうかは公文書の範囲を左右しないと主張するが前記(1)認定のとおり・・備忘として所持していたから・・内部規定の有無は重要な判断要素である。

(5)控訴人は、法的に実施機関が保管していた、新たに追加した電磁記録について旧条例の管理概念で対象から除外するのは誤り、音声記録は職員の私物ではない、個人的メモと音声記録は本質的に異なる、・・など主張するが、前記(1)認定のとおり・・備忘として所持していたものである。

よって、本件控訴は理由がないから棄却する。
・・・・・・・・・・・・・・・



(訴訟の経過) 福井県の男女共同参画&情報公開関係の訴訟。
 福井県の男女共同参画に関して、2006年春頃に県のある施設から特定図書を撤去した問題、その撤去本の図書リストを非公開とした。それらの出来事に対する苦情申し立てを審査した男女共同参画審議会の会議の音声記録がある。私たちの情報公開請求に対して、福井県は、「会議の音声記録は存在するけれど、『情報公開条例でいう公文書には該当しない』から『不存在』」という行政処分をした。

 取り消しを求めて2007年2月に「上野千鶴子・原告団長」として提訴した福井地裁の行政訴訟。
 今年2008年1月30日の判決は、県の言い分を採用し「棄却」。

 ともかく、負けるわけにはいかない意義のある訴訟なので慎重。
 東京の清水勉弁護士に代理人をお願いし、私以外の12人の原告が清水弁護士に委任し、私だけは、本人訴訟として継続。

 判決言い渡し 9月22日(月) 午後1時20分
名古屋高裁金沢支部第1部第1号法廷(2階)。
 

 福井地裁判決(2008年1月30日)関係のデータ 
     地裁判決全文 印刷用PDF 13ページ 142KB   同テキスト版 21KB

 このほか、いろんな関係データにリンクをつけてあるのは
  2008年5月14日 ブログ ⇒ ◆音声記録不開示訴訟/控訴理由書、福井地裁判決

●【社説】 公文書管理 霞が関改革の契機に  中日新聞 2008年7月18日
 公文書管理の抜本改革を求める中間報告が政府の有識者会議でまとまった。国民共有の「財産」が役人の世界でずさんに扱われていいはずはない。直ちに実行し「霞が関」を変える契機としたい。
 公文書とは、政府や地方自治体の公務員が職務遂行の過程で作成する記録などのこと。
 行政にかかわる情報をしっかりと保管し、国民が自由に接触、活用できることが民主社会の鉄則だ。政策決定の経緯を調べることができるし、後世の研究家にとっては歴史を検証する手掛かりになる。

 にもかかわらず、昨年来、私たちは役人のいいかげんな管理の実態を目の当たりにしてきた。年金記録不備、C型肝炎発症者の資料放置…。福田康夫首相は「言語道断」と切り捨て、公文書管理の強化策を求めていた。
 中間報告では、国立公文書館の機能・権限を強化する一方、文書の作成から保存・廃棄までの流れについて、政府内の統一ルールをつくるよう提言している。政府は来年の通常国会に関連法案を提出したい考えだ。

 これまで文書管理の運用は各府省任せ。最長三十年の保存期限が切れた文書を公文書館へ移管するか破棄するかなどは、役所の裁量に事実上委ねられてきた。国民の目に触れると都合の悪そうな資料は、次々と捨てられているのではないか。移管率が年間1%に満たない事実がそうした疑念を抱かせる。倉庫、ロッカーなどへの放置が多いことも看過できない。

 これでは公文書の名が泣こうというものだ。統一ルールをつくるのは当然だが、官僚主導で決めるようでは、情報の透明度が高まることは期待できそうにない。中間報告が指摘する通り、第三者機関の設置は不可欠だろう。

 公文書館強化では、現在独立行政法人である公文書館を国の組織に戻すなど改組し、職員も現在の定員四十二人から数百人規模に拡充させるという。職員数は米国二千五百人、英国五百八十人などと比べると、見劣りしている。スタッフの充実は検討に値する。国民の利便性を高めるため、電子化の促進や公開原則の徹底も大切だ。

 何より求められるのは、公務員が未来にも及ぶ国民への説明責任と真正面から向き合うことだ。官僚が陥りがちな閉鎖的体質を改善する。その自覚なくしては、いくら公文書管理の仕組みを変えても、画竜点睛を欠く。

●社説:公文書館強化 情報公開の徹底を忘れるな 毎日新聞 2008年7月02日
 国の「歴史」の散逸を防ぐため、やっと踏み出した一歩である。福田康夫首相の肝いりで公文書の管理体制の見直しを検討していた政府の有識者会議(座長・尾崎護元大蔵次官)が1日、中間報告をまとめた。国立公文書館の権限強化や、文書作成から保存までの基準を明確にし、統一的な管理を可能とするよう制度の改革を求めた。
 公文書を管理・保存する司令塔となる組織の整備や、政策の決定過程の文書化など改革の方向性は理解できる。その半面、文書の作成基準や、情報公開ルールの徹底に目配りを欠くと、制度いじりに堕すおそれもある。公務員制度改革の一環と明確に位置づけ、議論を深めるべきである。

 政府が作る公文書の管理行政は「不在」に等しい状況だった。各府省が作る文書の保存期間は情報公開法施行令が定める最低基準(最長30年)ぐらいしか統一的な指標がない。保存を終えた文書の公文書館への移管も各府省の同意が必要なため、進んでいない。書式や編集方法もまちまちで、誤廃棄などのずさんな管理が放置された。

 中間報告では、独立行政法人である国立公文書館を改組し、文書管理を担当する機関の職員を将来的に数百人規模に拡充するよう求めた。公文書館は国の機関に戻して内閣府に統合する構想と、立法、司法分野の文書も受け入れる「特別の法人」とする2案を示した。文書の作成、管理、保存の基準を明確にし、各省で保存期間を終えた文書は原則として公文書館に移すよう求めた。

 文書の電子化も進む中、こうした実務の統率には相当数の専門家が必要だ。国立公文書館の定員42人は米国の2500人、英国580人などと比べ突出して少ない。人材養成に向け、財政的な配慮が必要だろう。
 ただ、あくまで国民本位の制度設計が条件となる。文書の作成基準を官僚任せにすれば、資料的に意味の無い書式に骨抜きされよう。第三者機関を設け、政策決定過程が分かる「生きた文書」が残せる基準を作ることが不可欠だ。

 さらに肝要なのは情報公開だ。公文書館に移された文書を極力公開する原則を確立しなければ国民に「史実」を伝える役割は果たせまい。この部分で中間報告は踏み込み不足だ。外交史料館など他組織との連携の問題も残る。10月の最終報告で明確な方向性を示してほしい。

 首相がこの改革にかねて意欲的な原点にはかつて訪米した際、前橋市の資料が米国立公文書館できちんと整理されていた驚きがあるという。国政の歩みを記す資料の散逸は国益を損なう、との問題意識は賛成だ。だが、こうした実態の背景には行政の証拠を残したくない政治家や官僚の思惑がある。改革の成否を決するのは、ここでも「官の壁」の打破である。

●情報公開法と文書管理    平成20年7月1日 総務省行政管理局情報公開推進室
 (3)公文書管理の在り方等に関する有識者会議
3.検討の状況
第1回20年3月12日座長互選、現状説明、自由討議
第2回3月31日国立公文書館制度の拡充等について、自由討議
第3回4月9日ヒアリング、自由討議
第4回4月28日ヒアリング、論点討議
第5回5月15日現状調査及び視察報告、ヒアリング、論点討議
第6回5月28日ヒアリング、論点討議
第7回6月11日論点討議
第8回6月23日中間報告案審議

7月中間報告の公表(予定)
8月~10月最終報告に向けた各省ヒアリング等(予定)
最終報告のとりまとめ、公表(予定)
会議の開催状況、配布資料、議事録等


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 今日は、自民党の総裁選挙があるという。
 私がワクワクするのは、それより、次のような報道。

 「野党第一党が政権奪取の可能性を秘める総選挙は、55年体制以後、初めてといっていい。」
 「日本政治が初めて体験する事態が訪れようとしている。」
 「こういう『政権選択選挙』の構図も日本政治にとって初体験である。」

 そのために、候補者が出て来る。
 ユニークな候補者は選挙を面白くする。

 「小沢一郎代表が岩手4区から東京の選挙区に『国替え』する場合、同じ選挙区からの自民党新総裁の出馬を検討する考えを示した」

 私は二大政党制がいいとは思わないけれど、政権交代は必要。
 そのためには、有権者が興味をもつ選挙が大事。

 それはともかく、よりによって今日、自民党の総裁選挙の時間、私たちは名古屋高等裁判所金沢支部での判決を受けての記者会見中なんだろう。

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●福田衣里子氏
多くの命をつないでいけるような そういう生き方ができたらなと思い

●久間 元防衛大臣 = 失言、失態続きで有名な人

●薬害肝炎の福田さんが出馬 長崎2区、民主党公認で  サンケイ 2008.9.18 14:06
福田衣里子氏
 薬害肝炎訴訟原告の福田衣里子さん(27)=長崎市=は18日、次期衆院選長崎2区に民主党公認として立候補することを表明した。
 同日午前、長崎市内のホテルで同党の小沢一郎代表と会談し、出馬要請に応じる考えを正式に伝えた。午後には小沢代表とともに記者会見する予定。
福田さんは昭和55年、出生直後に血液製剤を投与されC型肝炎に感染。平成16年、薬害肝炎訴訟で実名を公表した。
 長崎2区では、元防衛相の自民現職、久間章生氏(67)と、諫早市議の相浦喜代子氏(44)、会社員の山崎寿郎氏(28)=いずれも無所属新人=が立候補を表明している。

●全国有数の注目区に 長崎2区、民主公認で福田氏   長崎 9.19
 福田氏(中央)の出馬会見に同席する小沢代表と、本県選出国会議員3人=長崎市宝町、
ベストウェスタンプレミアホテル長崎
 民主党は十八日、小沢一郎代表自らが乗り込み、次期衆院選長崎2区の党公認候補を福田衣里子氏(27)に決定した。保守地盤が厚く、自民党現職の久間章生氏(67)の「指定席」だった同選挙区は、薬害肝炎問題で全国に知られる福田氏の参戦で一躍、与野党激突の注目区となりそうだ。
 同日午後二時から長崎市のホテルで開かれた出馬会見。緊張した面持ちの福田氏を中央に、小沢代表と、高木義明県連代表ら本県選出の国会議員三人が脇を固め、党の意気込みを印象付けた。

 小沢代表は、薬害肝炎問題の元凶は官僚主導の政治と激しく批判。「今の政界には一生懸命に政治に取り組む人材が必要。その意味で、大変素晴らしい候補を選ぶことができた」と満足感を漂わせた。

 官僚政治の打破を訴える民主党にとって、実名を公表し、薬害肝炎被害者の先頭に立って厚生労働省などと闘ってきた福田氏は魅力的だった。今年二月、薬害肝炎問題を通じて福田氏と親しい本県選出の山田正彦衆院議員(比例九州)が出馬を要請した。

 「選考がどの段階まで進んでいるか、地元では全く分からない」。出馬表明直前になっても民主党県連幹部が口をそろえたように、今回の擁立劇は、地元選出国会議員を含め一貫して党本部主導で進んだ。

 福田首相が退陣表明した翌日、高木県連代表らは小沢代表を訪ねて福田氏の説得を依頼。小沢代表は、その週のうちに上京中の福田氏と食事をしながら数時間にわたって説得した。これを機に、迷っていた福田氏は大きく出馬へ傾いた。

 とはいえ、長崎市出身の福田氏は長崎2区に足場のない“落下傘候補”。会見でこの点を問われた福田氏は「同じ長崎県民、日本人として大きな目で見ていかなければいけない」と述べた。民主党県連は、諫早市を地盤とする大久保潔重参院議員を2区に張り付けるほか、支持団体の連合長崎、独自候補を断念した社民党などの協力を得て、出遅れを巻き返す考えだ。

 一方、原爆投下をめぐる「しょうがない」発言などが問題となった久間氏は、これまでにない危機感を示す。「(福田氏の)勇気は大したもんだが、政治はそれだけじゃない。経験もいるし、簡単にバトンタッチはできない」「同情と政治の世界は別。マスコミも同情で政治を語っちゃいかん」と対抗心をむき出しにする。

 無所属で立候補予定の諫早市議、相浦喜代子氏(44)は「有権者の選択肢が増えた」、会社員の山崎寿郎氏(28)は「全国的に注目が集まる選挙区。面白い選挙になる」といずれも福田氏の出馬を歓迎している。

●民主、5選挙区出そろう 2区に太田氏県連「十分戦える」  2008年9月19日 読売新聞
太田和美衆院議員
 民主党県連代表代行の増子輝彦参院議員は18日夜、記者会見し、次期衆院選の福島2区の公認候補として、千葉7区選出の衆院議員・太田和美氏(29)を擁立することを明らかにした。民主党はこれで県内5選挙区すべての立候補予定者が出そろったことになる。

 太田氏は、2006年の衆院千葉7区補選で初当選した現在の最年少国会議員。次期衆院選では、千葉7区は、05年衆院選で敗れて復活当選した比例南関東ブロックの内山晃氏が公認候補となったため、小沢代表が「私の責任で(処遇を)検討する」とし、別の選挙区への国替えを模索していた。

 小沢代表は17日に玄葉光一郎県連代表、増子議員と会談。増子議員は18日夜、郡山市で支持者に経緯を説明した後、記者会見で「小沢代表から勝てる候補として名前を挙げられた。若さや人を引きつける魅力があり、十分戦える候補だと感じた」と太田氏に白羽の矢をたてた理由を述べた。

 千葉県柏市の出身だが、本県とのつながりについて、母親がいわき市出身、祖父母が会津若松市に暮らしていたことを挙げ、「福島とも十分に縁やゆかりがある。本人も福島に骨を埋めたいと話している」と説明した。

 前回の05年衆院選で増子氏が敗れて以降、空白区となっていた2区の候補者は、県連主導で人選を進めてきたが、早期解散の可能性が高まり、小沢代表も加わって21日の臨時党大会までの擁立を目指していた。

 太田氏は19日、小沢代表、玄葉県連代表らとともに記者会見して正式な立候補表明をする。

 福島2区には、自民党の根本匠氏(57)が立候補を予定している。

●次期衆院選で麻生氏VS小沢氏…自民・菅氏示唆  2008年9月19日06時02分 スポーツ報知
 前代未聞、麻生VS小沢のガチンコ対決!? 自民党の菅義偉選対副委員長は18日夜、横浜市で講演し、民主党の小沢一郎代表が次期衆院選で岩手4区から東京の選挙区に「国替え」する場合、同じ選挙区からの自民党新総裁の出馬を検討する考えを示した。衆院選に向け活発な動きを見せる小沢氏をけん制する狙いがあるとみられる。

 菅氏は「財源論争を含め小沢氏がいいのか新総裁がいいのか、国民にきちんと選んでもらう。これは真剣だ」と明言。党総裁選で菅氏は、麻生幹事長の推薦人に名を連ねている。

 小沢氏の国替えに関しては、民主党の鳩山由紀夫幹事長が14日、テレビ番組内で「岩手からは出ません」と明言。太田昭宏公明党代表の選挙区である東京12区から出馬することについて「その可能性もあります」と語っていた。

 しかしその後、小沢氏は自身の国替えについて明言はしていない。自民党では岩手4区に、小沢氏の元秘書・高橋嘉信元衆院議員を、公認候補として内定した。

 これに関連して自民党幹部は同日夜、記者団に、小沢氏が東京12区で出馬する場合、太田氏に選挙区を譲るよう要請する考えを示した。

●小沢代表、早期解散視野に準備急ぐ  news.tbs 9.18 17:26 
 自民党総裁選のさなか、民主党の小沢代表が西へ東へ動き出しています。目玉候補の擁立に自ら乗り出した他、他の政党との合併を主導。早期の衆議院解散を視野に準備を急いでいます。

 小沢氏の地元・岩手に乗り込んだ自民党総裁選の候補者たち。その一方で当の小沢氏は長崎にいました。

 「これからの人生を皆さんに、つないで頂いた未来と生命で多くの生命をつないでいけるような、そういう生き方ができたらなという風に思い、(長崎2区からの)出馬を決心致しました」(薬害肝炎訴訟原告団 福田衣里子氏)

 薬害肝炎訴訟原告団の福田衣里子さんが小沢氏の直接要請を受け入れたのです。長崎2区からは10回目の当選を目指す久間元防衛大臣と、相浦喜代子氏、山嵜寿郎氏が立候補の意向を示しています。

 さらに小沢氏は、異色の経歴で注目された新人女性議員の太田和美氏を福島2区で擁立すべく、19日に現地に乗り込む方針です。

 「民主党として国民新党に対等合併の申し入れをしたいと、向こうの鳩山幹事長と日程調整をして、おいでになればちゃんと受ける」(国民新党 亀井静香 代表代行)

 小沢戦略は注目候補の擁立だけではありません。民主党は国民新党との合併を進めることを正式決定。合併協議では衆院選の選挙区調整が焦点ですが、小沢氏は「私が責任を持って調整するので任せて欲しい」と話しているということです。

 「どうか皆さん自民党総裁を総理大臣にしないでくださいよ。総理大臣にするべきじゃないと思うんですよ」(民主党 菅 直人代表代行、今月15日 東京・八王子市)

 民主党の不安材料は東京です。3年前の郵政選挙では1勝24敗と惨敗。てこ入れのため菅氏を本部長とした東京都の対策本部を立ち上げ、ポスターの作り方など一から徹底指導です。

 「新人も多いので短い期間になりますよね。どう考えても早くて(総選挙が)10月26日とかですから」(民主党 円 より子 都連会長)

 かつて「刺客」と呼ばれた小池百合子氏の選挙区に「逆刺客」として送り込まれたのが江端氏。自民党の総裁選は自分の選挙に影響はないと言い切ります。

 「あまり地元でやっていても、そういう声(総裁選の話)を聞くことはないですね」(民主党候補(東京10区) 江端貴子氏)

 しかし、民主党幹部は「東京は今のままでは半分ぐらいの選挙区で負ける」と危機感を募らせていて、小沢氏の東京での次の一手に党内の期待が集まっています。

●第126回 「麻生 vs.小沢」の歴史的総力戦
         政治アナリスト 花岡 信昭氏 ニッケイ 2008年9月18日
 自民党総裁選は麻生太郎氏が圧勝する勢いのようだ。既に「麻生新政権」を前提としての人事構想も出回りだした。一方、民主党代表選で無投票3選を決めた小沢一郎氏は自身が出馬する選挙区を地元の岩手4区から「国替え」する意向を示すなど、来るべき総選挙に向けて総力戦の構えだ。

 野党第一党が政権奪取の可能性を秘める総選挙は、55年体制以後、初めてといっていい。 55年体制は自民党と旧社会党の2大政党時代の雰囲気を持ってはいたが、実際には、社会党はほとんどの選挙で総定数の過半数を超える候補者を擁立できなかった。はっきり言ってしまえば、社会党は「野党第一党」の座に安住していたのである。

 もっと言えば、「国対政治」といわれてきたように、自民党と社会党は水面下での談合・なれあいを演じてきたといって過言ではない。それが村山「自社」政権誕生の裏事情であったことは言うまでもない。

 日本政治が初めて体験する事態が訪れようとしている。 自民・公明の与党と民主党を中心とする野党という2大政治勢力がぶつかり合う構図だが、自民党側が勝てば「麻生政権」、民主党側が勝てば「小沢政権」となる。小沢氏については、一時、「仮に政権を取っても、別の議員を首相にするのではないか」と言われ、岡田克也氏らがその候補として予想された時期もあったのだが、いまや小沢氏は「自分がやる」と明言している。

 こういう「政権選択選挙」の構図も日本政治にとって初体験である。 宮沢政権崩壊で発足した細川連立政権は、選挙前から予想されたものではなかった。あのときの総選挙では自民党は過半数を割り込んだものの第一党の座は死守した。日本新党、さきがけとの連立でしのげるのではないかと自民党側に一瞬のスキが生じ、小沢氏が8党派をまとめて3番目の勢力であった日本新党の細川護煕氏を首相に担ぐという離れ業を演じた。

 一方、今回の構図は、議院内閣制の先達である英国の選挙と酷似した構図になる。英国の場合は、保守党、労働党が対決し、勝った方の党首が首相になる。「麻生首相」か「小沢首相」かを選択するという点では、首相公選に近いイメージをも生むことになる。

小沢氏が打ち出す“あらゆる手”

 日本政治にとって歴史的意味合いを込めた一大決戦なのだ。結党以来の危機に直面した自民党側が企てているのは、総裁選と総選挙を連動、一体化させる作戦である。

 いまのところ、22日の総裁選投開票で新総裁を決定、24日に臨時国会召集、首相指名選挙、組閣までやってしまい、その後、所信表明演説と代表質問を行う程度にして、10月初旬、衆院解散に持ち込む構えのようだ。早ければ10月26日の総選挙投開票といった日程も喧伝されている。

 これに対抗する民主党の小沢氏にとっては、政治生活の「最終戦争」となる。ここで敗北したら政界引退という説も流れているほどだ。華々しい自民党総裁選に埋没しないよう、あらゆる仕掛けを打ち出している。

 民主党は12日、第一次公認187人を発表したが、小沢氏は自身について公認名簿から外すように指示した。選挙戦中も地元に帰ることのない小沢氏は、岩手4区では圧勝してきているのだが、あえて別の選挙区から出て必勝態勢の象徴としたい考えという。

 太田昭宏・公明党代表の東京12区、あるいは与謝野馨氏の東京1区、小池百合子氏の東京10区、小泉純一郎元首相の神奈川11区などが「国替え」候補として想定されているようだ。どこへぶつけるか。ぶつけられた側は比例の単独1位にでもして、救済措置を図るか。これをやったら「逃げ」と見られて、選挙戦全体に響くことにもなる。

 さらに小沢氏が繰り出したのが、国民新党との合併構想である。郵政民営化見直しで国民新党と合意し、その勢いで「吸収」してしまおうというわけだ。国民新党内部には、いずれ自民党に戻るまでの時限政党という思惑もあったのだが、個々の議員にとっては、選挙のことを考えると、民主党候補と競合するのは避けたいという思いが強いのも事実だ。

 小沢氏はその「弱み」をついたのである。合併すれば民主党側の候補は出さないということになれば、これは国民新党議員にとっては魅力的である。

 その一方で、民主党離党組らによる「改革クラブ」発足や平沼赳夫氏の「新党」構想もある。平沼氏は国民新党や改革クラブも含め、郵政造反落選組の選挙母体としての新党構想を練っていたようだが、小沢氏とのツバ競り合いにどう立ち向かうか。

流動化・再編の動きが加速するか

 改めて衆院総選挙の全体構図を概括しておくと、小選挙区300、比例代表(11ブロック)180、計480議席を巡る戦いである。過半数は241となる。現在、自公与党が3分の2を占めているが、この維持は自民党も無理と踏んでいる。自公で過半数が自民党の最低目標だ。民主党の現有議席は114。倍増させても過半数には至らないのだが、昨年の参院選1人区で圧勝したことの再現となれば、小選挙区選挙のことだから、結果は分からない。

 分かりやすい構図にするために、ざっくりとした感覚でいうと、公明党30、共産、社民、国民新党そのほかで30と見ていればいいのではないか。残り420を自民、民主で争うことになる。この半分を自民が取れれば、公明と合わせてかろうじて過半数ラインに達する。

 同様のことは民主党にも言えるのだが、その場合、共産党との連携が必要になる。共産党は候補を絞り込む方針で、候補を立てない選挙区の共産票は民主候補にかなりの部分が上乗せされる可能性が高い。民主党が好成績を上げた場合は、事前の選挙協力がなかったにせよ、「共産党のおかげ」ということになる。

 だが、民主党幹部のだれに聞いても、共産党との連立政権は否定する。それでは、民主党側も自公与党も過半数に達しない場合、どういうことが起きるか。自民、民主のいずれが第一党になるかによっても対応は違ってくるが、双方に相手の一部を引きずり出して多数勢力を形成しようという思惑が存在している。

 政界の流動化・再編の動きは総選挙前から始まるのだが、選挙結果によって、さらに加速される可能性が濃い。自民、民主が入り乱れた攻防戦だ。小沢氏が国民新党に狙いをつけたのも、そうした展開を予想してのことだ。

 双方が過半数に達しない場合、もう一つ想定しておかなくてはならないのは、「大連立」の再燃である。昨年の「福田・小沢合意」の際は、国民にも大連立の意味合いが十分に伝わっていなかったきらいがある。

 55年体制時代の社会党は「自衛隊違憲、日米安保破棄」を主張していたが、民主党の基本スンタンスはまったく違う。大連立によって、年金、医療、介護といった福祉政策や消費税増税、自衛隊の海外派遣を含めた外交安保政策などに一定の道筋がつけられれば、日本政治は「空白の15年」などといわれた混迷期を一気に取り戻せることにもなる。

 大連立期間は衆院任期である4年間だ。任期満了が近づけば、小選挙区制の下で雌雄を決しなければならないのだから、再び2大政治勢力に分かれることになる。大連立の間に「完全小選挙区制」を実現させておけば、いよいよ2大政党時代が現実化していこう。

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 全国の公立図書館が「指定管理者」という荒波にもまれているなか、堺市の図書館は、頑張って、導入していない。
 図書館を充実させる運動が長いと見受けられる。
 蔵書も130万冊とか。

 そこに、この夏、「特定図書を排除せよ」とのプレッシャーがかかった。

 市は調査し回答した。
 堺市の公式Webページにその「声」と「市の回答」が掲載されている。
    「市民の声 Q&A」 

  (声)  「・・書庫のBLも処分するとのこと・・書庫にスペースも有効に使っていただきたいです。すみやかにBLを換金し、他の有益な図書の購入費に当てるよう、強く強く要望いたします。」

  (市) 「・・閲覧室に展示していた状況がありましたので、すみやかに書庫入れにいたしました。・・今後は、収集および保存、青少年への提供を行わないことといたします。・・」
 
 前にも同じようなことがあった。
   2006年8月20日ブログ ⇒ ◆福井のジェンダー図書排除事件

 ちょうど明日22日(月)は、このことに関しての福井の男女共同参画審議会の会議録(音声記録)の情報公開の控訴審の判決が名古屋高裁金沢支部で言い渡される。

 ともかく、堺市のことについて、インターネットでも結構話題になっている。
 インターネットでみた情報、意見などは、
   そのような本が図書館にあることの否定や肯定、
   数が多い、少ない、
   何かであるに関係なく、外圧でどうこうしたことの問題・・・
 など各種各様。

 それらインターネットの意見表明のうち、「この事件を考える」という観点で、しっかりした幾つかを勝手に転載させて頂いて、私なりに、この問題の外郭をとらえておきたい。

 もちろん、もっと話題が広がっていく事件だから、また、情報を紹介することになろう。

 (追記) ◆堺市図書排除問題で住民監査請求/上野千鶴子「日本中、どこで同じようなことがあっても、闘うだろう」

 (追記) ◆堺市の図書排除問題/第二次申し入れの賛同人の募集・明日まで/その他の各種情報

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  焚書    フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 から
 「 ・・焚書(ふんしょ)とは、書物を焼き払う行為である。
 特定の知識以外を焼き払う場合や、特定の思想・学問を焼き払う場合がある。歴史上では、中国の始皇帝による行為や、ナチス・ドイツにおける行為(bibliocaust)が知られる。・・」

●図書館から不健全図書(BL等)を排除しよう!  2チャンネル
全国の図書館で公費を使った不健全図書の購入・所蔵事例が増加しています!
このような性行為を描写した図書が子供に与える影響は言うまでもありません。
堺市の各図書館では所蔵冊数5,499冊、金額にして3,668,883円と常軌を逸しています!
 この図書館からはBL図書の排除に成功しました!
 みなさんの地元の図書館からも不健全図書(BL等)を排除しましょう!

 なお、これよりもっと前に、次のようなやりとりがある。
  フェミナチを監視する掲示板
「 公権力を濫用し、『男女共同参画』の名を借りて文化破壊、家族否定の『ジェンダーフリー』政策を推し進めるフェミ・ファシズムを告発し、国民の注意を喚起するBBSです。」
・・・・
○2008/07/31  ・・・・・昨日、私の市の図書館にその後の経過がどのようになったかを確認しました。とりあえずはすでにBLの8割方を書庫へ・・・近いうちにすべてのBLが書庫へ収納されることになりました。この副館長、なかなか誠実で信頼できそうな人物で、とりあえずは最低限のことを迅速にしてくれました。 ・・・・・そして本日、市会議員さんからも、結果について連絡がありました。やはり「市内の全図書館においてBLを書庫へ収納する」とのことです。・・・

○2008/08/02・・・・・・・・お住まいの行政・自治体における「共同参画」施策全般等にもどんどんチェックを入れられるのがよろしいかと存じます。

○2008/08/12 ・・・・・・・府下の図書館視察の後、堺市の中央図書館にももう一度電話して置きました。そして書庫のBLに関しても「処分する」との約束をさせておきました。

○2008/08/14 ・・・これでも氷山の一角、破壊された日本女性作家達のおぞましき現状です。・・・まさに通常の青少年有害図書を遥かに越える破壊力で、日本女性の精神破壊が行われています。このような有害図書を読んだ女性が果たして真っ当な恋愛、家族形成、子育てができるでしょうか?  本当に由々しき事態です。あっという間に物凄い勢いで広まっています。

○2008/08/17 ・・・今後は公立学校の図書室についても追及していきます。これは「情報公開センター」へ言ってみます。ネットで見る限り学校の図書室のほうがむしろ蔓延しているように思えます。・・

○2008/08/18 ・・・ 図書館員や、私が相談した某市会議員との対話の中で、BL大量購入の意図が見え隠れしています。一つ目の理由は「男女平等(共同参画))であるらしいのです。「女性も男性と同じように楽しむべきだ」とでもいうのでしょうか?・・

○2008/09/03(Wed) 23:12:37・・まだ、戦いは序盤戦をやっと終えたというところで、まだまだこれからが本番です・・

○2008/09/06(Sat) 18:40:39    >堺市にBL本が多いのは~
    まあ、こういうアホな市ですから。↓
    堺市は、全国初の男女共同参画宣言都市です
・・・・・・


●堺市のホームページに「BL本の購入数教えて!」の市民の声 
   ライブドア・ニュース 2008年09月10日14時00分
 大阪府堺市のホームページに面白い「市民の声」と題された“Q&A”が掲載されている。
 その市民の声のQ&Aとは、以下の様なものだ。
     ・・(略)・・
 という、図書館におかれているボーイズラブ(男性同性愛)の本に対する声だ。
要望は、子供に有害ではないのか? 同じ場所に置かないで欲しいと、いった内容で“Q&A”で取り上げてられいる。また、こうした書籍を何冊購入したのか、購入にかかった費用も教えて欲しいと書かれている。

市では、これらの質問に対し、
  ・・(略)・・

と回答しているのだが、膨大なボーイズラブ図書の購入費である。
図書館は、幅広い本を用意しておく必要があるので、ボーイズラブのような本も収蔵しなければならないわけだが、利用者の中には嫌悪感を抱く人もいるだろう。
図書館では、青少年が多く訪れる期間(長期休み)の間のみ別の場所へ移動するなどの配慮をするようだ。

アダルト誌も国立図書館で閲覧、検索ができるため、今回のボーイズラブ本に対する要望と対応のやりとりが起きてしまうのは仕方無いのだろうか。

●一個人の価値観が公共の利益を決める歪な社会 
    Weep for me - ボクノタメニ泣イテクレ から転載

 この問答の気持ち悪さは、市民と図書館の見解の無言の一致にある。
・「市民の声」Q&A 広報・広聴
 市民の声を読むと、「破廉恥」「非常識」「セクハラまがい」「堺市の恥」といった個人の価値観が繰り返し強調されている。これらの個人的感想とBLの価値との間に意味のある相関関係はない。にもかかわらず「すみやかにBLを換金し、他の有益な図書の購入費に当てるよう、強く強く要望いたします」とまで書く人の良識をぼくは疑わずにいられない。「他の有益な図書」とは何か。それは実質的に「他の(私にとって)有益な図書」という意味しか持ち得ない。恐ろしく自己中心的な主張である。「難解な学術書なんて無意味だから換金して実用的なエロ本買え」というのと変わらない。

 あえて指摘するまでもないだろうけれど、図書そのものに絶対的な価値なんかない。それは閲覧者各人が感得するものだ。その点ではBLだろうが、ポルノだろうが、古典だろうが、純文学だろうが、哲学だろうが、技術書だろうが、図版だろうが、事典だろうが、エンターテイメントだろうが変わらない。くだらないといえばすべてくだらないし、意味があるといえばすべてに意味がある。より正確には、すべてが有益無益どちらの可能性も持っている。一時代の一個人が決められるものではない。少なくとも図書を扱ういい大人であれば、そのくらいのことは承知していてしかるべきだろう。

 ところがリンク先においては、「破廉恥な表紙のBLは有益ではない」という点で一市民の声と図書館の声が一致しているように見えてしまう。そうは書いていないのだけれど、そういう印象を与える可能性は高い。これは問題だろう。「今後は、収集および保存、青少年への提供を行わない」という決定が問題なのではない。恣意的な決定方法が問題なのである。図書館の蔵書量や運営費が有限である限り、取捨選択が必要になるのは自明だ。私立図書館であれば「私」の一存で収集方針を決めればいい。けれども、公共の図書館が特定の価値観を追認するような態度を取るのはイタダケナイ。

 一市民の見解に反応してBLを排除することは、「情報社会において自律性や自主性をもって図書や情報を選択できるように、読書の環境づくりを推し進める責任を負うものと認識しております」という市の考え方に反している。少なくともBLを選択できないように環境づくりを推し進めている。公共の益は公共が決める。だから、市民の合意、或いは、市の意志として公共の利益を最大化するためBLを捨てるというのなら解る。もし、件の「市民の声」をきっかけに公共の利益を問い直した結果だというなら、その見解を詳らかにすべきだ。BLの排除の根拠となる有益性の基準とはどんなものか。
 それができないなら、ただ批判の声に阿ったと取られても仕方がない。

● ■堺市図書館BL本についてのブコメが酷すぎる  
     増田の杜 から転載
最初に断っておきます。
俺は男で、かつ今までBLには全く興味が無かったのでBL本ってのを読んだことはない。
検索して調べたところBL本ってのは
・男同士の絡み(18禁に近い描写)をメインにした恋愛小説
という認識でいますが、これが間違っているあるいは他にこういった点を目的にして描かれている、
といった意見があればご指摘願います。
  ・・・・(以下、いろんな意見が掲載されている)

● ■[雑文]ボーイズラブはセクハラなのか? 00:10  
    2008-09-10 一本足の蛸 から転載 
 堺市立図書館に対する「市民の声」が面白い
     ・・(略)・・
 とりあえず冒頭の段落だけ引用した。
次の段落では「市民の血税」云々というお馴染みの話題が書かれているので、興味のある方はリンク先を通読していただきたい。
さて、ボーイズラブである。
     ・・(略)・・
 上の文中では「セクハラ以外のなにものでもなく」と強い語調で非難されているが、果たしてそうなのか? もしそうだとすれば、いったい誰に対するセクハラなのか? 相手は男性なのか、女性なのか? 大人なのか、子供なのか? 同性愛的傾向のある人なのか、そのような傾向の乏しい人なのか? 筆者がどのように考えているのか、この文面だけからではよくわからない*1。

 また、ボーイズラブがセクハラだとして、何らかの対応が必要だとすれば、書庫に仕舞い込むという方法が最善なのかどうか、ということも疑問に感じた。ふつう公立図書館には18禁コーナーはないが、そのようなコーナーを設けてはならないというきまりごとがあるのだろうか? もしゾーニングで何とかなるのなら、ボーイズラブに性的不快感を抱く人の目に触れないように隔離するだけで足りるのではないか? それとも、図書館利用者一般から遠ざけるのでなければならない特段の理由があるのだろうか?

 いろいろ考えてみたが、どうもうまく考えがまとまらない。はてなブックマーク - BL図書を購入した趣旨や目的、またこれまでに購入した冊数及び購入費を教えてください:「市民の声」Q&A 広報・広聴 - 堺市を見れば何か考えるヒントが見つかるかと思ったが、まだ発展途上中のようで、見るべき意見は特になかった。
そうこうするうちに日付が変わってしまったので、今回はとりあえずこれでおしまい。何か新展開があれば、また取り上げてみることにしよう。

● ■[図書館][戯言] もう4,000冊くらいBL小説があっても良かったのかもしれない?? 22   かたつむりは電子図書館の夢をみるか 2008-09-11 から転載
 堺市立図書館のBL本の所蔵に対する市民からの問題視する意見と、それに対する堺市の回答が話題になっていますな。
        ・・(略)・・

 ただ今回の堺市立図書館の件でひとつ面白いのは、堺市側がBL本の冊数と具体的な購入金額を提示したことではないかとか。
 なお、お尋ねの購入冊数と購入金額の現時点での調査結果は、所蔵冊数5,499冊、金額3,668,883円です。
「市民の声」Q&A 広報・広聴

 5,499冊!
そう聞くと「それは多いなあ・・・」って気がしてくる不思議。
5,499冊のBL本の表紙がずらっと並んでいる光景を見たら、思わず"challenge"したくなる気持ちもわからないでもない。
そうなってくると、むしろ図書館関係者としてはBL本があることよりは一部のジャンルに選書が偏っているんじゃないかという方が気になってくるわけで・・・5,499冊って、リクエストやなんかをただ受け付けてるだけで入る冊数でもなさそうだし・・・やっぱり図書館員の趣味なのか??

しかしそこで「この中に腐女子がいます!」と決めつけるのもまた時期尚早。
平成18年度の堺市立図書館の統計によれば*1、平成18年度段階での堺市立図書館全体の一般書の所蔵数は1,302,918冊。
市立図書館で130万冊超えってそうとうでかい図書館なわけだが、その全体における5,499冊・・・と聞くと、なんか多いんだか少ないんだかよくわからなくなってくるわけで。
資料全体の0.4%??
そんくらいならあってもおかしくないのか??
でもそもそも日本全体の出版された図書に占めるBLの割合がわからないことにはなんとも・・・

ってことで、例の如く調べてみることに。
    ・・(略)・・

これによると2007年に出版されたBL本(小説限定)の冊数は593冊。
対する日本の2007年の書籍出版点数全体については、新刊点数の推移 (書籍):【 FAXDM、FAX送信の日本著者販促センター 】に掲載されている「出版指標年報」の数字によれば77,417冊。

実際にはAmazonの数字には漏れがあるかもしれないとかそういうことはとりあえず目をつぶるとして、単純に2007年のBL小説出版数を出版全点数で割れば・・・

593 / 77417 * 100 ≒ 0.77%

・・・0.77%??
堺市立図書館の所蔵資料におけるBL率より高いじゃないか。
仮に堺市立図書館が一切の選別を行わず、単に国内の出版物を資料規模に合わせてランダムに収集していった場合、所蔵資料数に見合っただけのBL小説の冊数は

593 / 77417 * 1302918 ≒ 9980冊

9980冊!
なんだ、堺市立図書館もう4000冊くらいBL小説持ってても別に問題なかったんじゃね?


・・・まあ実際には堺市立図書館は戦前から存在するのに対してBL小説はせいぜい出始めて20-30年くらいだろとか、しかも出始めてから今の出版規模になるまでにもけっこう時間あるだろとか、逆に堺市立だってそれなりに古い資料は除籍してて今の冊数になっているんだろうからコレクション全体の年齢とかも見てみないことには詳しいことはなんもわからないぞ、というのもあるわけですが(苦笑)

今回は複本購入も考慮してないしね*2。
ただ、とりあえずあえて図書館員が恣意的に選書をしなくとも、と言うか「恣意的にBL本を避けるという選書をしなければ」、5,499冊のBL本所蔵と言う状況も蔵書規模に比してみるとありえない数字ではないということは言えそうかも。

・・・っていうかBL本市場がでかいんだよ・・・(汗)
考えてみればAmazonやbk1に単独でジャンルとして存在する程度の規模があるんだもんな・・・bk1なんて「マンガ」や「歴史・地理・民俗」とかと同じレベルのジャンル分けとして「ボーイズラブ」があるわけだし(爆)
「あえて避ける」選択をしなければ図書館にある程度のBLコーナーが出来るのは至極当然なのかもな、とかなんとか。

10万冊本があれば770冊はBL小説(コミック除く)。
それが今の日本の書籍事情なのですよー*3。

●図書館戦争 有川 浩  図書館、推参。   『空の中』『海の底』の有川浩の最新作!
──公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。
超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館! 狩られる本を、明日を守れ!
敵は合法国家機関。
相手にとって、不足なし。正義の味方、図書館を駆ける!

図書館戦争、近日開戦!!
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 青い色のバラの花を育成するのは極めて難しいとされる。
 でも、野山や栽培種では、青い花は他の色よりは少ないとはいえ、きれいな花がたくさんある。

 オーシャンブルー(琉球あさがお)は濃い青の典型。
 うちの石垣を包む2株のオーシャンブルーは、毎日80から100ぐらいの花が咲き続けている。
 毎日毎日咲く。その勢いには驚くばかり。
 
 ところで、先日、街路の「青いむくげ」に驚いて、写真を撮ろうと車を止めた。
 近くに行くと紫系。
 むくげは白から濃いピンクもあるけど、今まで見た中ではもっとも濃い青系の印象。

 この前は伊吹山の青い「トリカブト」と「リンドウ」を載せたけど、
      ◆トリカブトとリンドウ/伊吹山/ドライブウェイ
 今日は、この「むくげ」と「琉球あさがお」。

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● 咲け 夢の青いバラ  クローズアップ現代2002年11月11日(月)放送
 世界の園芸家が品種改良を行い、これまで2万5千種を生み出してきた花の女王バラ。その中で唯一、作るのが不可能とされてきたのが「青いバラ」だ。
 歴史に名を残したい、不可能の象徴を覆したいと世界の育種家が挑戦する中で、栃木県に住む70歳の男性が実に44年の歳月をかけ、世界で最も「青」に近いバラを誕生させた。
 独学で朝から晩まで交配を繰り返し、数々の失敗を経ての成果だ。この青バラづくり、今、日本では企業や研究機関をはじめ、地元の特産品にしたい自治体などが、遺伝子組み替え技術などを使い巨額を投じて開発を進めている。しかし、なかなか青くならず、足踏み状態。それでも「夢」の青いバラを求めて研究に余念がない。
 青バラを求めて奮闘する人たちのロマンとその研究の最前線を追う。NO.1660

むくげ
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)


   


中には、一箇所からの色違い



酔芙蓉を思い出すこの色変わり
  

ムクゲ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 ムクゲ(木槿、槿、Hibiscus syriacus)はアオイ科の落葉低木。大韓民国の国花で、しばしば韓国の象徴とされ、国章にも意匠化されている。また、韓国内ではホテルの格付けなどの星の代わりにも使用されている。


オーシャンブルー 


 
    


    

  




◆オーシャンブルー、琉球朝顔。開花が秋から、では困るから短日処理を。でも、越冬した株は春から咲いた

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 世界的な経済の大混乱、中学か高校のころ 「いっくにく ぱにっく」 と年代を覚えた1929年からの「世界大恐慌」、その再来かとの懸念も先週は言われていた。

 そんなことで、解散・総選挙の日程もゆれている。
 経済どん底で選挙すれば、麻生人気も冷めるし・・とか。

   福田辞職後しばらくしてから ⇒ 11月の選挙
   先週の展望 ⇒「10月3日衆院解散―10月26日衆院選」
     昨日は ⇒上記かその一週間後か

 そんな中で、一番面白かったのは、民主代表小沢の国替え。
 最初は、もともとの「岩手からは出ない」・・・それが、「公明代表の太田の選挙区か」と報道されて、なんとスゴイッ と思った。

 話題性抜群。報道もそちらに傾かざるを得ない・・
 求心力バツグン、他の候補者の志気や士気は上がるし・・・これがオザワかとあらためて思った。
  ・・・と、他人任せで政権交代を願うのは無責任か。

 ともかく、自民はヒドイ。総裁選中だというのに、もう、次の内閣の閣僚候補が新聞に出るなんて。
 新聞5紙をとっている私は、最初、読売新聞の1面にだけそれが報道されて、他紙にはまったく出ていないので、・・・これはまたナベツネかと思った。

 他紙は翌日に出た。
 そして、ある報道に、「候補者乱立 森―青木―ナベツネ フィクサーたちが糸を引く」とあって、十二分に納得した。
 もっとも、この人たちの自民党ラインももうじき終わるけど。

以下、紹介記事の見出し。

●選挙:衆院選 小沢氏「国替え」 公明に揺さぶり 総裁候補陣営にも波紋
●自公つぶしに小沢代表“国替え”
●小沢氏、刺客の次は…合併!?

●小池氏は重要閣僚、石原氏は党要職に…麻生氏構想
 麻生氏は総裁選の勢いを維持して衆院選を戦う狙いから、「10月3日衆院解散―10月26日衆院選」という早い日程を念頭に置いている

●自民党総裁選「麻生劇場」の裏側は派閥談合そのものだ 
候補者乱立の劇場型総裁選の裏側では、森―青木―ナベツネといった政界・マスコミ界のフィクサーたちが糸を引いていることがわかる

●「岡崎だったからいいけど…」豪雨災害で麻生氏発言

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 ●民主、衆院選準備急ぐ 小沢代表「小選挙区で過半数」  ニッケイ 9.9
 民主党は8日、代表選で小沢一郎代表の無投票3選が確定したのを受け、24日召集の臨時国会冒頭での衆院解散・総選挙も念頭に選挙準備を加速する。小沢氏は8日の記者会見で、300小選挙区のうち過半数で勝利する目標を強調。自民党が党総裁選や新首相就任で反転攻勢をうかがう中、同党を議席数で上回る「第1党」を目指す。

 「本日から衆院選勝利、新政権づくりに向けて一丸となり、全力で突き進んでいく」。小沢氏は8日、党本部での記者会見で、党を挙げて選挙準備に取り組む姿勢を強調した。記者会見直後に鳩山由紀夫幹事長らと選挙対策を巡って協議。この後、足早に党本部を後にして選挙用のポスター撮影に向かった。

●選挙:衆院選 小沢氏「国替え」 公明に揺さぶり 総裁候補陣営にも波紋  2008.9.15 毎日
 民主党の小沢一郎代表の次期衆院選での「国替え」を鳩山由紀夫幹事長が明言し、太田昭宏公明党代表の地元、東京12区を「有力な選択肢」と述べたことは、党内外や地元に波紋を広げた。一方で鳩山氏は「これからの公明党との距離感にもよる」と語り、流動的な要素があると強調している。公明党に圧力をかけることで、自公の選挙協力関係に揺さぶりをかける狙いがありそうだ。

 「公明党が自民党と一緒に選挙をやるなら(対立候補を)立てる、ということだろう」。民主党幹部は14日、国替えを巡る小沢氏の真意をこう解説した。
 民主党は、矢野絢也元公明党委員長が「言論活動を妨害された」として公明党の支持母体、創価学会を提訴した問題で、矢野氏を臨時国会で参考人招致する構えを示して公明党への圧力を強めている。公明党を民主党側に引き寄せることが狙いで、「小沢氏の東京12区への国替え」示唆も、こうした戦略の延長線上にある。

 波紋は自民党内にも広がる。東京選挙区で民主党は12区以外にも、自民党総裁選候補者の地元である与謝野馨氏の1区、石原伸晃氏の8区、小池百合子氏の10区で1次公認決定を見送っており、「小沢氏の国替え先では」との憶測が広がる。ある総裁選候補者陣営は「総裁選が終わったら何か仕掛けて、メディアの関心を引きつけようということか」と気をもむ。

 小沢氏の地元では驚きが広がった。民主党岩手県連の佐々木順一幹事長は「党本部から話は聞いておらず、県連としては4区からの出馬を前提としている」と強調。「仮にそれ以外の場合は、すぐに対応しなければ」とだけ語った。【上野央絵、安田光高】

●自公つぶしに小沢代表“国替え”  日刊スポーツ 08.9.15
 民主党小沢一郎代表(66)が次期衆院選で地元岩手4区から出馬せず、別の選挙区に「国替え」することが14日、分かった。民主党鳩山由紀夫幹事長(61)は公明党太田昭宏代表(62)の地元である東京12区を「有力な選択肢の1つ」と語った。自民党総裁選に立候補した与謝野馨氏(70)の地元東京1区も候補に挙がっており、自ら“本陣”に殴り込みをかける作戦をちらつかせ、自公両党に揺さぶりをかける。剛腕小沢氏の動向が注目される。

 14日のテレビ朝日番組に出演した鳩山氏は、小沢氏の選挙区について「岩手からは出ない。関東中心に決めるのではないか」と発言した。さらに小沢氏が「自分も背水の陣を敷く。岩手4区は(別の候補に)任せて別の選挙区から出る」と何度も述べていることも明かした。「国替え」を検討する選挙区については「命を懸けていることを示す選挙区に限られる。小沢氏が熟慮して決める話だ」。かねて東京12区からの出馬がうわさされていたが「これからの公明党との距離感にもよるが、1つの有力な選択肢」と語り、公明党太田代表との直接対決の可能性も示唆した。公明党筋は「揺さぶり以外の何ものでもない」と反発。自民党は「はったりだ」と懐疑的な見方をしている。

 「国替え」は、小沢氏の決意をアピールする思惑に加え、自民党に選挙協力を続ける公明党とその支持母体の創価学会を揺さぶる狙いがある。早期の衆院解散・総選挙の流れが強まる中、民主党は12日に第1次公認187人を発表したが、小沢氏は「自分はどのようにも動けるようにしてほしい」と自分の公認を見送るように指示していた。
 東京12区は自公選挙協力を象徴する選挙区。05年の前回選挙では、当時の小泉純一郎首相(66)ら自民党3役が太田氏の応援に駆けつけた。小沢氏が、政権奪取に向けて効果的な「国替え」として同区を選ぶ可能性は十分にある。
 郵政民営化に反対し、前回選挙で自民党を離党し、地元の同選挙区で太田氏と議席を争い落選した八代英太氏(71)はこの日「小沢氏が私に代わって自公に対抗してくれるなら、もちろん応援します」と早くも全面協力の姿勢を示した。

 民主党関係者によると「国替え」の候補として、東京1区も挙がっているという。同選挙区は自民党総裁選に立候補している与謝野氏の地元。剛腕で知られる小沢氏は、候補乱立の総裁選で人気回復を目指す自民党幹部も「国替え」の標的とする大胆な戦略で、自公両党をけん制していくつもりだ。

●小沢氏、刺客の次は…合併!?  2008年9月16日 日刊スポーツ
 東京の与野党激戦区への“刺客作戦”が取りざたされる民主党の小沢一郎代表(66)が15日、今度は国民新党との合併に言及した。「1つになることも選択肢」と、今後協議を進める考えを示した。この日、自民党総裁選(22日投開票)に立候補している5候補は民主党が強い基盤を持つ北海道を遊説したが、11日すでに小沢氏がガッチリてこ入れした場所。総裁選つぶしともいえる話題を繰り出す小沢戦略は、果たして衆院選で花開くのか。

 小沢氏は15日、全国対話集会初日で愛媛県松山市を訪問。みかんの産地でネクタイも黄色と、服装もコーディネートした。14日、鳩山由紀夫幹事長(61)が小沢氏の刺客作戦を披露したが、この日は自ら次期衆院選への“秘策”として国民新党との「合併計画」を披露した。
 「徹底的に候補者調整をするには、1つになることも選択肢」と、衆院選前の両党の合併も視野に連携を強化すると強調。16日、同党の綿貫民輔代表(81)と会談、マニフェスト(政権公約)に盛り込む郵政民営化見直し案の合意文書に調印する予定。衆院選での「郵政票」を見込んだ連携だが、小沢氏は合併についても「時間があれば、その時にどうするか聞いてみたい」と踏み込み、協力体制を強める方針だ。

 小沢氏本人の発言ではないため、「本気なのか」といぶかる声もあった刺客作戦にも、初めて口を開いた。「私自身、今どうこういうことを決めているわけではない」と述べるにとどめたが否定はしておらず、話題を今後に引っ張った。
 代表選3選を決めた小沢氏だが、何度となく自民党の「小沢つぶし」に遭遇。代表選出馬の見通しを示す予定だった先月29日、自民党が水面下で動いたとされる改革クラブの結成会見をぶつけられ、出馬会見した9月1日は、福田康夫首相(72)が電撃辞任会見。代表選告示の8日、話題は総裁選一色。民主党の動きがかすむ中、刺客作戦と合併計画で反転攻勢に出た。

 自民党はこの日、総裁選遊説ツアーで、釧路、札幌両市を強行軍で回ったが、11日小沢氏が札幌市でてこ入れしたばかり。今後自民党が回る岩手や、埼玉、神奈川なども小沢氏は7月までに全国行脚で先乗りしており、結果的に自民の出はなをくじく格好になった。 連日の話題づくりは裏返せば、小沢氏や民主党の焦りともとれるが、しばらくは小沢氏の動向に注目が集まりそうだ。

●小池氏は重要閣僚、石原氏は党要職に…麻生氏構想  読売 2008年9月14日
福田退陣・総裁選
 自民党総裁選で優位に立つ麻生太郎幹事長は、次期首相に就任した場合、総裁選を争う小池百合子・元防衛相ら4候補すべてを閣僚か党役員に起用する意向を固めた。

 麻生氏周辺が13日、明らかにした。小池氏は重要閣僚での処遇、石原伸晃・元政調会長は幹事長など党の要職での処遇を検討している。与謝野馨経済財政相は再任か他の閣僚への横滑り、石破茂・前防衛相は閣僚への起用が有力だ。
 麻生氏は総裁選で、国会議員票の過半数を固めている。地方票も優位に立っているとみられ、新総裁に選ばれるのは確実な情勢となっている。
 麻生氏に近い議員らによると、同氏は「総裁の座を堂々と争い、結果が定まれば、新総裁のもとで一致団結するのが党の良き伝統だ」とし、挙党体制を築くため、4氏を閣僚や党の要職に起用する考えだという。

 麻生氏は総裁選の勢いを維持して衆院選を戦う狙いから、「10月3日衆院解散―10月26日衆院選」という早い日程を念頭に置いている。総裁選を戦った小池氏らを起用するのも、引き続き衆院選の遊説やテレビ出演などに党の「顔」として臨ませるためだ。この観点から、特に清新さをアピールできる小池、石原両氏の処遇を重視している。
 また、民主党では小沢代表が無投票で3選されながら、小沢氏への批判がくすぶっており、麻生氏はこうした民主党との「体質」の違いを示すことも狙っているとみられる。
 これに関連し、麻生氏に近い安倍前首相は13日、新潟県十日町市で記者団に、小池氏ら他候補の処遇について、「それぞれ才能のある人なので、(要職で)働いてもらった方がいい」と語った。

●自民党総裁選「麻生劇場」の裏側は派閥談合そのものだ | 政界インサイドレポート data-max 2008年09月16日
 5人の乱立となった自民党総裁選は大本命の麻生太郎氏が圧勝の勢いだ。ダークホースの小池百合子氏は小泉元首相の支持表明があっても風を呼べず、「小池劇場」は始まりそうにない。こんなドラマも意外性もない展開では、「福田―麻生の政権禅譲密約」の批判はかわせても、自民党が総選挙の逆風をはねのける効果は薄い。それでも、自民党内では早くも「10月解散」に向けてオールスター内閣づくりの人事の駆け引きが始まった。

 森―ナベツネの暗躍
 自民党総裁選ショーを演出したのはこの2人、森喜朗・元首相と渡邉恒雄・読売新聞グループ会長兼主筆と言っていい。
「今回はオレ1人になっても麻生をやるぞ。」
 森氏は表では「総裁選は賑やかにやればいい」と言いながら、腹心だった中川秀直・元幹事長が小池氏擁立に動くと、派内にそう決意を示して執拗な“小池―中川封じ込め”作戦を取った。党内の反麻生勢力が小池支持でまとまるのを防ぐためだった。

「党内には麻生嫌いが意外に多い。福田辞任表明後すぐに中川・小池連合がスパートをかけて改革派の若手と反麻生のベテランがそれに乗れば、森さんが手塩にかけてきた町村派とキングメーカーの座を中川氏に奪われるうえ、自民党を二分する戦いになり、たとえ麻生が勝っても総選挙前に党が分裂状態になる可能性が高い。それを恐れた森さんは中川・小池つぶしのために候補者乱立を仕掛ける一方、町村派の大勢を麻生支持でまとめた。」(森側近議員)

 最初から派閥維持のために麻生氏を勝たせる演出しか念頭になかったようなのだ。
 総裁選告示前、森氏は自ら野田聖子・消費者行政担当相に電話を入れ、出馬を促すという奇妙な行動を取った。それも、小池vs野田の“女の戦い”で盛り上げようというのではなく、古賀誠・自民党選対委員長ら麻生嫌いの勢力が野田擁立に走れば、反麻生勢力を分断できるという読みがあった。
 その野田氏が出馬を固辞すると、次に「反麻生」勢力の受け皿として与謝野馨・経済財政相が浮上する。

 この人物も不思議な候補である。反麻生のベテラン議員に一定の支持があるとはいえ、「消費税増税」を正面から掲げる与謝野氏が自民党で総選挙の「顔」となる次期総理・総裁に選ばれるとは考えにくい。むしろ、総裁選の消費税論争で「当面引き上げはしない」というアリバイをつくり、反麻生勢力を分散させるためのアテ馬候補としか思えない。
 その与謝野氏を口説いたのは読売の渡邉氏とされ、渡邉氏は森氏の盟友・青木幹雄・元参院議員会長に働きかけて参院津島派を与謝野氏の応援団につけた。津島派議員はこう語る。

「麻生氏と与謝野氏の関係はいい。もし、麻生氏が1回目の投票で過半数を取れない場合も、決戦投票では与謝野氏は麻生支持に回る。万が一にも小池に逆転させないための保険候補だよ。」
 その結果、森氏らのシナリオ通りに中川・小池連合は完全に封じ込まれ、町村派の大勢と伊吹派、二階派、さらに麻生嫌いと言われた古賀氏、山崎拓氏らまでが次々に麻生支持に回った。情勢が決した後では、小泉純一郎・元首相の“小池支持表明”も遅すぎた。

候補者乱立の劇場型総裁選の裏側では、森―青木―ナベツネといった政界・マスコミ界のフィクサーたちが糸を引いていることがわかる。
 これでは、政権を途中で投げ出した福田氏を担いだ8派連合が、その反省もなく麻生氏への「看板の架け替え」に走ったと言われても仕方がない。自民党内の権力構造は麻生政権ができても何も変わらない。

 「小泉・小池新党」は幻
 麻生陣営では早くも新内閣の人事が練られている。小池、与謝野、石原伸晃、石破茂の4候補を重要閣僚や党3役で処遇するという“オールスター内閣”構想だ。
 どうせ9月24日に新首相が決まればすぐに解散・総選挙だから、政策の違いなどおかまいなしに選挙応援用の人を呼べる“パンダ大臣”を並べようという発想だが、その裏では、派閥談合の人事の駆け引きもしっかり行なわれている。派閥領袖クラスではいち早く麻生支持を打ち出した伊吹派の伊吹文明・財務相の再任が有力視され、幹事長には町村派の町村信孝・官房長官の横滑り説が出ている。

 本来、途中退陣する福田政権の官房長官は幕引き役に徹するのが筋だが、異例なことに町村氏は記者会見で麻生支持を表明し、「主流派にいなければ干される」と自主投票のはずの派内に麻生選対本部まで立ち上げた。露骨な猟官運動だ。
「いまや最大派閥の町村派は中川・小池vs森・町村に完全に割れた。町村さんは何がなんでも党の要職に就くことで中川グループを完全に干し上げるつもりだ。」
 町村派の中堅議員はそう言うが、自民党が政権を失いかねないときに最大派閥が抗争に明け暮れているようでは先が見えている。ちょうど、宮沢内閣末期に竹下派が小沢一郎グループと反小沢グループに分裂して自民党が下野に追い込まれたのとそっくりな状況である。

 当レポートでは、中川氏が自民党を飛び出し、“第2の小沢”となって政界再編を仕掛ける可能性を早くから指摘してきたが、政界ではようやく総裁選後の「小泉・小池・中川」新党構想がクローズアップされている。
 派内抗争で追い詰められた中川氏が小池氏を連れて“暴発”するのではないかと見られているのだ。それが総裁選後の最大の波乱要因だ。
 勝利を確信した麻生陣営から、他の候補とともに小池氏の「重要閣僚」起用説が流れているのも、党分裂の事態を防ぐために閣内に封じ込めておこうという狙いがある。

 しかし、派内抗争で消耗した中川氏にはもはやその力はないように見える。総裁選で小池氏の得票は地方票を入れても全体の2割、100票にも届きそうにない。そのうえ、中川・小池陣営の議員たちの大半も、“敗軍の将”の中川氏に従って党を割る覚悟はなく、頼みの小泉氏も、功成り名を遂げた今や先頭に立って政界再編に打って出る気概を失っている。
「自民党が総選挙に敗れた時はまた情勢が変わる。それまでは臥薪嘗胆だ。」
 中川・小池陣営からはそんな声まで聞かれる。
 自民党はすでに分裂のエネルギーさえ失い、「麻生丸」と心中するしかない。

●「岡崎だったからいいけど…」豪雨災害で麻生氏発言  読売 2008年9月14日(日)22:05
 自民党の麻生太郎幹事長は14日、名古屋市で行われた自民党総裁選の街頭演説会で、8月末に愛知県などを襲った豪雨災害に触れ、「これが安城、もしくは岡崎だったからいいけど、この名古屋で同じことが起きたら、この辺全部洪水よ」と述べた。
 「公共工事は、都市部でもきちんと行うべきだ」という趣旨の演説の中での発言だが、今後不謹慎だとの批判も出そうだ。

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 いかに役所が非常識かが分かる典型は次の表現にある。

 行政の造語の好都合さ=真実をぼかして責任が無いように見せる
     裏金      ⇒ 不正資金
     汚染米・偽装米 ⇒ 事故米
 
 消費者は被害者だし、末端の酒造店や食品加工会社も被害者なんだろう。
 自覚して流通させた業者名はともかく、知らずに加工原料にしてしまって「社名公表」されたので「農水省を訴える」という社長がいた。

 私は実は、この問題で農水省に真剣に考えさせる方法は、「被害=だまされて会社の経営が悪化した時=、その会社の経営者らが国相手に訴訟に持ち込む」、それが、国に責任を自覚させるひとつの方法だろうと思っていた。
 だから、訴えたいという社長は応援したい・・・そう思っていたら、昨日、酒造組合が訴えるとのニュースが入ってきた。

 関係がないのだろうけど、ウナギの偽装販売の社長が自殺したニュースが先日流た。いずれ・・と思っていたら、昨日17日の夜、関係者の自殺のニュース。

 昨年多発した食品偽装の時も書いたけど、「偽装」はいずれバレる。バレたらおしまいだ。

 その業者名など、中間報告した農水省のデータや会社の状況についてまとめてみた。

●ルート複雑、調査混迷…汚染米流通、20都府県に拡大 酒造会社、回収などの被害20億円超
●【事故米不正転売】焼酎業界「最大の危機」 売り上げ2割減も
●【事故米不正転売】芋焼酎65万本回収 被害総額15億円
●【汚染米不正転売】回収対象100万本 全容解明進まず
●【事故米不正転売】詐欺容疑も視野 警察当局、実態解明目指す
●【事故米不正転売】酒造組合が国提訴へ「検査不備で風評被害」

●汚染米公表先の社長自殺 「数日前から死のうと…」
●「浜伸」のウナギ産地偽装、捜索受けた卸業者社長が自殺

  (関連) 9月11日ブログ ⇒ ◆米問題/農水省が一番悪い/農産物検査制度  
   9月12日ブログ ⇒ ◆汚染米不正 農水省に批判拡大 調査、なれ合いの温床 / 食品偽装
   9月13日ブログ ⇒ ◆農水省説明、ウソだった / 米 「工業用糊に限り販売」
  9月16日ブログ ⇒ ◆農水省追及緊急集会9月24日(水)/ 米・不正転売の監視役(農水省)が接待されていた 

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平成20年9月16日 農林水産省  事故米穀の不正規流通に関する調査結果の中間報告
 その公表資料 ⇒ データ PDF 18ページ から 抜粋 ↓

4 全国一斉点検対象業者の立入調査の実施結果について
        (中間報告)
1 実施時期
  平成20年9月8日~9月14日までに調査した結果です。
2 調査対象業者数及び調査対象数量
 ① 調査対象業者19業者(政府売却先16業者、商社販売先3業者)
 ② 調査対象数量5,774トン
  (うちメタミドホス2,669トン、アセタミプリド598トン)
3 調査結果の概要
 ① 食用に転用された疑いのある業者は3業者です。
業者名:㈱浅井、太田産業㈱、島田化学工業㈱(別紙参照)
 ② このほかの業者については、現在、確認のための調査を継続しています。




●ルート複雑、調査混迷…汚染米流通、20都府県に拡大 酒造会社、回収などの被害20億円超  2008年9月15日 読売新聞
 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市北区)が汚染された工業用の「事故米」を食用と偽り転売していた問題で、14日、汚染米とその加工品が流通していたのは、判明分だけで20都府県に達した。健康被害は出ていないが、酒造会社が原料に使われた可能性のある焼酎や日本酒の回収を進めるなど影響は深刻で、各企業が見積もる被害総額は少なくとも9社で20億円にのぼる。流通ルートの複雑さから農林水産省の追跡調査も混迷を深め、全容解明には至っていない。消費者の不安は広がるばかりだ。

   手 口
 「上手にやればもうかる、ともちかけられた」
 三笠フーズの冬木三男社長(73)は、非常勤顧問(76)を名指しし、不正転売に手を染めたきっかけを、こう明かす。同社は2002年、事故米の購入資格をもっていた個人商店「宮崎商店」(福岡県)を買収。宮崎商店は、以前から事故米を不正転売しており、その経営者を非常勤顧問として雇い入れることで、手法を受け継いだという。
 手口は悪質だ。有機リン系殺虫剤「メタミドホス」に汚染された中国産もち米は、伝票だけの架空取引を介在させて食用に偽装し、二重帳簿も作成。カビ毒「アフラトキシン」や殺虫剤「アセタミプリド」に汚染されたうるち米は、食品加工用米に1割程度を“ブレンド”して販売していた。
 農水省の96回にわたる検査も、事故米を別の倉庫に移し替えるなどし、くぐり抜けていた。

   拡 散
 流通ルートに乗ったもち米は、「木の枝が分岐を繰り返すように」(米業者)全国に広がった。一部は、10業者を経由して近畿2府4県の病院や高齢者施設、保育園など計約120か所で給食として提供された。
 同社が06~07年に政府から購入した工業用のもち米は食用に転用され、その後、業者間で転売が繰り返される間に「中国産」から「国産」、さらに「米国産」へと産地が変遷した。
 同時に、単価(1キロ)も上昇。三笠フーズが政府から購入した際は約9円だったが、病院や保育園などに納入していた給食会社「NI」(東京都)には約370円で売られた。

   影 響
 三笠フーズから出荷された事故米は、少なくとも20都府県に広がり、焼酎やあられ、もちなどに加工され、消費者の口に入った。
 ・・・
 給食用にも納入され、保育園などの在庫から基準値の2倍にあたるメタミドホスが検出された例も。消費者の不安は広がるばかり。NPO「日本消費者連盟」などが、太田誠一農相と舛添要一厚労相に抗議声明を送るなど、国の対応への不満も噴出しつつある。

●【事故米不正転売】焼酎業界「最大の危機」 売り上げ2割減も  
09/12 00:39更新
 「三笠フーズ」(大阪市)による事故米の不正転売問題で、焼酎業界が揺れている。Aなど自主回収するメーカーでは億単位の被害が相次ぎ、小売店は「風評被害」も含めた焼酎全体の買い控え傾向を懸念する。問題の全容が不透明なだけに、関係者からは「最大の危機だ」「どこまで飛び火するか分からない」と不安視する声も出ている。

 ■メーカー
 全国の焼酎出荷量の4割を占める鹿児島県酒造組合によると、同県の芋焼酎の出荷量(平成19年7月~20年6月)は約11万キロリットルで10年ぶりに減少した。関係者は「最近はビールや発泡酒に押されている。10年間前後続いた焼酎ブームはそもそも終わりつつあったのに、今回の問題で追い打ちをかけた」と指摘する。

 各メーカーには電話やメールなどで「事故米を使っていないか」との問い合わせが殺到。ホームページで「三笠フーズとは取引がありません」と掲示して安全性をアピールするなどの対応に追われている。

 麦焼酎「I」で有名なM(大分県宇佐市)では「麹作りも麦を使用しており、米は一切使っていない」と強調。「風評被害で売れ行きが落ちないよう祈りたい」と話す。

 三笠フーズと取引し、「事故米はない」としていた鹿児島県の焼酎メーカー「N」が10日になって「事故米が含まれていた」と訂正したことも、混乱に拍車をかけた。

 Nから原酒を仕入れているA(東京都中央区)では約65万本の焼酎自主回収を発表。この事態に、メーカー「G」が母体のO(同区)は、いったん出した“安全宣言”を撤回、再調査を始めた。広報担当者は「業界全体で対策を立てるべきだ」と苦悩する。

 ■小売店
 酒販店は関連する焼酎を店頭から撤去し始めている。なかには「全体の売り上げが2割減少した」(大阪府内の酒販店)という店もある。

 東京都葛飾区の「K」の店主、Kさんは「雨天が続いた今夏はビールの売れ行きも落ちている。焼酎までイメージダウンしてしまうと全般的に経営が苦しくなる」。酒販店の店主ら約8万5000人が加入する全国小売酒販組合中央会(同目黒区)の島田進統括部長は「Nなどの有名ブランドで問題が出ている。全国的に売り上げが落ちかねない」と懸念する。

 ■消費者
 愛好家や消費者団体からも批判の声が。フォークシンガーのなぎら健壱さん(56)は「酒は楽しくリラックスして飲むもの。『あの酒は大丈夫かな』という猜疑心を植え付けた時点で甚大な悪だよ」と怒り心頭。三笠フーズについても「あんた方の口に入ったらどういう気持ちになるの。何も分かっちゃいない」と一刀両断だ。

 焼酎のイベントを主催する愛好家団体「横浜焼酎委員会」の高橋恒夫事務局長(52)は「安心して飲めると思っていたから応援してきているのに、とんだ迷惑だ。私たちが応援する蔵元に被害がなかったのが救いだ」。全国消費者団体連絡会の阿南久(ひさ)事務局長は「もうキリがない。農水省の管理体制にも問題があるのではないか」と批判した。

●【事故米不正転売】A、芋焼酎65万本回収 被害総額15億円  サンケイ 2008.9.11
 Aが自主回収を決めた「S」
 Aは11日、芋焼酎の一部に大阪市の米粉加工会社「三笠フーズ」が不正に転売した汚染米が混入していたとして、製品を自主回収すると発表した。回収費用を含めた被害総額は約15億円と見込んでいる。一連の汚染米問題で大手酒造メーカーに被害が出たのは初めて。アサヒの検査によると原酒から残留農薬は検出されておらず、「健康への影響はない」としている。

 原酒の製造を委託しているN(鹿児島県)から10日、同社に連絡が入り、混入が判明した。対象商品は全国で約65万本にのぼる見通し。
 対象となるのは、A傘下の・・

●【事故米不正転売】酒造組合が国提訴へ「検査不備で風評被害」  iza ニュース 08.09.17 01:05更新
 三笠フーズによる汚染米転売問題をめぐり、鹿児島県酒造組合(本坊喜一郎会長、113社加盟)は、「農林水産省の検査体制の不備で汚染米が流通し風評被害を受けた」として、国に損害賠償を求める訴訟を起こす方針を決めた。三笠フーズに対する損害賠償請求訴訟も検討している。

 鹿児島県内ではこれまで、三笠フーズが転売した汚染米を焼酎メーカー3社が仕入れていたことが判明。こうじに使用された可能性のある商品の自主回収、在庫の廃棄が進められている。

 組合の吉野馨専務理事は「検査日程を事前に三笠フーズに連絡するなど対応の甘さから農水省は不正転売を見抜けず、県の焼酎業界に混乱をもたらした」としている。

●【汚染米不正転売】回収対象100万本 全容解明進まず  サンケイ 2008.9.14 20:15
 事故米の不正転売は、次々に新たな流通先が発覚し、被害が拡大を続けている。汚染米を原料とした可能性があるとして自主回収対象となった食品は、焼酎だけでも100万本を超えた。消費者の不安は大きくなるばかりだが、複雑な流通経路の解明にはまだ時間がかかりそうだ。

回収はかどらず
 「消費者に一度販売した焼酎の回収はなかなか進まない」。事故米を仕入れた焼酎メーカー「B」(鹿児島県)の担当者は怒りを込めて話す。
 回収対象が524本の同社でも難しいのに、大口のAでは65万本、西酒造30万本に上る。焼酎だけでなく、アラレやヨモギ餅、給食などにも使われたことが発覚し、被害は甚大になった。・・・

●【事故米不正転売】詐欺容疑も視野 警察当局、実態解明目指す  サンケイ 2008.9.14 01:39
 大阪市北区の米粉加工会社「三笠フーズ」による事故米転売問題で、農林水産省から同社とグループ会社「辰之巳」の2社の告発を受けた熊本県警など警察当局は13日、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑の立件と合わせ、詐欺容疑も視野に捜査する方針を固めた。工業用の事故米を利ざや目的に食用に転売したことは極めて悪質と判断。製品の回収が多方面に広がるなど甚大な影響が及んでいることを重視したもようだ。

 農水省は、告発は熊本県警だけにとどめる方針で、熊本県警は来週にも、大阪、福岡両府県警と合同捜査本部を設置、不正転売の実態解明を急ぐ。
 農水省によると、辰之巳は1~5月、B(熊本県城南町)に対し、三笠から卸された基準値の3倍の農薬アセタミプリドが検出されたベトナム産うるち米計32・4トンを国産米と偽って販売した。
 農水省と警察当局は、事故米の各流通ルートについて調査・検討した結果、美少年に出荷した米は国産と偽装されており、不正競争防止法に明白に違反していると判断した。

 さらに、詐欺容疑での立件の可否を検討。大半の流通ルートは末端に至るまでに複数の業者が介在し、製品回収を余儀なくされた被害企業が三笠に直接だまされていないなど、立件が難しいことがわかった。
  しかし、Bとは、辰之巳が事実上一体の三笠を通して直接取引している上、国産と偽って多額の差益を得るなど、詐欺罪が成立する可能性があるとみている。
 ただ、Bは買い入れた米を使い切っており、汚染米の混入量は分かっていない。このため、警察当局は近く一斉捜索に着手して混入量の特定を進めるとともに、他の流通ルートでも立件可能な取引がないか捜査。食品衛生法や流通食品毒物混入防止特別措置法など他の法令の適用も検討するという。

● 汚染米公表先の社長自殺 「数日前から死のうと…」   共同 08.9.17
 三笠フーズ(大阪市)による汚染米の流通先として公表された奈良県の米穀販売会社「N」のN社長(54)が16日夜、自宅で首をつって自殺したことが17日、分かった。

 香芝署によると、N社長は16日午後1時半ごろ、自宅にあった農薬を紙コップに入れて飲もうとしたが、刺激臭が強く断念し未遂に。様子に気づいた妻が119番し病院に運ばれた。「数日前から死のうと思っていた。マスコミが自宅に来ていないか」と憔悴した様子で話したという。その後、社長は病院から帰宅。家族と話し、午後11時ごろ「もう寝る」と2階の寝室に上がったが、約50分後に首をつった状態で見つかった。

 香芝署によると、N社長が掃除機の電気コードで首をつっているのを長男(28)が発見した。長男は「何も分からない。今は父を送り出すだけで精いっぱい」と言葉少なに話した。遺書は見つかっていない。

 Nでは17日、電話に出た女性が「答えられる人間がいない」とだけ話し、慌ただしく電話を切った。奈良県によると、Nは1-8月、佐賀県の業者を通じ約53トンの中国産もち米を購入。県内の製菓業者2社に計約45トンを納入した。

 農林水産省は16日、汚染米の流通先の一つとして同社の社名を公表していた。同省奈良農政事務所の幹部は「消費者の安心のため公表に踏み切ったが、それが自殺の原因になったのであれば残念だ」と話した。

●「浜伸」のウナギ産地偽装、捜索受けた卸業者社長が自殺  2008年9月12日21時09分 読売新聞
 東京都中央区の食品加工会社「浜伸」によるウナギ産地偽装事件で、警視庁に不正競争防止法違反容疑の関連先として捜索を受けた三鷹市の卸業者「弥生」の神田真佐志社長(54)が12日午後0時55分ごろ、調布市内の知人男性宅で首をつって死んでいるのが見つかった。
 遺書はなかったが、現場の状況から、同庁では自殺とみて調べている。
 同庁幹部によると、弥生は、浜伸から国産に偽装したとみられるウナギのかば焼きを仕入れ、都内のスーパーに卸していた。同庁では11日、浜伸とともに、弥生や三鷹市内の神田社長宅を捜索、神田社長からも約3時間にわたって事情を聞いていた。

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 今の時期の畑って、どんどん野菜が大きくなっていくから見ていても楽しい。
 こんなところにも楽しみが転がっている。

 9月11日には、いろんな種まきをした。
 なお、前日10日には、次の苗を買っておいた。
    カリフラワーなどの苗、9種類×5+3=48
    キャベツ類 4種類×5=20
 
 もちろん、出荷しいたころは、これらの苗も7月から自作していたけれど、今は、少しずつ購入している。

 ということで、今週のいきいきセカンドステージもうつり行く秋の畑のこと。

 文末には、種苗メーカーも 「短所 特に無し しいて言えば長すぎる」というナスを紹介。

 次の種まきは21日に予定。
 今年は分かりやすく「10日間隔」で種まきや植え付けしている。
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スクナカボチャ  漢字は 「宿儺南瓜」 

(左)うちの畑で生育途中のようす ⇒ (右)最近の台所で
ただ、蒸すだけでも、甘くて味があっておいしいのが
このかぼちゃの真骨頂
 ⇒   
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)


偶然、最近見た本場飛騨での品評会のテレビ・ニュース↓
最優秀品はこんな姿なんだ・・・
純正品のすくなかぼちゃは「金ラベル」つきで売られる
    


ブロッコリー


スティク・セニョール  芽キャベツ
   

カリフラワー
スノークラウン 連山
  

オレンジブーケ  バイオレット
  

キャベツ
グリーンボール ルビーボール
  


これらの苗は9月11日に定植した
(ここから下は昨日9月16日夕方の写真です↓)



8月21日に定植したレタス類
1ヶ月経って、雑草がほんの少しだけ生えてきた
(今年8月中旬は雨が多く、熱処理が不十分だった)



8月21日に定植したキャベツやブロッコリー類
虫除けのトンネルの天井につっかえてきたので、
今度、高いトンネルにしよう
  


8月21日蒔き の 桜島大根や菜っ葉類



9月1日に1.2年前の古い種を播いたところ
(左)白菜類 や (右)各種菜っ葉類



9月11日に1.2年前の古い種を播いたところ
(左)白菜類 や (右)各種菜っ葉類



9月11日に播いた 
(左)古種の大根類 や (右)ニンジン  ニンジンは何も出ていない??
と心配で土の中をのぞいてみたらやっぱり大丈夫だった。
ここで失敗したら(汗)
  


ちなみにニンジンのステージ
(左)9月1日播き  や (右)8月21日播き・間引き1回済み
  


7月蒔きで栽培時期を抑制した キュウリ と ササゲ
    


8月中旬に切り戻したナスも復活済み
庄屋大長なす 一番右の長い実は 長さ45cmもあった(太さ5cm)
作って3年目だけど、このナスは、秋に本領を発揮する
是非作りたい品種だ
  
種苗会社のページ タキイ交配 庄屋大長なす
特長 
 色ボケ果(ボケナス)が少なく、大長なすとしては早生、多収。
 果長は35~40cm、果色はツヤのある黒紫色で、
 温乾燥下でも石なすが出にくく品質がよい
 果実内の種子が少なく皮は柔らかで美味
 草勢は強く立性で枝太く作りやすい

長所 やわらかく美味 乾燥した気候でも、硬くなりにくい、旱魃に強い
短所 特に無し しいて言えば長すぎる
調理法  一般的な茄子料理  長さを使った創作料理


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 コメ問題、東京で集会が計画されている、詳細が分かったら紹介すると書いたのが13日。公表できる段階になってきたので、後で紹介。

 農水省の責任を問う声が高まる中、監視役の接待が明らかになった。

 「三笠フーズが農政事務所課長を接待 不正転売の監視役」
 「検査は抜き打ちではなく、毎回、事前に通告されていた上、2時間程度だった」
 「汚染米問題—農水省に任せておけぬ」
 「おざなり 農水省の罪 三笠フーズなど3社 138回立ち入り」

 「一業者に何百、何千トンもの量を処理できるわけがない。需要も考えずに大量売却を続けた農水省の姿勢も問題」

 「汚染米不正転売 消費者など眼中にない農水省」 (食品問題評論家 垣田達哉)

「前沢教授は第4、第5の問題業者が出現することを予測している。」

 東京の集会は、「汚染米 農水省追及緊急集会」
   日時:9月24日(水)14:30から  場所:衆議院第一議員会館

  (関連) 9月11日ブログ ⇒ ◆米問題/農水省が一番悪い/農産物検査制度  
   9月12日ブログ ⇒ ◆汚染米不正 農水省に批判拡大 調査、なれ合いの温床 / 食品偽装
   9月13日ブログ ⇒ ◆農水省説明、ウソだった / 米 「工業用糊に限り販売」 
   9月18日ブログ ⇒ ◆事故米/農水省調査結果/会社の反応は/ 国提訴へ/ 汚染米公表先の社長自殺

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  詳しくは 反農薬東京グループ

テキスト・データ ↓
汚染米 農水省追及緊急集会
 カビ毒、農薬による汚染米問題はとどまるところを知らない広がりを見せています。
 米飯用米のみならず焼酎や、せんべい、もち菓子、ビールなど、そして学校給食やお年寄りの施設にも納入されていたなど毎日のように新たな事実が報道されています。自然界最強の発ガン物質アフラトキシンはごく微量でも肝臓がんのリスクのあるもので国内での発生は報告されたことはなく、輸入穀物で問題になる汚染です。
 大田農水大臣の危機感のない発言にこれでは健康は守られないと危機感を感じます。汚染された輸入米を受け入れ、食用転用の不正の可能性がありながら、放置し、有効な調査や、取り締まりを怠るばかりか三笠フーズら業者に汚染米処理の口利きまで行ってきた農水省の姿勢に対し、国民の疑問や怒りは高まるばかりです。
 「事故米」は国産米にもあります。これがどのように利用されているか、きっちり説明していただきたいと思います。工業用糊に米は使わないという報道もあり、疑惑は深まるばかりです。
 農水省関係官僚に出席を求め、汚染米問題の責任の所在と今後の対応策を追及する市民と国会議員による集会を開催します。
 ぜひ、ご出席をいただきたくご案内申し上げます。
●日時:9月24日(水)14:30から
●場所:衆議院第一議員会館 第一会議室
●地下鉄丸の内線 国会議事堂前下車、または半蔵門線 永田町下車
----------------------------------------------------
呼びかけ団体(9月18日現在 30団体)
反農薬東京グループ /食政策センター ビジョン21 /NPO法人日本有機農業研究会/食の安全と農の自立をめざす全国連絡会 /全日本農民組合連合会 /フォーラム平和・人権・環境 /提携米研究会 /生き物共生農業を考える会 /くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク /日本消費者連盟 /食の安全・監視市民委員会 /北海道農民連盟 /日本消費者連盟関西グループ /反GM生産者ネット /有機農業ネットワーク神奈川 /サスティナブル21 /シックハウス連絡会 /山口みどりの会 /遺伝子組換え食品を考える中部の会 /遺伝子組換え情報室 /自治労名古屋学校支部 /食と環境の未来ネット 中部よつ葉会 /関西よつ葉連絡会 /NPO シグナルキャッチ /アトピッ子地球の子ネットワーク /安全な食べものネットワーク オルター /化学物質による患者の会千葉 /萩農薬空中散布を考える会 /京都カナリヤ会 /

呼びかけ団体(9月12日現在)
 反農薬東京グループ
 食政策センター ビジョン21
 NPO法人日本有機農業研究会
 食の安全と農の自立をめざす全国連絡会
 全日本農民組合連合会
 フォーラム平和・人権・環境
 提携米研究会
 生き物共生農業を考える会
 くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク
 日本消費者連盟
 食の安全・監視市民委員会
 北海道農民連盟

●事故米転売:三笠フーズが農政事務所課長を接待  毎日新聞 2008年9月15日 15時21分
 残留農薬などが見つかった事故米を食用に転売していた米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の冬木三男社長らが05~06年、農林水産省近畿農政局大阪農政事務所の当時の消費流通課長(62)を大阪市内の飲食店で接待していたことが分かった。同事務所は「公務員としてあるまじき行為」として、他の職員に対する接待の有無についても調査を検討する。

 大阪農政事務所によると、消費流通課は中国産など事故米の入札や販売、業者の指導などを担当している。接待を受けたとされる元課長は1965年入省。04~06年度に同課長を務め、06年3月に退職した。
 同事務所の聞き取り調査に、元課長は接待の事実を認め、「便宜を図ったことはない」と釈明したという。

 元課長の説明では、05年~06年の2回、大阪市内の飲食店で酒食を伴う接待を受けた。いずれも元課長と冬木社長ら三笠フーズの役職者数人が同席。料理は1品1000円程度で代金は同社側が支払ったという。
 同事務所の松浦克浩所長らは15日朝、報道陣の取材に応じ「事故米の不正流通の解明に取り組む中、誠に残念」とコメントした。
 国家公務員倫理規定では、利害関係者との飲食接待やゴルフ、旅行などを禁止し、費用を自分で支払う場合も1万円を超す時は事前の届け出を義務づけている。【久木田照子】

●【事故米不正転売】三笠フーズ 農政事務所元課長を接待 不正転売の監視役  サンケイ 2008.9.15 12:24
 米加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が汚染された事故米を不正転売していた問題で、不正転売を監視する農林水産省近畿農政局大阪農政事務所の元消費流通課長(62)が、現職時に冬木三男社長らから飲食店で接待を受けていたことが15日、同省の調査で分かった。この元課長は、調査に対して、接待を受けたことを認めているという。
 同課は大阪府内の米の流通を管轄。汚染米の販売管理や業者の監督・指導、不正チェックも担当しており、飲食接待は不正転売の時期に行われていた。元課長は「接待の見返りに三笠フーズに便宜を図ったことはない」と、便宜提供は否定しているという。

 農水省によると、元課長は平成17~18年に、同社が経営する大阪市北区の居酒屋で、2度にわたって冬木社長や同社関係者ら数人から、焼き鳥やビールなどの飲食接待を受けた。飲食料金は1人数千円程度で、全額、三笠フーズ側が負担した。
 飲食接待について、「仕事の込み入った話はしなかった」などと弁解しているという。農水省の調査では金銭授受などは確認されていない。元課長は、すでに退官している。
 こうした接待は、利害関係者との無許可での飲食などを禁じた国家公務員倫理規程に違反する疑いもあり、農水省は「大変遺憾」としている。また、ほかに同規程違反がないか、全職員を対象にした確認作業も始めた。

●事故米食用転売:農水省検査で偽装 内部告発1週間前、食用転売隠ぺい  毎日新聞 2008年9月7日 西部朝刊
 ◇職員立ち会い見抜けず
 三笠フーズ(大阪市北区)による事故米の食用転売問題で、福岡県筑前町の同社九州工場が8月中旬に農林水産省の立ち会い検査を受けた際、食用転売を隠してのり用の加工作業と装っていたことが分かった。同省が調査を始めるきっかけとなった内部告発のわずか1週間前で、同社の隠ぺい体質が浮き彫りになるとともに、同省の検査体制が改めて問われそうだ。

 農水省などによると、この立ち会い検査は月1回程度行われていた。同省は同社に対し、月ごとの加工計画書を提出するよう求め、これに応じて同社は毎月、月2回程度の加工作業をするとの計画書を提出。この2回の作業のうち1回については同省職員が立ち会い、計画書通りに加工されているかどうか製造工程をチェックしていたという。
 こうして行われた8月中旬の立ち会い検査で、同省職員は作業が計画書通りに行われていたことを確認したという。ただし、検査は抜き打ちではなく、毎回、事前に通告されていた上、2時間程度だった。実際には同社は立ち会い検査の際、帳簿や伝票を二重に用意し、食用転売を隠ぺい。このため同省は8月中旬の検査でも不正を見抜けず「問題なし」と結論付けたという。

 この検査から約1週間後の8月22日、同省の福岡農政事務所に「検査の時だけ、のり用の粉を作っているように偽装している」との内部告発があり、不正が発覚。発がん性の高いカビ毒「アフラトキシンB1」や、残留基準を超える有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が検出された事故米を、食用転売していた実態が判明した。
 農水省関係者は「アフラトキシンB1やメタミドホスが混入した事故米のうち、在庫で残っている分を除く大半が食用に転売されており、同社は検査の時だけ加工作業をしていた疑いが強い」と話している。

==============
 ◆九州工場の前所長一問一答  ◇「転売は父が提案」
 三笠フーズ九州工場(福岡県筑前町)の宮崎雄三前所長は6日、冬木三男社長が転売指示を認めたことを受け、工場で報道陣の取材に応じた。主なやり取りは次の通り。
 --転売を提案したのは宮崎さんの前の所長か。
 前の所長。父。そういうことになる。

 --元々は買収した企業(宮崎商店)がやっていたと社長は言っている。
 元はですね。父がやっていた会社。

 --宮崎商店で転売をやり、三笠フーズに買収された後もやっていた。
 そうです。その流れ。

 --97年以前から転売はあったのか。
 はい。

 --どのくらい前からか。
 それは定かではない。

 --三笠フーズは買収前は不正をしていなかったのか。
 それ以前の話はわからない。


●【食にメス】汚染米不正転売 消費者など眼中にない農水省 (食品問題評論家 垣田達哉)  iza ニュース 09/12 10:02更新 
   食用に使用してはいけない事故米と呼ばれるコメが、焼酎や菓子などに転用されていたことが発覚した。これは、今までの食品表示偽装とは質が違う。

 産地偽装よりももっと悪質な食の安全偽装であり、しかも、だまされた相手が、こともあろうに国(農林水産省)である。

 農水省は、事故米を不正転売していた三笠フーズに、平成16~20年に96回も立ち入り調査をしている。しかも、偽装の疑いがあるという通報は以前にも受けている。偽装を見破ることができなかったのも当然の話で、調査日を事前に連絡し、三笠フーズの帳簿や伝票だけをチェックしていたに過ぎなかった。転売先のチェックをしないで、三笠フーズの言葉だけを信用していたのである。

 もっとも、「だまされていることを公にしたくなかった」という本音が、農水省にあるのではないか。ところが今回は、摘発しないとマスコミに情報が流され、ミートホープ事件の二の舞いになると察したのか、やっと本気で調査したのではないだろうか。事故米を食べさせられている消費者のことなど、全く眼中にないのではないか。

 農水省への不信はこれだけではない。判明している転売先の企業名を最初は公表せず、次は同意を得た企業だけ公表した。「消費者に健康被害を与える可能性がないから」だという。 

 事故米から検出されたカビ毒のアフラトキシンは、「地上最強の発がん物質」といわれ、JECFA(FAO=国連食糧農業機関=とWHO=世界保健機関=の合同食品添加物専門家会議)は「遺伝毒性発がん物質なので、摂取量を可能な限り低減すべきだ」としている。

 酒や菓子類は、原料原産地表示の義務がないので、消費者は輸入米を使っているかどうかも分からない。コメ菓子などを食べずに持っている消費者もいるだろう。公表すれば、消費者は食べずに済むことができるのだ。
 ・・・・
 ●朝日・社説  汚染米問題—農水省に任せておけぬ  朝日 2008/09/13  
 農薬などで汚染された「事故米」の影響は、いったいどこまで広がっていくのか。またも信じがたい事実が明らかになった。

 工業用ののりなどにしか使えないはずの汚染米が、あろうことか、赤飯やおこわになって、病院や特別養護老人ホーム、保育園の給食として出されていたというのだ。焼酎や日本酒、菓子にとどまらず、多くの人の口に直接入っていたことになる。

 保育園などでは、残っていた米から基準を超える農薬成分が検出された。

 不正の被害は、日ごとに拡大するばかりだ。流通先は数多く、騒動の発端となった「三笠フーズ」のほかに、新たに2社が汚染米を転用していた。仕入れた酒や菓子のメーカーは全国の店に並ぶ製品の回収に追われている。

 安全な食べ物を売るという当たり前の商道徳は、なぜこれほど失われてしまったのか。「食の安全が保たれていない」などと、よその国を批判できる状況ではあるまい。

 それにしては、農林水産省の対応は危機感が薄すぎる。

 農水省は汚染米が流通した業者名の公表に積極的ではない。公表について同意が得られなかった業者名は、原則として発表していない。患者や職員らが米を食べてしまった病院名などについても、口をつぐんでいる。食品の安全衛生にかかわることは厚生労働省の管轄であり、農水省には権限がない、というのだ。

 業者が被る影響を考えてのことかもしれないが、どこまで流通したかがわからなければ、消費者はいっそう不安になる。それは結果的に業界をさらに追いつめることを忘れてはいけない。

 そもそも、汚染米の転用を招いた責任は農水省にもある。

 転用された汚染米の大半は、農水省が業者に売り渡した輸入米だ。保管中にカビが生えたり農薬成分が検出されたりしたものだが、それを「工業用」として買い取ってくれる業者は農水省にとってありがたい存在だった。

 農水省は汚染米を扱う業者の不正を見抜けなかった。その背景には、業者とのなれ合いがあったのではないか。そう勘ぐりたくもなる。

 福田首相は太田農水相に流通経路の解明などを指示した。しかし、もはや当事者の農水省だけに任せてはおけない。政府は野田消費者行政担当相のもとに情報を集約し、厚労省や自治体などとも十分連携しながら事件の全容解明に総力を挙げるべきだ。
・・の解明と再発防止の対策づくりを急ぎ、一日も早く混乱を収めてもらいたい。

●事故米不正転売  おざなり 農水省の罪 三笠フーズなど3社 138回立ち入り (1/3ページ)  サンケイ 2008.9.13 00:21
・・ ※通告
 「コメの流通は農水省の責任。長年不正を見抜けなかったことは残念」。太田誠一農水相は12日、閣議後の会見で、そう語ったが、同省は、三笠フーズに過去5年間で96回、「浅井」(名古屋市瑞穂区)と「太田産業」(愛知県小坂井町)には、42回もの立ち入り検査を実施していたが、まったく不正を見抜くことはできなかった。
 工業用米は、月に1回程度、用途通りに使用されているか検査する。だが、抜き打ちではなく、相手側の都合にあわせるため毎回、事前に通告されていた。
・・
 「一部にカビが付いた程度であれば、それを取れば普通の米と見た目はほとんど変わらない。実際に利用する段階は精米後で、一般の人は、通常の米との区別は難しい」。元農水官僚で、新潟県で環境ベンチャー企業を経営する大野孝社長は、渦中の3社がこうした点を悪用したとみる。

 ※おざなり
 悪質業者は問題だが、見逃し続けた農水省の検査自体もおざなりだった。
 「(三笠フーズへ)96回も調査しながら・・可能性さえある」と筒井議員。「政府の事故米を買ってくれる三笠フーズは農水省にとってありがたい存在だったかもしれない。何らかの癒着構造があるとしか思えない」
 
 中村学園大学(福岡県)の甲斐諭教授(流通経済学)は、「業者に事前に連絡した後に、点検に行っているやり方では何回足を運んでもダメ。書類の改竄(かいざん)が見抜けなかったというのも、監督官庁としてはどうか」。その上で「不正転売は大きな利ざやが生まれる。そういう状況では、モラルハザードが生まれ、業者のコンプライアンス(法令順守)が守られにくいことを考えた上で点検すべきだった」と、甘い検査態勢を批判した。

 風当たりが強くなる状況に、ある農水省幹部は「売却先まで調べていけば、明らかにそこ(転売元)で加工品を作っていないことが分かるわけだから、そこまで調査をすべきだった」と肩を落とした。

 ※まだ疑問
 農水省によると、平成15から20年度までに約7400トンの事故米を売却。うち、メタミドホス汚染米など用途を工業用のりに限定したものは6500トンを占めていた。しかし、工業用のりメーカー40社でつくる全国糊工業連合会の担当者は「原料の大半は小麦。米を扱う業者は聞いたことがない」。その上で「事故米の需要がそんなにあるとは思えない」と疑問を呈した。

 汚染米を政府から購入した業者は「一業者に何百、何千トンもの量を処理できるわけがない。需要も考えずに大量売却を続けた農水省の姿勢も問題」と話す。
 「事故米は安く買って、高く売れる。甘い汁が吸える構造があり、不正転売がほかにもある可能性は否定できない」。前沢教授は第4、第5の問題業者が出現することを予測している。

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