なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

インフルエンザ

2017年02月22日 | Weblog

 ひとつの病棟内で、看護師さん/看護助手さん、入院患者さんが複数インフルエンザに罹患している。病棟に入院させないようにして、面会者も制限している。来週までに治まるといいが。看護師さんたちは、子供からお母さんが移ったという家族内感染だ。患者さんたちは家族に罹患者がいたという人もいるが、あとは病棟での感染が疑われる。なんとか一桁台で押さえたい。

 

 内科地方会教育講演会 秋田大学消化器内科・飯島克則先生の講演「ヘリコバクター・ピロリ陰性時代の上部消化管疾患」

 ヘリコバクター・ピロリ(Hp)感染で、10~20%に消化性潰瘍、2~3%に胃癌が発生する。Hp感染による胃炎には、1)前庭部優位胃炎(酸分泌が保たれる、欧米に多い)と、2)胃体部優位胃炎(酸分泌が抑制される、日本に多い)がある。

 胃癌のうち、Hp陰性胃癌は0.66%と少ない。Hp陰性胃癌として、胃噴門部癌(非噴門部癌と生物学的に違う)が増加する、また胃底腺型胃癌が進行癌に進展するかどうかは不明という。

 Hpによる消化性潰瘍が減少し、消化性潰瘍は減少している。それでも消化性潰瘍の半数はいまだHp感染による。約30~40%を低用量アスピリンを含むNSAIDsによる薬剤性潰瘍。Hp感染、NSAIDsによらない原因不明の潰瘍(特発性潰瘍)の割合が世界的に増加している。

 薬剤性潰瘍(低用量アスピリンを含むNSAIDs起因性潰瘍)のリスクファクターは、1)胃十二指腸潰瘍(特に出血性潰瘍)の既往、2)高齢、3)低用量アスピリンとNSAIDsの併用、4)低用量アスピリンまたはNSAIDsと抗血小板薬、抗凝固薬、ステロイド薬との併用。

 特発性潰瘍は10%程度で、過去のHp感染と関連性のある潰瘍(Hp除菌後に潰瘍発生、胃粘膜萎縮が高度でHpの既感染疑い)を除くと5%程度。要因は、1)高齢(PGの低下)、2)肝硬変、3)その他の全身性疾患、4)精神的ストレス。PPIによる維持療法継続で対処する(有効でないとの報告も)。

 Hp除菌により、逆流性食道炎の増加から、バレット食道、バレット腺癌(食道腺癌)が増加すると予想される。(これはしょうがない)

 せっせとHpを除菌しましょう。

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