なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

次々に入院

2012年05月26日 | Weblog

 今日は内科の当直だが、1日内科の当番になっている。日直は大学病院から個人的に来てもらっている先生で、1年以上来ているので大分慣れたようだ。日直帯でいずれも80歳台女性が3名入院した。

 ひとりは認知症があり、神経因性膀胱で尿カテーテルが留置されている。3か月前に急性腎盂腎炎から敗血症性ショックとなったが、なんとか回復していた。今日は右肺に3/4を占める陰影があり、液体化していて肺膿瘍になっていた。白血球20000、CRP30と炎症反応も派手に上がっていた。

 次は基幹病院の呼吸器科に通院している在宅酸素の慢性呼吸不全の方だ。3か月前にはそこに入院していた。COPD+喘息のようだ。今日は救急要請したが、基幹病院に救急車が立て続けにないったために、受け入れできないと言われて、当院に搬入された。肥満体型で肺胞低換気(高炭酸ガス血症)があり、大学病院で気管切開を受けているという大変な症例だった。本来は当院の手に余るが、前回も乗り切れるかどうかわからないと言われており、治って退院する時も次回の増悪時は助かるかどうかわからないとも言われていた。人工呼吸はしない方針で(はずせなくなる)、自発呼吸でいけるところまでできるだけの治療をして経過をみることで家族の了解を得た。

 3人目は糖尿病・高血圧症で通院している方で、今回は右内包のラクナ梗塞だった。左不全方麻痺と構語障害が軽度にある。リハビリのよい適応だが、ケアハウス入所中で、そこはある程度自立できる人しか入れないところだ。リハビリの結果でどのくらいのADLになるかにかかっている。糖尿病の血糖コントロールも昨年後半から悪化していたので、そこも改善させたい。

 本来の当直帯になって、日直帯から外来で点滴をしていた70歳台半ばの女性を診た。左下腹部痛で内科クリニックから紹介されていた。当初は微熱だったが、急に40℃の高熱となった。左下腹部痛も断続的に続いている。左水腎症があり、尿管結石で尿路が閉塞したところに、感染症を併発したらしい。血圧は正常域だが、意識レベルが低下しているようだ。内科クリニックでけいれんがあったとされているのは悪寒戦慄だった。じっとりと汗をかいて、敗血症・DICへと進行しつつあると思われた。泌尿器科常勤医のいる基幹病院へ連絡したところ、外科系当直が幸いに泌尿器科医だった。電話で話をして、あまり重症と理解されないようだったが、診てもらえることになって救急車で搬送した。

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