なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

喘息・総胆管結石・肺炎

2016年09月23日 | Weblog

 昨日の日直の時に咳・喘鳴で受診した81歳女性が、今日再受診した。2週間以上前に上気道症状があり、その1週間後から咳・喘鳴が続いて、高血圧症で通院している内科クリニックを受診した。最初はセフェム系、その次にニューキノロンが処方されていた。喘息症状に対しては、ICS/LABAの吸入とテオフィリンが出ていた。

 胸部X線で右中肺野がちょっときたない感じがあり、胸部CTで確認すると軽度だが斑状影があり、気管支肺炎を併発していた。白血球数12000・CRP0.7だった。聴診でふつうに喘鳴が聴取される。夜間にひどくなるが、横臥できなくもないそうだ。昨日はセフトリアキソン点滴静注とデカドロン4mgの点滴静注をした。1週間くらい入院しませんかと訊くと、入院はできるだけしたくないという。500mlの点滴2本もして、夕方に帰宅として、調子が悪い時は翌日受診するよう伝えていた。話しぶりと動き方から、もともと年齢の割にはかなり元気な方と判断された。

 昨日よりはいいというが、今日は入院しますということだった。セフトリアキソンを継続して、ステロイドの点滴静注を短期間で漸減とした。ICS/LABAも使える範囲で継続とした。周囲にRSウイルス感染の小児などはいないようだ。ウイルス感染を契機に喘息症状となり、軽度の肺炎も併発したということだろうか。これまで喘息の既往はない方だった。

 昨日の当直医が、発熱・上腹部痛・嘔吐で救急搬入された82歳男性を入院させていた。肝機能障害と炎症反応上昇があり、胆嚢炎として入院させるという連絡が来ていた。今日CTを確認すると胆嚢内に結石があり、総胆管結石にもあるようだ。腹部エコーでは確認できなかったが、MRCPでは総胆管に細かな結石が多数あった。入院後は症状改善して冗談を言うくらいになっていた。当院で対応できないので、地域の基幹病院消化器内科に内視鏡治療を依頼した。後で連絡が来て、週明けに転院となった。週末はこのまま安定して過ごしてほしい。

 朝病院に来ると、救急車が到着したところだった。当直医としては、もう仕事は終わりと思っていた頃の搬入だったろう。数か月前に退院した95歳男性が今朝呼吸苦を訴えての搬入だった。この方は今年の春に誤嚥性肺炎で入院した。肺炎治癒後に嚥下訓練をしたが、訓練の時点で肺炎発症を繰り返した。通常この年齢では胃瘻造設はしていないが、家族の希望もさることながら、ご本人が嚥下以外は元気で、例外的に胃瘻に踏み切った。経管栄養が順調にいって、施設入所を複数個所申し込んだ。ところが、動きが激しくて抑制を要するが、施設では抑制ができないため、どこの施設からも断られてしまった。結局家族が施設を諦めて、自宅に引き取ったのだった。

 食欲不振で受診した時には、上行結腸癌・肝転移(肝臓全体)・肺転移だった90歳女性は、入院当初は案外食事摂取できたが、しだいに食べられなくなった。今日からは塩酸モルヒネ持続点滴でを開始した。週明けまではもたないだろう。相変わらずの雑多な診療をしている。

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