なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低体温

2017年01月09日 | Weblog

 今日も日直をしていた。90歳男性が低体温で救急搬入された。救急隊到着時は体温30.0℃。おそらく夜間にベット脇に倒れて、そのまま朝まで倒れたままだったらしい。近所の人が気づいて、ベットに戻して布団をかけて、別居の息子さんに連絡した。認知症の妻も隣のベットに寝ているが、気づかなかったのか、単に寝ていると思ったのか、何の行動も起こさなかった。

 ちょうど寺沢秀一先生の「Dr.寺沢流救急診療の極意」を読み直したところだった。第8講義に「低体温・溺水」の項がある。加温輸液と電気毛布と布団乾燥機のような低体温用の器具を使って、体温32℃まで上がった。

 画像検査を行うと、頭部CTは萎縮のみで新規病変はなかった。胸部CTで予想されたように両側肺に重度の肺炎像を認めた。年明けに、電話で息子さんに風邪を引いたと言っていたらしいが、肺炎をきたして進行していた。低酸素血症になっていたのだろう。昨年左大腿骨頸部骨折で人工骨頭置換術を受けているが、身の回りのことはできていた。新たな病気がなければ、急に動けなくなるはずはない。

 体温が32℃になると上肢をうごかすようになったが、まだ発語はなかった。肺炎と低体温の治療を継続するが、はたして軽快するだろうか。

 他には、気管支喘息発作の高齢女性、感染性腸炎の高齢女性が入院した。入院を勧めたウイルス性筋と思われる中年女性やインフルエンザ+気管支肺炎の高齢男性は、入院したくないと言って帰宅してしまった。

 年末年始6日のうち5日出勤して、この3連休は2日連続の出勤して、さすがに疲れた。

(後日記)低体温・両側肺炎の90歳男性は入院後は体温が上がって、38℃の発熱がみられた。翌日の胸部X線で両側肺の浸潤影が広がって、全体に真っ白状態だった。結局入院翌々日の早朝に亡くなった。

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