菜根譚 前集１３５項

ワイルドタイム（クリーピングタイム）

有妍必有醜為之対。
我不誇妍、誰能醜我。
有潔必有汚為之仇。
我不好潔、誰能汚我。

妍有れば必ず醜有りありて之が対を為す。
我、妍に誇らずば、誰か能く我を醜とせん。
潔有れば必ず汚有りて之が仇を為す。
我、潔を好まずば、誰か能く我を汚とせん。

 

「美醜清濁を超える」
美しいものがあると、その一方に必ず醜いものがあって、これが対になっている。
もしも自分がその美しさを誇る様な驕った心がなかったならば、誰が自分を醜いと言おうか。
また、清いものがあると、その一方に必ず汚れたものがあって、これが対になっている。
もしも自分が清いと云うことだけを好む様なことがなかったならば、誰が自分を汚れていると言おうか。

 

 

 

妍　　見目良い、美しいこと。

対・仇　　共に連れ合い、対手、対になる関係を言う。

中国では、「対」を極めて重んずる。