カトリーヌ・ド・メディシス(1519ー1589年)
絵は30代の頃のもの。
15世紀初頭のフランス王家の食事風景。
フォークやスプーンは見当たらず、
テーブル左端には手掴みで食べようとする人物も見られる。
(「ベリー公のいとも豪華な時祷書」より)
世界三大美食といえば、中華料理、トルコ料理、そしてフランス料理である。いずれも大帝国時代の宮廷料理に端を発し、周辺地域の料理を取り入れたり多くの料理人がその腕を競わせながら発展したという伝統と歴史ある料理だ。特にフランス料理は日本でも人気が高く、おしゃれなディナーを楽しみたいならフレンチを、と思う人も少なくないだろう。
ただ、現在のフランス料理はフランスで生まれたものではなく、元を辿ればイタリア料理にあるのだという。
遡ること16世紀、当時のフランス王国皇太子アンリ2世が、イタリア・フィレンツェの豪族メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスを王妃として迎えたのが切欠だ。その頃のフランス料理というのは、火を通した食材を大皿に乗せ手掴みで食べるという非常にシンプルなもので、既に食の文化が花開いていたイタリアとは雲泥の差があった。そこでフランスに嫁ぐことになったカトリーヌは、自分のお抱えの料理人や給仕人、フォークやスプーンといった食器類、そして調理器具や調理方法を持ち込んだそうだ。それだけでなく、マカロンやアイスクリームといった菓子類も、甘いものを好んだというカトリーヌが持ち込んだものだという。こうしてイタリアから持ち込まれた料理の影響を受け、フランス料理は発展を遂げた。とはいえそれを享受出来たのは上流階級の人々に限られ、一般市民が口に出来るようになるには18世紀のフランス革命を待たなければならなかった。一品ずつ料理が運ばれて来る形式も、フランスの料理人がロシアの貴族に料理を提供する時、料理の味を損なわない為にロシアでの給仕法を取り入れて生まれたという。
今日の私たちの目の前に出される一皿には、様々な地域の食文化が詰まっているのである。
ただ、現在のフランス料理はフランスで生まれたものではなく、元を辿ればイタリア料理にあるのだという。
遡ること16世紀、当時のフランス王国皇太子アンリ2世が、イタリア・フィレンツェの豪族メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスを王妃として迎えたのが切欠だ。その頃のフランス料理というのは、火を通した食材を大皿に乗せ手掴みで食べるという非常にシンプルなもので、既に食の文化が花開いていたイタリアとは雲泥の差があった。そこでフランスに嫁ぐことになったカトリーヌは、自分のお抱えの料理人や給仕人、フォークやスプーンといった食器類、そして調理器具や調理方法を持ち込んだそうだ。それだけでなく、マカロンやアイスクリームといった菓子類も、甘いものを好んだというカトリーヌが持ち込んだものだという。こうしてイタリアから持ち込まれた料理の影響を受け、フランス料理は発展を遂げた。とはいえそれを享受出来たのは上流階級の人々に限られ、一般市民が口に出来るようになるには18世紀のフランス革命を待たなければならなかった。一品ずつ料理が運ばれて来る形式も、フランスの料理人がロシアの貴族に料理を提供する時、料理の味を損なわない為にロシアでの給仕法を取り入れて生まれたという。
今日の私たちの目の前に出される一皿には、様々な地域の食文化が詰まっているのである。
教科書も間違っていた 歴史常識のウソ
伝統と起源のウソ
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