Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

日日是好日 一日一日を大切に頑張って行きましょう ξ^_^ξ

菜根譚 前集160項

2023-05-31 12:03:35 | Weblog


エゾオオマルハナバチ



信人者、人未必尽誠、己則独誠矣。
疑人者、人未必皆詐、己則先詐矣。

人を信ずる者は、人未だ必ずしも尽くは誠ならざるも、己は則ち独り誠なり。
人を疑う者は、人未だ必ずしも皆は詐らざるも、己は則ち先ず詐れり。


「信じる者と疑う者の違い」
他人を信用する人は、他人は必ずしも全てに誠があるとは限らないが、
少なくとも自分だけは誠があることになる。
これに対し、他人を疑う人は、他人は必ずしも全てに偽りがあるとは限らないが、
少なくとも自分は先ず欺いていることになる。








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戦々兢々として深淵に臨むが如く薄氷を履むが如し

2023-05-30 15:26:40 | Weblog


日々草(Madagascar periwinkle) Catharanthus roseus 楽しい思い出


政情が不安定の土地では、
いつ戦争が起こるか、
いつ逮捕、投獄、処刑され、
いつ全財産を奪われるか、
一寸先は闇であると、
人民の状態を詠ったものと解されている。

                    - 詩経 -


       ୨୧┈┈┈┈┈┈ପ✩⃛ଓ┈┈┈┈┈┈┈୨୧




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未来を夢見る前に今を生きよう p(*^-^*)q

2023-05-29 14:20:30 | Weblog


ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ、German iris)Iris germanica hybrid 
                  使者 恋のメッセージ


咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる

               - 坂村真民 (日本の仏教詩人) -

    ୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧



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菜根譚 前集158項

2023-05-29 14:12:35 | Weblog


ルピナス(昇り藤、Lupine) Lupinus spp. 想像力 いつも幸せ 
                   貪欲 あなたは私の安らぎ

前人云、抛却自家無尽蔵、沿門持鉢効貧児。
又云、暴富貧児休説夢、誰家竃裡火無烟。
一箴自眛所有、一箴自誇所有。可為学問切戒。

前人云う、「自家の無尽蔵を抛却して、門に沿い鉢を持ちて貧児に効う」と。
又云う、「暴富の貧児、夢を説くことを休めよ、誰が家の竃裡か、火に烟無からん」と。
一は、自らの所有に昧きを箴め、一は、自ら所有に誇るを箴む。
学問の切なる戒めと為すべし。






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最期の旅の準備 +。:.゚ஐ♡゚

2023-05-27 15:22:12 | Weblog


ギガンチウム(Allium) Allium giganteum 深い悲しみ 正しい主張

私はあの世なんて信じない。
だけど、着替えと、少しばかりの金は持って行くつもりさ。

        - ウディ・アレン (アメリカの映画監督、俳優、脚本家、
                     小説家、クラリネット奏者) -

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菜根譚 前集156項

2023-05-27 15:12:58 | Weblog


chives

交市人、不如友山翁、謁朱門、不如親白屋。
聴街談巷語、不如聴樵歌牧詠、談今人失徳過挙、不如述古人嘉言懿行。

市人に交わるは、山翁を友とするに如かず。
朱門に謁するは、白屋に親しむに如かず。
街談巷語を聴くは、樵歌牧詠を聞くに如かず。
今人の失徳過挙を談ずるは、古人の嘉言懿行を述ぶるに如かず。


「俗塵に染まらず、心を清ます」
町中に住む俗人と交際するのは、
山に住む老翁を友だちにするのには及ばないし、
高官、貴人に面会するのは、一般庶民と親しくするのに及ばない。
世間の噂話を聞くのは、きこりや牛飼いの歌を聞くのには及ばないし、
今の人の不徳や失敗を話し合うのは、
古の聖人や賢人の立派な言行を語り合うのには及ばない。



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菜根譚 前集154項

2023-05-25 11:31:27 | Weblog





牡丹皮は、牡丹の根の皮を乾燥したもので、生薬として用いられています。
ただ、私たちが手に入る牡丹は、芍薬の根に牡丹を接木したものがほとんどで、
これは薬用には向いてはいません。


節義傲青雲、文章高白雪、若不以徳性陶鎔之、終為血気之私、技能之末。

節義は青雲に傲り、文章は白雪よりも高きも、
若し徳性を以て之を陶鎔せずば、終に血気の私、技能の末と為らん。


「本然の徳性を養うことが肝要」
その人の正しい身の処し方は、高位高官の人をも凌ぎ、
その学問は、高尚と評判のある「白雪の曲」よりも更に高くても、
もしそれが、その人の本来具えている徳を基にしてこれを養い鍛えたものでなければ、
結局、節義は血気に逸った自分勝手な行いであり、
文章の技巧も小手先のものとなってしまうであろう。


     。.ꕤ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ꕤ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒ꕤ.。






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◆石碑が折れたことを夢枕にて知らせる 八百屋お七、鶏となる?

2023-05-24 06:48:01 | Weblog


三代目豊国『三人吉三廊初買』(さんにんきちさくるわのはつかい)
三代目岩井粂三郎のお嬢吉三 
同名三人の泥棒が主役だか、お嬢吉三は八百屋お七のイメージで描かれ、
火の見櫓で太鼓を打つ。


初代河原崎権十郎のお坊吉三


四代目市川小団次の和尚吉三


 お七は本郷追分(東京都文京区本郷弥生の辺り)の八百屋の娘。
天和二年(1682)の江戸大火で避難先の寺の小姓と恋仲になり、
翌三年三月二日、放火すればまた男に会うことができると信じ込み、火を付けて発覚、
同月二十九日、鈴ヶ森で火あぶりの刑に処せられた。十六歳。

お七の恋の対象になった人名は「吉三郎」として知られるが、
その名は西鶴『好色五人女』の作中「小野川吉三郎」と記されたのが始まりで、
後に歌舞伎によって「吉三郎」の名は定着したが、
「生田庄之助」「山田左兵衛」という諸説がある。

お七の墓は文京区白山一丁目の円乗寺にあり、
享保十七年(1732)刊の地誌『江戸砂子』の記事や、
天明四年に柳澤信鴻が実見していることから照明される。

ところで大田南畝(蜀山人)の『一話一言』(巻六)に次のような話が記載されている。

京極家の足軽某が、ある夜夢を見た。
小石川馬場の辺りを夜中に歩いていると鶏が一羽出て来た。見ると頭は少女で体は鶏である。
その鶏が足軽の裾をくわえて引っ張る。どうしたことかと訳を尋ねたところ、
その少女がいうには、「私は以前火刑になった八百屋お七です。
今以てこのような姿で浮かぶことができません、どうか弔って下さい」、
と頼むので、夢心地のまま承知した。

夢が覚め、思いがけない夢を見たものだ、と思ったが、三晩同じ夢を見た。
我慢できなくなって駒込の吉祥寺(文京区本駒込三丁目)に行って尋ねたが、
それなら小石川の円乗寺へ行って尋ねるがよいとの返事で、
この円乗寺の住持に会いに来た。
なるほどお七の墓はあるが、火事の為に石碑が折れてしまい、
無縁墓なので誰か再興する人はいないものかと考えていた矢先だとの答えで、
それならということから、その足軽が新たに墓を建て直し、弥陀の立像にお七の名を彫らせ、
法事料を納めたので法要を行なうことができた。

どういう因縁で彼がそんな夢を見たものか、と円乗寺の住職が語った。
その後、その足軽は姿を見せないそうである。
     
 
     ✼••┈┈┈┈┈┈••✼✼••┈┈┈┈┈┈••✼




                         江戸時代 怪奇事件ファイル


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こいまろぶ 病の床の くるしみの そのかたはらに 牡丹咲くなり 正岡子規

2023-05-24 06:41:48 | Weblog


牡丹(Tree peony) Paeonia suffruticosa 風格 富貴 恥じらい 人見知り



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菜根譚 前集152項

2023-05-23 11:43:07 | Weblog


チャイブス(西洋浅葱、蝦夷ネギ、Chives) Allium schoenoprasum
                   素直 柔軟性 忠実


有一念而犯鬼神之禁、一言而傷天地之和、一事而醸子孫之禍者。最宜切戒。

一念にして鬼神の禁を犯し、一言にして天地の和を傷り、
一事にして子孫の禍いを醸す者有り。最も宜しく切に戒むべし。


「一念・一言・一事の罪過」
ふとした邪念が神の掟を犯し、ちょっとした一言が世界の平和を破り、
何でもない様な事柄が禍を子孫にまで及ぼすことにもなると云うことがある。
だから、例え小さなことでも、細心の注意をして行動すべきである。


          。*⑅୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧⑅*。





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立派な人とは ꒰ 。•ω•。 ꒱

2023-05-23 11:30:43 | Weblog


シラー・カンパニュラータ(Scilla campanulata) Scilla
              変わらない愛 辛抱強い 我慢強さ 寂しさ


尊敬すべき幸福な人は、
逆境にいても、
つまらぬことはくよくよせず、
心配しても始まらないことは心配せず、
自分の力のないことは天に任せて、
自分の心掛けをよくし、
根本から再生の努力をする人である。

        - 武者小路実篤 (日本の小説家、詩人、劇作家、画家)  -




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◆相部屋の奇縁 死者、帰宅する

2023-05-22 15:47:07 | Weblog

地図、テキストの画像のようです
絵図の左に流れるのが桂川
エピソードにある二条押小路や河原町は右の鴨川近く。 (国立国会図書館蔵)

霧、湖、たそがれの画像のようです
現在の桂川の様子。

 二条押小路(京都市)に米屋治兵衛という者がいた。治兵衛は持病がある為、
但馬の城崎温泉(兵庫県豊岡市)へ湯治に行くのがここ三、四年続く習慣であった。
八月の末に、またいつもの宿に着いたが、宿の主人が気の毒そうに、
「いつもの頃ならお待ちしていましたが、例年より遅いお着きなので、
河内の国からのお客人にお貸ししてしまいました。相宿では如何でしょう」という。
「いえ、私一人のことで、相宿でお話相手ができるのも結構なこと」と告げると、
河内の人も、一人で淋しかったところだ、と迎え入れてくれた。

二人は世間話などをして楽しく日を送っていたが、やがて河内の人は予定の湯治を終え、
「これまで親しくお付き合い頂いてありがとう存じます。今後も永くお付き合い願います」との挨拶。
「いえ、こちらこそ、末永く、また折りがありましたらお訪ねします」と、
言い合って、やがて河内の客は帰って行った。

九月の十三夜の頃、京都の治兵衛の家へ、桂川辺りに住む者が、慌ただしく訪れた。
「大変です、こちらのご主人、治兵衛さんとか申されるお人が、
先頃の洪水で溺れて死にはった。溺死人が多いので、
遺体を引き揚げては名前を確かめていますが、
こちらのお名前が懐中の書き付けで分かったんでお知らせした次第で.....」とのこと。

治兵衛の息子の理兵衛は、びっくり、とるものもとりあえず急いで桂川の現場へと駆け付けた。
川辺の遺体は、水死人の為顔形も定かでないが、着類はまさしく父のもの。
懐中の縫目に米を売った書類があり、疑うべくもなく父親なので、棺をあつらえ、
京市内に帰り、河原町の万福寺に葬った。
母子は泣く泣く、一七日の仏会を行なって治兵衛の急死を嘆き合っていた。

夜が更ける頃、戸を叩く者があり、「おい、帰ったぞ、ここを開けてくれ」という。
家中は仰天し、思いもよらぬ急死を遂げた為、亡魂が迷って来たと、念仏を声高く唱え、
いよいよ深い悲しみに沈んだ。

子一ツ(夜十二時)に近い頃、隣りの戸を叩いて、大声で呼ぶ声がした。
「治兵衛が今帰って来た。わしの家へ入ろうとしたが、戸を閉めて泣き声がするばかり。
何しろ戸が開かないから、仕方がない故ここへ来た、開けて下され」
この声を聞いて、近所の家々は恐れをなし、錠を強くさして出ようとしない。
暫くしてその呼ぶ声もしなくなった。

丑三ツ(午前二時)頃、万福寺の門に疲労困憊した治兵衛が辿り着き、
「押小路の治兵衛で御座います、和尚様にお目にかかりたい......」と息も絶え絶えに訴えた。
寺男は、その声を聞いて答えなかったが、しきりに訴えるので、慄え慄え、和尚に伝えた。
和尚は、「幽魂が三途に迷うたのか、さもなくば狐狸が人をたぶらかしに来たのか、
いずれにせよ衆僧ども、よく観念せよ」と命じ、寺僧一同は鐘を鳴らし、
経を読み、客を仏前に連れて来た。

客は「何事があったのですか、何しろ昼間から何も食べておりません。
何か食べさせて下され」と訴える。
寺僧が仏前の飯を与え、食べ終わったところで、二十五条の袈裟を打ちかけ、
輪廻得脱の意を説きかけた。
客は、納得せぬ様子で、「いったいこれはどういうことです」
「汝は溺死して既に七日、業にひかれて出離す能わず、そうそうに成仏せよ!」と
数珠で頭を打ちすえた。
すると、客は、「ああ、気の毒に、河内の人は溺死したのか。儚いことだ......」と落涙した。
やがて気を取り直し、自分が河内の人と相宿になり、その人が帰国するに当り、
盗賊に旅支度を盗まれたというので、別れに際して自分の着物と帯を与えたが、
帰国の途中、桂川の洪水で溺死し、
その衣裳から人が見間違えて自分が死んだと誤解したのであろう、
それにしても思いもよらぬ不便な死だった......と繰り返し嘆いた。
和尚はようやく納得し、息子の理兵衛に父親が存命でここに健在であることを知らせた。

河内の人の家族は、いつまでも帰らぬ主人を案じ、息子が城崎まで尋ねに行き、
帰り道に桂川の溺死人のことから、京都の治兵衛の家に辿り着き、
治兵衛からいっさいの事情を聞くことができた。
息子は万福寺に行き、墓を掘り返して父親の死を確認したいと願ったが、
寺は墓を掘り返すことは堅く禁じられている為、
奉行所に届けた後、ようやく棺を開いて父親であると確め得た。

これで最初からの筋道が判明したのだった。
             

                  (『窓のすさみ』 巻一)
   


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Our peonies bloomed ◝(⑅•ᴗ•⑅)◜..°♡

2023-05-22 08:01:31 | Weblog


牡丹(Tree peony) Paeonia suffruticosa 風格 富貴
                     恥じらい 人見知り

.ꕤ‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿‿ꕤ.。


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◆臆病につけ込む ニセ幽霊の犯罪

2023-05-13 17:53:26 | Weblog

1人のイラストのようです
月岡芳年の肉筆絹本 『幽霊』

オーバーコート、テキストの画像のようです
江戸っ子に知名度が高い幽霊 お菊 月岡芳年

 文化十五年(1818)三月頃のこと。奥州若松(福島県会津若松市)で、
ある者の妻が病死した。妻を愛していた男は、死後、毎日のように妻のことを語って止まず、
遂に病気になってしまった。

するとその後、毎夜、八つ時分(午前二時)になると、男の寝ている枕元に、
亡き妻が現れて、「私が生きている時に持っていた品々が心懸かりで、浮かばれずにおります。
どうか望みの品をお渡し下さい」という。
亭主は臆病者で、言われる通り押し入れの中の簪の入れてある箱を教え、
布団を引っかぶって慄えていた。幽霊は自分で櫛・簪を取り出して持ち去った。
それ以来毎晩のように幽霊は八つ時分に来て戸を叩き、衣類も持ち去った。
男は増々病気が重くなり寝ついてしまった。
近所の心やすい友人が見舞いに来て、いろいろ問いただしたところ、
毎夜、亡妻の幽霊が出て物品を持ち去ることが分かり、
友人は妙に思って、その夜、九つ(十二時)頃から物陰に隠れて見張ることになった。
程なく定刻、例の幽霊が白装束で現れ、物品を受け取って帰ろうとする。
友人は背後から抱きとどめ、灯火に照らしてみれば白い着物を着て青ざめた顔色の不審な女、
顔を洗い流すと、かつて亡妻が病気中に看護を依頼した女とわかり、
死後に遺品を盗み取る為の芝居であると判明した。

この女は召し捕らえられて一件は落着となった。
               

                     (『文化秘筆』 巻二)
   
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 高橋作左衛門(1785~1829、幕府天文方、シーボルト事件に関与して獄死)の
子ども二人が八丈島に遠島処分になった時のことである。
他にも島送りの囚人十四人が船に乗せられて行く中に、五十五歳の婦人がいた。
その女の罪状を訊いたところ、去年(文政十二年、1829)三月、
築地(東京都中央区)辺りの大火の時、
ニセ幽霊となって人を騙し盗みを働いた罪であるという。

その方法はというと、闇の中で白い衣服の裾の下部を黒く染めたものを着、
背中に黒い板状のものを背負い、チラリチラリと人前に出る。
逃げ去る時は、背負った板が黒い為、闇に紛れて消え失せたように見える。
このようにして多くの人の眼をかすめ、家財を盗み取ることができた、という。

実に新手法である、と人々は感服していたが、文化中(1804)、永代橋が崩れた時にも、
この手のニセ幽霊事件があり、今回はその模倣犯にすぎない。
             

                        (『甲子夜話続編』 巻四十一)
   


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                         江戸時代 怪奇事件ファイル


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出来過ぎた人物ほど怪しいと思う ウンウン(( ˘꒳˘ *))

2023-05-13 12:44:22 | Weblog


黒百合(Kamchatka lily) Fritillaria camschatcensis
                   恋 (アイヌ民族の伝説から)
                  呪い(富山県の黒百合伝説から)


十人が十人とも悪く言う奴、これは善人であろうはずがない。
だからといって十人が十人ともよくいう奴、これも善人とは違う。
真の善人とは、十人のうち五人が貶し、五人が誉める人物である。

               - 孔子 (春秋時代の中国の思想家、哲学者) -




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