Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

日日是好日 一日一日を大切に頑張って行きましょう ξ^_^ξ

菜根譚 前集160項

2020-05-31 07:31:29 | Weblog


金魚草(Snapdragon) Antirrhinum majus お喋り 出しゃばり お節介


信人者、人未必尽誠、己則独誠矣。
疑人者、人未必皆詐、己則先詐矣。

人を信ずる者は、
人未だ必ずしも尽くは誠ならざるも、
己は則ち独り誠なり。
人を疑う者は、
人未だ必ずしも皆は詐らざるも、
己は則ち先ず詐れり。


「信じる者と疑う者の違い」
他人を信用する人は、他人は必ずしも全てに誠があるとは限らないが、
少なくとも自分だけは誠があることになる。
これに対し、他人を疑う人は、他人は必ずしも全てに偽りがあるとは限らないが、
少なくとも自分は先ず欺いていることになる。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集158項

2020-05-29 05:53:22 | Weblog


アジュガ(西洋十二単、Blue bugle) Ajuga reptans 強い友情 心休まる家庭

前人云、抛却自家無尽蔵、沿門持鉢効貧児。
又云、暴富貧児休説夢、誰家竃裡火無烟。
一箴自眛所有、一箴自誇所有。可為学問切戒。

前人云う、
「自家の無尽蔵を抛却して、門に沿い鉢を持ちて貧児に効う」と。
又云う、
「暴富の貧児、夢を説くことを休めよ、誰が家の竃裡か、
火に烟無からん」と。
一は、自らの所有に昧きを箴め、一は、自ら所有に誇るを箴む。
学問の切なる戒めと為すべし。


「足下を見つめて学べ」
古人は言っている
「我が家の数え切れないほどの所有物を打ち捨てておいて、
門口に沿って鉢を持ち、物乞いをする貧乏人の子供の真似をする」と。
また「俄かに金持ちとなった心貧しい者よ、
有りもしない夢のようなことを説くのは止めなさい。
いったい誰の家の竃に、火に煙のないことがあろうか」とも言っている。
前者は、自分が無尽蔵に所有しているもの(良知)に気がついていないことを戒め、
後者は、自分の所有物に対する夢のような誇りが如何に空しいものかを戒めたものである。
この両者を学問の大切な戒めとしなさい。




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集146項

2020-05-27 12:21:12 | Weblog


ライラック(紫丁香花、 Lilac) Syringa vulgaris 思い出 友情


一燈蛍然、万籟無声。
此吾人初入宴寂時也。
暁夢初醒、群動未起。
此吾人初出混沌処也。
乗此而一念廻光、烱然返照、
始知、耳目口鼻皆桎梏、而情欲嗜好悉機械矣。

一燈蛍然として、万籟声無し。
此れ吾人初めて宴寂に入るの時なり。
暁夢初めて醒め、群動未だ起こらず。
此れ吾人初めて混沌より出ずるの処なり。
此れに乗じて一念廻光し、烱然として返照せば、始めて知る。
耳目口鼻は皆桎梏にして、情欲嗜好は悉く機械なることを。


「大悟覚醒の時」
夜も更けて一灯の光もかすかになり、すべての物音も途絶える。
これこそ私が心身を静かにして真理を監察する時である。
暁の夢から醒めたばかりで、万物の活動もまだ起こらない。
これこそ私が区別のない状態から出て来て真実を見極める時である。
この様なことをして、知恵の光を廻らし、ハッキリと自分自身を反省したなら、耳目口鼻の感覚と云うものは、みな本来の心を束縛する手かせ足かせであり、
煩悩や物欲は、すべて本来の心を操り誤らせるカラクリであることが判る。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集153項

2020-05-24 14:48:19 | Weblog


雪柳(Thunberg spirea) Spiraea thunbergii 愛らしさ 気まま 殊勝


事有急之不白者、寛之或自明。
毋躁急以速其忿。
人有操之不従者、縦之或自化。
毋操切以益其頑。

事、之を急にするも白らかならざる者有り、
之を寛せば、或いは自から明らかならん。
躁ぎ急ぎ以て其の忿りを速くこと毋れ。
人、之を操るも従わざる者有り、
之を縦たば或いは自ずから化せん。
操ること切にして以て其の頑を益すこと毋れ。


「緩急の使い分け」
物事は、それを急いでしても明らかに成らないことがあり、
これをユックリすれば、自然と明らかに成ることもあるであろう。
あまり慌しく急いでやって、人の怒りを招いたりしては行けない。
また、人間は、その人を無理に拘束しようとしても従わない場合があり、
これを自由に遣りたい様にして遣れば、
自然と柔軟になって来ることもあるであろう。
あまり無理に拘束しようとして、その人を益々頑固にさせては為らない。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集149項

2020-05-20 09:08:36 | Weblog



魚網之設、鴻則罹其中。
蟷螂之貪、雀又乗其後。
機裡蔵機、変外生変。
智巧何足恃哉。

魚網の設くるや、鴻則ち其の中に罹る。
蟷螂の貪るや、雀又其の後に乗ず。
機裡に機を蔵し、変外に変を生ず。
智巧何ぞ恃むに足らんや。


「智巧は恃むに足らず」
魚を捕えようとして網を張ったところ、
魚がかからないで大雁がかかることがある。
また、カマキリが虫を取ろうと狙って夢中になっていると、
雀がその後から狙っていることがある。
この様に世間には、からくりの中にまたからくりが隠されており、
思わぬ異変のほかに、更に異変が生じて来ることがある。
だから、ちっぽけな人間の知恵や企みなどは、どうして頼むに足りようか。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集148項

2020-05-19 11:46:27 | Weblog


チューリップ(紫) Tulipa gesneriana 不滅の愛

事業文章、随身銷毀、而精神万古如新。
功名富貴、逐世転移、而気節千載一日。
君子信不当以彼易此也。

事業文章は、身に随いて銷毀すれども、精神は万古に新たなるが如し。
功名富貴は、世を逐いて転移すれども、気節は千載に一日なり。
君子は信に、当に彼を以て此に易うべからざるなり。


「亡びるものと亡びないもの」
どんなに大きな功績や深い学問も、
その人間が死ねばそれに従って消滅してしまうけれども、
人間の精神は永遠に日に日に新しく生き続ける。
どんなに高い地位や多い財産も、
世の中の移り変わりに従って、その価値は変わるけれども、
人間の意気や節操は千年一日の様に変わらない。
だから君子たるものは、本当に一時的なものを以て、
決して永久的なものに取り替える様なことがあっては行けない。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集147項

2020-05-18 11:33:31 | Weblog

反己者、触事皆成薬石、尤人者、動念即是戈矛。
一以闢衆善之路、一以濬諸悪之源。
相去霄壤矣。

己れを反みる者は、事に触れて皆薬石と成り、
人を尤むる者は、念を動かせば則ち是れ戈矛なり。
一は以って衆善の路を闢き、一は以て諸悪の源を濬くす。
相去ること霄壤なり。


「反省は己を養い、叱責は己を傷つける」
自分の言行を反省する人は、あらゆる事柄に触れると、
それがすべて自分自身の良薬となるし、
人の過失を責め咎める人は、心を動かすごとに、
それがすべて自分を傷つける刃物となる。
前者の場合は、多くの善行を積む路を開くことになり、
後者の場合は、多くの悪事を重ねる源を深くすることになる。
両者の違いは天と地ほどの雲泥の差がある。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集145項

2020-05-16 10:31:57 | Weblog


サルビア(緋衣草、Scarlet sage) Salvia splendens 尊敬 知恵
                                    良い家庭 家族愛


徳随量進、量由識長。
故欲厚其徳、不可不弘其量。
欲弘其量、不可不大其識。

徳は量に随って進み、量は識に由りて長ず。
故に、其の徳を厚くせんと欲せば、その量を弘くせざるべからず。
其の量を弘くせんと欲せば、其の識を大にせざるべからず。

「心の広さが人徳を養う」
人徳はその人の心の広さに従って進み、
その心の広さはその人の考え方に従って成長するものである。
人徳を高めようと思ったならば、その人の心を広くしなければ行けない。
その人の心を広くしようと思ったらば、
その人の考え方を向上させなくては行けない。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集144項

2020-05-15 13:20:47 | Weblog


黒百合(Kamchatka lily) Fritillaria camschatcensis 恋 呪い

饑則附、飽則颺。燠則趨、寒則棄。
人情通患也。
君子宜当浄拭冷眼。
慎勿軽動剛腸。

饑うれば則ち附き、飽けば即ち颺る。
燠なれば則ち趨き、寒ければ則ち棄つ。
人情の通患なり。
君子は宜しく当に冷眼を浄拭すべし。
慎しんで軽がるしく剛腸を動かす勿れ。


「人事人情の通弊」
食べ物に飢えている時には人に纏わりつき、
満腹になると飛び上がって離れてしまう。
こちらが裕福である時はやって来て、
貧乏になると見捨てて去ってしまう。
これが人間の感情の一般的な欠点である。
だから君子たる者は、いつも冷静に物事を見ることの出来る眼を、
曇らせない様に拭い清めておきなさい。
決して軽々しく君子としてのシッカリした気質を動揺させては行けない。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集143項

2020-05-14 12:02:55 | Weblog


鯛釣草(華鬘草、Bleeding Heart) Dicentra spectabilis
                                     あなたに従う 流れにまかせて 魅惑する勇ましさ


士君子貧、不能済物者。
遇人癡迷処、出一言提醒之、遇人急難処、出一言解救之。
亦是無量功徳。

士君子は貧なれば、物を済うこと能わざる者なり。
人の癡迷の処に遇わば、一言を出して之を提醒し、
人の急難の処に遇わば、一言を出して之を解救す。
亦是れ無量の功徳なり。


「君子の徳性」
立派な人と云うものは、とかく貧乏であるから、
人を物質的な面で救うことはできない。
しかし、愚かで迷っている人に会うと、
ちょっと言葉をかけてその迷いから呼び覚ましてやり、
また危難に苦しんでいる人に会うと、
ちょっと言葉をかけてその苦しみから救ってやる。
またこれも、立派な人が持っている計り知れないほど優れた徳性である。

 

 

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集139項

2020-05-10 05:42:05 | Weblog


ムスカリ(Grape hyacinth) Muscari  失望 失意

悪忌陰、善忌陽。
故悪之顕者禍浅、而陰者禍深。
善之顕者功小、而陰者功大。

悪は陰を忌み、善は陽を忌む。
故に、悪の顕われたる者は禍浅くして、隠れたる者は禍深し。
善の顕われたる者は功小にして、隠たる者は功大なり。


「悪は陰を忌み、善は陽を忌む」
悪いことは人目につかないことを嫌い、直ぐ表れてしまい、
善い行いは人目につくことを嫌い、隠れて人に知られ難い。
だから、表面に表れた悪いことは、それによって起こる禍いはそれほどでもなく、隠れた悪いことは、その禍いも大きい。
また、表面に表れた善い行いは、それによって起こる良い結果はそれほどでもなく、隠れた善い行いは、その良い結果も大きい。



  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菜根譚 前集138項

2020-05-09 10:36:04 | Weblog

爵位不宜太盛。
太盛則危。
能事不宜尽畢。
尽畢則衰。
行誼不宜過高。
過高則謗興而毀来。

爵位は宜しく太だ盛んにすべからず。
太だ盛んにすれば則ち危うし。
能事は宜しく尽く畢うべからず。
尽く畢うれば則ち衰う。
行誼は宜しく過だしくは高なるべからず。
過しく高なれば、則ち謗興りて毀来たる。


「過ぎたるは及ばざるが如し」
爵禄や官位も、それほどまで極めない方が良い。
あまり極め過ぎると、嫉まれて自分の身が危なくなる。
自分の優れた才能も、全部出し尽くさない方が良い。
あまり出し尽くすと、才能は結局衰えてしまう。
正しい行いもあまりに尊大に過ぎない方が良い。
あまり尊大に過ぎると、人に誹られたり貶されたりするようになる。

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする