daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

またリンク

2007-04-19 09:08:13 | 告知・紹介
先日は言ってみれば身内の紹介みたいなもんでしたが、今日は全然知らない人ばかりです。「だからこそ、アンテナを広く張っていたいものです」というのは本来、今日書くべき言葉でしたね。

まずはこちら
なんと9部作!につき、「将棋」カテゴリにリンクしておきました。
かなり読み応えのある長文です。おそらく将棋界外部の方でこれだけの分量の提言を書いた人はまずいないでしょう。こうしたことが普通に起きるのが、インターネットという世界です。

いろいろ興味深く読みましたが、中でも印象に残ったのはこの一文。
プロ棋士の価値をどこに見出すのかを考える場合、「その後の世界」においては人間主体的に「どこに価値があるのか」を考えるのではなく、「コンピュータは何ができないのか」を考えて、それに対応していかなくてはならない
この項を通じて最も根底にあるのは、「今後=コンピュータがプロより強くなってしまう世界」においての棋士・将棋界というもののあり方を考えること、だと思われます。個人的にも興味深く、また自分たちにとっての死活問題でもあるので、後日opinionで考察してみようかと思っています。


続いてこちら
このブログは以前から見ていましたが、統計というのはどこの世界にも、好きな人はいるものですね。ちなみに僕も好きです。
このエントリには僕が以前から思っているようなことがズバリと書いてあります。その前の日のエントリと合わせて読まれるとよく分かると思います。

はっきり言って、現在のシステムは「勝負の世界」を名乗るには甘すぎます。三段リーグなど、厳しい仕組みがある反面、甘い部分もあるのがいまの将棋界です。ただ、これはあくまでも内部の話ですから、棋士の意識が高まらないことには変えることはできません。こういう内容のことを書くとコメントの食いつきがいい(笑)のが常なんですが、こればっかりは自分たちで考えて決断しなきゃいけない。
これまではずっとこの仕組みでやってきたわけですが、今後の棋士は、どう変えていくかを、合わせて考えないといけない時代だと思います。そのためにはまず、この世界の仕組みというものをもっと知らないといけない。

僕は棋士になって丸3年ですが、ようやくこの世界のルールというか、いろいろな仕組みがおぼろげながら見えてきたような気がします。いままではまあそれで良かったのかもしれませんが、今後は四段になったら、普通の会社であるような、新人研修みたいなものをやったほうがいいのではないかと、そんなことを思っています。極端な話、自分の組織のことを何も知らなくてもやっていけるというのは、やっぱり変な気がするのです。


他にも書くことがあったような気がしますが、気づいたら長くなっていたので、またにします。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2007-04-21 09:15:09
かつてバックギャモンの上手い棋士がまだ若くて強かったころ「将棋は負けても対局料がもらえるから甘い。負けた奴には何もやるな」と放言していましたが、今ではそんなこといいませんけどね。

片上さんも老いて勝てなくなってからも
同じことを主張できる自信があるのでしょうね
返信する
雑感 (外野席)
2007-04-26 00:19:57
ブルドーザーは力士より強いけど、人間はブルドーザー同士の”相撲”に興味はない。人間同士の相撲がなくなることはない。将棋ソフトが強くなることと、将棋界の盛衰は別のものである。将棋ソフトの隆盛で将棋界が没落するなら、その理由は「棋士の人間性に魅力がないこと」に尽きる。そうならないことを祈る。
プロ将棋界の制度が甘いかどうかの話の前に、ビジネスの仕組みを明確にしておく必要がある。将棋連盟の顧客は誰で、商品は何で、誰がその商品の製造と販売に貢献しているか、という点だ。顧客は新聞社や放送局や将棋ファン、商品は掲載できる棋譜や観戦記、棋士の対局姿や棋譜と解説、棋士の人気を付加価値とする商品、商品製造に貢献しているのは強い棋士・勝率の良い棋士、新定跡を作る棋士・従来の定説を覆す棋士、対局姿が絵になる棋士、先の理由でスター性のある棋士・ファンの多い棋士である。棋譜だけが商品ではなくなっている。女性棋士は放送コンテンツとして高い商品価値がある。これが理解できない理事会に経営センスはない。この他に、必ずしも棋士の仕事ではないが、顧客を維持拡大する投資を行う仕事がある。これらの全体最適化を計る運営が、連盟の経営である。
事業体の収益貢献に応じて報酬を得る制度が普通であり、収益獲得に貢献していないのに報酬を得ることを”甘い”と定義するなら、対局を通じて商品(棋譜や対局姿などの放送コンテンツ)を製造できなくなった棋士は、スポンサー獲得やファンの維持拡大に就くべきではないか? 福利厚生をどうするかと、商品価値のない棋譜を作る制度の是非は分けて議論しなければならない。
一番の甘さは透明性・客観性を欠いた前近代的な経営、外部の力を経営に取り入れていないことだ。その甘さは物言わぬスポンサーの甘やかしで続いて来た。スポンサーはそれが連盟の成長を阻害してきたと反省すべきだ。例えば普及は将来の市場を維持拡大するための大事な仕事だ。中長期のビジョンが必要で、内部留保を高めて未来に投資する考えが必要だが、棋士がやれば自分達の足下の報酬に回すが、これを咎める視点はない。
囲碁界は世界戦を運営している。囲碁界と将棋界の違いがどこにあるのか、理事会は真剣に議論すべきだろう。
返信する
ビジネスのしくみ (daichan)
2007-05-02 18:46:29
>将棋連盟の顧客は誰で、商品は何で、誰がその商品の製造と販売に貢献しているか

大事な点ですよね。徐々にですが、棋士も意識するようになってきていると思います。
返信する