daichanの小部屋

ある平凡な将棋指しの日常

良いお年を

2016-12-30 20:38:29 | 日記・雑談
年内最後の更新です。

今年は本当に、いろいろなことがありました。

特に対局関連では電子機器の件の他に、記録係のことや、感染症への対応のことなど。外出禁止に伴い、対局室の禁煙も。
会館の工事に伴う代替地での対局も春と年末に2回ありました。
順位戦の日程の決め方にも変更があり、決まった一斉対局と別の日にやむなく組まれることも、例年にないほど多くありました。
すべて、今年のことです。渉外部(対局を司る部署)は、さぞ大変だったと思います。

ところで、何かを変えるというのはかなりのエネルギーを要するもので、繰り返し棋士の意見を聞いて集約していくプロセスが必要になります。
それは現在のように棋士自身が経営している状況ではなおさらで、この点外部の方に意思決定を委ねれば、そのコストはだいぶ削減できる可能性が高いです。
ただ、棋士ひとり一人が発言する場面はそれだけ減るということにもなります。

現在は棋士同士だけで話し合うために意思決定が遅れ、あるいはそのコストの大きさゆえに断念し、結果として変化できないでいる部分がいまの将棋連盟にはたくさんあると思います。
いまももちろん一生懸命やってはいますが、より迅速で合理的な意思決定のためには、外部の方にもっと入っていただいたほうが良いでしょう。
という話を、先日、信頼できる若手棋士としたばかりなので、一年の終わりに、来年以降の課題として記しておこうと思いました。
実現には、棋士ひとり一人が、経営に(金銭的な)コストを払って、意思決定を任せるという決断ができるかどうかだと思います。

そして、来年のことですが単なる「変更」ではなく「変革」の年になればいいなと、これは年賀状を書きながら思ったことです。
例年、25日ぐらいにはなるべく出すようにしていましたが、今年は28日まで全く手をつけることができず、昨日ようやく投函しました。
藤井新四段、聖の青春や3月のライオンのヒット、新名人の誕生やイケメン若手棋士への注目などなど、明るい話題もたくさんあったので、きっと来年は良い年になると信じています。

自分一人にできることは、そう多くあるわけでもないですが、来年も、自分の長所を生かして、自分にできる役割を果たして、特に後輩たちのために努力していきたいという気持ちです。
本来であればもっとお詫びを綴らないといけない時期なのかもしれませんが、年の瀬ですので行く年、来る年を想い、前向きに締めさせていただきます。

皆様どうか良いお年をお迎えください。

報告

2016-12-28 15:24:05 | 日記・雑談
クリスマスイブの対局は、藤井新四段が素晴らしい内容でデビューを飾りました。
新聞、テレビ等各種メディアで大きく取り上げられ、将棋界にとっては大変明るい話題でした。

そして週明け月曜日、昨日火曜日と、第三者調査委員会からの調査報告と、それに基づく記者会見が行われたのも既報の通りです。
こちらは大変深刻な話題でした。
一理事として、また一棋士として、将棋ファンの皆様に心よりお詫び申し上げます。

今回のことは将棋界に大きな傷と教訓を残しました。
今後このような事態を引き起こさないこと、そして三浦さんの名誉回復に努力することはもちろんです。
また来年は将棋界全体としても、ピンチをチャンスに変える発想で、良い方向に変わっていかなくてはいけないと強く思います。

そして、先輩棋士の訃報がありました。
つい最近も対局されていましたし、突然のことに驚きました。
謹んでご冥福をお祈り致します。
わが身を振り返って、元気でいることの大切さ、ありがたみを改めて思いました。

今年は思い返してみれば良いことも本当にたくさんありましたが、親友を亡くしたり、つらいことや大変なこともたくさんありました。
世相と同じぐらい、自分自身も、将棋界も、いままでにないぐらい浮き沈みの激しい一年だった気がします。
今日は仕事納めの日ですが、ブログも暗いまま終わりたくはないので、年内にもう一度更新してから、新しい年を迎えようと思います。

勝ち

2016-12-24 12:16:02 | 日記・雑談
年内最後の対局は、まずまずの内容で勝ち。
読みの中ではミスもありましたが、指し手のほうはそれなりに満足のいく内容でした◎

順位戦はまだ一つ負け越しですが、まずい内容で連敗が続いていたので、止まってひとまずホッとしました。
1月はそれなりのペースで対局が続く予定なので、年明けはさらに巻き返していきたいです。

同日、竜王戦第7局は渡辺竜王が快勝で防衛という結果に。
第6局とは逆の目が出たという印象の内容でした。

またこの日はB1順位戦もあり、帰ってから見ましたが兄弟弟子の将棋が特に面白かったです。
2人ともオーラ全開でした。まだの方はぜひ。

昨日は日帰りで宇都宮へ。
もともとは順位戦翌日の予定ではなかったので、ちょっとハードでしたが、なんとかこなせました。

高文連の先生方には毎年お世話になっていますが、関東大会にお招きいただいたのは初めてです。
過去の入賞者一覧を眺めていると当然ながら?知っている名前が数多くあり、歴史を感じました。
高校大会を観るとよく思うことですが、「全国」「代表」の近い競技なので、ぜひ多くの女子生徒に参入してほしいですね。

今日、クリスマスイブは第30期竜王戦、加藤ー藤井戦。
最年長勝利か最年少勝利か、いずれかが実現する、将棋界にとって歴史的な一日、聖なる夜です。

順位戦

2016-12-20 19:24:34 | 日記・雑談
昨日はC1順位戦の日でしたが、前に書いた通り自分の対局は延期。
あさって22日(木)に東京で指すことになりました。
年内最後の対局、頑張ります。

ところで、排水管工事の影響で後ろ倒しになったため、先週がB2とC2(前半)、今週がC1とC2(後半)とB1。
つまり全クラスの一斉対局、それにA級やB1の延期分も含め、この2週間だけでかなりの対局数が消化されることになりました。

現在、総務担当ということで建物のメンテナンスを預かる立場でもあるわけですが、その視点で言うと、工事が終わった瞬間から連日朝から未明までフル稼働に近いような状態で、いろいろと心配が尽きません。
前は中継の内容や新しいサービスのことばかり考えていましたが、立場が変わり仕事が変われば、視点もすっかり変わるものだなあと思います。
深夜に及ぶ対局は棋士にとっても大変ですが、建物にとっても大変なんですよね。
なんとかもうしばらく元気でいてもらって、限界が来る前に、早く次の手を打たないといけません。

また同じく昨日は、対局延期を受けて、二上先生のお別れの会に出席。
僕はお会いしたことはあるはずですが、お話させていただいたことは、なかったかもしれません。
会長を7期14年、それ以外も含めると役員歴は30年に及ぶそうで、これを越える方はまず現れない気がします。
きっと、ひとえに人望が厚かったのだと思います。
謹んでお悔やみを申し上げます。

今日は常務会でしたが、正直なところいくら時間があっても足りません。
一応仕事納めは例年通り28日の予定ですが、かなり大変な年の瀬になりそうです。
とにかく、自分のできることをしっかりやるしかありません。

それにしても今年は本当に激動の一年でした。
将棋界だけでなく、日本も、世界も。
今年が転換期だったと、良い意味で後世に評価されるように、努力していきたいですね。

勝ち、遠征中止

2016-12-17 22:36:09 | 日記・雑談
先日の対局は、久々に振り飛車を採用。
夕方まではせっかくうまく指せたのに、楽観から指し手が乱れてしまい、難しくなりましたがそこからは踏ん張って勝ち。
良いところも悪いところも出た一局でした。
年明けに予選決勝の楽しみが残り、良かったです。

そしてまたすぐ次の対局、のはずだったのですが相手のインフルエンザにより、延期になりました。
大阪遠征のつもりでいたので、すこしだけ日程に余裕ができた感じです。
実は昨年も同じ時期に同じことがあり、そのときは初めての不戦勝を経験しました。

この問題はなかなか対応が難しく、今年の春頃に月例報告会等でかなり議論し、現在は感染症の診断が出た場合、可能な範囲での延期を認めるという運用に落ち着いています。
無理を押して対局に来るケースが出てはいけない、さりとて正直に申告したがために不戦敗というのもやや不都合です。
また場合によっては対局スケジュールが詰まっている可能性もあり、ケースバイケースで対応せざるを得ません。
何はともあれ、この季節は特に、風邪・ウイルスに気をつけましょう。

昨日は午後、新人王の表彰式。
年に一度、この日だけは囲碁将棋合同のパーティーと決まっているのですが、今年はひときわ若い二人が主役でした。
合わせて35歳、ちょうど自分と同じでさすがにびっくり。

同日行われた棋王挑決も、22歳・五段同士の対戦でしたし、若いスターがどんどん出てきていることを実感した一日でした。
その棋王戦は、弟弟子の千田君が挑戦権を獲得。
現在の人間界では異質の強さが、いずれはスタンダードになるのかどうか、とても注目しています。


明日対局

2016-12-14 11:55:50 | 日記・雑談
王座戦です。
ちょうど1か月ぶりの対局になるので、カンを取り戻せるか不安ですが、いつも通り全力を尽くします。
思えばこのタイトルでブログを書くのはかなり久々ですね。

昨日で配管工事が無事終了し、今日から将棋会館での対局が再開となります。
順位戦の一斉対局がそのぶん後ろ倒しになっているので、対局室はしばらく満員御礼の日が続きそうです。
外出禁止は息苦しさもありますが、現状を考えるとやむを得ないでしょう。

ところで、将棋会館(東京)の工事はこれで当面終了の予定ですが、古い建物ですので、今後いつまで使い続けるのか、本当はもっと議論していかなくてはいけません。
ここ数年ははっきり言って、最低限やむを得ない手だけを指している状態でした。
来年こそは、検討する余裕を作っていきたいと思っています。

叡王戦

2016-12-12 09:11:56 | 日記・雑談
第2局、既報の通り佐藤天彦九段が勝ち、電王戦に出場することになりました。
昨日の将棋もまさに完璧で、最近の好成績も納得、とプロの誰もが感じる内容だったと思います。
来春の対戦でも、決勝戦の2局のような、完成度の高い戦いが観られることを期待しています。

こういう形で、こういうタイミングで、名人とコンピュータが対戦することになったという流れには歴史の不思議を感じます。
昨日は短い時間でしたが久々に現地にもお邪魔させていただき、担当していた頃をすこし懐かしく思い出しました。
と言っても、つい最近のことなんですけどね。本当に、いろんなことがありました。

昨日は初の英語放送も行われており、カロリーナが出させてもらうということで僕もひっそりと緊張していました。
スタートのところは家で観ていましたが、予想以上にうまく話せていてびっくり。
'shogi'にとっても歴史的な一日になったと言えるのではないでしょうか。
堀口先生は本当に大変だったと思います。どうもありがとうございました。

そして、日付変わって今日はニコ動10周年ですか。
いろいろとメモリアルでしたね。

今日は午前中に工事の報告を受けたあと、常務会、その後記者会とその忘年会。
明日はちょっとした取材と、イベントの打ち合わせなどなど。
今週は久々に対局もありますが、そのほかにも盛りだくさんです。

中継とか

2016-12-09 15:32:21 | 日記・雑談
昨日の竜王戦は、まさかの早い終局。
お昼休み明けの到着で、そこから1時間足らずで終わりましたが、むしろもっと早くてもおかしくなく、なんとか間に合ったという感じでした。
熱戦を期待していたのでいささか残念でもありましたが、トップ同士の戦いでもときどきこういうことはあります。
最終第7局は非常に大きな勝負になりましたね。

そのほかの対局では、最近朝日杯の中継が多く、早指しの将棋を堪能していますが特に昨日の澤田君はすごかった。
同期のライバル2人を相手に持将棋・千日手、(たぶん)お昼を取るヒマもなく4局指し続けて予選突破。
しかも水面下で少なくとも他に2回、千日手の変化がありました。
まさに、将棋は体力。

自分は東京に戻ってきて、今日は久々にメディアのMTGと、記者の懇親会。
前向きな話を聞きたいと思っています。

明日はパーティー週間の締めに?大橋新四段の祝賀会。
あさっては叡王戦第2局、場所は迎賓館。

再始動

2016-12-05 08:37:44 | 日記・雑談
その後、もやもやした感じが続いていましたが、昨日でようやく吹っ切れました。
特に、土曜日のイベントで多くの方と指して、トークショーでも楽しくお話できたのが、良かった気がします。
どんなときでも、とはいきませんが、できる限り、前向きな気持ちでいたいですね。
そして、将棋「界」のために、という視点を持ちたいものです。

昨日は叡王戦に注目していましたが、見たこともないような形、指し手が随所に出てきて、面白い将棋だったと思います。
流れ的にはずっと千田君のペース、しかし結果は名人の完勝。といった感じに見えました。
横綱相撲という言葉が頭に浮かびました。

来期竜王戦の抽選が終わり、加藤ー藤井戦が実現したそうですね。
62歳差はまだしも(それも無理だと思いますが)、「N世紀生まれ・N+2世紀生まれの両方と公式戦で対戦」は空前絶後の記録になるでしょう。
今年のクリスマスイブは、将棋界の聖夜、でしょうか。神ってますね。

さて今週はパーティー週間。
もちろん遊んでいるのではなく、王座・女流王将・王位と、就位式が続くのです。
他に理事会と、竜王戦での出張もあり、今夜は別の会食もあり、もちろん普通に会議もあり、連日スキのないスケジュールです。


12月

2016-12-01 09:22:26 | 日記・雑談
早いもので、師走です。
すっかり寒くなりました。
忙しいですが、なんとか元気でやっています。

ただ先日、とても腹の立つ出来事がありました。
詳しくは書きませんが、ずいぶん理不尽な目に遭ったものと、ひとしきり終わったあとは悲しい気持ちになりました。
今後、こういうことは起こらないでほしいものです。

自分ではあんまり怒らない人間だと思っていたので(勘違いなのかもしれない)、腹を立てている自分自身にかなり動揺もしました。
その結果、冷静さを欠いてミスをしてしまい、反省しています。
人生いろんなことがありますし、感情のコントロールは特に人前に出るときには重要なので、気をつけたいものです。

健康には日ごろから気をつけていますが、加えてモチベーションの維持と、ストレスへの耐性が、現代を生きる者にはとても大事だなあと思いました。
気を取り直して、今月も精いっぱい頑張ります。

囲碁界で、井山さんと、中国・韓国・AIの代表が総当たりで対局するという記事を見かけました。
世界戦に出るためのスケジュール確保がとても大変だと聞いていたので、よく実現したものと思います。
企画内容もびっくりでした。どんな結果になるんでしょうね。

今日は久々に書道の予定。
明日は通常通り出社。
あさっては毎年恒例のNTTデータでのイベント。
その後、来週のことは、また次回に。